猟犬クリフ

小倉ひろあき

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2章 壮年期

8話 クロフツ村攻防戦 上

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 その年の夏、ジンデル公爵領は王都からの使者を迎え大きな衝撃を受ける。

『アルバート・ジンデルを公爵に任じる。』

 王都からもたらされた勅旨(ちょくし)により、アルバートは正当性を得ることになる。
 王都からの使者が公爵の冠と笏をアルバートに授け、新しい公爵を祝福した。

 この時を以て公子アルバートはジンデル公爵アルバート1世を名乗り、宮殿にて即位式を行った。

 アルバート派とダリウス派を天秤に掛けていた中立派は雪崩を打ってアルバートを支持し、後継者争いの大勢は決まる。

 しかし、追い詰められたダリウス派は急進化し、逆転を狙ってアルバートの打倒を目論んだ。
 ダリウスはバリー・サヴァレという公爵領南部の大貴族を頼り、サヴァレの町で兵を集め、諸侯に応援を要請する。

『土地を実効支配していない者の爵位は認めない』

 ダリウス派は古来からの慣習を口実として気炎を上げた。

 アルバートは初め、実弟の討伐に乗り気では無く対話による解決を望んでいたが、諸侯に介入されては大事になる。
 ここでついにダリウス討伐の兵を挙げ、謀反人としてダリウス派の貴族の追討を命じた。

 アルバート派とダリウス派の勢力比は4:1程であるが、アルバートさえ排除すればどう転ぶかはわからない。
 逆転の目はまだ残された情勢である。



………………



 夏の暑さがやや緩むころ、ヒースコートが兵を率いてクロフト村に帰還をした。

 彼は王都からの帰還と共にクロフト村から兵を募り、ジンデルの宮殿に駐屯していたのだ。
 これはアルバートの護衛の為である。

 とは言っても、クロフト村の兵の数など高が知れており、彼が率いた兵力は従士が3人に兵が12人の合計15名である。
 しかし、「アルバートの護衛をする」と言う事実が大事なのであり、寡兵でも問題は無い。
 実際にアルバートはヒースコートの忠誠を大いに喜んだという。
 自腹で何ヵ月も兵を養うのは痛い出費ではあるが、必要経費であろう。


 ヒースコートは村に戻るや従士たちとクリフを集め、軍議を開いた。

「隣村の攻略ですか。」
「うむ、クロフツ村という。」

 ヒースコートが帰還した理由とは、ダリウス派に所属する隣村の攻撃命令を受けたためだ。

 クロフト村の東隣がクロフツ村とは非常に紛らわしいが、地名なんていうものは大体がその様なものだ。
 ついでに言えば北隣はクラフ村である。こちらはここに至って未だに旗幟(きし)を鮮明にしていない。

 クロフツ村はクロフツという貴族が治めており、クロフト家とは代々仲が悪い。

 今回の内乱も「クロフトがアルバート派なら俺たちはダリウス派だ」程度の理由でダリウス派に参加している。
 しかし、クロフト家同様にかなり初期からダリウス派に所属しているために、ダリウス派からの信頼は篤いらしい。

 村の規模はクロフツ村のほうが若干大きいが、同程度と言ってもよい。
 現在の当主はワトキン・クロフツ。44才の脂の乗り切った働き盛りの肥えた男だ。
 一族が多いのが特徴で、従士が血縁で固められているために結束が固く、裏切りなどは望めないであろう。


「しかし、攻略と言われても同程度の戦力なのでしょう?」
「うむ、まあ攻略とは名ばかりで実際は足止めや牽制で充分ではあろう。」


 封建制度での戦争とは、現代人が考えているよりものんびりしたものである。

 先ず「戦争をしますよ」と主君が言えば貴族は領地に帰り兵を集める。
 これは兵が多ければ多いほど忠誠があると言われるので沢山集めたいところではあるが、兵が多ければ多いほどに準備や移動に時間や金が掛かる上に、戦争が長引けば領地で人手不足となり、農地などの収入が減るので無茶は禁物である。

 そして、集めた兵がえっちらおっちら歩きながら主君の元に集合するのだが、軍隊の移動距離は1日に約15キロほどである……すこぶる遅い。
 主君の元へ兵が集合するだけで何ヵ月もかかることもあるのだ。

