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第一章
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「君に対しても税の免除どうこうとは別に、報酬は渡すつもりだ。」レベラは続けて話した。報酬を渡さないと引き受けない可能性があるということは、ギズモンドとは一致した意見であった。額についてはどう働くかを見て予算内の額で決める予定である。
「報酬…報酬だと…」黒髪の若者はつぶやいている。
その時、テーブルに先程まで伏せており、鍋を横に置いていた男が立ち上がって割って入ってきて、農夫の若者を指差しながら話しだした。「この人は地域違うから本当は参加できなかったらしいんだけども今の話だと一緒にゆけば参加できるって言われてましたよね。それじゃ、僕なんかも参加してもいいんですよね!僕も地域違うんだけども。」
かぶっていた鍋を取っていたので焦げ茶色の髪と目、丸く平べったい頭、丸顔がよく見えるようになっていた。農夫の青年に比べるとやや小柄だ。
話しながら自分もちゃんと武具を用意して来ているのだと周りに示したかったらしく、再度鍋をかぶった。丸く平べったい頭がちょうどいい感じでおさまった。
レベラは少し困り顔で「そ、そうだとも」とつぶやいた。わざわざ遠方から料理用の鍋をかぶっただけで命を落とすかもしれない戦にここまでやってくる者の気持ちがよく分からないこともあり、少しのけぞって後ろに下がって返事をしてしまった。
あまり人数が増えるとこちらが用意できる費用が足りなくなるので、例外はここまでにしておきたいところである。
しかし肝心の黒髪の青年の返事がまだだった。周りは彼がなんと答えるか固唾を呑んで待っていた。
「終わった後、自由にしていいなら、また報酬がもらえて、こちらでできそうな内容であるならば、引き受けよう。」
了解ととれるような返事をもらえたのでギズモンドとレベラはあからさまにホッとした顔になった。
「それで俺は具体的には何をすればいいのか」
「そうだな…」
レベラはなにができるかを調べるためステータスボードという板を受付に取ってこさせた。
「この板に手をかざすと、その人物が何ができるかが魔法により看破され示される。
それを見てそなた達に依頼する内容を決めさせてもらう。
心配しなくても、できないほど難しい依頼内容にはしないつもりだから安心してくれ。」
ちなみにわりと強い魔法を利用しているため隠蔽はほぼ不可能である。
ここに手をかざしてくれと話すと青年は板の上に手をかざし始めた。ボードに字が浮かび上がってくるはずだが何やらおかしい。
力がどの程度強いかやら、魔法が使えればその強さや種類やらがあらわれるはずなのだが、何も出てこない。わずかに文字が浮かび出てきたがそれは…
…スキル不能…
「スキル…不能…?」レベラが呆然としてつぶやく。こんな表示を目にしたのは初めてであった。
スキルが全く使えないと表示されているのか。ステータスも全く表示されないのは、表示される数値にすらならないということかもしれない。
これではスキルも習得できないだろうし、不能と表示されるのも無理はないだろう。
それでも、板が誤作動や故障をしている可能性もあるかと、農夫の若者を調べてみたが、普通に平民なればこうあろうかという数値が表示され、スキルが作付けと開墾であった。
丸い頭の方でも、彼は商人ということだったが、普通に数値があらわれ、スキルは計算と出て来た。念のため受付の者にも使ってみたが普通に表示された。となると板が壊れているわけではなかった。
「報酬…報酬だと…」黒髪の若者はつぶやいている。
その時、テーブルに先程まで伏せており、鍋を横に置いていた男が立ち上がって割って入ってきて、農夫の若者を指差しながら話しだした。「この人は地域違うから本当は参加できなかったらしいんだけども今の話だと一緒にゆけば参加できるって言われてましたよね。それじゃ、僕なんかも参加してもいいんですよね!僕も地域違うんだけども。」
かぶっていた鍋を取っていたので焦げ茶色の髪と目、丸く平べったい頭、丸顔がよく見えるようになっていた。農夫の青年に比べるとやや小柄だ。
話しながら自分もちゃんと武具を用意して来ているのだと周りに示したかったらしく、再度鍋をかぶった。丸く平べったい頭がちょうどいい感じでおさまった。
レベラは少し困り顔で「そ、そうだとも」とつぶやいた。わざわざ遠方から料理用の鍋をかぶっただけで命を落とすかもしれない戦にここまでやってくる者の気持ちがよく分からないこともあり、少しのけぞって後ろに下がって返事をしてしまった。
あまり人数が増えるとこちらが用意できる費用が足りなくなるので、例外はここまでにしておきたいところである。
しかし肝心の黒髪の青年の返事がまだだった。周りは彼がなんと答えるか固唾を呑んで待っていた。
「終わった後、自由にしていいなら、また報酬がもらえて、こちらでできそうな内容であるならば、引き受けよう。」
了解ととれるような返事をもらえたのでギズモンドとレベラはあからさまにホッとした顔になった。
「それで俺は具体的には何をすればいいのか」
「そうだな…」
レベラはなにができるかを調べるためステータスボードという板を受付に取ってこさせた。
「この板に手をかざすと、その人物が何ができるかが魔法により看破され示される。
それを見てそなた達に依頼する内容を決めさせてもらう。
心配しなくても、できないほど難しい依頼内容にはしないつもりだから安心してくれ。」
ちなみにわりと強い魔法を利用しているため隠蔽はほぼ不可能である。
ここに手をかざしてくれと話すと青年は板の上に手をかざし始めた。ボードに字が浮かび上がってくるはずだが何やらおかしい。
力がどの程度強いかやら、魔法が使えればその強さや種類やらがあらわれるはずなのだが、何も出てこない。わずかに文字が浮かび出てきたがそれは…
…スキル不能…
「スキル…不能…?」レベラが呆然としてつぶやく。こんな表示を目にしたのは初めてであった。
スキルが全く使えないと表示されているのか。ステータスも全く表示されないのは、表示される数値にすらならないということかもしれない。
これではスキルも習得できないだろうし、不能と表示されるのも無理はないだろう。
それでも、板が誤作動や故障をしている可能性もあるかと、農夫の若者を調べてみたが、普通に平民なればこうあろうかという数値が表示され、スキルが作付けと開墾であった。
丸い頭の方でも、彼は商人ということだったが、普通に数値があらわれ、スキルは計算と出て来た。念のため受付の者にも使ってみたが普通に表示された。となると板が壊れているわけではなかった。
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