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piece7 バレンタイン・サプライズ
ホント良かったね
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ふうっと悠里は息をつき、緊張を吐き出す。
自分の左右には、ニヤニヤ顔の彩奈と拓真。
「お、お茶淹れるね!」
2人に声をかけられる前に、悠里は小走りにキッチンに逃げ込んだ。
湯を沸かし、紅茶の準備をする。
身体が冷えたであろう2人のために、少し生姜も入れよう。
カップを温めながら、悠里はドキドキと脈打つ胸を必死に抑えた。
悠里は暖かい紅茶を2人に差し出し、彩奈の隣に座った。
待ちかねていたように、彩奈がくっついてくる。
「悠里!」
ここからはもう、悠里は友人の餌食だ。
真っ赤に染まってしまう頬を手で隠しながら、悠里は上目遣いに彩奈を窺う。
窓は、確かに閉まっていた。
声までは聞かれなかっただろう。
けれどレースのカーテンは少し、開いていたかも知れない。
「良かったね、悠里!いっぱい抱っこされてたじゃん!」
彩奈がいつものように悠里の髪を撫でようとして、はたとその手を止めた。
「あ、ダメだよね触っちゃ! シバさんにチューして貰った、大事な髪だもんね!」
「ううう……」
やっぱり、全部見られていたんだ。
悠里は両手で顔を隠し、力なくソファに崩れ落ちる。
「でも、ホント良かったね、悠里ちゃん」
拓真の優しい声が聞こえ、悠里は染まった頬のまま、彼を見つめた。
拓真が嬉しそうに微笑む。
「少しはゆっくり、お話できた?」
「拓真さん……」
「ゴウ、最近までバスケの試合続きだったからさ。暫くゆっくり話せてなかったでしょ?」
彩奈も、うんうんと頷く。
「悠里もシバさんも、4人でいるのが楽しいって言ってくれるけどさ。やっぱり、2人きりの時間も作らなきゃ!」
拓真と彩奈の優しい笑顔を見ると、胸が熱くなった。
「ありがと……2人とも」
思わず涙ぐんだ悠里を見て、彩奈が顔いっぱいに笑みを広げる。
つられるように、悠里も笑顔になった。
「うん。2人のおかげで、ゴウさんといっぱいお話できたよ。ありがとう!」
彩奈は、ぎゅっと悠里の手を握り、言った。
「それに、悠里すごいじゃん!ケーキの他に、あんな素敵なプレゼントを用意してたなんて!」
聞いてなかったぞお?と、彩奈が冗談混じりにむくれてみせる。
拓真も、ニコニコしながら悠里に問いかけた。
「彩奈ちゃんが推測してたけど、あのネックウォーマーって、悠里ちゃんの手編みなの?」
「う、うん」
「すっげえ!」
歓声を上げた拓真に、彩奈が得意げに笑う。
「ね、言ったでしょ! きっと手作りだって。悠里の愛が、いっぱい詰まってんだからね」
感に耐えないといったふうに、拓真は何度も頷きながら悠里に笑いかけた。
「ゴウ、すごい嬉しそうだった!オレ、あんなに喜んで、とろけそうな顔して笑うあいつ、見たことない!」
「うんうん!ネックウォーマー付けてからのシバさん、何かスイッチ入ってたよね」
2人は悠里をそっちのけで、剛士のレポートを始める。
「入ってた入ってた!悠里ちゃんを見る目に、ハート出まくってたし」
「あの後、悠里をぎゅーってしたもんね!」
「ち、ちが……あれは、私がお願いしたからで……」
「え!?悠里から言ったの?抱っこしてって!?」
「うう……」
その場にいない剛士が揶揄われるのを止めようとしたつもりが、墓穴を掘ってしまった。
悠里は言葉に詰まり、耳まで真っ赤になった顔を両手で覆う。
自分の左右には、ニヤニヤ顔の彩奈と拓真。
「お、お茶淹れるね!」
2人に声をかけられる前に、悠里は小走りにキッチンに逃げ込んだ。
湯を沸かし、紅茶の準備をする。
身体が冷えたであろう2人のために、少し生姜も入れよう。
カップを温めながら、悠里はドキドキと脈打つ胸を必死に抑えた。
悠里は暖かい紅茶を2人に差し出し、彩奈の隣に座った。
待ちかねていたように、彩奈がくっついてくる。
「悠里!」
ここからはもう、悠里は友人の餌食だ。
真っ赤に染まってしまう頬を手で隠しながら、悠里は上目遣いに彩奈を窺う。
窓は、確かに閉まっていた。
声までは聞かれなかっただろう。
けれどレースのカーテンは少し、開いていたかも知れない。
「良かったね、悠里!いっぱい抱っこされてたじゃん!」
彩奈がいつものように悠里の髪を撫でようとして、はたとその手を止めた。
「あ、ダメだよね触っちゃ! シバさんにチューして貰った、大事な髪だもんね!」
「ううう……」
やっぱり、全部見られていたんだ。
悠里は両手で顔を隠し、力なくソファに崩れ落ちる。
「でも、ホント良かったね、悠里ちゃん」
拓真の優しい声が聞こえ、悠里は染まった頬のまま、彼を見つめた。
拓真が嬉しそうに微笑む。
「少しはゆっくり、お話できた?」
「拓真さん……」
「ゴウ、最近までバスケの試合続きだったからさ。暫くゆっくり話せてなかったでしょ?」
彩奈も、うんうんと頷く。
「悠里もシバさんも、4人でいるのが楽しいって言ってくれるけどさ。やっぱり、2人きりの時間も作らなきゃ!」
拓真と彩奈の優しい笑顔を見ると、胸が熱くなった。
「ありがと……2人とも」
思わず涙ぐんだ悠里を見て、彩奈が顔いっぱいに笑みを広げる。
つられるように、悠里も笑顔になった。
「うん。2人のおかげで、ゴウさんといっぱいお話できたよ。ありがとう!」
彩奈は、ぎゅっと悠里の手を握り、言った。
「それに、悠里すごいじゃん!ケーキの他に、あんな素敵なプレゼントを用意してたなんて!」
聞いてなかったぞお?と、彩奈が冗談混じりにむくれてみせる。
拓真も、ニコニコしながら悠里に問いかけた。
「彩奈ちゃんが推測してたけど、あのネックウォーマーって、悠里ちゃんの手編みなの?」
「う、うん」
「すっげえ!」
歓声を上げた拓真に、彩奈が得意げに笑う。
「ね、言ったでしょ! きっと手作りだって。悠里の愛が、いっぱい詰まってんだからね」
感に耐えないといったふうに、拓真は何度も頷きながら悠里に笑いかけた。
「ゴウ、すごい嬉しそうだった!オレ、あんなに喜んで、とろけそうな顔して笑うあいつ、見たことない!」
「うんうん!ネックウォーマー付けてからのシバさん、何かスイッチ入ってたよね」
2人は悠里をそっちのけで、剛士のレポートを始める。
「入ってた入ってた!悠里ちゃんを見る目に、ハート出まくってたし」
「あの後、悠里をぎゅーってしたもんね!」
「ち、ちが……あれは、私がお願いしたからで……」
「え!?悠里から言ったの?抱っこしてって!?」
「うう……」
その場にいない剛士が揶揄われるのを止めようとしたつもりが、墓穴を掘ってしまった。
悠里は言葉に詰まり、耳まで真っ赤になった顔を両手で覆う。
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