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時越えの詠嘆曲《アリア》
不良聖女・II
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じっと鋭い目つきでこちらを睨みつけてくるミァザさん。
ってか、私の方をじっと睨みつけて来てるんだけど……
「レンお姉ちゃんレンお姉ちゃん、その子解放したげないと」
マリスが私をつつきながら指摘して来る。
……っとと、そうだったそうだった、身内らしき子を
お尻に敷いたままならそりゃ睨みつけられるよね。
「ゴメンゴメン、ほら」
私はそう言いながら腰を浮かせ腕の拘束を緩める。
するとその子はするりと抜け出してミァザさんの所に駆け寄る。
「冒険者相手に喧嘩を売るなんて、無茶すんじゃないよザジ
怪我はないかい?」
「……大丈夫、痛かったけどどこも怪我をしてない」
ミァザさんはふっと表情を緩めその子の頭を撫でながら無事を確認し
その子も涙目ながらも素直に頷いてる。
その様子は仲のいい姉弟……っぽくは見えるけど顔形が全然違う
周りで気絶してる子達も全員似ていない、こんな環境だし
この子達が寄り添って生きてるって感じなのかな。
「……で、これからどうするのレン」
フィルが私に耳打ちして来る。
そうなんだよねぇ、一応依頼は『聖女候補の捜索・保護』だから
私達はミァザさんを聖教まで連れて行かないといけないんだけど
本人は死んでも戻りたくないと言ってきてる、となれば
現状を報告して聖教の判断を仰ぐのが筋なんだけど……
とは言えこの依頼を受けたのはゼーレンさんだ、最終的は判断は
ゼーレンさんにして貰うしかない。
「ゼーレンさん、どうします?」
私はゼーレンさんの方へ向き聞いてみる。
ゼーレンさんは難しそうな顔をして顎髭を撫でり
「どうしたもんかの……冒険者としては聖教に伺いを立てねばならんじゃろうが
そうすれば恐らくこの嬢ちゃんは連れ戻される、儂としては
本人が嫌がる事はあまりしたくないんじゃがの」
ふむ……ゼーレンさんも困ってる様だ、流石に無理にでも
連れて帰るとか言われたらどうしようかとも思ったけど
女の子に甘いゼーレンさんがそんな事をする筈もなかったか。
「フィル、何かいい案ない?」
私達の中で1番聖教の事を知っているのはフィルだ、そう思い
フィルに水を向ける。
「いい案って言われても、聖女候補は聖教にとって最重要人物だし
そんな彼女達を聖教が諦めて手放すとはとても思えないんだけど……」
フィルは難しい顔をして答える。
そりゃそうだよね……そうじゃなければ忌み嫌ってるらしき
私達冒険者に依頼なんて出さないだろうし、私達が見つける事が
出来なかったとしても他の冒険者に依頼が行くだけの話だ。
改めてミァザさんを見る、男の子の頭を撫でながら
話している姿は先ほどまでの敵意の満ちた眼差しとはうって変わって
優しい表情で男の子を眺めている、けど風貌からはとてもじゃないけど
聖女ってイメージからは程遠く、何か私に近いアウトローな感じが強く感じる
失礼な言い方だけど、正直神官や聖女ってイメージからほど遠い。
なのに何でこの人は聖教に入信したんだろうか、そして折角入信して
聖女候補になれたのに出奔なんてしたのか、もしかしたら
その辺りに事態の解決策が転がってるかもしれない。
余計な興味は寿命を縮めるだけなんだけど……とは言えこのままでは
こちらも動きようがない、少しだけ探ってみた方がいいかも知れない。
とは言え、こちらに警戒度MAXのミァザさんに聞いたところで
答えが返ってくる可能性は低いどころか激高される可能性だってある。
となれば……
「フィル、前に聖教が引き取った子供を世話したことがあるって
言ってたよね?」
「え? ええ……言ったけどそれがどうしたの?」
