生贄の巫女は祈りを捧げる~輝国禍乱編~

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守国から来た巫女6

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次の日、私は朝から書庫に来ていた。

書庫とは言ったもののここで教育を受けている者達向けの書物が置いてあり、近くには学習用の机などもあるので書庫だけではなく学習部屋の役割も担っている。

さて、なぜ朝から私が書庫にいるのかというと・・・。

「本日より祈様の教育係を務めさせていただきます、連諭按れん ゆあんと申します」

そう告げると伸ばしていた背筋をゆっくり折り、綺麗なお辞儀をしたのは私の教育係となった女性だ。

朝、李桜さんに連れられ昨日紹介しきれなかった場所などを教えてもらい最後に辿り着いたのがこの書庫だった。

そして、そこで待っていたのが目の前にいる諭按さんだ。

昨日、李桜さんが教育の手配をしてくださると言われていたがまさか教育係をつけてもらえるとは思ってもみなかった。

自分の母親と変わらないくらいの年齢であろう諭按さんは黒髪でキリっとした目は見ているだけで背筋を伸ばさなければならないような気になってくる。

李桜さんの説明によると主に外交を担当されている官僚だそうで、父である守国の国王とも何度か話をしたことがあると伺った。

外交である以上、輝国の事だけでなく他国の情勢や歴史までも知っている諭按さんが教育係に向いているのではないかという国王様の一言により教育係に任命されたらしい。

「こちらこそ、守国より派遣されてまいりました神崎祈です。どうぞ、よろしくお願いいたします」

「衛山様とは何度お話をさせていただいており、もちろん祈様の事も伺っていました。今回お会いできて光栄です。ですが、守国から派遣されてきたとはいえ輝国で働く以上それ相応の対応をさせていただきますのであしからず」

「は、はい・・・」

何だか怖くなってきたがこれも勉強のため!

そう自分を鼓舞し諭按さんの話に耳を傾ける。

「祈様、ここに書かれている文字は読めますか?」

諭按さんは目の前に書物を置き開いて見せてきた。

「はい。守国の教養に一つとして習いました」

「でしたら話は早いですね」

そう言うと今度は地図を出してきて机に広げる。

見たところ輝国を中心とした地図らしい。

「それでは、輝国の歴史から説明します。輝国の始まりについてですが・・・」

淡々と語っていく諭按さんの言葉を聞き逃さないように耳を傾けつつ重要な事は紙に書き記していく。

文化から異なる守国と輝国。

輝国の街には見たことがないものがたくさんあった。それだけでも興味がわいているのに諭按さんの話を聞いてさらに興味が深まる。

歴史が違えば文化も違う。知らないことを知るというのは新鮮でとても面白い。

その日はあっという間時間が過ぎて行ってしまった。

それから毎日、輝国についての勉強が始まった。

諭按さんは厳しいけれどとても教え方が上手な方だ。

それもそのはず。

諭按さんの命字は”さとす”と”あん”。

命うつしの能力は難解な文字や事柄、古文書を等を読み取り人に分かりやすく教えることができるというもの。

その命うつしを活用し、今まで国王様の家庭教師や古文書の解説として政治に携わってきたそう。

現在は私以外に子供たちにも教育を行っているそうで評判がいいのだとか。

そんな方に教えてもらえるだなんて私は運がいい。

そう思うくらいには諭按さんの教え方はとても頭に入ってくるのだ。
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