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Day5 sideスカーレット
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Day5 sideスカーレット
――撮影Day5 sideスカーレット
二日も続けて倒れたモデルに無理をさせるわけにもいかず、撮影は中止になる。昨日は休みにすべきだったか?手応えを感じて焦ってしまった自覚はあった。
被写体は、カメラを通して知りたい。バックグラウンドなんかの下調べをせずに剥き出しのまま被写体と向き合いぶつかりあいお互いに高めあって作品を作ってきた自負があった。
次はこの子を撮りたい!日本の小さな事務所にいる彼女へのすぐ通ると思ったオファーは、意外にも時間がかかった。会ってみると、クールビューティーで売っていると聞いていたLUCAは、面白いものを沢山内包していそうなモデルだった。彼女の内包物を全部俺が引き出して暴き、羽化させることができたら……そんな風に思うだけでぞくぞくと気分が高揚した。
日本人を相手にするときは、何故か片言の日本語の方が上手くいくことが多い。LUCAは眉を寄せて胡散臭げに見ているなかなかキュートな表情だが、思ったよりも鉄壁のガードだ。会話の中から彼女に入り込める隙間を探る。
初日の会話で反応した下の兄を呼んで彼女の反応を見たいが、彼女のマネージャーがそれを阻む。作品作りの敵を排除するために、彼の上司に動いてもらった。下の兄と予定の合わなかった三日目に来た代理がLUCAに悪い影響があったようで、そいつも排除した。これで上手くいく何故かそう思いこんでいた。
ようやく下の兄を四日目に呼べた。彼を見て彼女の取り繕った表情が消えたのが見えた。やはり鍵は耀亮だったんだな!これで彼女の柔らかな内側に触れる写真が撮れる!燃えるような気持ちでシャッターを切った!
直後に恐怖に支配され、真っ青な顔をしたLUCAが床に崩れ落ちた。何が起こったのかわからないまま立ち竦む。彼女の兄がすぐに寄り添いポケットから薬を口に入れ、彼女をおぶって走る。全身を彼に預け、信頼をしている彼女の背中を見ると……何故か胸がカッとなる。慌てて追いかけた先は、昨日も世話になった医務室。
やっと追い付いた先で、加納に人の心を踏みにじる行為、最低だゴシップ誌でも作る気か!!と罵られて叩き出される。その後、そこに居ると邪魔だから帰れと追いたてられ帰宅するしかなかった。
ネットの下世話な噂話でもLUCAの情報が欲しいと探し始めた俺の目には、LUCAがプライベートとモデルの自分を切り離そうとした原因となるであろう事件が書かれていた。それは俺にとって衝撃的すぎる情報だった。
『幼児写真愛好家に拐われた美麗兄妹。その日の内に無事帰宅。家宅捜索にて、沢山の幼児写真!被害者多数。』
罵られて当然だ。LUCAの一番触れられたくない部分に一番触れてはいけない方法で、俺は踏み込んでしまった。やってしまったことは戻らない……
LUCAになり、守っていた部分を俺が自分の欲のためだけに、無理矢理土足で上がり込み踏みにじり傷つけたのだ。しでかした事の大きさに、頭を抱えた。
恐怖にひきつるLUCAの写真を見ながらどんなに反省しても足りない。ゴシップ誌……加納の言うとおりだと思った。追い討ちをかけるように成沢が押し掛けてきて、扉を開けると直ぐに玄関に上がり込んできて胸ぐらを捕まれて殴られた。甘んじて受けるしかないことをしたと思う。有名になり持て囃されるうちに、傲っていた。
成沢から、明日は医務室の加納も含めて話し合いがされる事を伝えられる。そこでLUCAに拒否されてしまったらLUCAとの縁もおしまいだが、LUCAには拒否する権利がある。LUCAを撮りたい気持ちは前よりも大きくなったが、あれほど傷つけた自分がそれを求めてはいけない事も分かっていた。
近くで彼女を守れる成沢が心底羨ましい。俺も彼女の騎士でありたかった。客観的に見て、耀亮の次に彼女が信頼しているのは成沢だろう。家族ではない他人にそれだけあの彼女が心を開いているというのは、凄いことなのだが成沢は分かっているのだろうか?帰り際に、玄関で腹パンをもう一発くらう……油断していたから結構効いた。気の荒い騎士だな。
きっと成沢は、俺が彼女に邪な気持ちを持ったのに気付いてしまった。耀亮に会わせる前日に帰りたいくらい後悔していて、もう彼女の心を手に入れる方法もないのにな。そんなことを思いながら眠る。翌日の俺は、LUCA本人から無自覚に重い引導を渡されて更に沈み混むことになる。
