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地底湖
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ゴトッ
「・・・?」
不意に発生したサラの不安をテレパシーで感じ取ったミリィが、後ろを振り返った。
「どうしたのサラ? 早く行きましょう?」
「ごめんなさい・・・、またいけないものを踏んだみたいですぅ~」
苦笑いのサラを見て、みんなが恐る恐る近づく。サラを中心として、光が矢のように走り出して魔法陣を逆時計回りに描き、静かに消えていった。
やや間があって、ラングがみんなを見渡す。
「もしかして、ズメホス復活なんて事はないよな?」
「そっ、それはないでしょ? せめて、洞窟ごと崩れる程度にしてほしいわ」
そう言ったミリィの合図で一斉に走り出したが、何も起こる気配はない。ホッとして出口付近まで来るが、いっこうに陽の光が差し込んでくる様子はなかった。それに気付いた焦りからか、4人は早足になる。
案の定、出口は岩にふさがれている。
岩肌を触りながら、ウォーロックがミリィに言った。
「もしかして、さっきの罠ってこれじゃないか?」
「多分ね」
もう一度、地底湖に戻ることにした4人は、今来た道を歩き始める。
「さっきから、何か感じるんだけど・・・」とミリィが頬を強張らせる。
その横で、サラがミリィの腕に手を絡ませる。
「これって、普通と違いますよね?」
全く気配のなかった洞窟が殺気でいっぱいになったと思った瞬間、何かが一斉に襲い掛かってきた。
突然、黒い霧のようなものが4人に降り注ぐ。皆はそれを振り払いながら必死に走ったが、それは延々と追いかけてくる。
ミリィとサラは、対法術の防御結界を張ったが、全く効き目がない。しかし、魔力の霧とは違うらしく、皮膚が焼けることはなかった。その代わり、刺すような痛みが走り、血が流れ出すのが分かる。
真っ暗でそれが何かわからず、ミリィがヒステリックに炎を撒き散らすと、黒い塊は分散して闇の中に消えていく。しかし、すぐに大きな塊とって、また襲ってくる。
「生き物みたいだったぞ!!」
何か小さな生物が束になって襲ってきているようだ。
火炎系の呪文やサイキックで相手をすると、面白いようにバサバサと黒い塊の一部が地面に落ちる。
ソードウェーブしか使えないラングは、攻撃するたびに洞窟を破壊した。
「やめなさいよ! 生き埋めになるでしょ!?」
ほんの束の間の時間だったが、全て倒してしまったようだ。洞窟内は、また何も感じなくなっていた。そのかわり、地底湖の方から、悪魔とは違う、何かとてつもなくでかい魔力を感じる。
ミリィが現人神だったとき、神力と霊力が交じり合っていたときのように、魔力と霊力が交じり合っているようだ。
4人は、喋ろうにも喋ることができない。ただただ戦慄を覚えた。
出口はふさがれ、逃げることはできない。倒さずにここから出ることはできないだろう。4人は、恐怖にすくみそうな体を必死におして、地底湖へ向かった。
「・・・?」
不意に発生したサラの不安をテレパシーで感じ取ったミリィが、後ろを振り返った。
「どうしたのサラ? 早く行きましょう?」
「ごめんなさい・・・、またいけないものを踏んだみたいですぅ~」
苦笑いのサラを見て、みんなが恐る恐る近づく。サラを中心として、光が矢のように走り出して魔法陣を逆時計回りに描き、静かに消えていった。
やや間があって、ラングがみんなを見渡す。
「もしかして、ズメホス復活なんて事はないよな?」
「そっ、それはないでしょ? せめて、洞窟ごと崩れる程度にしてほしいわ」
そう言ったミリィの合図で一斉に走り出したが、何も起こる気配はない。ホッとして出口付近まで来るが、いっこうに陽の光が差し込んでくる様子はなかった。それに気付いた焦りからか、4人は早足になる。
案の定、出口は岩にふさがれている。
岩肌を触りながら、ウォーロックがミリィに言った。
「もしかして、さっきの罠ってこれじゃないか?」
「多分ね」
もう一度、地底湖に戻ることにした4人は、今来た道を歩き始める。
「さっきから、何か感じるんだけど・・・」とミリィが頬を強張らせる。
その横で、サラがミリィの腕に手を絡ませる。
「これって、普通と違いますよね?」
全く気配のなかった洞窟が殺気でいっぱいになったと思った瞬間、何かが一斉に襲い掛かってきた。
突然、黒い霧のようなものが4人に降り注ぐ。皆はそれを振り払いながら必死に走ったが、それは延々と追いかけてくる。
ミリィとサラは、対法術の防御結界を張ったが、全く効き目がない。しかし、魔力の霧とは違うらしく、皮膚が焼けることはなかった。その代わり、刺すような痛みが走り、血が流れ出すのが分かる。
真っ暗でそれが何かわからず、ミリィがヒステリックに炎を撒き散らすと、黒い塊は分散して闇の中に消えていく。しかし、すぐに大きな塊とって、また襲ってくる。
「生き物みたいだったぞ!!」
何か小さな生物が束になって襲ってきているようだ。
火炎系の呪文やサイキックで相手をすると、面白いようにバサバサと黒い塊の一部が地面に落ちる。
ソードウェーブしか使えないラングは、攻撃するたびに洞窟を破壊した。
「やめなさいよ! 生き埋めになるでしょ!?」
ほんの束の間の時間だったが、全て倒してしまったようだ。洞窟内は、また何も感じなくなっていた。そのかわり、地底湖の方から、悪魔とは違う、何かとてつもなくでかい魔力を感じる。
ミリィが現人神だったとき、神力と霊力が交じり合っていたときのように、魔力と霊力が交じり合っているようだ。
4人は、喋ろうにも喋ることができない。ただただ戦慄を覚えた。
出口はふさがれ、逃げることはできない。倒さずにここから出ることはできないだろう。4人は、恐怖にすくみそうな体を必死におして、地底湖へ向かった。
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