 そして集合した所で軍議などで参加者の大体の序列や全体の方針を決める。
 これがまた厄介で、すんなり決まれば良いのだが、序列などに不満があると仲間同士で戦闘が始まることもあるので一苦労だ。

 そしてまた、えっちらおっちら歩いて戦地に向かうのである……戦地に着いても戦闘は始まらない。
 ルールに従い互いに挨拶をし、言葉合戦(くちげんか)から始まり、両陣営の腕自慢が一騎討ちをしたりする。

 そしてそれらの儀式(セレモニー)を終えてから合戦だ。
 現代人の感覚的にはバカバカしく感じるが、これをしないと「奇襲」と呼ばれ、卑怯者と嫌う者も多いのだ。

 始まるまでがとにかく長い。
 ヒースコートがアルバートの側に兵を置いたことが喜ばれた理由が良くわかる。有事に即応できる戦力は貴重なのだ。


 アルバートは数の利を生かし、各地で兵の集合を妨(さまた)げるようにダリウス派の拠点への攻撃命令を下している。
 さすがに自分の家が攻撃されているのに警備員を派遣するバカはいない。
 ダリウス派は兵が満足に集まらないだろう……少なくとも集合が遅れるのは間違い無い。
 兵が集まらなければ各個撃破するのは容易い。
 慎重で理屈っぽいアルバートらしい作戦である。

 この作戦の問題はアルバートの周囲の兵が薄くなることであろうか。アルバートはこの軍の急所である。
 そして兵を分散して運用すれば、敵の兵力が十分であれば各個撃破されるであろう。
 まあ、この辺りのリスクは言い出したらキリも無い。

 ダリウス派の狙い目とすれば脇目も振らずにアルバートを殺害することだが、暗殺などの手段ではアルバート派の貴族の支持は得られず混乱は長期化するだろう。


 さて、話題をクロフト村に戻そう。

「なるほど、足止めならば無理をする必要もありませんね。」
「だが、敵はダリウス派と合流したがっている。多少の無理をしてくるかもしれん。」

 クリフは「なるほど」と頷き少し考える。

……要は敵を動けなくしてやればいいわけか。

 兵とは農民であり、夏は農繁期である。長期間の動員をすると収穫に影響するだろう。
 あまり大袈裟にはしたくないとクリフは考えた。

「状況はわかりました。今から私とハンクとバーニーでクロフツ村を偵察してきます。可能ならば地図も作りましょう。」

 何をするにも敵の状況は知っておきたい。
 地図を作成できれば村を攻めるときに楽になるはずだ。

「そうしてくれるかね。私はクラフ村に行き、味方するように説得しよう。クラフ村と協力すれば楽になる。」

 クラフ村はクロフト村よりも小さく、40戸前後の規模だ。迂闊にどちらかに味方をすれば村を守れないために曖昧な態度を示しているのだろう。
 だが、これ以上中立では戦後に立場を悪くするはずだ……説得が成功する可能性も十分にある。

 ヒースコートは従士たちに戦支度(いくさじたく)を命じ、解散となった。

 クリフはハンクとバーニーに支度をさせ、自らも手早く装備を確認する。

……こいつも、持っていくか。

 クリフは小ぶりの短弓(たんきゅう)を手に取り、手早く弦を張る。
 クリフはバーニーや従士たちに追跡術や気配を消す技術を教えるために狩猟も行っており、短弓も狩猟のためにクロフト村で作ったものだ。
 矢は4本しかないが、積極的に戦闘をするわけではないので十分だろう。

