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いつもと同じが一番の羽アリの話
特別なんて特別じゃないよ
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今日、モモタは姫ちゃんとお散歩です。
最近たくさんの羽アリが空を飛んでいて、姫ちゃんは楽しそうです。
姫ちゃんは、男の子ウォッチング。
「あら、あの羽アリ、なかなか格好良いわ」
モモタが見ると、きりっとした感じの羽アリです。
姫ちゃんが別の羽アリを指差します。
「あっちの羽アリは強そうね、お家の巣にはいないタイプ」
モモタが見ると、もりっとした感じの羽アリです。
来る日も来る日も、姫ちゃんはモモタのおでこで、男の子ウォッチングをしていました。
モモタは、羽アリの見た目の良しあしは分かりませんが、ちょっとした匂いの違いで良し悪しを判断して言いました。
「向こうの羽アリは優しそうだよ」
「どれ?本当ね、でもナヨナヨしてるわ」
「じゃあ、そこにいるのは?素早そうだよ」
「ナヨナヨはしてないけど、優しくなさそう」
姫ちゃんは、話しているうちにだんだん興味を失っていきました。
毎日そうです。初めは色々な羽アリに興味津々なのですが、少しすると考えていることがあっちに行ったりこっちに来たりし始めます。
今日は、まだ実の生っていない葡萄の木があるお庭を見つけて、思いをはせていました。
そんなこんなのある日の昼下がり、モモタの背中に1匹の羽アリの男の子が舞い降りました。
「こんにちは、お散歩の邪魔してごめんね」
そう言う男の子に、姫ちゃんは快くモモタの背中をかしてあげて訊きました。
「あら、こんにちは、どこから来たの?」
「僕、鈴木さんちから来たんだ。
ちょっと疲れちゃったから、休ませて」
鈴木さんちからここまで、7、800メートルあります。そう思った姫ちゃんは、「普通ね」と言って、続けて訊きます。
「あなたのご担当は何かしら」
「分かんないけど、たぶん働きアリだと思うよ」
「どうして?」
「働きアリはご飯を探しに行くのがお仕事でしょう?
ごはん巡りのツアーって、楽しいでしょ?」
男の子は、持っていたお菓子のかけらを姫ちゃんに分けてあげて、そう言いました。
「普通のアリはみんなそうよね、私も同じよ」
男のは、何を聞いても普通のことしか言いません。モモタは、姫ちゃんはこの男の子にも興味を持たないんだろうなぁ、と思いました。
ですが、2匹での帰り道で姫ちゃんが言います。
「あの羽アリの男の子、良い子だったわね」
「本当?意外だね」
「そう?」
「うん、普通だから、姫ちゃん興味ないかと思ったよ。
どうして良い子だって思ったの?」
「なんか、普通な感じなんだもん」
普通が無難なんでしょうね。
最近たくさんの羽アリが空を飛んでいて、姫ちゃんは楽しそうです。
姫ちゃんは、男の子ウォッチング。
「あら、あの羽アリ、なかなか格好良いわ」
モモタが見ると、きりっとした感じの羽アリです。
姫ちゃんが別の羽アリを指差します。
「あっちの羽アリは強そうね、お家の巣にはいないタイプ」
モモタが見ると、もりっとした感じの羽アリです。
来る日も来る日も、姫ちゃんはモモタのおでこで、男の子ウォッチングをしていました。
モモタは、羽アリの見た目の良しあしは分かりませんが、ちょっとした匂いの違いで良し悪しを判断して言いました。
「向こうの羽アリは優しそうだよ」
「どれ?本当ね、でもナヨナヨしてるわ」
「じゃあ、そこにいるのは?素早そうだよ」
「ナヨナヨはしてないけど、優しくなさそう」
姫ちゃんは、話しているうちにだんだん興味を失っていきました。
毎日そうです。初めは色々な羽アリに興味津々なのですが、少しすると考えていることがあっちに行ったりこっちに来たりし始めます。
今日は、まだ実の生っていない葡萄の木があるお庭を見つけて、思いをはせていました。
そんなこんなのある日の昼下がり、モモタの背中に1匹の羽アリの男の子が舞い降りました。
「こんにちは、お散歩の邪魔してごめんね」
そう言う男の子に、姫ちゃんは快くモモタの背中をかしてあげて訊きました。
「あら、こんにちは、どこから来たの?」
「僕、鈴木さんちから来たんだ。
ちょっと疲れちゃったから、休ませて」
鈴木さんちからここまで、7、800メートルあります。そう思った姫ちゃんは、「普通ね」と言って、続けて訊きます。
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「分かんないけど、たぶん働きアリだと思うよ」
「どうして?」
「働きアリはご飯を探しに行くのがお仕事でしょう?
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「普通のアリはみんなそうよね、私も同じよ」
男のは、何を聞いても普通のことしか言いません。モモタは、姫ちゃんはこの男の子にも興味を持たないんだろうなぁ、と思いました。
ですが、2匹での帰り道で姫ちゃんが言います。
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普通が無難なんでしょうね。
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