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自分を信じるノミ
多くなく、足りなくもなく
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岬に立つお家に、大きなセントバーナードを連れたお圭さんというおばあちゃんが遊びに来ました。
モモタがお世話になっているおばあちゃんの幼馴染です。
お圭さんの歩みに合わせてゆっくりと歩くセントバーナードの背中で、1匹のノミがどこまでも高くどこまでも広い空を見上げていました。
お圭さんのお家からここまでは、とても遠くに感じます。
小さな村から林を抜けて、長い丘を登って、花の香りが微かに香るころで顔をあげると、ようやく到着です。
お庭に入るまで、ショー君と言う名の蚤は、ずっと空を見ていました。
お家からここまで雲一つない青空でした。
丘の向こうを見るとお家があって空は見えませんが、お家の向こうは今までと同じで、雲一つない青空が広がっているのでしょう。
ショー君は、ふと思いました。あの青いところまで言ってみたい、と。
そこで、ショー君は高く飛んでみたい、と練習をはじめます。
それに気が付いたセントバーナードが言いました。
「今いる場所にだって、気が付いていない幸せはたくさんあるよ。
僕は、ご主人様とのんびり歩くことで、足元の草の合間に隠れたお友だちとも知り合えたしね」
すると、休憩がてらにショー君は言いました。
「確かに、君の言う通りかもしれないね。
でも、飛び出さないから知ることが出来ない幸せもあると思うんだ。
それに、君の背中が幸せかどうかは、他のお友だちの背中に住んでみないと比べられないよ」
そう言い終えたショー君は、モモタに訊きました。
「君は、とても遠くからここまで旅行してきたんだろ?
その話を聞かせてくれよ」
モモタは、快く今までの出来事を話して聞かせました。
身を乗り出して聞いていたショー君は、聞き終ると目を輝かせて立ち上がりました。
「いいことばかりじゃないかもしれないけれど、やっぱり僕は高く飛べるようになってみせるぞ。
それでもし高く飛ばなければよかったって思うことがあっても、それを知れただけ幸せなんだ。
次飛ぶ時は、もう少し低く飛んでみようとか、右に飛んでみようとか、左に飛んでみようとか、楽しみながら飛んでみればいいんだ。
それに、この背中に戻ってきたりして、ああ、やっぱりここが落ち着くってのんびりするのも幸せかもしれないぞ」
セントバーナードが言います。
「僕は今のままでいいかな。
僕は早くも走らないし、色々なところをお散歩するわけじゃないけれど、おばあちゃんと歩いていて、とても幸せだからね」
幸せはそれぞれです。
モモタがお世話になっているおばあちゃんの幼馴染です。
お圭さんの歩みに合わせてゆっくりと歩くセントバーナードの背中で、1匹のノミがどこまでも高くどこまでも広い空を見上げていました。
お圭さんのお家からここまでは、とても遠くに感じます。
小さな村から林を抜けて、長い丘を登って、花の香りが微かに香るころで顔をあげると、ようやく到着です。
お庭に入るまで、ショー君と言う名の蚤は、ずっと空を見ていました。
お家からここまで雲一つない青空でした。
丘の向こうを見るとお家があって空は見えませんが、お家の向こうは今までと同じで、雲一つない青空が広がっているのでしょう。
ショー君は、ふと思いました。あの青いところまで言ってみたい、と。
そこで、ショー君は高く飛んでみたい、と練習をはじめます。
それに気が付いたセントバーナードが言いました。
「今いる場所にだって、気が付いていない幸せはたくさんあるよ。
僕は、ご主人様とのんびり歩くことで、足元の草の合間に隠れたお友だちとも知り合えたしね」
すると、休憩がてらにショー君は言いました。
「確かに、君の言う通りかもしれないね。
でも、飛び出さないから知ることが出来ない幸せもあると思うんだ。
それに、君の背中が幸せかどうかは、他のお友だちの背中に住んでみないと比べられないよ」
そう言い終えたショー君は、モモタに訊きました。
「君は、とても遠くからここまで旅行してきたんだろ?
その話を聞かせてくれよ」
モモタは、快く今までの出来事を話して聞かせました。
身を乗り出して聞いていたショー君は、聞き終ると目を輝かせて立ち上がりました。
「いいことばかりじゃないかもしれないけれど、やっぱり僕は高く飛べるようになってみせるぞ。
それでもし高く飛ばなければよかったって思うことがあっても、それを知れただけ幸せなんだ。
次飛ぶ時は、もう少し低く飛んでみようとか、右に飛んでみようとか、左に飛んでみようとか、楽しみながら飛んでみればいいんだ。
それに、この背中に戻ってきたりして、ああ、やっぱりここが落ち着くってのんびりするのも幸せかもしれないぞ」
セントバーナードが言います。
「僕は今のままでいいかな。
僕は早くも走らないし、色々なところをお散歩するわけじゃないけれど、おばあちゃんと歩いていて、とても幸せだからね」
幸せはそれぞれです。
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