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2章 ビギシティと出会い
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「あー、すっごい眠い。」
「確かにそうですけど、もうお昼すぎてますよ。」
日にちが進み、今は昼頃。ガローギルドマスターに昨日言われた報酬を取りに行くため、冒険者ギルドを目指し街をリーフと2人で歩いていた。
昨日は夕方頃に寝たが、疲労が溜まりすぎていたのか約20時間ほどぐっすりと寝ていたようで、1時間ほど前にリーフが俺の部屋をノックしたようで、その音で俺は目を覚ました。
「おじさんその串焼き1つ、いや……リーフもいるか?」
「いえ、朝食は既に済ませているので大丈夫ですよ。」
「まいどー」
街の串焼き屋台のおじさんに1つ串焼きを貰い、かぶりつく。
「うまっ……そういえばリーフはいつ起きたんだ?」
「朝の8時頃ですよ。ユウキさんが起きてくるまでぼーっとしていたんですけどあまりにもユウキさんが起きてこないので我慢できずに起こしに行っちゃいました。」
あはは、とリーフは頬をかきながら笑う。
「リーフは俺よりも疲労溜まってるだろうによくそんな早く起きれたな。体調は大丈夫か?」
串焼きを食べ終え、近くにあったゴミ箱に捨て、俺はリーフに聞いてみる。見たところは元気そうだが。
「えぇ、だいぶ良くなりましたよ。ミラン村では早くに起きて親の仕事を手伝っていたので……おかげで早起きは得意です。今日はいつもより遅めですけど。ところでユウキさんは大丈夫ですか?」
「まあな、ステータスはもうすぐで元に戻るだろうし、ミラン村で受けた傷もポーションのおかげでだいたい治ってる。疲労はまだ少しあるがな。」
「えーと……や、やっぱり起こさない方が良かったですかね?」
直前までリーフは笑顔を浮かべていたが、俺の言葉を聞いて少し申し訳なさそうな顔でちらりと俺を見る。
「気にするな。ステータスの低下による疲労だからあと1日くらいはどうやってもこのままだし、それにかまけてリーフ1人でギルドに行ってこいなんて言うわけないだろ。」
「良かったです。てっきり嫌われたのかと……。」
「んな訳あるかい……っとそろそろギルドだ。」
ギルドの扉を開けると、ヒューデットの出現により、昨日まではDランク以上の冒険者が付き添わなければ行けなかったが、それが解除されたようで、クエストを受けようとEランク若い冒険者達が多くいた。
「ひぃっ!?ユ、ユウキさん……」
「うーん、まぁこうなるよなぁ。」
それはギルドにとってとても良い事なのだろうが俺達にとってはあまりよろしくない事だ。
「おい、あの人達だよな。」
「だろうぜ、金髪の美少女と黒髪の男って噂だし。」
「急に現れて悪魔とヒューデット倒すとかやばすぎだろ。」
中にいた冒険者達が一斉に視線を俺達に向け、人に注目されることに慣れていないのか、それにビビったリーフが俺の背中に隠れた。冒険者達は俺達を見ながらヒソヒソと話しているが、注目されているということはフロウアとヒューデット関係の事が知らされたんだろうと推測する。
「多分ヒューデットがいなくなったことを周知させるときに俺達のことも言ったんだろうな。この2人が今回の騒動を沈めたんだぞーって」
「ヒューデットがいなくなったことだけ言って欲しかったです。私注目されるのあまり好きじゃないです。」
後ろに隠れたリーフに耳打ちすると、ピクっとリーフは肩を動かしぼそぼそと呟いていた。
