猫のモモタ

緒方宗谷

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一緒に暮らすの大得意イタチの話

誰かがやるから許せない

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 ブーちゃんが中くらいのマスを捕まえました。みんなで分けるか悩むことなく、1人で食べてしまいました。
 それを見たモモタは、訊いてみました。
 「みんなで分ける決まりじゃないの?」
 「良いんだよ、だってギーちゃんはとても大きなマスを捕まえたのに、僕たちに分けてくれなかったんだもん」
 たまたま見ていたギーちゃんは、走ってやって来て、ブーちゃんを咬んでイジメだしました。
 「やめなよ、なんでそこまでするの?血が出てるじゃない」
 モモタはブーちゃんを庇いましたが、騒ぎを聞きつけてやってきた巣のみんなは言いました。
 「中くらいのマスなら、僕たちでも捕まえられるかもしれないな。
  もし捕まえたら、僕は間違いなく、みんなと分けたね」
 「そうよ、わたしも分けたわ」
 ブーちゃんが反論します。
 「ギーちゃんだって分けなかったじゃん」
 みんなは、自分ほどもある大きなマスを捕まえるところなど、想像もつきません。
 「ギーちゃんは関係ないわ、だってすごいんだもの。
  その話を聞いて憧れちゃったわ」
 モモタは言いました。
 「君たちはブーちゃんを責めるけど、君も君も君も、それから君も、小さなマスを取って、1匹で食べちゃってるよね?」
 「それは・・・」
 みんなバツが悪そうです。1匹のイタチが言いました。
 「大きなマスや中くらいのマスを分けてくれない方がどうかしてるよ。
  それと比べれば、僕たちは大したことしてないよ」
 その話を聞いたみんなは、「そうだそうだ」の大合唱です。開き直って言いました。
 「僕たちみんな悪くないよ」
 結局みんな隠れて、取ったマスを1匹で食べていた様子。
 大きかろうが小さかろうが、約束破りには変わりないよ、と思うモモタでしたが、言う勇気がありませんでした。

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