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2章 ビギシティと出会い
楽しき飲食店
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「本当に食いしん坊とかでもないんですちょっとお腹がすいたなぁって思ったらお腹がなっちゃっただけなんです信じてくださいユウキさんというより女の子に向かって食いしん坊とか言わないほうがいいですよユウキさんねぇねぇ聞いてますかユウキさん!!」
「聞いてるし分かったって!俺もデリカシーなかったよ悪かった。」
あの後俺はグーのストレートパンチをくらい、リーフは早口で決して食いしん坊では無いと怒りか羞恥かどっちか分からないが、顔を赤面させながら長々と主張している。
だが、俺も悪かったとはいえあまりにも長く主張というか説教をされ流石に疲れた。
「本当に分かってますか……?」
「本当に分かったって!」
じーっと目を細めながら俺を見てくるリーフに全力で首を縦に振り、分かっていると叫ぶ。
「むー……分かりました。本当に分かってくれたと信じるので私もここまでにしますけど次言ったら……」
「……言ったら?」
「どうなるでしょうね?」
リーフの表情は笑っているものの目が完全に笑っておらず背筋に冷たいものを感じ、震えながらこくこくと頷く。
「と、とりあえず話はここまでで……ここが俺がこの間食事をした所だ。リーフの口にも合うものがたくさんあると思うぞ!」
以前アイオンと共に食事をした飲食店に到着し、扉を開ける。
「……確かにいい匂いがしますね。」
店の中から漂う匂いで少しはリーフの機嫌が戻ったのか、僅かに口に笑みを浮かべる。
「いらっしゃいませ!あれ、ツキモトさん?それとクレインさん、でしたか?」
店内に入るとひと房の髪を結んだ銀髪の少女、リーエンが俺に気づき声をかけてきた。よっ、と手を挙げ俺も挨拶する。
「リーフで大丈夫ですよ。確かリーエンさんでしたね、こんにちは。」
「やっぱりいたか。今日もバイトか?」
「良かった、名前あっていましたか。そうですよ、もうすぐ今日のお仕事は終わりですけどね。」
「今から夕食って時にか?いまから忙しくなる時間じゃないのか?」
「まぁ……店内を見てもらえば分かりますよ。」
そう言ってリーエンが横に体をずらし、店内全体が見えるようになる。
「あの時よりだいぶ人が減ってるな。」
「はい……やはりヒューデットの件で周りの村から食料を受け取ることが出来なくなりお店で作れるメニューもかなり減ってお客さんも減ってしまったんです。そのせいで店長の話によると、もしかしたらこのお店は畳むことになるかもしれないと言われました。お母さんの薬代を稼がないといけないのに。」
目を伏せリーエンは悲しそうに呟いた。
「また冒険者ギルドでクエスト受けたりしたらどうだ?リーエンも冒険者だろ?」
「冒険者とは言ってもFランクの戦士でまともな戦技はほとんど使えませんけどね。私にはあまり才能がないみたいで正直魔物と戦うのも怖いですし……おっと、私の話より食事に来たんですよね?席に案内しますよ。」
途中で話を切り上げリーエンに着いて行き、席に着席する。
「それではメニューが決まったら教えてくださいね。」
「あぁ、ありがとう」
厨房の方に向かっていくリーエンを見てリーフは俺に視線を移動させる。
「リーエンさん、母親が病気なんですか?」
「らしいな……父親も母親を見捨てて家を出て行って自分で薬代を稼がないといけないらしい。」
「父親出ていったんですか!……最低ですね。私達になにか出来ればいいんですけど。」
と言ってもお金はもうそこまで余裕が無いし、もうすぐビギシティを出るため、この前のように一緒にクエストに行くことも出来ない。
「新しくバイトできる所があればいいんだけどな。とりあえず今日はここでお金を多く落とすとしよう。そうすればリーエンの給料も少しは増えるだろ。」
「そうですね、お腹も空きましたしそろそろ頼みましょうか?」
何を食べようか決めようとメニュー表を開くと以前はたくさんのメニューが書いてあったが、いくつかのメニューの文字にバツ印が書かれていた。恐らく材料不足で作れなくなったメニュー達だろう。
「こんにちはー、リーエン姉ちゃん来たよ!」
「ん、この声はドリバーか?」
