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08.ヒロ!ヒロ!ヒロ!ヒロ!
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08.ヒロ!ヒロ!ヒロ!ヒロ!
どっちのヒロに、この秘密を打ち明けるべきだろうか?
kanipapa2218とNEO931は同一人物なんだ。そしてどっちの君も好きだっていう事。
話しやすいのはダンスルームのヒロの方だった。俺は何度も考えてダンスルームのヒロと最初に会おうと思った。
あれから小さいヒロとは2回通話して、ダンスルームのヒロとは何度かルーム「公園」へ行ってブランコに乗りながら話していた。
「ゲーセンに行こうよ」とブランコを漕ぎながら俺が言うと、ヒロはうんうんと頭だけ頷いて見せるけど、声は聞こえなかった。
「まだ、準備は必要?」と俺が聞くと、ヒロはまた頭を上下に振って見せたので、俺は内心残念に思ったけれど、なんてことない顔をする代わりに笑いながらブランコを思い切り漕いだ。
「何時ごろ?」と声が聞こえて、俺は振り返る。ブランコを止めたヒロが俺を見上げていた。
ザザザザーーっと無理やり俺は足を踏ん張ってブランコを止めようとして、前のめりにコケるとヒロがやって来て俺の手を握った。
俺はそのままヒロの手を離さないで「何時が良い?俺はヒロに会えるなら何時でも、いつでも、どこにだって行くよ」とちょっと恥ずかしいようなセリフを真面目な声で言った。ここで俺の本音を伝えられるのはこの声だけだから、俺は真剣に伝えた。
ヒロがじっと俺を見つめる。その瞳の奥ががらんどうで俺はソワソワした。
「だ・れ…?」ようやくヒロがつぶやいた。嫌な予感に俺の胸は射抜かれ、その痛みは喉元に広がって行くと俺を息苦しくさせた。
「えぇ…」俺が喘ぐようにかすれた声を出すと、ヒロが首をかしげながら「その声、どこかで聞いたことが…ある…よ」と言うと、確かめるように俺をじっとその黒い瞳で見つめ、「あっ!」と声を上げると、俺が「待って!」という間にルームから消えた。
「ヒロ!ヒロ!ヒロ!ヒロ!」呼んでも仕方ないのに俺はヒロを呼び続けた。
呼び続けながら、ダンスルームに走った。「ヒロは来てる?」「ヒロを知らない?」俺は頭の上に看板のようなコメントを出したままダンスルームを駆けまわった。時々誰かが「ケンカしたの?」とか「知らない」とか、どうでもいいコメントを送って来て、返事の代わりに僕はハートマークを押すのだけどそのハートマークが場違いな感じがしていた。
時間になると、僕は、今度はNEO931になってルーム「☆あにまるぅ☆」へ向かった。
入り口に立つ俺はギュッと拳を握って、『どうかこの部屋に小さなヒロがいてくれますように』と祈った。けれどやっぱり小さなヒロも、現れなかった。
***
俺は毎日、規則正しくそれぞれのルームに通いヒロを待った。
毎日ヒロにメールを送った。最初のメールの文面は迷った。ヒロの思い違いだってことにしてとぼけてどうにかヒロともう一度前の関係に戻れないだろうかと考えた。
けれどこれ以上ヒロを騙すことも信頼を失うことも嫌だから、正直に謝った。
そしてヒロともっと仲良くなりたくてもっと一緒に過ごしたかったんだと綴った。ヒロからの返信はなかったけれど俺は毎日謝罪のメールを送った。
「やぁ」と画面にコメントが浮かび上がって俺は振り返る。相手を確認するとそっとため息をついた。
「わぁーゲーム内でも、そんなあからさまにガッカリ出来るもんなんだなぁー」とyaくんが笑った。俺はうっすら笑って見せた。yaくんは俺とヒロがケンカした噂が、こっちの部屋まで届いたから様子を見に来たと言い、「通話で話す?」と聞かれて、俺はダンスルームのロビーの片隅に移動した。
通話用の他のルームへ移動しないことをyaくんは何も言わなかった。
「で、どうしたの」と聞かれて、その声に優しさがあったので俺は肩の力を抜いて事情を話した。俺がヒロのことを好きだとかそういう事は話さなかった。
yaくんは「それじゃ仕方ないなー、他のパートナー探せば?」と言い、俺が黙っていると「ボカロで踊るやつとか、曲合わせてくれる奴いっぱいいるよ」と俺を覗きこみながら励ますように肩をポンと叩いた。
「そうかな、いままでゲームやってて、ヒロほど仲良くなった子いないよ…」と俺が言うと「そんなことないよ、似た感じの奴も、もっと上手くて面白いやつもいるよ。あいつは引きこもりだから、時間は合わせてくれるかもだけど…」と言ったので、俺は心臓がビクンと大きく波打った。
「なんで…なんで、おまえが、ヒロが引きこもりって知ってんの?」
「えー結構、知ってる奴いるよ。俺は?なんで知ってたんだっけ??」とyaくんが首をひねって見せた。俺はyaくんをじっと見つめた。少しの間考えたyaくんが「まぁ、そんなことどうでもいいか」と言ったので「どうでもよくないよ、思い出して。お願い」と手を合わせると、再びyaくんが「うーん」と言いながら首をひねった。
どっちのヒロに、この秘密を打ち明けるべきだろうか?
