朧月

大葉 朋美

5

校門に向かって歩いていると、
そこにはニヤケ顔の皐月が居た。
思わず猛ダッシュで皐月の元へ。

「あんたが辞めたから私も明日辞めちゃうね！」

皐月は目を見開き、何言ってんだと言わんばかりの声量ではぁ！？と言った。

「だってつまんないし！てことで合コンとかどう？」

そう言いながら杏果にメールを返す。

【皐月嵌めたの、杏果だったんだね】

そう打ち込んで、送信した。
どこのホテルで会うとか、どんな内容のやりとりをしているかとか、杏果はやたらと皐月と私に聞いてきた。
そして大体の写真と書類は、私達が話した次の日に学校に書類を届けていた。

切手も貼ってなければ無地のままの封筒。

友人からの裏切りに溜息を漏らすと、

「ともちゃん聞いて！さっきね、すんごい爽やかなイケメンにあったの！今から遊びに行くんだけど一緒に行こうよ！」

イケメンに目を輝かせる皐月の笑顔。
もう、どうでもよくなり

「イケメンのエキスを吸いまくりましょ…」

素晴らしく変態じみた発言をしてしまった。
皐月は「吸いつくしましょ…」と便乗して盛り上がっていた。