236 / 514
愛を語るペルシャ猫の話
言葉の理由を見る視力
しおりを挟む
とても大きなお家が、いくつも並んでいます。
どこのお家のお庭で遊ぼうかと考えながら、モモタは塀の上を歩いていました。
「あら?見慣れない猫ちゃんね?」
モモタが声の方を見ると、出窓の内側に、ふわふわで青みがかった毛色のペルシャ猫がいます。
「わっ、なんて可愛い猫ちゃんなの!」
一目ぼれでした。
それからというもの、モモタは毎日毎日、ペルシャ猫のマリーちゃんに会いに行きました。
「マリーちゃん、お魚のソーセージを貰ったから、一緒に食べようよ」
モモタは、昨日もらったおやつを食べずに我慢して、丘の上まで持って来て言いました。
「ごめんなさいね、わたし、ご飯食べたばかりで、お腹が空いていないのよ」
せっかく持ってきたのにガッカリです。
ですがモモタは諦めません。可愛いマリーちゃんにゾッコンでしたから、毎日毎日プレゼントを持って、出かけて行きました。
「マリーちゃん、今日はお魚を持ってきたんだ。
とってもおいしいから、良かったらどうぞ」
「あら、嬉しいわね、ありがとう。
でも、遠慮するわ」
「どうして?下のお魚屋さんでもらってきた、ピチピチのヒラメだよ」
マリーは、ニッコリとほほ笑んでくれはしましたが、やっぱりもらってはくれませんでした。
「どうしてもらってくれないの?僕、マリーちゃんの事が好き好き大好きで、居ても立ってもいられないんだ」
しょんぼりするモモタに、マリーは優しく言います。
「わたしにプレゼントをくれるのは、わたしのためにではないの。
あなたのためにわたしにくれるのよ。
だから、わたしは貰えないわ。あなたご自身でお食べになって」
「僕にために、君にあげてるの?」
モモタには、マリーが何を言っているのか分かりません。
「あなたはわたしに愛してほしいのでしょう?そう思ってくれるのは、とても嬉しいわ」
そう言い終わると、マリーはご主人様のところに呼ばれて行きました。
どこのお家のお庭で遊ぼうかと考えながら、モモタは塀の上を歩いていました。
「あら?見慣れない猫ちゃんね?」
モモタが声の方を見ると、出窓の内側に、ふわふわで青みがかった毛色のペルシャ猫がいます。
「わっ、なんて可愛い猫ちゃんなの!」
一目ぼれでした。
それからというもの、モモタは毎日毎日、ペルシャ猫のマリーちゃんに会いに行きました。
「マリーちゃん、お魚のソーセージを貰ったから、一緒に食べようよ」
モモタは、昨日もらったおやつを食べずに我慢して、丘の上まで持って来て言いました。
「ごめんなさいね、わたし、ご飯食べたばかりで、お腹が空いていないのよ」
せっかく持ってきたのにガッカリです。
ですがモモタは諦めません。可愛いマリーちゃんにゾッコンでしたから、毎日毎日プレゼントを持って、出かけて行きました。
「マリーちゃん、今日はお魚を持ってきたんだ。
とってもおいしいから、良かったらどうぞ」
「あら、嬉しいわね、ありがとう。
でも、遠慮するわ」
「どうして?下のお魚屋さんでもらってきた、ピチピチのヒラメだよ」
マリーは、ニッコリとほほ笑んでくれはしましたが、やっぱりもらってはくれませんでした。
「どうしてもらってくれないの?僕、マリーちゃんの事が好き好き大好きで、居ても立ってもいられないんだ」
しょんぼりするモモタに、マリーは優しく言います。
「わたしにプレゼントをくれるのは、わたしのためにではないの。
あなたのためにわたしにくれるのよ。
だから、わたしは貰えないわ。あなたご自身でお食べになって」
「僕にために、君にあげてるの?」
モモタには、マリーが何を言っているのか分かりません。
「あなたはわたしに愛してほしいのでしょう?そう思ってくれるのは、とても嬉しいわ」
そう言い終わると、マリーはご主人様のところに呼ばれて行きました。
0
あなたにおすすめの小説
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)
tomoharu
児童書・童話
え?こんな話絶対ありえない!作り話でしょと思うような話からあるある話まで幅広い範囲で物語を考えました!ぜひ読んでみてください!数年後には大ヒット間違いなし!!
作品情報【伝説の物語(都道府県問題)】【伝説の話題(あだ名とコミュニケーションアプリ)】【マーライオン】【愛学両道】【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】【トモレオ突破椿】など
・【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】とは、その話はさすがに言いすぎでしょと言われているほぼ実話ストーリーです。
小さい頃から今まで主人公である【紘】はどのような体験をしたのかがわかります。ぜひよんでくださいね!
・【トモレオ突破椿】は、公務員試験合格なおかつ様々な問題を解決させる話です。
頭の悪かった人でも公務員になれることを証明させる話でもあるので、ぜひ読んでみてください!
特別記念として実話を元に作った【呪われし◯◯シリーズ】も公開します!
トランプ男と呼ばれている切札勝が、トランプゲームに例えて次々と問題を解決していく【トランプ男】シリーズも大人気!
人気者になるために、ウソばかりついて周りの人を誘導し、すべて自分のものにしようとするウソヒコをガチヒコが止める【嘘つきは、嘘治の始まり】というホラーサスペンスミステリー小説
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
にゃんとワンダフルDAYS
月芝
児童書・童話
仲のいい友達と遊んだ帰り道。
小学五年生の音苗和香は気になるクラスの男子と急接近したもので、ドキドキ。
頬を赤らめながら家へと向かっていたら、不意に胸が苦しくなって……
ついにはめまいがして、クラクラへたり込んでしまう。
で、気づいたときには、なぜだかネコの姿になっていた!
「にゃんにゃこれーっ!」
パニックを起こす和香、なのに母や祖母は「あらまぁ」「おやおや」
この異常事態を平然と受け入れていた。
ヒロインの身に起きた奇天烈な現象。
明かさられる一族の秘密。
御所さまなる存在。
猫になったり、動物たちと交流したり、妖しいアレに絡まれたり。
ときにはピンチにも見舞われ、あわやな場面も!
でもそんな和香の前に颯爽とあらわれるヒーロー。
白いシェパード――ホワイトナイトさまも登場したりして。
ひょんなことから人とネコ、二つの世界を行ったり来たり。
和香の周囲では様々な騒動が巻き起こる。
メルヘンチックだけれども現実はそう甘くない!?
少女のちょっと不思議な冒険譚、ここに開幕です。
美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)
ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
笑いの授業
ひろみ透夏
児童書・童話
大好きだった先先が別人のように変わってしまった。
文化祭前夜に突如始まった『笑いの授業』――。
それは身の毛もよだつほどに怖ろしく凄惨な課外授業だった。
伏線となる【神楽坂の章】から急展開する【高城の章】。
追い詰められた《神楽坂先生》が起こした教師としてありえない行動と、その真意とは……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる