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モモタとママと虹の架け橋
第七十一話 必死の覚悟を必要とする時
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モモタたちがクジラのもとに戻ろうとしていたそんな最中、森の中は、とても薄暗くなってきていました。まだ夕暮れ時ではないはずです。木々の上を飛んでいたキキが戻ってきて、モモタたちに言いました。
「黒雲が出てきているよ。あの屋久杉の上なんか、真っ黒黒で分厚い雲がたまってた。さっきまでとはうって変わって、荒れそうな天気だな」
風が吹き始め、辺りの木々がしなりだしました。陽が暮れる前にすでに夜のように暗くなり始めます。
降り始めた雨は次第に強くなり、雨粒は信じられないほど大きくなりました。ぶたれているような衝撃がモモタの全身に響きます。
大粒のどしゃ降り雨は、みるみる間に辺り構わず川を作りました。みんなは木の影に隠れましたが、モモタの足は水に沈んでいます。
雨水は葉の根元にたまって枝を伝い、木の幹を流れて滝となり、口をあんぐりと開けた蛇の集団の如くモモタに押し寄せました。縦横無尽に辺りを流れる水の勢いに、モモタは足をすくわれそうです。
そこら中の木々を伝って集まった雨水は、土の上を集まったり別れたりを繰り返しながら、石の上を滑り、石にぶつかって砕けて、また集まって、段々と大きくなっていきます。
斜面を滑り落ちてくる小川は、斜面を下るにつれて合流し、モモタたちのもとに辿り着く頃には、濁流の様になっていました。モモタは、足を突っ張らせて耐えるのが精一杯です。
モモタの首元に掴まっていたアゲハちゃんが、被毛を伝う雨水で手を滑らせて落ちてしまいました。慌てて羽ばたき、モモタのもとに戻ろうとしますが、降り注ぐ雨粒に打ち付けられて、上手く舞い上がれません。
雨粒の重さに耐えかねたアゲハちゃんが、思わず地に足をつきました。そこは強烈な勢いで水が流れていましたから、そのまま足をすくわれて膝をついてしまいました。その瞬間アゲハちゃんは、流れに逆らえず水にさらわれてしまいました。
「アゲハちゃん!」とモモタが叫びます。
それと同時にバランスを崩したモモタは、堪らず足を滑らせて、そのまま流されていきました。
うまい具合にモモタは、アゲハちゃんに向かって流されていきます。アゲハちゃんは、なんとかモモタの首輪を掴みましたが、滝に体をさらわれたアゲハちゃんは、すぐに掴んだ首輪を離してしまいます。モモタも流れに逆らえずにもんどりうって、再び溺れてしまいました。そして、そのまま滑り落ちていきます。
アゲハちゃんは必死に飛ぼうとしますが、幾度も雨粒が体に当って思うように飛べません。
「モモちゃ~ん!」アゲハちゃんが濁流の中で叫びます。
「アゲハちゃーん!」とモモタも叫びました。
何とか滝から脱したアゲハちゃんは、水没していない丸い石の上に舞い降りることができましたが、身動き一つできません。打ち付ける雨粒の勢いに、気を抜いたら石の上から滝の中へ落とされそうです。
翅には鱗粉がついていますから、しばらくの間は水をはじくことが出来るでしょう。簡単には濡れて飛べなくなることはりません。ですが、いつまでも鱗粉の効果が続くわけではありません。
いつ止むとも分からない雨の中を耐えきるのは不可能です。仮に耐えきれたとしても、それまでアゲハちゃんの体力がもたず、滝に飲まれてしまうことは明らかです。
木の幹に捕まっていたチュウ太が叫びます。
「アゲハちゃん、頑張れ、こっちに来るんだ!」
「ムリよ、雨が激しすぎて、目を開けるのもままならないわ」
何とか堪えたモモタは、雨の向こうに微かに見える大きな羽を目指して登っていきますが、何度登っても流されてしまいます。
雨に打たれて満足に目も開けられないモモタが、アゲハちゃんに叫びました。
「アゲハちゃん、何とかチュウ太のところに行くんだよ。幹に上れば流されないから」
「もうだめ、モモちゃん、わたしこれ以上雨に打たれたら、翅が折れてしまうわ。もう耐えられない」
モモタは土や石に爪を立てて、必死に滝の中を進みました。このまま流されてしまえば、どんなに楽でしょう。べつに小川や滝が深いわけではありませんから、どこかで流れから逃れることもできるはずです。
横に顔を向けると、滝に飲まれていない土がすぐそこに見えます。モモタは何度も横を見やりました。ですが、モモタは横に足を踏み出すことが出来ません。心が折れそうになるたびに、アゲハちゃんとの楽しい思い出が甦ります。
モモタの心の奥底が、「まだ出来る」と叫んでいるようでした。モモタは、ゆっくりと一歩、また一歩、と歩みを進めます。少しずつでしたが、確実に進みます。
アゲハちゃんが、もうだめだと諦めかけたその時でした。急に雨が止みました。
目を閉じかけたアゲハちゃんの耳に、モモタの声が響きます。
「アゲハちゃん! アゲハちゃん! 頑張って! 僕に掴まるんだよ」
アゲハちゃんが顔をあげると、周りには激しい雨が大地を打ちつける音が響いています。自分の頭上だけが晴れていたのでした。なんとモモタが、アゲハちゃんを雨から守るために身を挺して傘となったのです。
より一層勢いを増して降りそそぐ雨の中で滝に沈みそうだったアゲハちゃんは、必死に手を伸ばして、モモタの胸に捕まりました。ふわふわの茶色い毛です。
「モモちゃん? モモちゃんは大丈夫なの?」アゲハちゃんの声が、雨音にかき消されます。
「僕は大丈夫だよ」
そう言うモモタを見たチュウ太が叫びます。
「大丈夫って、踏ん張っているのがやっとじゃないか。早くこっちに来ないと、モモタだって流されちゃうぞ」
チュウ太は、辺りを見渡します。なにか二匹を助けられる手立てはないものか、と必死に考えました。
何度も何度も辺りを見渡して考えます。そして閃きました。太い枝を見上げます。その先を見やって、視線を落としました。
それを見たキキが、すぐに飛び立ちました。チュウ太も木に登っていって、キキが見つけたツルを噛み始めます。切れたツルを枝先のほうに持っていって、モモタにむかって投げました。ですが届きません。
キキが叫びながら、翼を広げました。
「上に持ってきて。上からモモタのところに下ろそう」
チュウ太が、キキがとまった枝を見やります。今チュウ太がいる枝よりも長くて、モモタの頭上に達していました。
ツルをくわえたチュウ太は、急いで幹を登っていって枝へと移ります。下を見下ろしてモモタの位置を確認すると、するするとツルを垂らしていきます。ですが、なかなかうまくいきません。
ツルが風に揺らされて、モモタが届く位置に留まってくれないのです。モモタがどんなに頑張っても、ツルをくわえることができませんでした。必死に頑張ったモモタでしたが、その度に足を滑らせて、身を倒しまいます。
それを見て意を決したチュウ太は、必死の覚悟を決めました。ツルをくわえてモモタめがけて大胆ダイブ。
ツルの根本をくわえたキキは、右に行ったり左に行ったりしながら、何とかチュウ太をモモタの背中に着地させました。
チュウ太は、モモタのお腹をぐるっと回って、ツルを巻きつけます。背中の上に戻って来て、端っこをくわえたまま背中に伝うツルを手足で掴みます。
「チュウ太!」とモモタは叫びます。「そんなことしたら、雨粒がたくさんあたって、いつか流されちゃうよ」と言って、やめさせようとしました。
チュウ太が確信したような笑みを浮かべます。
「友情の前では、死ぬことなんてなんのその! 僕はずっと昔にモモタに食べられたいって思っていたんだから、気にするな」
モモタは言葉を返せずにいました。二匹は見つめ合います。
チュウ太の決意が心に伝わったモモタは、心が震えて出せなかった言葉をやっとの思いで出して言いました。
「ありがとう。まだ食べられたいって思ってくれているなら、死なないでね」
二匹は見つめ合ったまま笑いました。
「黒雲が出てきているよ。あの屋久杉の上なんか、真っ黒黒で分厚い雲がたまってた。さっきまでとはうって変わって、荒れそうな天気だな」
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降り始めた雨は次第に強くなり、雨粒は信じられないほど大きくなりました。ぶたれているような衝撃がモモタの全身に響きます。
大粒のどしゃ降り雨は、みるみる間に辺り構わず川を作りました。みんなは木の影に隠れましたが、モモタの足は水に沈んでいます。
雨水は葉の根元にたまって枝を伝い、木の幹を流れて滝となり、口をあんぐりと開けた蛇の集団の如くモモタに押し寄せました。縦横無尽に辺りを流れる水の勢いに、モモタは足をすくわれそうです。
そこら中の木々を伝って集まった雨水は、土の上を集まったり別れたりを繰り返しながら、石の上を滑り、石にぶつかって砕けて、また集まって、段々と大きくなっていきます。
斜面を滑り落ちてくる小川は、斜面を下るにつれて合流し、モモタたちのもとに辿り着く頃には、濁流の様になっていました。モモタは、足を突っ張らせて耐えるのが精一杯です。
モモタの首元に掴まっていたアゲハちゃんが、被毛を伝う雨水で手を滑らせて落ちてしまいました。慌てて羽ばたき、モモタのもとに戻ろうとしますが、降り注ぐ雨粒に打ち付けられて、上手く舞い上がれません。
雨粒の重さに耐えかねたアゲハちゃんが、思わず地に足をつきました。そこは強烈な勢いで水が流れていましたから、そのまま足をすくわれて膝をついてしまいました。その瞬間アゲハちゃんは、流れに逆らえず水にさらわれてしまいました。
「アゲハちゃん!」とモモタが叫びます。
それと同時にバランスを崩したモモタは、堪らず足を滑らせて、そのまま流されていきました。
うまい具合にモモタは、アゲハちゃんに向かって流されていきます。アゲハちゃんは、なんとかモモタの首輪を掴みましたが、滝に体をさらわれたアゲハちゃんは、すぐに掴んだ首輪を離してしまいます。モモタも流れに逆らえずにもんどりうって、再び溺れてしまいました。そして、そのまま滑り落ちていきます。
アゲハちゃんは必死に飛ぼうとしますが、幾度も雨粒が体に当って思うように飛べません。
「モモちゃ~ん!」アゲハちゃんが濁流の中で叫びます。
「アゲハちゃーん!」とモモタも叫びました。
何とか滝から脱したアゲハちゃんは、水没していない丸い石の上に舞い降りることができましたが、身動き一つできません。打ち付ける雨粒の勢いに、気を抜いたら石の上から滝の中へ落とされそうです。
翅には鱗粉がついていますから、しばらくの間は水をはじくことが出来るでしょう。簡単には濡れて飛べなくなることはりません。ですが、いつまでも鱗粉の効果が続くわけではありません。
いつ止むとも分からない雨の中を耐えきるのは不可能です。仮に耐えきれたとしても、それまでアゲハちゃんの体力がもたず、滝に飲まれてしまうことは明らかです。
木の幹に捕まっていたチュウ太が叫びます。
「アゲハちゃん、頑張れ、こっちに来るんだ!」
「ムリよ、雨が激しすぎて、目を開けるのもままならないわ」
何とか堪えたモモタは、雨の向こうに微かに見える大きな羽を目指して登っていきますが、何度登っても流されてしまいます。
雨に打たれて満足に目も開けられないモモタが、アゲハちゃんに叫びました。
「アゲハちゃん、何とかチュウ太のところに行くんだよ。幹に上れば流されないから」
「もうだめ、モモちゃん、わたしこれ以上雨に打たれたら、翅が折れてしまうわ。もう耐えられない」
モモタは土や石に爪を立てて、必死に滝の中を進みました。このまま流されてしまえば、どんなに楽でしょう。べつに小川や滝が深いわけではありませんから、どこかで流れから逃れることもできるはずです。
横に顔を向けると、滝に飲まれていない土がすぐそこに見えます。モモタは何度も横を見やりました。ですが、モモタは横に足を踏み出すことが出来ません。心が折れそうになるたびに、アゲハちゃんとの楽しい思い出が甦ります。
モモタの心の奥底が、「まだ出来る」と叫んでいるようでした。モモタは、ゆっくりと一歩、また一歩、と歩みを進めます。少しずつでしたが、確実に進みます。
アゲハちゃんが、もうだめだと諦めかけたその時でした。急に雨が止みました。
目を閉じかけたアゲハちゃんの耳に、モモタの声が響きます。
「アゲハちゃん! アゲハちゃん! 頑張って! 僕に掴まるんだよ」
アゲハちゃんが顔をあげると、周りには激しい雨が大地を打ちつける音が響いています。自分の頭上だけが晴れていたのでした。なんとモモタが、アゲハちゃんを雨から守るために身を挺して傘となったのです。
より一層勢いを増して降りそそぐ雨の中で滝に沈みそうだったアゲハちゃんは、必死に手を伸ばして、モモタの胸に捕まりました。ふわふわの茶色い毛です。
「モモちゃん? モモちゃんは大丈夫なの?」アゲハちゃんの声が、雨音にかき消されます。
「僕は大丈夫だよ」
そう言うモモタを見たチュウ太が叫びます。
「大丈夫って、踏ん張っているのがやっとじゃないか。早くこっちに来ないと、モモタだって流されちゃうぞ」
チュウ太は、辺りを見渡します。なにか二匹を助けられる手立てはないものか、と必死に考えました。
何度も何度も辺りを見渡して考えます。そして閃きました。太い枝を見上げます。その先を見やって、視線を落としました。
それを見たキキが、すぐに飛び立ちました。チュウ太も木に登っていって、キキが見つけたツルを噛み始めます。切れたツルを枝先のほうに持っていって、モモタにむかって投げました。ですが届きません。
キキが叫びながら、翼を広げました。
「上に持ってきて。上からモモタのところに下ろそう」
チュウ太が、キキがとまった枝を見やります。今チュウ太がいる枝よりも長くて、モモタの頭上に達していました。
ツルをくわえたチュウ太は、急いで幹を登っていって枝へと移ります。下を見下ろしてモモタの位置を確認すると、するするとツルを垂らしていきます。ですが、なかなかうまくいきません。
ツルが風に揺らされて、モモタが届く位置に留まってくれないのです。モモタがどんなに頑張っても、ツルをくわえることができませんでした。必死に頑張ったモモタでしたが、その度に足を滑らせて、身を倒しまいます。
それを見て意を決したチュウ太は、必死の覚悟を決めました。ツルをくわえてモモタめがけて大胆ダイブ。
ツルの根本をくわえたキキは、右に行ったり左に行ったりしながら、何とかチュウ太をモモタの背中に着地させました。
チュウ太は、モモタのお腹をぐるっと回って、ツルを巻きつけます。背中の上に戻って来て、端っこをくわえたまま背中に伝うツルを手足で掴みます。
「チュウ太!」とモモタは叫びます。「そんなことしたら、雨粒がたくさんあたって、いつか流されちゃうよ」と言って、やめさせようとしました。
チュウ太が確信したような笑みを浮かべます。
「友情の前では、死ぬことなんてなんのその! 僕はずっと昔にモモタに食べられたいって思っていたんだから、気にするな」
モモタは言葉を返せずにいました。二匹は見つめ合います。
チュウ太の決意が心に伝わったモモタは、心が震えて出せなかった言葉をやっとの思いで出して言いました。
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