エスパー&ソーサラー

緒方宗谷

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現人神

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 ラングは目を閉じたが、斬り裂かれる痛みは走らない。目を開けると、振り下ろされた剣はミリィ自身の心臓を貫いていた。
 「みんな・・・ごめんね・・・」
 ゆっくりと足が地につき、ミリィはラングに抱きしめられた。
 「ばかな! ここまで自我が残っておるとは!!」
 そう叫んだギレオルがルーゲイルを見やって、またミリィに視線を戻した。
 ミリィの体から煙のようなものが発生し、やがてそれは一つの塊となった。神体のようだが、どうも違うようだ。巨大なスライムのようになったそれは、突然、ギレオルとマバドザールを襲い、吸収し始めた。
 ギレオルは、抵抗しきれずに身を覆われていく。
 「なぜ、ミリィ・グランディアの体が残っておるのだ!?・・・ルーゲイル・・・、まさかお前・・・」
 「あぁ、そうだ。貴様らはそれに取り込まれ、私の一部となるのだ」
 必死に抵抗するマバドザールが叫ぶ。
 「どういうこと!? なぜ、僕たちが襲われる!!?」
 「全て私が計算し、そう組み込んでおいた」
 「なぜじゃ!!」
 ギレオルは、絶望と怒りが混在する表情で、ルーゲイルに食いかかる。
 「光体、肉体・・・、それらの中間にあるこの体より、強力な体がほしいのだ。
  私は、数多なる神々、そして現人神やミカエルたちセレスティアル・ヒエラルキーを束ねている、九人の最高位天使が持つ神体を手に入れるのだ!!」
 「裏切ったな!!」
 「裏切ったもなにも、はじめから貴様らと仲間になった覚えはない。貴様らと出会う前から、魔界に寝返っていたからな」
 完全に2人の姿が見えなくなると、干からびた二体の体が吐き出された。ルーゲイルは神体の中に腕を突っ込み2人の意識を完全に消滅させ、自らその身を神体にささげた。
 ルーゲイルの干からびた体が吐き出され、形のなかった神体は、ルーゲイルの姿に形を形成していく。
 「ふっ・・・、こうなれば、もう用はない。お前らは危険すぎるんでな・・・、死んでもらおう」
 4人に向け、光体のときは使えなかったロザリオアスセンションを放とうとした瞬間、城が形を変え始めた。
 「貴様も逆らうか・・・」
 異変を感じたエルフたちが部屋に入ってきたときには、ルーゲイルの姿はなかった。
 ちょうど4人を外に運び出したときに完全に城の形は失せ、一体の巨大な天使へと姿を変えていた。
 危険な状態の4人を治療するので精一杯のエルフたちは、なす術なくだだ動けなくなるだけだった。ルーゲイルがそれを見つめている。
 サラとウォーロックは目を覚まし、ラングも回復に向かっているが、ミリィだけはは死に向かっていた。どうすることも出来ない。
 「ミ・・・ミリィさん・・・」
 ぼやける意識の中で、サラが呟く。その時、ミリィの脈は止まった。

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