その気持ちも分からなくもないが、誰が今回の騒動を収めたのか、それをハッキリとさせた方が信憑性もあるだろう。
「とりあえず受付に行こう。このままじっとしていても視線を浴び続けるだけだ。」
「は、はい」
幾人もの冒険者達の視線を感じながらもリーフを引き連れ受付の元に辿り着く。受付嬢は俺達を見ると驚いたかのように目を見開き、表情を元に戻すと俺達に話しかけた。
「こんにちは、ツキモト様にクレイン様でしょうか?」
「あぁ、昨日ガローギルドマスターに受付に来てくれと言われたんだが。」
「はいこちらもツキモト様とクレイン様が来た際、今回の件における報酬を渡すように言われております。少々お待ち下さい。」
そう言った受付嬢は後ろにある扉を開けその中に入って数十秒経つと、大きな麻布を2つ持ってどんっ、とカウンターの上に置いた。
「各袋に紫の硬貨、10万ギル硬貨が100枚ずつ入っております。この2千万ギルがお二人への報酬との事です。」
そうか2人で2千万ギルか
そう思考して数秒経ち――
「はぁ!?」
「ですよねその反応が正解ですよね私が間違ってないですよねっ!」
俺の反応にリーフも早口でそうまくしたてる。おまけにこのやり取りを見た周りの冒険者達もざわざわと騒ぎ始める。
「悪魔って倒したらあんなに貰えるのか。」
「いや、確かSランクの悪魔でも500万ギルくらいだったはずだ。」
「じゃあなんであんなに高額なんだ?」
「さぁな?」
「……らしいけどやっぱり多いよな?ギルドマスターは少し報酬は少なくなるって言ってたし。これは多すぎなんじゃないか?しかもフロウアを討伐した訳でもないし。」
それを聞いた俺は受付嬢に聞いてみる。確かにお金を沢山貰えるのは嬉しいが、器の欠片をギルドマスターに渡していないためこのビギシティは衰退の一歩を辿るだろう。それでこのお金を貰うのは気が引ける。
「いえいえ、確かに通常の悪魔であればSランクで500万ギルほどですが、今回はツキモト様方の報告で神の欠片の通常の悪魔よりも強力なEXスキルを使うことが分かりました。その情報に対する報酬と神の欠片で強化されたEXスキルを使う悪魔の撃退、それらを合わせたのがこの額となります。」
「なるほどな。」
「でも、この街は大丈夫ですか?数々の村と協力して維持していたビギシティはもう村の支援は得られません。その状態でビギシティはこれまでのように街を維持できるのでしょうか?」
受付嬢の説明に納得しているとリーフは受付嬢にそう質問した。質問を受けた受付嬢は僅かに目を逸らし、そして冒険者達もざわざわと騒いでいたが、不安そうに互いに顔を見合わせていた。
「それは……おそらく無理かと。クレイン様の仰る通り、この街は周りの村と共生してきました。これからどうなる事か……今は大きな変化はありませんが、時間が経つにつれ次々に問題が発生することは確実でしょう。」
それを聞いたリーフは袋から3つ硬貨を取り出し、残りを受付嬢に渡して微笑む。
「私はこれだけ貰えば大丈夫です。残りはビギシティのために使ってください。」
「……は?」
リーフの行動に受付嬢は口をあんぐりと開けていた。
「リーフがそうするってんなら俺もしよう。どうせ、こんなに大金があったところで使い切れないだろうしな。」
俺もリーフに続いて硬貨を3枚取り出し、受付嬢に渡すと受付嬢は正気に戻ったからのようにいやいやと両手を振る。
「あっ、あなた達は悪魔を倒したのですよっ!しかも普通の悪魔よりも強力な悪魔を。それを誇ってこのお金を受け取っても誰も文句を言いません!