――撮影Day5 sideスカーレット
二日も続けて倒れたモデルに無理をさせるわけにもいかず、撮影は中止になる。昨日は休みにすべきだったか?手応えを感じて焦ってしまった自覚はあった。
被写体は、カメラを通して知りたい。バックグラウンドなんかの下調べをせずに剥き出しのまま被写体と向き合いぶつかりあいお互いに高めあって作品を作ってきた自負があった。
次はこの子を撮りたい!日本の小さな事務所にいる彼女へのすぐ通ると思ったオファーは、意外にも時間がかかった。会ってみると、クールビューティーで売っていると聞いていたLUCAは、面白いものを沢山内包していそうなモデルだった。彼女の内包物を全部俺が引き出して暴き、羽化させることができたら……そんな風に思うだけでぞくぞくと気分が高揚した。
日本人を相手にするときは、何故か片言の日本語の方が上手くいくことが多い。LUCAは眉を寄せて胡散臭げに見ているなかなかキュートな表情だが、思ったよりも鉄壁のガードだ。会話の中から彼女に入り込める隙間を探る。
初日の会話で反応した下の兄を呼んで彼女の反応を見たいが、彼女のマネージャーがそれを阻む。作品作りの敵を排除するために、彼の上司に動いてもらった。下の兄と予定の合わなかった三日目に来た代理がLUCAに悪い影響があったようで、そいつも排除した。これで上手くいく何故かそう思いこんでいた。
ようやく下の兄を四日目に呼べた。彼を見て彼女の取り繕った表情が消えたのが見えた。やはり鍵は耀亮だったんだな!これで彼女の柔らかな内側に触れる写真が撮れる!燃えるような気持ちでシャッターを切った!
直後に恐怖に支配され、真っ青な顔をしたLUCAが床に崩れ落ちた。何が起こったのかわからないまま立ち竦む。彼女の兄がすぐに寄り添いポケットから薬を口に入れ、彼女をおぶって走る。全身を彼に預け、信頼をしている彼女の背中を見ると……何故か胸がカッとなる。慌てて追いかけた先は、昨日も世話になった医務室。
やっと追い付いた先で、加納に人の心を踏みにじる行為、最低だゴシップ誌でも作る気か!!と罵られて叩き出される。その後、そこに居ると邪魔だから帰れと追いたてられ帰宅するしかなかった。
ネットの下世話な噂話でもLUCAの情報が欲しいと探し始めた俺の目には、LUCAがプライベートとモデルの自分を切り離そうとした原因となるであろう事件が書かれていた。それは俺にとって衝撃的すぎる情報だった。
『幼児写真愛好家に拐われた美麗兄妹。その日の内に無事帰宅。家宅捜索にて、沢山の幼児写真!被害者多数。』
罵られて当然だ。LUCAの一番触れられたくない部分に一番触れてはいけない方法で、俺は踏み込んでしまった。やってしまったことは戻らない……
LUCAになり、守っていた部分を俺が自分の欲のためだけに、無理矢理土足で上がり込み踏みにじり傷つけたのだ。しでかした事の大きさに、頭を抱えた。
恐怖にひきつるLUCAの写真を見ながらどんなに反省しても足りない。ゴシップ誌……加納の言うとおりだと思った。追い討ちをかけるように成沢が押し掛けてきて、扉を開けると直ぐに玄関に上がり込んできて胸ぐらを捕まれて殴られた。甘んじて受けるしかないことをしたと思う。有名になり持て囃されるうちに、傲っていた。
成沢から、明日は医務室の加納も含めて話し合いがされる事を伝えられる。そこでLUCAに拒否されてしまったらLUCAとの縁もおしまいだが、LUCAには拒否する権利がある。LUCAを撮りたい気持ちは前よりも大きくなったが、あれほど傷つけた自分がそれを求めてはいけない事も分かっていた。
近くで彼女を守れる成沢が心底羨ましい。俺も彼女の騎士でありたかった。客観的に見て、耀亮の次に彼女が信頼しているのは成沢だろう。家族ではない他人にそれだけあの彼女が心を開いているというのは、凄いことなのだが成沢は分かっているのだろうか?帰り際に、玄関で腹パンをもう一発くらう……油断していたから結構効いた。気の荒い騎士だな。
きっと成沢は、俺が彼女に邪な気持ちを持ったのに気付いてしまった。耀亮に会わせる前日に帰りたいくらい後悔していて、もう彼女の心を手に入れる方法もないのにな。そんなことを思いながら眠る。翌日の俺は、LUCA本人から無自覚に重い引導を渡されて更に沈み混むことになる。
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