 バックラーを着け、外套(マント)を羽織る。

……何だか久しぶりだな。

 クリフは苦笑して身支度を終える。

「ハンナ、エリー、何日か出掛けるよ。何かあったら叔母上に相談するんだぞ。」

 クリフは2人に声をかけ屋敷から出た。
 今日のハンナは調子が悪いらしく返事が無いが聞こえているだろう。

「お父さん、気を付けてね。」

 エリーが見送ってくれる。
 この娘は最近妙に大人びてきた。
 
 ヒースコートに聞けば、エリーはアルバートの三男と何かあったらしいが、本人は何も言わないし、クリフも無理に聞き出そうとは思わない。

……言いたくなったら教えてくれるさ。

 クリフはハンナのことは溺愛しているが、エリーのことは信頼している。
 ハンナは25才でも子供じみているが、エリーは10才でも大人なのだ。

 今年に入ってより、クリフはエリーのことを「クリフと先妻との子」と正式に決めた。
 これはヒースコートやアビゲイルはもちろん、エリー本人とも相談してのことである。
 ヒースコート夫妻はエリーを養子としてクロフト村を継がせたいと強い希望があり、エリーがそれに応えた形だ。
 出自の定かでは無い孤児が小なりとはいえ領地を継ぐなどありえないことであり、これは4人だけの秘密とされた。
 ちなみにハンナへは秘密にしてある。

……もう、子供じゃないんだな。

 少し寂しさを感じながら、クリフは軽く手を振ってエリーに応えた。



………………



 クロフツ村へは半日ほどで到着した。
 しかし、山がちな地形であり、兵を動かすとなると1日がかりであろう。

「さすがに警備が厳重ですね。」

 バーニーがクロフツ村を眺めながら呟いた。
 従士らしき者が巡回し、見張り台には兵が配置されているのが確認できる。

 ここはクロフツ村から程近い山中である。
 運良く村の全貌が見えるポイントを発見してクリフたちはキャンプを張っていた。

「あのデカイのが屋敷だろうな。塀や壕は無いが柵はあるな……急拵(きゅうごしら)えだろう、まだ木の切り口が白い。」

 クリフが口頭で確認し、ハンクが手早く紙に書き込んでいく。

「バーニー、あまり身を高くするな。見えると言うことは見つかる可能性もあると言うことだ。」
「はい、すいません。」

 クリフが注意をするとバーニーは頭を引っ込めた。

 しばらくするとハンクが「こんなもんだろ」と紙を差し出してきた。地図が出来たのだ。

 大して上手くはないが建物の配置は十分にわかる。

「上出来だ。別の角度から見るか?」
「いや、大して違いは無いだろ。民家の数は61でいいか?」

 クリフの勘定では62であったが誤差は仕方がない。

「十分だ、日が沈んだら近づいてみよう。見張りは順番だ。バーニーから頼む。」

 クリフは指示をすると疲れを感じ、ごろりと横になる。

 空を見上げると、もう夕方だ。夏の日差しも緩み、爽やかな風が吹いている。

……クロフツ村か……どう攻めるかな?

 ぼんやりと考えてるうちに、うとうとと居眠りをしてしまったようだ。
 クリフも34才なのである……アンチエイジングという概念も無く、ストレスも多い時代のことだ。
 人の老化は早く、50才を幾らか過ぎれば老人と言われる中での34才は決して若くは無い。
 クリフも現代の日本人から見れば10才は老けて見えるだろう。


…………


「おい、旦那、起きてくれ。」

 ふと、目が覚めると辺りは薄暗い。
 声を掛けてきたのはハンクだ。

「見てくれ、クロフト村の方に向かうようだ。」

 ハンクが示す方を見れば松明(たいまつ)が蠢(うごめ)いているのがわかる。

……9、10、11、12か。

 クリフが素早く確認すると松明は12本のようだ。少なくとも12人以上が動いているのは間違いがない。

「クロフト村に朝駆けか?」
「いや、夜のうちにクロフト村を通過してやり過ごす気かもしれんぞ。ダリウスとの合流を狙っているのかもしれん。」

 クリフは「なるほど」と頷いた。
 朝駆けとは夜明けを狙った奇襲のことである。
 夜間は警戒を密にするものだが、明け方はどうしても油断をし、見張りの集中力が低下するものだ……そこを狙うのが朝駆けだ。

「バーニーはクロフト村に急行してくれ。俺とハンクは嫌がらせをしてくる。」

 クリフは屈伸をして、体を伸ばす。十分に体が柔らかさを取り戻してからクリフとハンクは闇に溶け込んで行った。


…………


数時間後


 足音を立てず、クリフはクロフツ勢の後ろにピタリとくっついた。

 しばらくすると弓鳴りの音と共に前方から悲鳴が聞こえてくる。
 ハンクである。クリフの弓で奇襲を仕掛けたのだ。
 精度を別にすれば、松明を目印して夜間でも射撃は可能である。

「うわっ!?」
「なんだ!?」
「弓で狙われているぞ!」

 整然と並んでいた松明の列が乱れた。

……行くぜ!