あなた達はそれを誇るどころか報酬さえも街のために使おうだなんて……これは受け取れませんよ!」
「そ、そうだぜ!あんた達は俺達にとってのヒーローだ。
ヒューデットのおかげで俺達はろくにクエストも受けられなかった。だけど、あんた達がヒューデットを生み出す悪魔を倒してくれたから俺達はまた冒険者としてやっていけるんだ。
確かに周りの村が全滅しちまったのは残念だけど、あんた達がその報酬を街のために使うことは無いんだぜ!」
受付嬢に続くように近くにいた冒険者がそう言って、その冒険者に賛同するようにほかの冒険者も頷いている。
「とは言ってもこんな大金持ったことないからな。あいにくそこまで贅沢な暮らしをしたことないから大金の使い方が分からないんだ。それなら懐に入れておくよりこうやって有意義な使い方をした方がいいだろ?」
「私もこれほどまでのお金の使い方が分かりませんからね。というわけでどうぞどうぞ!」
俺とリーフはそう言って無理矢理受付嬢に硬貨の入った袋を押し付け、冒険者ギルドを早足で出ていった。
「確かにそうですけど、もうお昼すぎてますよ。」
日にちが進み、今は昼頃。ガローギルドマスターに昨日言われた報酬を取りに行くため、冒険者ギルドを目指し街をリーフと2人で歩いていた。
昨日は夕方頃に寝たが、疲労が溜まりすぎていたのか約20時間ほどぐっすりと寝ていたようで、1時間ほど前にリーフが俺の部屋をノックしたようで、その音で俺は目を覚ました。
「おじさんその串焼き1つ、いや……リーフもいるか?」
「いえ、朝食は既に済ませているので大丈夫ですよ。」
「まいどー」
街の串焼き屋台のおじさんに1つ串焼きを貰い、かぶりつく。
「うまっ……そういえばリーフはいつ起きたんだ?」
「朝の8時頃ですよ。ユウキさんが起きてくるまでぼーっとしていたんですけどあまりにもユウキさんが起きてこないので我慢できずに起こしに行っちゃいました。」
あはは、とリーフは頬をかきながら笑う。
「リーフは俺よりも疲労溜まってるだろうによくそんな早く起きれたな。体調は大丈夫か?」
串焼きを食べ終え、近くにあったゴミ箱に捨て、俺はリーフに聞いてみる。見たところは元気そうだが。
「えぇ、だいぶ良くなりましたよ。ミラン村では早くに起きて親の仕事を手伝っていたので……おかげで早起きは得意です。今日はいつもより遅めですけど。ところでユウキさんは大丈夫ですか?」
「まあな、ステータスはもうすぐで元に戻るだろうし、ミラン村で受けた傷もポーションのおかげでだいたい治ってる。疲労はまだ少しあるがな。」
「えーと……や、やっぱり起こさない方が良かったですかね?」
直前までリーフは笑顔を浮かべていたが、俺の言葉を聞いて少し申し訳なさそうな顔でちらりと俺を見る。
「気にするな。ステータスの低下による疲労だからあと1日くらいはどうやってもこのままだし、それにかまけてリーフ1人でギルドに行ってこいなんて言うわけないだろ。」
「良かったです。てっきり嫌われたのかと……。」
「んな訳あるかい……っとそろそろギルドだ。」
ギルドの扉を開けると、ヒューデットの出現により、昨日まではDランク以上の冒険者が付き添わなければ行けなかったが、それが解除されたようで、クエストを受けようとEランク若い冒険者達が多くいた。
「ひぃっ!?ユ、ユウキさん……」
「うーん、まぁこうなるよなぁ。」
それはギルドにとってとても良い事なのだろうが俺達にとってはあまりよろしくない事だ。
「おい、あの人達だよな。」
「だろうぜ、金髪の美少女と黒髪の男って噂だし。」
「急に現れて悪魔とヒューデット倒すとかやばすぎだろ。」
中にいた冒険者達が一斉に視線を俺達に向け、人に注目されることに慣れていないのか、それにビビったリーフが俺の背中に隠れた。冒険者達は俺達を見ながらヒソヒソと話しているが、注目されているということはフロウアとヒューデット関係の事が知らされたんだろうと推測する。
「多分ヒューデットがいなくなったことを周知させるときに俺達のことも言ったんだろうな。この2人が今回の騒動を沈めたんだぞーって」
「ヒューデットがいなくなったことだけ言って欲しかったです。私注目されるのあまり好きじゃないです。」
後ろに隠れたリーフに耳打ちすると、ピクっとリーフは肩を動かしぼそぼそと呟いていた。
その気持ちも分からなくもないが、誰が今回の騒動を収めたのか、それをハッキリとさせた方が信憑性もあるだろう。
