291 / 514
生まれ変わりたい黄丸の話
することはみんな考えていること
しおりを挟む
山間の集落にも春がやってきました。
色々なところでお花が咲き始めます。
でも、お家がある所以外はみんな田んぼでしたので、たくさんのお花があるわけではありません。
それでも黄丸や黒丸、蝶々など、たくさんの虫たちがお花の上を飛び回っています。
その中に、一生懸命はたらく黄丸がいました。
あまりに一生懸命働くので、モモタは初め、蜜蜂の働き蜂と勘違いしました。
小さな天守閣のようなお家のお庭に植えてあったツツジの蜜を集めていた働き者の黄丸に、他の黄丸が言いました。
「良いですね、フィーナはそんなに蜜を集められて」
「蜜貯めたいの?」
「当り前じゃないですか」
「そうなの?じゃあ貯めれば良いじゃん」
フィーナにそう言われたお友達は、少しムッとしたようにため息をついて言います。
「貯められませんよ」
「そんなことないよ、貯めれば貯めた分だけ貯まるんだよ」
「どうやったら貯められるんです?」
「溜めれば貯められるでしょ?」
「貯まりませんよ、両手に持っている蜜はこれだけですよ。食べたらお終い」
「もっと持って帰ればいいでしょ?何で持って帰らないの?」
「みんなこの蜜の量でやっているのよ」
「だからって、その蜜の量でやっていかなければならないわけではないでしょう?」
「この量じゃなきゃできない蜂もいるのよ」
「何でもっと取ろうとしないの?取らずにウロウロしていないで、取ればいいのに」
「わたしたちは頑張っているの。誰もがたくさん取れるわけではないのよ」
「出来ない出来ないを理由にしているだけ」
「だってみんなはそれでやっているんですよ」
「みんなと同じことしてるから、いつまで経ってもみんなと同じなんじゃん」
モモタは、フィーナちゃんたちのやり取りを聞いていて、思ったことを言いました。
「蜜蜂のみんなはあれでやってるんだから、あれでやってみたら?」
「蜜蜂は初めからああなのよ。
わたしたちは黄丸なんだから、黄丸らしくしなきゃ」
すると、今度はフィーナちゃんがムッとした感じで言いました。
「スーちゃんがみんなみたいにやっているからって、わたしがやらなきゃいけないわけじゃないじゃん。
わたしは蜜蜂になりたいの」
そう言って、フィーナちゃんは飛んで行きました。
色々なところでお花が咲き始めます。
でも、お家がある所以外はみんな田んぼでしたので、たくさんのお花があるわけではありません。
それでも黄丸や黒丸、蝶々など、たくさんの虫たちがお花の上を飛び回っています。
その中に、一生懸命はたらく黄丸がいました。
あまりに一生懸命働くので、モモタは初め、蜜蜂の働き蜂と勘違いしました。
小さな天守閣のようなお家のお庭に植えてあったツツジの蜜を集めていた働き者の黄丸に、他の黄丸が言いました。
「良いですね、フィーナはそんなに蜜を集められて」
「蜜貯めたいの?」
「当り前じゃないですか」
「そうなの?じゃあ貯めれば良いじゃん」
フィーナにそう言われたお友達は、少しムッとしたようにため息をついて言います。
「貯められませんよ」
「そんなことないよ、貯めれば貯めた分だけ貯まるんだよ」
「どうやったら貯められるんです?」
「溜めれば貯められるでしょ?」
「貯まりませんよ、両手に持っている蜜はこれだけですよ。食べたらお終い」
「もっと持って帰ればいいでしょ?何で持って帰らないの?」
「みんなこの蜜の量でやっているのよ」
「だからって、その蜜の量でやっていかなければならないわけではないでしょう?」
「この量じゃなきゃできない蜂もいるのよ」
「何でもっと取ろうとしないの?取らずにウロウロしていないで、取ればいいのに」
「わたしたちは頑張っているの。誰もがたくさん取れるわけではないのよ」
「出来ない出来ないを理由にしているだけ」
「だってみんなはそれでやっているんですよ」
「みんなと同じことしてるから、いつまで経ってもみんなと同じなんじゃん」
モモタは、フィーナちゃんたちのやり取りを聞いていて、思ったことを言いました。
「蜜蜂のみんなはあれでやってるんだから、あれでやってみたら?」
「蜜蜂は初めからああなのよ。
わたしたちは黄丸なんだから、黄丸らしくしなきゃ」