新たに来客が来たのか店の扉が開き若い子どもの声が響く。その声の主はドリバーであり、扉を見ると他にもリリィ、ランディ、ラウ、レンリのフルメンバーが私服で入店していた。
「こんにちは皆さん、待っていましたよ。」
「ここで働いてたんだね、リーエン姉ちゃん」
俺達の時と同じようにリーエンが対応すると、ドリバーが店を見回すと、俺と目が合いドリバーは目を大きく見開いた。
「あれっ兄ちゃんじゃん!」
「ドリバー達じゃないか、ご飯食べに来たのか?」
「そりゃそうでしょ、ここ飲食店だし時間的にお腹も空いたから前にリーエン姉ちゃんにここで働いているって聞いたから寄ってみたんだ!そうだ、一緒に食べようよ!」
確かリーエンと子ども達はクエストで一緒になったが、様子を見るにあの後も交流が続いているようでかなり仲が良さそうだ。
「俺はいいがリーフはどうだ?」
ちらりとリーフを見る。俺と違ってリーフはあまり子ども達と交流がないためここはリーフにも聞いておくことにする。
「もちろん構いませんよ、ご飯は多くの人と食べた方が美味しいですからね。」
「やった!じゃあこのテーブルをくっつけてもいいかなリーエン姉ちゃん?」
「大丈夫ですよ。」
リーフは笑みを浮かべ頷き、それにドリバー達はガッツポーズをしてリーエンの許可を取り、俺達の隣にあったテーブルを移動させる。
「さて、そろそろメニューも決めないとな。」
「ツキモトさんは何を頼むんですか?」
再びメニュー表を見る俺に、俺の隣に座ったリリィはメニュー表を覗き込み、俺の顔を見上げる。
「結構ガッツリ食べたいんだよなぁ。ほら、俺達ミラン村に行ってたから途中ほとんど何も食べてないし、昨日帰ってきたのはいいものの疲れですぐ寝てしまってな。ここ数日あまり食べてないんだよな。」
そう言うと俺を見上げていたリリィはそーっとその目を横に逸らす。
その行動に疑問を感じドリバーに聞いてみようとすると、子ども達は全員なんというかソワソワしており、目線を俺に向けようとしない。
いや、俺だけでなくリーフからも視線を逸らし無言になり微妙な雰囲気になってしまう。
「え、どうした?」
「アイオンさんから言われたんです。ツキモトさんとリーフさんにミラン村であったことを聞くなと。特にリーフさんには絶対聞くなって。」
この空気に耐えきれず口を開くと私服のリーエンが店の奥から出てきて子ども達の様子の変化の理由を話す。
「リーエンさん、お店大丈夫なんですか?」
「えぇ、今日は店長から友人がいるならここで食べて帰るといいと言われたので。私も混ざってもいいですか?」
「もちろん構いませんよ。」
リーフの問いにリーエンは答え、近くの椅子を持って座る。
「それで……アイオンがどうしたって?」
「先日ツキモトさん達がギルドマスターに呼ばれた後、ドリバー君達はあなた達の活躍を聞こうと思っていたみたいで……それを聞いたアイオンさんは2人とも大変な思いをしたはずだから絶対に聞くなと言ったんです。だから」
「必死に聞かないようにとしているわけか。まぁ確かに結構大変な思いをしたしリーフに至っては……」
「あはは……そうですけど、聞いてもらっても構わないですよ?私はもう大丈夫なので。」
頑張って俺達と目を合わせないようにしている子ども達を見てリーフは軽く笑みを浮かべた。
「ほんとにっ!?」
それを聞いた瞬間リリィは立ち上がりランディはおぉーと声を上げ他も同じような反応を見せた。
「それで私は神様にお願いしたんです。悪魔に勝ちたいから力をくださいって。」
「まさか……」
「その瞬間声が聞こえて凄まじい力が溢れて疲れも怪我も完治してたくさんのヒューデットを倒すことが出来たんです。ちなみにそんな私を警戒した悪魔はヒューデットを300体以上召喚しましたがそのほとんどを倒しましたよ。」
あれからメニューを注文し、それを食べながらリーフはドリバー達にミラン村での戦闘について語っていた。
リーフは子ども達に気を遣われないように言葉を選び、できるだけ明るく、あえて自分があの村でどうやってヒューデットを倒したのかについて語っていた。
「すっっっごいです!!300体もあのヒューデットを倒すなんて!」
「ふふん、神様からの力で超級聖属性魔法『シャイニングブラスター』が使えるようになったのでそれを撃ってまとめて灰に返しましたよ。」
「超級!?超級魔法使えるんですか!すごい!!」
一緒にクエストをした時に俺の無属性のオリジナル魔法『無は有に』を教えた時のようにリリィはリーフの言葉に驚愕していた。
「まぁ、そんなに都合のいいことは無いというか……すぐに使えなくなってその上体が全く動かなくなった挙句、その前までCランク相当だったステータスがGまで下がってしまい、悪魔に捕まって殺される寸前でしたけどね。流石にあの時はもうダメかと思いました。」
「失礼なことかもしれませんけど……よく生きて帰れましたね。」
同じく話を聞いていたリーエンは自分の想像よりも過酷すぎた体験をしたリーフを見てもはや若干引いていた。
「ユウキさんが助けに来てくれましたからね。」
俺を見て微笑みながらリーフはそう言い、子ども達はうぉっー!と謎の叫び声を上げた。
「私が悪魔に殺される寸前、ユウキさんは現れて『ファイアアロー』を撃ち込み、最終的に悪魔を追い払って私を助けてくれたんです。」
「やっぱり兄ちゃんは凄いな!ねえねえ兄ちゃん!また一緒にクエスト行ってくれない?俺もっと強くなりたいんだ!」
「わっ、私も一緒にクエスト行きたいです!」
興奮してクエストに行きたいとねだる子ども達を見て俺はリーフと目を合わせる。リーフは苦笑いをしてこくりと頷いた。
「すまない、俺とリーフは明後日にはこの街を出るんだ。」
「えっ……」
直前までの興奮は消し飛び、子ども達はキョトンとした後、見るからにテンションが下がっている。
「ど、どうして?兄ちゃん達がここにいればもしかしたらビギシティの冒険者達のリーダーになれるかもしれないよ?冒険者ギルドに行った時皆兄ちゃんとリーフさんのことすごいって言ってたよ!」
「俺達はもっと強くならないといけないんだ。そしてそのためにはもっと魔法について学ばないといけない。ごめんな、せっかく皆と知り合うことが出来たのにこんなにすぐお別れになってしまって。」
ドリバーの頭を撫でながら優しく俺は話す。皆寂しそうで、気が進まないが俺達には魔法の知識が必要だ。
「でも……」
「ドリバー君、ツキモトさんもリーフさんもとても強い人達です。私とは見ている世界が違う。強くなりたい理由……私は想像がつきます。」
それでも止めようとするドリバーを遮り、リーエンは俺の目を見たあと、リーフの目を見て何かを悟ったかのように語り出した。
「強くなりたいその目的はおそらく……いえこの場では言わないでおきましょう。
とにかく、おふたりはこの場にとどまっていてはこれ以上強くなるのは難しいでしょう。おふたりが大好きなのであれば、ここはおふたりを見送りましょう。」
「…………うん。」
僅かな沈黙の後ドリバーはこくりと頷いた。
「すまない」
「いえいえ。皆でご飯を食べる雰囲気じゃないですよ!ご飯はまだまだあるから皆で盛り上がって沢山食べましょう!」
暗い雰囲気を明るくするため、リーエンはパンパンと手を鳴らしてご飯を勧めてくる。
「ここ飲食店で他の客もいるから盛り上がるのはどうなんだ?」
「いいんです、今私達以外にお客は誰もいませんからっ!」
「リーエンよぉ、どこの飲食店が客がいないって?」
「いったい!?て、店長!?」
リーエンの声に反応した店長らしき人が奥からやってきてリーエンにげんこつを食らわせた。それを見て先程までの暗い雰囲気が笑いで包まれ明るくなる。
「リーエンさんと店長さんには感謝ですね。」
リーエンは元から明るくしようと振る舞い、店長は俺達を見てウインクをした。
恐らく話が聞こえていてちょうどリーエンが客のことを言ったから店長も気を使ってくれたのだろう。
俺にしか聞こえない程度の声で囁いたリーフにそうだな、と呟き残りのご飯を皆で楽しく喋りながら食べていった。
「聞いてるし分かったって!俺もデリカシーなかったよ悪かった。」
あの後俺はグーのストレートパンチをくらい、リーフは早口で決して食いしん坊では無いと怒りか羞恥かどっちか分からないが、顔を赤面させながら長々と主張している。
だが、俺も悪かったとはいえあまりにも長く主張というか説教をされ流石に疲れた。
「本当に分かってますか……?」
「本当に分かったって!」
じーっと目を細めながら俺を見てくるリーフに全力で首を縦に振り、分かっていると叫ぶ。
「むー……分かりました。本当に分かってくれたと信じるので私もここまでにしますけど次言ったら……」
「……言ったら?」
「どうなるでしょうね?」
リーフの表情は笑っているものの目が完全に笑っておらず背筋に冷たいものを感じ、震えながらこくこくと頷く。
「と、とりあえず話はここまでで……ここが俺がこの間食事をした所だ。リーフの口にも合うものがたくさんあると思うぞ!」
以前アイオンと共に食事をした飲食店に到着し、扉を開ける。
「……確かにいい匂いがしますね。」
店の中から漂う匂いで少しはリーフの機嫌が戻ったのか、僅かに口に笑みを浮かべる。
「いらっしゃいませ!あれ、ツキモトさん?それとクレインさん、でしたか?」
店内に入るとひと房の髪を結んだ銀髪の少女、リーエンが俺に気づき声をかけてきた。よっ、と手を挙げ俺も挨拶する。
「リーフで大丈夫ですよ。確かリーエンさんでしたね、こんにちは。」
「やっぱりいたか。今日もバイトか?」
「良かった、名前あっていましたか。そうですよ、もうすぐ今日のお仕事は終わりですけどね。」
「今から夕食って時にか?いまから忙しくなる時間じゃないのか?」
「まぁ……店内を見てもらえば分かりますよ。」
そう言ってリーエンが横に体をずらし、店内全体が見えるようになる。
「あの時よりだいぶ人が減ってるな。」
「はい……やはりヒューデットの件で周りの村から食料を受け取ることが出来なくなりお店で作れるメニューもかなり減ってお客さんも減ってしまったんです。そのせいで店長の話によると、もしかしたらこのお店は畳むことになるかもしれないと言われました。お母さんの薬代を稼がないといけないのに。」
目を伏せリーエンは悲しそうに呟いた。
「また冒険者ギルドでクエスト受けたりしたらどうだ?リーエンも冒険者だろ?」
「冒険者とは言ってもFランクの戦士でまともな戦技はほとんど使えませんけどね。私にはあまり才能がないみたいで正直魔物と戦うのも怖いですし……おっと、私の話より食事に来たんですよね?席に案内しますよ。」
途中で話を切り上げリーエンに着いて行き、席に着席する。
「それではメニューが決まったら教えてくださいね。」
「あぁ、ありがとう」
厨房の方に向かっていくリーエンを見てリーフは俺に視線を移動させる。
「リーエンさん、母親が病気なんですか?」
「らしいな……父親も母親を見捨てて家を出て行って自分で薬代を稼がないといけないらしい。」
「父親出ていったんですか!……最低ですね。私達になにか出来ればいいんですけど。」
と言ってもお金はもうそこまで余裕が無いし、もうすぐビギシティを出るため、この前のように一緒にクエストに行くことも出来ない。
「新しくバイトできる所があればいいんだけどな。とりあえず今日はここでお金を多く落とすとしよう。そうすればリーエンの給料も少しは増えるだろ。」
「そうですね、お腹も空きましたしそろそろ頼みましょうか?」
何を食べようか決めようとメニュー表を開くと以前はたくさんのメニューが書いてあったが、いくつかのメニューの文字にバツ印が書かれていた。恐らく材料不足で作れなくなったメニュー達だろう。
「こんにちはー、リーエン姉ちゃん来たよ!」
「ん、この声はドリバーか?」
新たに来客が来たのか店の扉が開き若い子どもの声が響く。その声の主はドリバーであり、扉を見ると他にもリリィ、ランディ、ラウ、レンリのフルメンバーが私服で入店していた。
「こんにちは皆さん、待っていましたよ。」
「ここで働いてたんだね、リーエン姉ちゃん」
俺達の時と同じようにリーエンが対応すると、ドリバーが店を見回すと、俺と目が合いドリバーは目を大きく見開いた。
「あれっ兄ちゃんじゃん!」
「ドリバー達じゃないか、ご飯食べに来たのか?」
「そりゃそうでしょ、ここ飲食店だし時間的にお腹も空いたから前にリーエン姉ちゃんにここで働いているって聞いたから寄ってみたんだ!そうだ、一緒に食べようよ!」
確かリーエンと子ども達はクエストで一緒になったが、様子を見るにあの後も交流が続いているようでかなり仲が良さそうだ。
「俺はいいがリーフはどうだ?」
ちらりとリーフを見る。俺と違ってリーフはあまり子ども達と交流がないためここはリーフにも聞いておくことにする。
「もちろん構いませんよ、ご飯は多くの人と食べた方が美味しいですからね。」
「やった!じゃあこのテーブルをくっつけてもいいかなリーエン姉ちゃん?」
「大丈夫ですよ。」
リーフは笑みを浮かべ頷き、それにドリバー達はガッツポーズをしてリーエンの許可を取り、俺達の隣にあったテーブルを移動させる。