「とりあえず受付に行こう。このままじっとしていても視線を浴び続けるだけだ。」
「は、はい」
幾人もの冒険者達の視線を感じながらもリーフを引き連れ受付の元に辿り着く。受付嬢は俺達を見ると驚いたかのように目を見開き、表情を元に戻すと俺達に話しかけた。
「こんにちは、ツキモト様にクレイン様でしょうか?」
「あぁ、昨日ガローギルドマスターに受付に来てくれと言われたんだが。」
「はいこちらもツキモト様とクレイン様が来た際、今回の件における報酬を渡すように言われております。少々お待ち下さい。」
そう言った受付嬢は後ろにある扉を開けその中に入って数十秒経つと、大きな麻布を2つ持ってどんっ、とカウンターの上に置いた。
「各袋に紫の硬貨、10万ギル硬貨が100枚ずつ入っております。この2千万ギルがお二人への報酬との事です。」
そうか2人で2千万ギルか
そう思考して数秒経ち――
「はぁ!?」
「ですよねその反応が正解ですよね私が間違ってないですよねっ!」
俺の反応にリーフも早口でそうまくしたてる。おまけにこのやり取りを見た周りの冒険者達もざわざわと騒ぎ始める。
「悪魔って倒したらあんなに貰えるのか。」
「いや、確かSランクの悪魔でも500万ギルくらいだったはずだ。」
「じゃあなんであんなに高額なんだ?」
「さぁな?」
「……らしいけどやっぱり多いよな?ギルドマスターは少し報酬は少なくなるって言ってたし。これは多すぎなんじゃないか?しかもフロウアを討伐した訳でもないし。」
それを聞いた俺は受付嬢に聞いてみる。確かにお金を沢山貰えるのは嬉しいが、器の欠片をギルドマスターに渡していないためこのビギシティは衰退の一歩を辿るだろう。それでこのお金を貰うのは気が引ける。
「いえいえ、確かに通常の悪魔であればSランクで500万ギルほどですが、今回はツキモト様方の報告で神の欠片の通常の悪魔よりも強力なEXスキルを使うことが分かりました。その情報に対する報酬と神の欠片で強化されたEXスキルを使う悪魔の撃退、それらを合わせたのがこの額となります。」
「なるほどな。」
「でも、この街は大丈夫ですか?数々の村と協力して維持していたビギシティはもう村の支援は得られません。その状態でビギシティはこれまでのように街を維持できるのでしょうか?」
受付嬢の説明に納得しているとリーフは受付嬢にそう質問した。質問を受けた受付嬢は僅かに目を逸らし、そして冒険者達もざわざわと騒いでいたが、不安そうに互いに顔を見合わせていた。
「それは……おそらく無理かと。クレイン様の仰る通り、この街は周りの村と共生してきました。これからどうなる事か……今は大きな変化はありませんが、時間が経つにつれ次々に問題が発生することは確実でしょう。」
それを聞いたリーフは袋から3つ硬貨を取り出し、残りを受付嬢に渡して微笑む。
「私はこれだけ貰えば大丈夫です。残りはビギシティのために使ってください。」
「……は?」
リーフの行動に受付嬢は口をあんぐりと開けていた。
「リーフがそうするってんなら俺もしよう。どうせ、こんなに大金があったところで使い切れないだろうしな。」
俺もリーフに続いて硬貨を3枚取り出し、受付嬢に渡すと受付嬢は正気に戻ったからのようにいやいやと両手を振る。
「あっ、あなた達は悪魔を倒したのですよっ!しかも普通の悪魔よりも強力な悪魔を。それを誇ってこのお金を受け取っても誰も文句を言いません!
あなた達はそれを誇るどころか報酬さえも街のために使おうだなんて……これは受け取れませんよ!」
「そ、そうだぜ!あんた達は俺達にとってのヒーローだ。
ヒューデットのおかげで俺達はろくにクエストも受けられなかった。だけど、あんた達がヒューデットを生み出す悪魔を倒してくれたから俺達はまた冒険者としてやっていけるんだ。
確かに周りの村が全滅しちまったのは残念だけど、あんた達がその報酬を街のために使うことは無いんだぜ!」
受付嬢に続くように近くにいた冒険者がそう言って、その冒険者に賛同するようにほかの冒険者も頷いている。
「とは言ってもこんな大金持ったことないからな。あいにくそこまで贅沢な暮らしをしたことないから大金の使い方が分からないんだ。それなら懐に入れておくよりこうやって有意義な使い方をした方がいいだろ?」
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