あほな同僚に絡まれたら、年上本命と上手くいった。棚ボタオフィスラブ

朝倉真琴

文字の大きさ
8 / 28
side坂下耀亮

side坂下耀亮:一緒に迎えた朝

しおりを挟む
 ――目覚めたら、半裸のイケメンに抱き締められている。え?全裸じゃないよね?って、布団の中を覗いて確認しようとしたが体勢的に厳しくて、なんとか自由になっている左足で新見のズボンの存在を確認をした。

 下ばかり気にしていたら、ぎゅっと抱き込まれて頭の上から。

「んっ……。先輩のえっち。」

 朝起きの掠れた声……エロ。押し倒したく……だめだめステイ俺。こんなに美形と密着して、この思考はあらぬところが危険。慌てて、昨日見た永瀬の恐ろしい視線を思い浮かべてクールダウンする。狂犬モードな永瀬さん効果は絶大だ。

「な……何で半裸?」

「僕、全裸派なんですけど、流石に先輩が嫌がるかと思って。話の途中に急に寝ちゃったし。」

「あ!今何時?出勤!」

「まだ余裕ありますよ。朝シャワーしてご飯食べる余裕もあります。」

「シャワーは別に……。」

 起き上がった新見が髪をかきあげる、白いうなじとピンクの粒に思わず目がいく。ゆるっと落ちそうなズボンから見える腰のライン……を目にして、おさめた熱が一気に一ヶ所に集まる。

「や……やっぱりシャワー借りる。」

「はーい。僕、朝御飯準備しますね。」

 俺の体の変化には気付かなかったようで、布団からささっと出て移動してくれてホッとした。

 新見がキッチンに行った後に、少し前屈みのまま風呂に移動した。人の家で申し訳ないと思いつつ処理をしてクールダウン……イク瞬間に頭に浮かんだのが、さっき見た新見の半裸だったことにショックを受けた。

 シャワー終わりにはきちんとした朝食が並んでいた。焼き鮭、豆腐とネギの味噌汁、べったら漬け、ほうれん草のごま和え。昨日に引き続き安心感のある大好きな和食メニューに朝から、うきうきと完食した。

 食器洗いでもと申し出ようとしたら、新見がバタバタと何かを持ってくる。

「叔父の服なんですけどどうですかね?多分サイズは平気なはずです。昨日と同じ服よりは良いかと思うんです。」

新見の手にあるのは、センスの良いシックなブランドシャツとスラックス。

「そんな高そうなのは、ちょっと……。」

 断ろうとしたが、叔父はもう太ってサイズアウトしているし自分は着られないので貰ってくれたら無駄にならないと言われ、受けとることにした。

 流石のハイブランドで着心地は最高だ。そう伝えると、とても嬉しそうに叔父に送ると写真まで撮っていた。結局洗い物も手伝えず、手間ばかりかけたことを申し訳なく思う。

「悪い。次に何か埋め合わせする。」

「え?僕が好きでしたことですけど、先輩に何かしてもらえるなら……土曜の食事前に、ドライブに付き合ってもらいたいんですが……大丈夫ですか?」

「いいよ。お前の誕生日なのに運転お前で良いの?」

「僕、運転好きなので。行き先も内緒にしたいですし。」

 新見と一緒に出社したら、朝から部長に呼ばれた。

「坂下、昨日はお泊まりか?セクハラとか言うなよ?いつもお前が着ないようなハイブランドの新作なんか着てたら気になるだろ?」

「新作?叔父さんのお下がりらしいですけど……。」

「あー。理解したよ。仕事以外にも困り事があったら相談してこい。仕事時間外も坂下きゅんだけ特別に受付してやるからな。」

 頭を軽く撫でられ、ウィンクされる。

「部長いつもありがとうございます。」

 やる気がみなぎり席に戻る。そんな俺の背中を部長が心配そうに見ていたことには俺は気づかなかった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

何故か男の俺が王子の閨係に選ばれてしまった

まんまる
BL
貧乏男爵家の次男アルザスは、ある日父親から呼ばれ、王太子の閨係に選ばれたと言われる。 なぜ男の自分が?と戸惑いながらも、覚悟を決めて殿下の元へ行く。 しかし、殿下はただベッドに横たわり何もしてこない。 殿下には何か思いがあるようで。 《何故か男の僕が王子の閨係に選ばれました》の攻×受が立場的に逆転したお話です。 登場人物、設定は全く違います。

異世界にやってきたら氷の宰相様が毎日お手製の弁当を持たせてくれる

七瀬京
BL
異世界に召喚された大学生ルイは、この世界を救う「巫覡」として、力を失った宝珠を癒やす役目を与えられる。 だが、異界の食べ物を受けつけない身体に苦しみ、倒れてしまう。 そんな彼を救ったのは、“氷の宰相”と呼ばれる美貌の男・ルースア。 唯一ルイが食べられるのは、彼の手で作られた料理だけ――。 優しさに触れるたび、ルイの胸に芽生える感情は“感謝”か、それとも“恋”か。 穏やかな日々の中で、ふたりの距離は静かに溶け合っていく。 ――心と身体を癒やす、年の差主従ファンタジーBL。

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

アプリで都合のいい男になろうとした結果、彼氏がバグりました

あと
BL
「目指せ!都合のいい男!」 穏やか完璧モテ男(理性で執着を押さえつけてる)×親しみやすい人たらし可愛い系イケメン 攻めの両親からの別れろと圧力をかけられた受け。関係は秘密なので、友達に相談もできない。悩んでいる中、どうしても別れたくないため、愛人として、「都合のいい男」になることを決意。人生相談アプリを手に入れ、努力することにする。しかし、攻めに約束を破ったと言われ……?   攻め:深海霧矢 受け:清水奏 前にアンケート取ったら、すれ違い・勘違いものが1位だったのでそれ系です。 ハピエンです。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。
批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。 自己判断で消しますので、悪しからず。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

処理中です...