苦しいほど愛おしい人

noctjub79

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挨拶

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おはようございます。
今日はついに翼くんのご両親に挨拶の日。

全然寝れなかったな・・・。
色んな心配を胸に、昨日のうちに用意しといた服に着替えて、メイクも薄めにして、髪の毛も緩く巻いて、よし準備万端。
そんな事をしているうちに翼くんが迎えに来た。

「翼くんおはよう」
「真由おはよう、昨日寝れた?どうせ真由の事だから考えすぎて寝れなかったんじゃない?」
そう笑いながら言う翼くんにちょっと気持ちがほっこりする
けど、緊張は解けないでいる。
私の家と翼くんの家は車で10分くらいの距離。
早いな・・・。
すぐついてしまう。
もう逃げれない、頑張るぞ。

「お邪魔します。」
「あら、あなたが真由ちゃんね~待ってたわよ~」
人柄が良さそうな優しそうなお母さんが迎えてくれた。
お父さんも凄く優しさが滲み出てるような人だった。

「林真由と言います。初めまして、よろしくお願いします。」
私は自己紹介を済ませた。
「そんな固くならないで~翼がいつも迷惑かけてごめんね。これから家族としてよろしくね」
「至らないところもありますが、末長くよろしくお願いします。」
意外と挨拶もすんなりとできた。
翼くんには他に4人の兄弟がいる。
みんなにも順番に挨拶をしていこうねと話をし、あとは翼くんがどんな子だったか、
私の仕事のことや、結婚式のこと、色々と聞かれた。
私の緊張は全然解けないまま、翼くんの家を後にした。

私たちはそのままの足で家探しをしに不動産屋さんに行った。
最初は小さいアパートとかでいいよね。
お互いの最低限望む条件などを話し合って、1箇所見に行かせてもらった。
2階建のメゾネットタイプで間取りは3DKかな、目の前に駅があってコンビニスーパーも広い。
ペットも可能。猫がいるおうちで育った翼くんからしたら最高な家
お互いの職場も近い。
けどね、私動物はあんまり得意じゃないんだ・・・。
翼くんはいずれはって思ってるのかな?
一応あんまり得意じゃないのは話してあるし。
きっと大丈夫よね。

そしてお互い気に入ったここの家を借りることにした。
不動産屋さんが頑張ってくれて、来週から住めることになった。
同棲してから結婚の方がいいとよく聞くけど、逆になってしまった。
でもきっと大丈夫。
うまく行く。そんな自信があった

私た血は2人の時間も大切にしながらお互いの引っ越しの準備を進めた。
意外と荷物ないように見えて結構あるな
男の人と暮らすのは2回目だ。
こんな感じなんだろうなとは思うけど、やっぱり異性の人と一緒に住む時はドキドキと、
私の全てを曝け出す感じがやっぱり小恥ずかしい。

引っ越しの準備を始めてからは、忙しかったのか時の流れが一瞬だった
私たちは鍵を貰い新居の扉を開ける。
今日から始まるのか、ここで私たち夫婦は成長していくんだな、期待を胸に荷物を片付けた。
あまり手料理も作ってあげたことなかったからどんな味が好きなのかもわからないし、お口に合うかな。
「いただきます。おいしい~」
と、不安な私をよそに翼くんはパクパクと箸を止めることなくたくさん食べてくれた。
よかった。
これからもっと料理の勉強していかないとね
この笑顔を守れるように頑張ろう。

そんなある日、翼くんのお母さんからお家に招待された、3男が来ているからおいでとの事だった。
私はちょっとした手土産を持って挨拶をしに行った。
家について扉を開けると驚きが隠せなかった。
「え?真由!?まじ?ウケるんだけど~」
そうやって言ってるのは3男のお嫁さん。
そこにいたのは、高校の時仲良かった凛
「え!?」
私は頭の整理が追いつかなかったけど、すぐに状況を把握することができた。
そっか、凛の旦那さんは翼くんのお兄ちゃんだったんだ。
世間の狭さにびっくり。
「高校が一緒って言ってたし、年齢も一緒だからもしかしたらって思ってたんだよね」
とお義母さんはニコニコしながら言った。
そのご挨拶を済ませ、懐かしい話に少し花も咲かせたりしてご飯を食べた。
優しそうなお兄さんだな、凛もいるし安心。
あと3人、きっと皆優しいんだろうな。

少し気持ちが楽になった。
そういえば、翼くん兄弟にアポとってくれてるのかな?
私連絡先知らないしな・・・。
家に帰ったら聞いてみよう。

帰り道、翼くんとおいしいコーヒー屋さんに寄って家に帰った。
翼くんも凛と私が友達だった事に凄くびっくりしていて、その話をしながら帰った。

家について家事を済ませお風呂も済ませた。
寝る前に聞こう。
「翼くん、兄弟にアポとってくれた?」
「あ、忘れてた。連絡しとく」

ん?忘れてたってどうゆう事だろう。
こんなに大事な事なのに、私は少し不信感を感じた。
でもそこまで深くは考えず、連絡してくれるのを待つことにした。
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