すると、今度はフィーナちゃんがムッとした感じで言いました。
「スーちゃんがみんなみたいにやっているからって、わたしがやらなきゃいけないわけじゃないじゃん。
わたしは蜜蜂になりたいの」
そう言って、フィーナちゃんは飛んで行きました。
0
あなたにおすすめの小説
ノースキャンプの見張り台
こいちろう
児童書・童話
時代劇で見かけるような、古めかしい木づくりの橋。それを渡ると、向こう岸にノースキャンプがある。アーミーグリーンの北門と、その傍の監視塔。まるで映画村のセットだ。
進駐軍のキャンプ跡。周りを鉄さびた有刺鉄線に囲まれた、まるで要塞みたいな町だった。進駐軍が去ってからは住宅地になって、たくさんの子どもが暮らしていた。
赤茶色にさび付いた監視塔。その下に広がる広っぱは、子どもたちの最高の遊び場だ。見張っているのか、見守っているのか、鉄塔の、あのてっぺんから、いつも誰かに見られているんじゃないか?ユーイチはいつもそんな風に感じていた。
あだ名が242個ある男(実はこれ実話なんですよ25)
tomoharu
児童書・童話
え?こんな話絶対ありえない!作り話でしょと思うような話からあるある話まで幅広い範囲で物語を考えました!ぜひ読んでみてください!数年後には大ヒット間違いなし!!
作品情報【伝説の物語(都道府県問題)】【伝説の話題(あだ名とコミュニケーションアプリ)】【マーライオン】【愛学両道】【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】【トモレオ突破椿】など
・【やりすぎヒーロー伝説&ドリームストーリー】とは、その話はさすがに言いすぎでしょと言われているほぼ実話ストーリーです。
小さい頃から今まで主人公である【紘】はどのような体験をしたのかがわかります。ぜひよんでくださいね!
・【トモレオ突破椿】は、公務員試験合格なおかつ様々な問題を解決させる話です。
頭の悪かった人でも公務員になれることを証明させる話でもあるので、ぜひ読んでみてください!
特別記念として実話を元に作った【呪われし◯◯シリーズ】も公開します!
トランプ男と呼ばれている切札勝が、トランプゲームに例えて次々と問題を解決していく【トランプ男】シリーズも大人気!
人気者になるために、ウソばかりついて周りの人を誘導し、すべて自分のものにしようとするウソヒコをガチヒコが止める【嘘つきは、嘘治の始まり】というホラーサスペンスミステリー小説
ぽんちゃん、しっぽ!
こいちろう
児童書・童話
タケルは一人、じいちゃんとばあちゃんの島に引っ越してきた。島の小学校は三年生のタケルと六年生の女子が二人だけ。昼休みなんか広い校庭にひとりぼっちだ。ひとりぼっちはやっぱりつまらない。サッカーをしたって、いつだってゴールだもん。こんなにゴールした小学生ってタケルだけだ。と思っていたら、みかん畑から飛び出してきた。たぬきだ!タケルのけったボールに向かっていちもくさん、あっという間にゴールだ!やった、相手ができたんだ。よし、これで面白くなるぞ・・・
「いっすん坊」てなんなんだ
こいちろう
児童書・童話
ヨシキは中学一年生。毎年お盆は瀬戸内海の小さな島に帰省する。去年は帰れなかったから二年ぶりだ。石段を上った崖の上にお寺があって、書院の裏は狭い瀬戸を見下ろす絶壁だ。その崖にあった小さなセミ穴にいとこのユキちゃんと一緒に吸い込まれた。長い長い穴の底。そこにいたのがいっすん坊だ。ずっとこの島の歴史と、生きてきた全ての人の過去を記録しているという。ユキちゃんは神様だと信じているが、どうもうさんくさいやつだ。するといっすん坊が、「それなら、おまえの振り返りたい過去を三つだけ、再現してみせてやろう」という。
自分の過去の振り返りから、両親への愛を再認識するヨシキ・・・
14歳で定年ってマジ!? 世界を変えた少年漫画家、再起のノート
谷川 雅
児童書・童話
この世界、子どもがエリート。
“スーパーチャイルド制度”によって、能力のピークは12歳。
そして14歳で、まさかの《定年》。
6歳の星野幸弘は、将来の夢「世界を笑顔にする漫画家」を目指して全力疾走する。
だけど、定年まで残された時間はわずか8年……!
