猫のモモタ

緒方宗谷

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しない努力家、根切り虫の話

努力のフリした横着者

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 「でも、青虫ちゃんや毛虫ちゃんの努力が無駄なわけじゃないでしょ?」
 「無駄でちゅ。
  あんなに一生懸命登ってどうすでちゅか?
  あの柿の木を見るでちゅ」
 モモタが見やると、カンカンの中で、毛虫がどんちゃん騒ぎです。
 「努力努力で登ったは良いけど、ビール三昧、ああなるために登るでちゅか?」
 あれはあれで考えものです。
 「蝶々さんはどう?一生懸命大根の葉っぱに登って、とても綺麗な羽を生やすんだよ」
 芋虫は笑います。
 「誰のための羽でちゅか?みんな虫取り網で取られてしまうでちゅよ。
  虫かごに入れられるために、努力しゅりゅなんて、ばかでちゅ」
 なんて態度だと思うモモタの横を、お隣の芋虫がどこかへお出かけの様子。
 「あれ?引っ越すんでちゅか?」ごろ寝の芋虫が訊きました。
 「うん、3本も倒しまちたから、しょろしょろ人間に怒られちゃいまちゅ」
 そう言って出ていく芋虫に、ごろ寝の芋虫が言います。
 「あと2,3本大丈夫でちゅよ」
 今度は右隣の芋虫が、お引越しです。向かいの畝に住処を変える様です。
 「すぐ向かいじゃ、あまり変わらないね」とモモタが言いました。
 「ここより葉っぱが多いでちゅから、大違いでちゅ」
 ごろ寝の芋虫がそう言うので、モモタは訊きました。
 「君は引っ越さないの?」
 「僕はもうすぐサナギでちゅから、もう葉っぱはたくさんでちゅよ。
  もうここでのんびりしまちゅ」
 次の日に、お散歩をしていると、芋虫のいる畑に人間がいるので、モモタは行っみました。引っ越したばかりの芋虫が、割り箸につままれて、連れて行かれるところでです。
 「おじいさん、根きり虫を見つけましたよ」
 「おお、そうか、あいつらにくれてやれ」
 おじいさんの言葉に、玄関先にいたニワトリたちが大喜びです。
 やっぱり毛虫や青虫のように、一生懸命ご飯を食べて、早く飛んでいけるようになるのが良いんじゃないかな、と思うモモタでした。








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感想 1

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