遠い昔の、見えない友達

レオン

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遠い昔の、見えない友達

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「あらー新田さんじゃないー!」
どこからか声がかかり、母と繋いでいる手がほどける。
「あらー小林さん!もしかしてスーパーで買い物だった?」
「うん、いま買い物が終わって帰ろうとしたところ」
「マーマ、マーマ」
当時4歳だった僕は早く帰ろうと母の大きな手を引っ張った。
「ごめんね、お母さん少しお話するから、そこで遊んでて、遠くには絶対に行かないでね」
 そこ、とはスーパーの近くにある公園で滑り台やアスレチックなどの遊具があった。でも僕は1人だったので遊具ではあまり遊ばず、そこらへんをぶらぶらしていた。そこらへんを歩いていると学校の体育倉庫ぐらいの大きさの建物があった。好奇心からその建物を叩いてみる。
コンコン
という単調な音がする。その音が良くて何回も叩いた。ずっと叩いていると何か違和感があった。自分が3回しか壁を叩いていないのに、5回くらい音がする。試しに2回叩いて叩くのをやめてみる。
       トン………………トン
音がかえってきた。
この壁の向こう側に誰かいるのだろうか?
気になり3回叩いてまた待っていた。
       ドン!…ドン!…ドン!
「ヒィ!」
向こうから、強く壁を叩いてきてる。
「ママー!」
僕は怖くなってお母さんの所へ走った。
「あら!もうこんな時間じゃまた今度ねー」
母が僕が来ていることを知り、話を打ち切った。
僕は母に今の出来事を伝えた。
「いつも怖い番組観てるからでしょー!」
母はそう言うだけで、僕の話は信じなかった。





大人になった
もう一度あの場所を訪れてみる。
どうやらあの建物は変電室だったようだ。
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