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強がりシャークの話
好きな子にイタズラするはなぜ?
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海の中に、三角が浮いています。気に生ったモモタは、波打ちぎわで眺めていました。
すると、大きな波と一緒にやって来て、たくさんの牙を光らせながら言いました。
「ガオ~、食べちゃうぞ~」
「えぇ?食べちゃうの?やだよ~」
びっくりしたモモタは、波が来ないところまで逃げました。
「お魚だったのか、なんていうの?」
「俺か?俺はサメさ」
よく見ると、モモタと同じくらいの大きさです。
「牙のせいでびっくりしたけど、お魚は僕大好きだよ、僕が食べちゃうよ」
「俺を食べる?そんなこと言ったやつは初めてだ。
食べられるものなら食べて見ろよ」
モモタが捕まえようと波打ち際に来ると、サメはヒラリヒラリと寄ってきて、たくさんの牙を見せつけます。
「わっ、ご飯が追っかけてくる~」
モモタは怖くなって、アキタ君ちんまで逃げました。
次の日、海を見に行くと、まだサメはいます。モモタはサメを食べてやろうと、もう1度挑戦しますが、やっぱり牙が怖くて、退散しました。
何度も何度も繰り返したある日のこと。
「待て待て~」
「あはははは、捕まえてごらんよ」
いつの間にか、鬼ごっこ。
それからしばらくしたある日、モモタは気が付きました。
「わっ、転んじゃった」
引き波で足が砂に前足が埋まったのです。振り返ると、たくさんの牙が迫ってきます。
「わわわわわ~、食べないで~」
モモタは怖くて縮こまります。
「ガオ~」
「きゃ~!~・・・?」
一向にパクリとされないので目を開けると、サメはモモタのそばを行ったり来たり、食べる気配がありません。
モモタは訊きました。
「もしかして、食べる気ないの?」
「あるさ、さっさと逃げないと食べちゃうぞ」
「本当は、お友達になりたいんでしょ?」
「バカ言うな、俺は海の王様だぞ」
「うっそだー、だって、僕と同じくらいの大きさじゃない」
そう言って、モモタは前足でサメをチョコリと踏みつけて、また鬼ごっこを始めました。
寂しかったサメは、お友達が欲しいと思っていたのですが、どうしたら良いか分からなかったのです。
すると、大きな波と一緒にやって来て、たくさんの牙を光らせながら言いました。
「ガオ~、食べちゃうぞ~」
「えぇ?食べちゃうの?やだよ~」
びっくりしたモモタは、波が来ないところまで逃げました。
「お魚だったのか、なんていうの?」
「俺か?俺はサメさ」
よく見ると、モモタと同じくらいの大きさです。
「牙のせいでびっくりしたけど、お魚は僕大好きだよ、僕が食べちゃうよ」
「俺を食べる?そんなこと言ったやつは初めてだ。
食べられるものなら食べて見ろよ」
モモタが捕まえようと波打ち際に来ると、サメはヒラリヒラリと寄ってきて、たくさんの牙を見せつけます。
「わっ、ご飯が追っかけてくる~」
モモタは怖くなって、アキタ君ちんまで逃げました。
次の日、海を見に行くと、まだサメはいます。モモタはサメを食べてやろうと、もう1度挑戦しますが、やっぱり牙が怖くて、退散しました。
何度も何度も繰り返したある日のこと。
「待て待て~」
「あはははは、捕まえてごらんよ」
いつの間にか、鬼ごっこ。
それからしばらくしたある日、モモタは気が付きました。
「わっ、転んじゃった」
引き波で足が砂に前足が埋まったのです。振り返ると、たくさんの牙が迫ってきます。
「わわわわわ~、食べないで~」
モモタは怖くて縮こまります。
「ガオ~」
「きゃ~!~・・・?」
一向にパクリとされないので目を開けると、サメはモモタのそばを行ったり来たり、食べる気配がありません。
モモタは訊きました。
「もしかして、食べる気ないの?」
「あるさ、さっさと逃げないと食べちゃうぞ」
「本当は、お友達になりたいんでしょ?」
「バカ言うな、俺は海の王様だぞ」
「うっそだー、だって、僕と同じくらいの大きさじゃない」
そう言って、モモタは前足でサメをチョコリと踏みつけて、また鬼ごっこを始めました。
寂しかったサメは、お友達が欲しいと思っていたのですが、どうしたら良いか分からなかったのです。
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