星空のコンタクト

椎畑庄三郎

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えっ、

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 乙女のような柔らかい唇の感触は遠い昔のあの日、初めて触れた異性の唇、美恵子とのキスが蘇ってきた。

 もし美恵子より前にこうして祥子とキスしていたなら祥子がはじめての女、そして妻になっていたかもしれない。

 そんな思いが心をかき乱す。

 しかし静かに唇が離れ、私の思いが空回りしてるうちに彼女は踵を返してエレベーターへ向かっている。

「祥子さん、待って。」

 一言言わなければならないと思いそう声をかけた。

 振り向いた彼女からは何の意志も読み取れない。まさに無表情で私を見返している。

「祥子さん、ありがとう。」

「どういたしまして。でも、薫くんはキスが下手ね。」

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