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本編
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次代の天皇たる皇太子とその家族を支える宮内庁東宮職。その長である東宮職大夫を務める野中弘信は東宮御所の事務室部分にあるトイレに籠っていた。
しばらくして出て来た彼の頬はややこけており、目にはクマが出来ており明らかに体調に優れていないことが伺える。
(ああ...元々行動がアレな方ではあったが...とうとうここまで来てしまったか...)
そう思いながら、野中は自身のストレスの原因となった出来事を振り返っていた。それは彼が長年に渡って支えてきた皇太子慈仁親王(25)から告げられた事であった。
◇◇◇
「野中大夫、実は折り入って相談があるんだ。」
「はあ、皇太子殿下。改めましてどうなさいましたか?」
「実は結婚を考えている女性がいるんだがどうも両親が難色を示していてね...大夫にも説得に協力して欲しいと思っていたんだ。」
「その様な女性がいたとは...殿下、その様な重大事は前もって私共にご相談されればよろしいでしょうに...」
「すまないね...自分が生涯を共にしたい女性だから、できれば自分で選びたかったんだ」
「それは構いませんが...しかし、両陛下が難色を示されるとは心穏やかではありませんな...御二方はいかなる場合においても殿下の御意向を尊重あそばされておられたというのに...」
「それでね、相手の女性についてはもう来てもらっているんだ。今は応接間にいる。」
「なるほど、一度お伺いしても?」
「そのつもりで呼んだんだよ。」
そう言って慈仁は野中を応接間に案内する。そこには1人の女性が座っていた。
肌は雪のように白く、肩まで伸びた艶やかな黒髪を持ちぱっちりとした二重瞼にやや高い鼻、M字リップの可愛らしい唇。
大勢の男性が惚れそうな絶世の美女がそこにはいた。
「随分とお美しい御方ですな...お名前は?」
「キム・ソヨンさんだ。」
「...は?」
野中は一瞬自分の耳を疑った。何故なら今慈仁の口から出た名前は明らかに日本人の名前ではなかったからだ。
「だから、キム・ソヨンさんだって」
「いや分かりますよ?まさか殿下...殿下の結婚したい相手と言うのは...」
「ああ、そのまさかだよ。」
すると、ソヨンと紹介された女性が口を開く。
「初めまして...ソヨンです」
少したどたどしいが日本語で挨拶をするソヨン。
「初めまして。東宮職大夫の野中弘信と言います。以後お見知りおきを」
「あ、あの...どうしても私達の結婚を認めて頂けませんか?」
ソヨンはそう野中に訴えかける。
「それについては色々と議論の余地がありますのでこの場で申し上げる事はできません。」
「そうですか...」
そう言って泣きそうな表情を浮かべるソヨン。
「大丈夫だよ。一緒に説得する方法を考えよう」
「うん...」
そう励まし合う2人に野中は声を掛ける。
「えーと...2人の出会いのきっかけについて教えてもらえますかな?」
すかさず慈仁が応える。
「ああ...あれは今から1年前、アメリカの大学にまだ留学していた頃の事だよ」
そう言って彼はソヨンとの馴れ初めを話し始めた。
◇◇◇
アメリカ合衆国某州・とある大学のキャンパス
慈仁は護衛を振り切って現地のハンバーガーショップを訪問しTHE・アメリカンな巨大なハンバーガーを食べてご満悦であった。
その後の授業に向けてキャンパスを歩いていると、広場の一角に『従軍慰安婦像』と『徴用工像』が設置されており、その近くに数十人の人だかりができていた。
気になって彼が近付くとそこでは1人の女性がマイクを手に必死に訴えかけていた。
『日本政府は今もなお加害の事実と向き合う事なく、慰安婦のおばあさんの尊厳を踏みにじっています!彼らの中にはおばあさんに対し『自分の意思で売春を選んだ』等と残酷な事を吐き捨てる人さえいます!このような事が許されて良いのでしょうか!?』
この時慈仁が見かけたのがソヨンだった。彼女はアメリカの大学にて所謂『反日学生運動』を行う『日帝犯罪追求学生委員会』なる団体の幹部を務めている。
韓国人の留学生を中心に構成される同団体は慈仁の大学でも最近学生団体として結成され昨日像が設置され、今日は演説が行われていた。
慈仁の留学開始時点では同委員会は存在していなかったし、結成が早ければそもそも留学自体別の大学か国に変更となっていただろう。
慰安婦像の前からすぐ隣の徴用工像の前に行くと今度は徴用工についてソヨンは熱弁を振るう。
『かつて、悪しき日帝は私たちの国を植民地とし労働力として過酷な労働に従事させました。そうした企業は今もなお彼らに謝罪する事も、反省する事もありません!こんなことで良いのでしょうか!』
そして鉄板のフレーズが放たれる。
『今このキャンパスより!日本政府に対し従軍慰安婦や徴用工だった方々に対する謝罪と賠償を求めようではありませんか!』
そうソヨンが声を張り上げると会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。
慈仁は遠目にそれを眺めていた。主張自体については「最終的かつ不可逆的に解決してるんじゃないの?」としか思っていないが、彼女の美しさに彼は見惚れていた。
彼は会場に近付くと勝手に壇上に上がりソヨンの前で跪いていた。
「どうか私と結婚を前提にお付き合いをお願いしたい!」
いきなりの展開に( ゚д゚)ポカーンとした表情を浮かべるソヨン。その直後、彼女の顔は一瞬で真っ赤になった。
「いきなり何言うのよこの変態!」
真っ赤な表情でいきなりビンタをかますソヨン。そして彼女は彼の顔を見るなりその正体に気付いた。
「あなた日本の皇太子でしょ!?まさか自分の先祖の罪を忘れて私にセクハラしたんじゃないでしょうね!?」
「先祖の罪は知らんが君の美しさを知った。どうか我が手を取っていただきたい。君に惚れたんだ」
「知らないって何!?日帝のボスの子孫のくせに無神経すぎない!?」
「日帝は滅んだ!だが私の胸には君に対する燃え上がる恋心が誕生した!どうかこの手を取ってくれ!」
「やかましいわこの変態!」
その直後だった。血相を変えた護衛が壇上に上がってきた。
「何やってるんですか殿下~!!寄りにもよってこんな集会に護衛なしで来るなんて!何かあったらどうするんですか!?」
そう言って両肩を掴みぶんぶんと振る護衛。
「落ち着け。私の心は今、かつてない高鳴りと共に熱い炎が灯ったんだ。」
「こんなとこにいたら最悪リアルで燃やされますよ!さあ、離れますよ!」
「ああ。ちょっと待ってくれ!」
そう言って慈仁はソヨンにある紙を渡す。
「僕の連絡先だ!君への想いは本物だから!連絡をくれ!」
「だからもう行きますよ!」
日本人よりも体格に恵まれている護衛はやや痩身の慈仁をヒョイッと片手で持ち上げると速やかにその場を後にした。
その場には連絡先が書かれた紙を手に呆然とするソヨンと集会に参加していた委員会の面々が残されていた。
◇◇◇
「...って言うのが最初の出会いだったんだ」
「それで授業も一緒だったことが分かって段々一緒にいる内に結婚したいなってなって...」
「で、両親に紹介したら反対されて今に至るというわけだ」
そう2人に告げられた野中は叫んだ。
「そんなの結婚が認められる訳ないだろうがこの馬鹿タレがぁ!!」
普段の礼儀正しさはどこへやら。そう絶叫する野中。
無理もない。ただでさえ外国人、それも何かと気まずい関係になっている韓国人との結婚自体皇族として認められるわけがない。
ましてや日本政府が解決済みと判断している諸問題で日本に対し敵対的な言動を取る人物など猶更である。
野中は幼少期から慈仁の突飛な行動に振り回されていたがこれは別次元過ぎる。
「しかし人は過ちを繰り返すものだろう?改善しようとしているのなら良いではないか」
「まあ間違っているとは思ってないけどね今でも」
「あ、そうなの?まあ別にそれはいいや。」
「後独島も韓国だから」
「まあそれも今は置いておこうよ」
「本当に結婚する気があるのか?」と言いたくなるようなソヨンの言葉に、本心では結婚したくないからわざと話が拗れる様な事を言っているのでは?と思いつつ野中は声を張り上げる。
「帰れぇ!今のところはもう帰れぇ!」
そう言って野中はソヨンを東宮御所から帰宅させる。
「大夫、それで彼女とのけっk「認められる訳ねーだろがボケ!ド突き回すぞゴラァッ!」...え~」
珍しくキレ散らかしている野中に慈仁はドン引きしながら答えた。
そしてあまりの衝撃の強さに胃痛に悩まされ一晩中満足に寝られなかった結果冒頭に至るのである。
◇◇◇
その後、何度か話し合いの席を設けたが当然認められる訳がなく結局2人は破局となった。
腹いせにソヨンは彼の連絡先と交際中のメッセージのやり取りを英国のダブロイド誌にリークした。
その結果、慈仁は機種変更を余儀なくされた挙句日本中からもバッシングされ「こんな奴廃太子しろ」という署名まで行われた。
この署名は彼の従弟に当たる貞仁親王の東大進学反対署名約1万2千人の50倍に当たる約60万人の署名が集まった。
しかし、それでも既に宣明が為された慈仁の立太子は覆されることはなかった。
その後、慈仁は宮内庁がセッティングしたお見合いで旧宮家の御令嬢と結婚。2男2女の子供達の父親として、皇太子として育児や公務に奔走する日々を送る事となる。
家庭を持った事で幼少期から野中を悩ませてきた問題児な部分は徐々に鳴りを潜めるようになった。
今では「若気の至り」「誠に恥ずかしい限りである」と幼少~青年期にかけての自身の振る舞いやソヨンとの騒動を振り返られる程度には落ち着いた。
しかし、彼の問題児気質は子供達に遺憾なく受け継がれており、野中の苦労人生活はまだまだ当面は続きそうである。
~完~
あとがき
余談ですが日帝犯罪追及学生委員会は内部分裂やら「大学に直接関係ない問題を持ち込むんじゃねえ」という大学当局の意向やらで程なく解散となりました
ソヨンは慈仁との破局後、韓国に帰国し熱心なフェミニストとして活動。ジェンダー平等を推進する韓国のある行政機関で幹部候補職員として活躍。韓国国内の男女対立を深刻化させ少子化を促進する結果となるが本人は「女性達の自立を実現した」と得意げになっているそうです。
尚、本人は韓国の最難関大学を卒業し、財閥系企業で出世コースに乗った男性と結婚し2女を儲けております。(パートナー男性の家庭内での地位はお察し下さい)
最後に、この物語はフィクションです。筆者は韓国及びフェミニズム、皇室に対し侮辱したり揶揄する意図は一切ございません。ご了承下さい。
しばらくして出て来た彼の頬はややこけており、目にはクマが出来ており明らかに体調に優れていないことが伺える。
(ああ...元々行動がアレな方ではあったが...とうとうここまで来てしまったか...)
そう思いながら、野中は自身のストレスの原因となった出来事を振り返っていた。それは彼が長年に渡って支えてきた皇太子慈仁親王(25)から告げられた事であった。
◇◇◇
「野中大夫、実は折り入って相談があるんだ。」
「はあ、皇太子殿下。改めましてどうなさいましたか?」
「実は結婚を考えている女性がいるんだがどうも両親が難色を示していてね...大夫にも説得に協力して欲しいと思っていたんだ。」
「その様な女性がいたとは...殿下、その様な重大事は前もって私共にご相談されればよろしいでしょうに...」
「すまないね...自分が生涯を共にしたい女性だから、できれば自分で選びたかったんだ」
「それは構いませんが...しかし、両陛下が難色を示されるとは心穏やかではありませんな...御二方はいかなる場合においても殿下の御意向を尊重あそばされておられたというのに...」
「それでね、相手の女性についてはもう来てもらっているんだ。今は応接間にいる。」
「なるほど、一度お伺いしても?」
「そのつもりで呼んだんだよ。」
そう言って慈仁は野中を応接間に案内する。そこには1人の女性が座っていた。
肌は雪のように白く、肩まで伸びた艶やかな黒髪を持ちぱっちりとした二重瞼にやや高い鼻、M字リップの可愛らしい唇。
大勢の男性が惚れそうな絶世の美女がそこにはいた。
「随分とお美しい御方ですな...お名前は?」
「キム・ソヨンさんだ。」
「...は?」
野中は一瞬自分の耳を疑った。何故なら今慈仁の口から出た名前は明らかに日本人の名前ではなかったからだ。
「だから、キム・ソヨンさんだって」
「いや分かりますよ?まさか殿下...殿下の結婚したい相手と言うのは...」
「ああ、そのまさかだよ。」
すると、ソヨンと紹介された女性が口を開く。
「初めまして...ソヨンです」
少したどたどしいが日本語で挨拶をするソヨン。
「初めまして。東宮職大夫の野中弘信と言います。以後お見知りおきを」
「あ、あの...どうしても私達の結婚を認めて頂けませんか?」
ソヨンはそう野中に訴えかける。
「それについては色々と議論の余地がありますのでこの場で申し上げる事はできません。」
「そうですか...」
そう言って泣きそうな表情を浮かべるソヨン。
「大丈夫だよ。一緒に説得する方法を考えよう」
「うん...」
そう励まし合う2人に野中は声を掛ける。
「えーと...2人の出会いのきっかけについて教えてもらえますかな?」
すかさず慈仁が応える。
「ああ...あれは今から1年前、アメリカの大学にまだ留学していた頃の事だよ」
そう言って彼はソヨンとの馴れ初めを話し始めた。
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慈仁は護衛を振り切って現地のハンバーガーショップを訪問しTHE・アメリカンな巨大なハンバーガーを食べてご満悦であった。
その後の授業に向けてキャンパスを歩いていると、広場の一角に『従軍慰安婦像』と『徴用工像』が設置されており、その近くに数十人の人だかりができていた。
気になって彼が近付くとそこでは1人の女性がマイクを手に必死に訴えかけていた。
『日本政府は今もなお加害の事実と向き合う事なく、慰安婦のおばあさんの尊厳を踏みにじっています!彼らの中にはおばあさんに対し『自分の意思で売春を選んだ』等と残酷な事を吐き捨てる人さえいます!このような事が許されて良いのでしょうか!?』
この時慈仁が見かけたのがソヨンだった。彼女はアメリカの大学にて所謂『反日学生運動』を行う『日帝犯罪追求学生委員会』なる団体の幹部を務めている。
韓国人の留学生を中心に構成される同団体は慈仁の大学でも最近学生団体として結成され昨日像が設置され、今日は演説が行われていた。
慈仁の留学開始時点では同委員会は存在していなかったし、結成が早ければそもそも留学自体別の大学か国に変更となっていただろう。
慰安婦像の前からすぐ隣の徴用工像の前に行くと今度は徴用工についてソヨンは熱弁を振るう。
『かつて、悪しき日帝は私たちの国を植民地とし労働力として過酷な労働に従事させました。そうした企業は今もなお彼らに謝罪する事も、反省する事もありません!こんなことで良いのでしょうか!』
そして鉄板のフレーズが放たれる。
『今このキャンパスより!日本政府に対し従軍慰安婦や徴用工だった方々に対する謝罪と賠償を求めようではありませんか!』
そうソヨンが声を張り上げると会場からは割れんばかりの拍手が巻き起こった。
慈仁は遠目にそれを眺めていた。主張自体については「最終的かつ不可逆的に解決してるんじゃないの?」としか思っていないが、彼女の美しさに彼は見惚れていた。
彼は会場に近付くと勝手に壇上に上がりソヨンの前で跪いていた。
「どうか私と結婚を前提にお付き合いをお願いしたい!」
いきなりの展開に( ゚д゚)ポカーンとした表情を浮かべるソヨン。その直後、彼女の顔は一瞬で真っ赤になった。
「いきなり何言うのよこの変態!」
真っ赤な表情でいきなりビンタをかますソヨン。そして彼女は彼の顔を見るなりその正体に気付いた。
「あなた日本の皇太子でしょ!?まさか自分の先祖の罪を忘れて私にセクハラしたんじゃないでしょうね!?」
「先祖の罪は知らんが君の美しさを知った。どうか我が手を取っていただきたい。君に惚れたんだ」
「知らないって何!?日帝のボスの子孫のくせに無神経すぎない!?」
「日帝は滅んだ!だが私の胸には君に対する燃え上がる恋心が誕生した!どうかこの手を取ってくれ!」
「やかましいわこの変態!」
その直後だった。血相を変えた護衛が壇上に上がってきた。
「何やってるんですか殿下~!!寄りにもよってこんな集会に護衛なしで来るなんて!何かあったらどうするんですか!?」
そう言って両肩を掴みぶんぶんと振る護衛。
「落ち着け。私の心は今、かつてない高鳴りと共に熱い炎が灯ったんだ。」
「こんなとこにいたら最悪リアルで燃やされますよ!さあ、離れますよ!」
「ああ。ちょっと待ってくれ!」
そう言って慈仁はソヨンにある紙を渡す。
「僕の連絡先だ!君への想いは本物だから!連絡をくれ!」
「だからもう行きますよ!」
日本人よりも体格に恵まれている護衛はやや痩身の慈仁をヒョイッと片手で持ち上げると速やかにその場を後にした。
その場には連絡先が書かれた紙を手に呆然とするソヨンと集会に参加していた委員会の面々が残されていた。
◇◇◇
「...って言うのが最初の出会いだったんだ」
「それで授業も一緒だったことが分かって段々一緒にいる内に結婚したいなってなって...」
「で、両親に紹介したら反対されて今に至るというわけだ」
そう2人に告げられた野中は叫んだ。
「そんなの結婚が認められる訳ないだろうがこの馬鹿タレがぁ!!」
普段の礼儀正しさはどこへやら。そう絶叫する野中。
無理もない。ただでさえ外国人、それも何かと気まずい関係になっている韓国人との結婚自体皇族として認められるわけがない。
ましてや日本政府が解決済みと判断している諸問題で日本に対し敵対的な言動を取る人物など猶更である。
野中は幼少期から慈仁の突飛な行動に振り回されていたがこれは別次元過ぎる。
「しかし人は過ちを繰り返すものだろう?改善しようとしているのなら良いではないか」
「まあ間違っているとは思ってないけどね今でも」
「あ、そうなの?まあ別にそれはいいや。」
「後独島も韓国だから」
「まあそれも今は置いておこうよ」
「本当に結婚する気があるのか?」と言いたくなるようなソヨンの言葉に、本心では結婚したくないからわざと話が拗れる様な事を言っているのでは?と思いつつ野中は声を張り上げる。
「帰れぇ!今のところはもう帰れぇ!」
そう言って野中はソヨンを東宮御所から帰宅させる。
「大夫、それで彼女とのけっk「認められる訳ねーだろがボケ!ド突き回すぞゴラァッ!」...え~」
珍しくキレ散らかしている野中に慈仁はドン引きしながら答えた。
そしてあまりの衝撃の強さに胃痛に悩まされ一晩中満足に寝られなかった結果冒頭に至るのである。
◇◇◇
その後、何度か話し合いの席を設けたが当然認められる訳がなく結局2人は破局となった。
腹いせにソヨンは彼の連絡先と交際中のメッセージのやり取りを英国のダブロイド誌にリークした。
その結果、慈仁は機種変更を余儀なくされた挙句日本中からもバッシングされ「こんな奴廃太子しろ」という署名まで行われた。
この署名は彼の従弟に当たる貞仁親王の東大進学反対署名約1万2千人の50倍に当たる約60万人の署名が集まった。
しかし、それでも既に宣明が為された慈仁の立太子は覆されることはなかった。
その後、慈仁は宮内庁がセッティングしたお見合いで旧宮家の御令嬢と結婚。2男2女の子供達の父親として、皇太子として育児や公務に奔走する日々を送る事となる。
家庭を持った事で幼少期から野中を悩ませてきた問題児な部分は徐々に鳴りを潜めるようになった。
今では「若気の至り」「誠に恥ずかしい限りである」と幼少~青年期にかけての自身の振る舞いやソヨンとの騒動を振り返られる程度には落ち着いた。
しかし、彼の問題児気質は子供達に遺憾なく受け継がれており、野中の苦労人生活はまだまだ当面は続きそうである。
~完~
あとがき
余談ですが日帝犯罪追及学生委員会は内部分裂やら「大学に直接関係ない問題を持ち込むんじゃねえ」という大学当局の意向やらで程なく解散となりました
ソヨンは慈仁との破局後、韓国に帰国し熱心なフェミニストとして活動。ジェンダー平等を推進する韓国のある行政機関で幹部候補職員として活躍。韓国国内の男女対立を深刻化させ少子化を促進する結果となるが本人は「女性達の自立を実現した」と得意げになっているそうです。
尚、本人は韓国の最難関大学を卒業し、財閥系企業で出世コースに乗った男性と結婚し2女を儲けております。(パートナー男性の家庭内での地位はお察し下さい)
最後に、この物語はフィクションです。筆者は韓国及びフェミニズム、皇室に対し侮辱したり揶揄する意図は一切ございません。ご了承下さい。
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