 クリフは松明の最後尾に突進した。

 ナイフを投げつけ、剣を振るう。敵を倒す必要は無い、とにかく派手に暴れれば良いのだ。

「裏切りだ! 裏切り者がでたぞ! ジャックの野郎だ!」

 クリフは叫ぶ。顔なんか見える筈がない。
 ジャックなんて奴は知らないし、いてもいなくてもいい。

 前方でも混乱が起きたようだ。恐らくはハンクが仕掛けたのだろう。

「奇襲だ! 村がやられてるぞ!」

 クリフは叫びながら素早く離脱する。
 長居は無用である。
 夜陰に紛れて合流地点まで走った。

 普通は土地勘の無い場所でこれほど夜戦は行えない。しかし、クリフとハンクには冒険者としての経験と勘所がある。

「はあ……はあ……ふう、はーっ……」

 クリフは合流地点まで走ると崩れ落ちるように座り込み呼吸を整える。
 ほどなくしてハンクも転がり込むように合流地点までやってきた。こちらの息も絶(た)え絶(だ)えである。

 2人ともベテランといえば聞こえは良いが、体力的にはピークアウトしてくる年齢なのだ。

「おい、やったな。」
「はあ……はあ……上手いこと、連携が、とれて……ふうー……」

 クリフとハンクが組んで仕事をするのは初めてではあるが、見事な連携だった。
 互いが経験豊かな古強者(ふるつわもの)であり、ある程度はできると踏んではいたが想像以上の出来だ。

「ふう、感覚的には松明の倍だな。25人くらいだ。」
「ああ、同感だ。」

 ハンクの見立てにクリフが同意する。

「もう2~3人痛め付ければ諦めるだろう。」
「うーん、さっきは1人も殺ってないぜ?矢が当たったのが多分1人に……突っ込んで1人か2人にかすり傷ってとこだな。」

 ハンクが戦果を確認するが十分だ。

 25人での作戦行動ならば5人も行動不能にすれば撤退するだろう。
 25人の作戦を20人では遂行できないからである。

「良し、おかわりするか。」
「ちょ、本気かよ?」

 ハンクは悲鳴を上げた。体力的な問題だろう。

「ああ、石を適当に投げて動きながら大声を出しといてくれ。」
「投石か……良し。」

 ハンクは腰から投石紐を取り外す。今回の偵察任務のために作ったらしい。

「飛び道具がいると思ってな……用意した甲斐があったぜ。」

 投石紐(スリング)は紐の中央部に石を保持する布が付いただけの簡単な構造だが、遠心力を用いて石を投げるために熟練者が用いれば威力も飛距離も弓に劣らない。
 石とは原始的だが恐ろしい武器であり、投石紐を使わずとも数人の雑兵に石をぶつけられて騎士が死ぬこともざらにある。

「紐か……用意がいいな。」
「まあ、あんまり得意じゃねえけどよ。適当に後ろの方から投げて退くぜ。」

 ハンクはそう言うと手頃な石を探し始めた。暗闇の中で手頃な石を見つけるのは難しく、クリフも適当に2つばかり拾い上げて手渡した。

「良し、俺は前の方から突っつくか……待ち合わせ場所は……」

 クリフとハンクはこの後2度ほど簡単な襲撃を行いクロフツ勢の足止めに成功した。
 クリフの読みは外れ、中々引き返そうとしなかった彼らではあるが、朝になり駆けつけたクロフト村の戦力を見て戦わず引き上げて行った。

 また、クロフト勢も無理な追撃を行わなかった。
 夜間を急行したために兵の疲労が大きかったためだ。


 しかし、大きな戦果は無かったが、当主不在の中、無傷でクロフツ勢を追い返し、打ち捨てていった装備や食料を鹵獲(ろかく)したことでクロフト村の士気は大いに上がった。

「クロフツ村などなにするものぞ!」

 クロフト村の従士は兵士を煽り勝鬨(かちどき)を上げた。


 こうしてクロフツ村の攻防は思わぬ形で幕を開けたのである。
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