「さて、そろそろメニューも決めないとな。」
「ツキモトさんは何を頼むんですか?」
再びメニュー表を見る俺に、俺の隣に座ったリリィはメニュー表を覗き込み、俺の顔を見上げる。
「結構ガッツリ食べたいんだよなぁ。ほら、俺達ミラン村に行ってたから途中ほとんど何も食べてないし、昨日帰ってきたのはいいものの疲れですぐ寝てしまってな。ここ数日あまり食べてないんだよな。」
そう言うと俺を見上げていたリリィはそーっとその目を横に逸らす。
その行動に疑問を感じドリバーに聞いてみようとすると、子ども達は全員なんというかソワソワしており、目線を俺に向けようとしない。
いや、俺だけでなくリーフからも視線を逸らし無言になり微妙な雰囲気になってしまう。
「え、どうした?」
「アイオンさんから言われたんです。ツキモトさんとリーフさんにミラン村であったことを聞くなと。特にリーフさんには絶対聞くなって。」
この空気に耐えきれず口を開くと私服のリーエンが店の奥から出てきて子ども達の様子の変化の理由を話す。
「リーエンさん、お店大丈夫なんですか?」
「えぇ、今日は店長から友人がいるならここで食べて帰るといいと言われたので。私も混ざってもいいですか?」
「もちろん構いませんよ。」
リーフの問いにリーエンは答え、近くの椅子を持って座る。
「それで……アイオンがどうしたって?」
「先日ツキモトさん達がギルドマスターに呼ばれた後、ドリバー君達はあなた達の活躍を聞こうと思っていたみたいで……それを聞いたアイオンさんは2人とも大変な思いをしたはずだから絶対に聞くなと言ったんです。だから」
「必死に聞かないようにとしているわけか。まぁ確かに結構大変な思いをしたしリーフに至っては……」
「あはは……そうですけど、聞いてもらっても構わないですよ?私はもう大丈夫なので。」
頑張って俺達と目を合わせないようにしている子ども達を見てリーフは軽く笑みを浮かべた。
「ほんとにっ!?」
それを聞いた瞬間リリィは立ち上がりランディはおぉーと声を上げ他も同じような反応を見せた。
「それで私は神様にお願いしたんです。悪魔に勝ちたいから力をくださいって。」
「まさか……」
「その瞬間声が聞こえて凄まじい力が溢れて疲れも怪我も完治してたくさんのヒューデットを倒すことが出来たんです。ちなみにそんな私を警戒した悪魔はヒューデットを300体以上召喚しましたがそのほとんどを倒しましたよ。」
あれからメニューを注文し、それを食べながらリーフはドリバー達にミラン村での戦闘について語っていた。
リーフは子ども達に気を遣われないように言葉を選び、できるだけ明るく、あえて自分があの村でどうやってヒューデットを倒したのかについて語っていた。
「すっっっごいです!!300体もあのヒューデットを倒すなんて!」
「ふふん、神様からの力で超級聖属性魔法『シャイニングブラスター』が使えるようになったのでそれを撃ってまとめて灰に返しましたよ。」
「超級!?超級魔法使えるんですか!すごい!!」
一緒にクエストをした時に俺の無属性のオリジナル魔法『無は有に』を教えた時のようにリリィはリーフの言葉に驚愕していた。
「まぁ、そんなに都合のいいことは無いというか……すぐに使えなくなってその上体が全く動かなくなった挙句、その前までCランク相当だったステータスがGまで下がってしまい、悪魔に捕まって殺される寸前でしたけどね。流石にあの時はもうダメかと思いました。」
「失礼なことかもしれませんけど……よく生きて帰れましたね。」
同じく話を聞いていたリーエンは自分の想像よりも過酷すぎた体験をしたリーフを見てもはや若干引いていた。
「ユウキさんが助けに来てくれましたからね。」
俺を見て微笑みながらリーフはそう言い、子ども達はうぉっー!と謎の叫び声を上げた。
「私が悪魔に殺される寸前、ユウキさんは現れて『ファイアアロー』を撃ち込み、最終的に悪魔を追い払って私を助けてくれたんです。」
「やっぱり兄ちゃんは凄いな!ねえねえ兄ちゃん!また一緒にクエスト行ってくれない?俺もっと強くなりたいんだ!」
「わっ、私も一緒にクエスト行きたいです!」
興奮してクエストに行きたいとねだる子ども達を見て俺はリーフと目を合わせる。リーフは苦笑いをしてこくりと頷いた。
「すまない、俺とリーフは明後日にはこの街を出るんだ。」
「えっ……」