kanipapa2218とNEO931は同一人物なんだ。そしてどっちの君も好きだっていう事。
話しやすいのはダンスルームのヒロの方だった。俺は何度も考えてダンスルームのヒロと最初に会おうと思った。
あれから小さいヒロとは2回通話して、ダンスルームのヒロとは何度かルーム「公園」へ行ってブランコに乗りながら話していた。
「ゲーセンに行こうよ」とブランコを漕ぎながら俺が言うと、ヒロはうんうんと頭だけ頷いて見せるけど、声は聞こえなかった。
「まだ、準備は必要?」と俺が聞くと、ヒロはまた頭を上下に振って見せたので、俺は内心残念に思ったけれど、なんてことない顔をする代わりに笑いながらブランコを思い切り漕いだ。
「何時ごろ?」と声が聞こえて、俺は振り返る。ブランコを止めたヒロが俺を見上げていた。
ザザザザーーっと無理やり俺は足を踏ん張ってブランコを止めようとして、前のめりにコケるとヒロがやって来て俺の手を握った。
俺はそのままヒロの手を離さないで「何時が良い?俺はヒロに会えるなら何時でも、いつでも、どこにだって行くよ」とちょっと恥ずかしいようなセリフを真面目な声で言った。ここで俺の本音を伝えられるのはこの声だけだから、俺は真剣に伝えた。
ヒロがじっと俺を見つめる。その瞳の奥ががらんどうで俺はソワソワした。
「だ・れ…?」ようやくヒロがつぶやいた。嫌な予感に俺の胸は射抜かれ、その痛みは喉元に広がって行くと俺を息苦しくさせた。
「えぇ…」俺が喘ぐようにかすれた声を出すと、ヒロが首をかしげながら「その声、どこかで聞いたことが…ある…よ」と言うと、確かめるように俺をじっとその黒い瞳で見つめ、「あっ!」と声を上げると、俺が「待って!」という間にルームから消えた。
「ヒロ!ヒロ!ヒロ!ヒロ!」呼んでも仕方ないのに俺はヒロを呼び続けた。
呼び続けながら、ダンスルームに走った。「ヒロは来てる?」「ヒロを知らない?」俺は頭の上に看板のようなコメントを出したままダンスルームを駆けまわった。時々誰かが「ケンカしたの?」とか「知らない」とか、どうでもいいコメントを送って来て、返事の代わりに僕はハートマークを押すのだけどそのハートマークが場違いな感じがしていた。
時間になると、僕は、今度はNEO931になってルーム「☆あにまるぅ☆」へ向かった。
入り口に立つ俺はギュッと拳を握って、『どうかこの部屋に小さなヒロがいてくれますように』と祈った。けれどやっぱり小さなヒロも、現れなかった。
***
俺は毎日、規則正しくそれぞれのルームに通いヒロを待った。
毎日ヒロにメールを送った。最初のメールの文面は迷った。ヒロの思い違いだってことにしてとぼけてどうにかヒロともう一度前の関係に戻れないだろうかと考えた。
けれどこれ以上ヒロを騙すことも信頼を失うことも嫌だから、正直に謝った。
そしてヒロともっと仲良くなりたくてもっと一緒に過ごしたかったんだと綴った。ヒロからの返信はなかったけれど俺は毎日謝罪のメールを送った。
「やぁ」と画面にコメントが浮かび上がって俺は振り返る。相手を確認するとそっとため息をついた。
「わぁーゲーム内でも、そんなあからさまにガッカリ出来るもんなんだなぁー」とyaくんが笑った。俺はうっすら笑って見せた。yaくんは俺とヒロがケンカした噂が、こっちの部屋まで届いたから様子を見に来たと言い、「通話で話す?」と聞かれて、俺はダンスルームのロビーの片隅に移動した。
通話用の他のルームへ移動しないことをyaくんは何も言わなかった。
「で、どうしたの」と聞かれて、その声に優しさがあったので俺は肩の力を抜いて事情を話した。俺がヒロのことを好きだとかそういう事は話さなかった。
yaくんは「それじゃ仕方ないなー、他のパートナー探せば?」と言い、俺が黙っていると「ボカロで踊るやつとか、曲合わせてくれる奴いっぱいいるよ」と俺を覗きこみながら励ますように肩をポンと叩いた。
「そうかな、いままでゲームやってて、ヒロほど仲良くなった子いないよ…」と俺が言うと「そんなことないよ、似た感じの奴も、もっと上手くて面白いやつもいるよ。あいつは引きこもりだから、時間は合わせてくれるかもだけど…」と言ったので、俺は心臓がビクンと大きく波打った。
「なんで…なんで、おまえが、ヒロが引きこもりって知ってんの?」
「えー結構、知ってる奴いるよ。俺は?なんで知ってたんだっけ??」とyaくんが首をひねって見せた。俺はyaくんをじっと見つめた。少しの間考えたyaくんが「まぁ、そんなことどうでもいいか」と言ったので「どうでもよくないよ、思い出して。お願い」と手を合わせると、再びyaくんが「うーん」と言いながら首をひねった。
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