――そして14歳。夢は叶わぬまま、制度に押し流されるように“退場”を迎える。
だが、そんな幸弘の前に現れたのは、
「まちがえた人間」のノートが集まる、不思議な図書室だった。
これは、間違えたままじゃ終われなかった少年たちの“再スタート”の物語。
描けなかった物語の“つづき”は、きっと君の手の中にある。
美少女仮面とその愉快な仲間たち(一般作)
ヒロイン小説研究所
児童書・童話
未来からやってきた高校生の白鳥希望は、変身して美少女仮面エスポワールとなり、3人の子ども達と事件を解決していく。未来からきて現代感覚が分からない望みにいたずらっ子の3人組が絡んで、ややコミカルな一面をもった年齢指定のない作品です。
にゃんとワンダフルDAYS
月芝
児童書・童話
仲のいい友達と遊んだ帰り道。
小学五年生の音苗和香は気になるクラスの男子と急接近したもので、ドキドキ。
頬を赤らめながら家へと向かっていたら、不意に胸が苦しくなって……
ついにはめまいがして、クラクラへたり込んでしまう。
で、気づいたときには、なぜだかネコの姿になっていた!
「にゃんにゃこれーっ!」
パニックを起こす和香、なのに母や祖母は「あらまぁ」「おやおや」
この異常事態を平然と受け入れていた。
ヒロインの身に起きた奇天烈な現象。
明かさられる一族の秘密。
御所さまなる存在。
猫になったり、動物たちと交流したり、妖しいアレに絡まれたり。
ときにはピンチにも見舞われ、あわやな場面も!
でもそんな和香の前に颯爽とあらわれるヒーロー。
白いシェパード――ホワイトナイトさまも登場したりして。
ひょんなことから人とネコ、二つの世界を行ったり来たり。
和香の周囲では様々な騒動が巻き起こる。
メルヘンチックだけれども現実はそう甘くない!?
少女のちょっと不思議な冒険譚、ここに開幕です。
独占欲強めの最強な不良さん、溺愛は盲目なほど。
猫菜こん
児童書・童話
小さな頃から、巻き込まれで絡まれ体質の私。
中学生になって、もう巻き込まれないようにひっそり暮らそう!
そう意気込んでいたのに……。
「可愛すぎる。もっと抱きしめさせてくれ。」
私、最強の不良さんに見初められちゃったみたいです。
巻き込まれ体質の不憫な中学生
ふわふわしているけど、しっかりした芯の持ち主
咲城和凜(さきしろかりん)
×
圧倒的な力とセンスを持つ、負け知らずの最強不良
和凜以外に容赦がない
天狼絆那(てんろうきずな)
些細な事だったのに、どうしてか私にくっつくイケメンさん。
彼曰く、私に一目惚れしたらしく……?
「おい、俺の和凜に何しやがる。」
「お前が無事なら、もうそれでいい……っ。」
「この世に存在している言葉だけじゃ表せないくらい、愛している。」
王道で溺愛、甘すぎる恋物語。
最強不良さんの溺愛は、独占的で盲目的。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる