〜いつか来た道〜

青木 航

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〜いつか来た道〜 その3

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・第二次世界大戦前の成り行きと酷似してきた。第二次世界大戦直前のドイツと今のロシアに共通点が多く有る。
・この二つの事に気が付いて12/24からこの記事を書き始めました。

 読んで頂ければ、二つの成り行きが酷似していることは誰の目にも明らかである。

・唯一違うところは、世界大戦に至らなかったと言うことだ。
 勿論、第三次世界大戦が起これば世界は終わる。それは、誰でも分かる事だ。だから、世界大戦は起こらない。そう考えるのが常識だ。
   ~~~~~~~~~

  *危険な童話

『チキンレースを覚悟すれば、俺とタイマン張れる度胸の有る奴なんか居やしない』

 以前はブイブイ言わせてアタマ張ってたが、最近影の薄く成っているウラジーミルは考えた。そして、元子分の一人をいきなりボコボコに殴って、
『こいつは俺の子分だ。今後言うこときかせる。なんか、文句あっか? 文句有る奴居たら掛かって来いよ! 後どうなろうと、徹底的に相手してやるからな』
と啖呵を切ったのだ。掛かって来る奴は誰も居なかった。チキンレースにさえならなかったのだ。
 それまで、ウラジミールの態度にさんざん文句言ってた連中も、結局、本気で止めようとさえしなかった。
『能書き言っても、腹括れる奴なんか、やっぱ居なかった。俺の読みは正しい』
 ウラジミールは一人ほくそ笑んだ。

 このウラジミールのやり方を冷静に見ている男が二人居る。
『なるほどな』思いながら、二人は成り行きを見ていた。
 一人は、実質上アタマの一人にのし上がって居る実力者の男。もう一人は、小者だが、チキンレースいつでも歓迎と吹聴しているイケイケの若い男だ。

 二人に取って、ウラジミールが見せてくれたやり方は大いに役に立った。
『いつかテッペン取ってやる』
 それぞれにそう思った。
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