直前までの興奮は消し飛び、子ども達はキョトンとした後、見るからにテンションが下がっている。
「ど、どうして?兄ちゃん達がここにいればもしかしたらビギシティの冒険者達のリーダーになれるかもしれないよ?冒険者ギルドに行った時皆兄ちゃんとリーフさんのことすごいって言ってたよ!」
「俺達はもっと強くならないといけないんだ。そしてそのためにはもっと魔法について学ばないといけない。ごめんな、せっかく皆と知り合うことが出来たのにこんなにすぐお別れになってしまって。」
ドリバーの頭を撫でながら優しく俺は話す。皆寂しそうで、気が進まないが俺達には魔法の知識が必要だ。
「でも……」
「ドリバー君、ツキモトさんもリーフさんもとても強い人達です。私とは見ている世界が違う。強くなりたい理由……私は想像がつきます。」
それでも止めようとするドリバーを遮り、リーエンは俺の目を見たあと、リーフの目を見て何かを悟ったかのように語り出した。
「強くなりたいその目的はおそらく……いえこの場では言わないでおきましょう。
とにかく、おふたりはこの場にとどまっていてはこれ以上強くなるのは難しいでしょう。おふたりが大好きなのであれば、ここはおふたりを見送りましょう。」
「…………うん。」
僅かな沈黙の後ドリバーはこくりと頷いた。
「すまない」
「いえいえ。皆でご飯を食べる雰囲気じゃないですよ!ご飯はまだまだあるから皆で盛り上がって沢山食べましょう!」
暗い雰囲気を明るくするため、リーエンはパンパンと手を鳴らしてご飯を勧めてくる。
「ここ飲食店で他の客もいるから盛り上がるのはどうなんだ?」
「いいんです、今私達以外にお客は誰もいませんからっ!」
「リーエンよぉ、どこの飲食店が客がいないって?」
「いったい!?て、店長!?」
リーエンの声に反応した店長らしき人が奥からやってきてリーエンにげんこつを食らわせた。それを見て先程までの暗い雰囲気が笑いで包まれ明るくなる。
「リーエンさんと店長さんには感謝ですね。」
リーエンは元から明るくしようと振る舞い、店長は俺達を見てウインクをした。
恐らく話が聞こえていてちょうどリーエンが客のことを言ったから店長も気を使ってくれたのだろう。
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その場にいた者達は、俺の加護を見ると…
「正体不明で気味が悪い」とか、「得体が知れない」とか好き放題言っていた。
『ふむ…朔夜殿だけ分からずじまいか。だが、異世界から来た者達よ、期待しておるぞ!』
王族も前の4人が上位のジョブを引いた物だから、俺の事はどうでも良いらしい。
まぁ、その方が気楽で良い。
そして正義は、リーダーとして皆に言った。
「魔王を倒して元の世界に帰ろう!」
正義の言葉に3人は頷いたが、俺は正義に言った。
「魔王を倒すという志は立派だが、まずは魔物と戦って勝利をしてから言え!」
「僕達には素晴らしい加護の恩恵があるから…」
「肩書きがどんなに立派でも、魔物を前にしたら思う様には動けないんだ。現実を知れ!」
「何よ偉そうに…アンタだったら出来るというの?」
「良いか…殴り合いの喧嘩もしたことがない奴が、いきなり魔物に勝てる訳が無いんだ。お前達は、ゲーム感覚でいるみたいだが現実はそんなに甘く無いぞ!」
「ずいぶん知ったような口を聞くね。不知火は経験があるのか?」
「あるよ、異世界召喚は今回が初めてでは無いからな…」
俺は右手を上げると、頭上から光に照らされて黄金の甲冑と二振の聖剣を手にした。
「その…鎧と剣は?」
「これが証拠だ。この鎧と剣は、今迄の世界を救った報酬として貰った。」
「今迄って…今回が2回目では無いのか?」
「今回で7回目だ!マジでいい加減にして欲しいよ。」
俺はうんざりしながら答えた。
そう…今回の異世界召喚で7回目なのだ。
いずれの世界も救って来た。
そして今度の世界は…?
6月22日
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6月23日
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昼過ぎには3位になっていました.°(ಗдಗ。)°.
6月24日
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