あの子と増税メガネの秘密

モルモット

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第五話「絆と追跡」

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夜が更けるにつれ、団地の部屋での会話は続いた。キシオの心は波のように揺れ動いていた。ミカンの言葉が真実だとすれば、彼はただのニートではなく、大きな陰謀の中で重要な役割を担っていたのだ。

「でも、俺たち、これからどうすればいいんだ?」キシオは混乱の中にあっても、前を向こうとする意志を見せた。

「まずは、メガネを安全な場所に隠すことね。そして、矢崎について調べないと。」ミカンは緊張を隠しきれない様子で話した。

「矢崎って、あのスパイの…」

「そう、私を狙っている人。でも、彼だけじゃないわ。父にも敵がいるの。だからこそ、これを誰にも渡しちゃいけないの。」

「分かった、俺に任せてくれ。」キシオは自分が信じられないほど堂々と言い放った。

その夜、二人は密かにメガネを隠す場所を探し、夜明け前に古い書庫にそれを隠した。書庫の壁には隠しスペースがあり、そこにメガネを置くと、ほとんど目立たなくなった。

「これで大丈夫だろうか。」キシオが訊ねると、ミカンは小さく頷いた。

「うん、ありがとう。これで少しは…」ミカンの言葉は途切れがちだった。何かを言いたげだが、言葉にするのが難しいようだった。

彼らは書庫を出て、朝の光が差し込む街へと歩き出した。まだ人々は目覚めておらず、世界は静かだった。キシオはミカンを見て、彼女が抱える重荷を少しでも軽くできたならと思った。

「ミカン、大丈夫だ。俺たちなら、きっと…」キシオは言葉を続けるのをやめ、ミカンの手を握った。

「キシオ…」ミカンは彼の手をきつく握り返し、その瞳には感謝の光が宿っていた。

しかし、その穏やかな時間も束の間、遠くでサイレンの音が響き渡った。追手が近づいているのかもしれない。キシオとミカンは互いを見つめ合い、次なる行動を共に決めなければならなかった。街が目覚める中、彼らの戦いはまだ終わっていなかった。
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