私の唐突過ぎる質問にフィルは驚いた表情でこちらを向きながら答える。
「その引き取った子供達ってさ、孤児とかそう言う子達なんだよね?」
「ええ……色々な事情で両親を失ったり、貧困で子供を育てられなくなった
親が聖教に預けに来たりと理由は様々だけど……」
予想通りか、となればミァザさんも孤児になり聖教に拾われた感じか。
それならば聖教に対する信仰心が薄くても納得は出来る。
言動から見るにあまり規則に縛られるのは好きじゃないタイプだしね。
けど、それだけなら出奔して下民街に籠るという事は考えにくい。
周りの子達の為に脱走したという可能性も捨てきれないけど……それでも
衣食住を保証された生活を捨てるなんてよっぽどの事だ。
フィルは確か『アレを見たから』とか言ってたけど……
「そっか、ならもう1つ質問
フィル、さっき言ってた『アレ』って何?」
私が問いかけた瞬間フィルの顔色がさっと変わり、目を大きく見開く。
だけどすぐに表情を戻し、私から視線を外すと
「……ゴメン、いくらレンでもそれは答えられないの
レンに隠し事なんて、本当はやりたくないんだけど……」
そう言って眉間に皺を寄せ、唇を噛み締めながら吐き出す様に言う。
いやそんな深刻に取らなくても……まぁフィルだし仕方ないかもだけど。
それにこの答えも予想通りだ、でなければ何があったかは
ミァザさんとの会話ではっきり告げる筈、それを敢えてぼかした
表現だったから何かしら私達に知られるとマズい事柄なんだろう。
けど、これで確信かな。
フィルもそうだけどミァザさんも2人の言う『アレ』を見たから
出奔したんだろうね。
なら事態の収拾は簡単だ、全く同じことをすればいい。
「ねねねレンお姉ちゃん、この事態をどうにかする案があるんだけど……」
それ迄成り行きを静観していたマリスが話しかけてくるも、途中で言葉を止める。
そしていつもの歯を見せた笑顔を浮かべると
「その表情だと、マリスと同じことを考えたっぽいね」
私の表情を読んでかそんな事を言ってくる。
相変わらず頭の回転が速いねマリス、けど私も負けてられないよ。
私達は見つめ合いながら頷いて、未だ思案してるゼーレンさんに話しかける。
「ゼーレンさん、ミァザさん次第だけど上手く行けば
全てが丸く収まるいい案があるんだけど」
「ん? 全てが丸く収まるじゃと?
流石にそんな都合のいい案があるとは思えんのじゃが……」
不信がるゼーレンさんにマリスがこしょこしょと耳打ちをする。
内容に驚いたのかゼーレンさんは一瞬驚愕の表情をするも、直ぐに
思案をし始める。
「……確かにいい案じゃとは思うが、それで聖教が納得するかの?
下手をすれば聖教を敵に回しかねんのじゃが」
「その辺りは上の人同士の話し合い次第じゃないかな~
ただまぁ、あの狂信者のおっちゃん達なら納得……と言うか
見放すんじゃない? そんな奴は聖女であるはずが無いって」
ゼーレンさんの疑念にマリスが軽い口調で答える。
聖教の上の人達がどんな人物かは分からないけど、宗教って言うのは
得てして潔白を求められる場合が多い、それが偶像なら猶更だ。
その辺りを突いてみようって案なんだけど……
「2人とも、今度は何をやらかす気なの?」
フィルが不審そうな声で私とマリスに問いかける。
「そんな目で見ないでよ~フィルミールお姉ちゃん
ただの『人助け』なんだからさ」
胡散臭げな笑顔を浮かべながらフィルにそう返すマリス。
いや、そんな表情で言われても説得力皆無なんだけど。
そして私まで悪巧みしてるような表情で言うのやめてくれないかな?
「……人助け、ねぇ
それで、どうするつもりなの?」
マリスを冷たい目で一瞥した後私に振り向いて聞いて来る。
「前例があるから同じことをするだけだよ
尤も、その人は聖女候補じゃなかったみたいだけど」
フィルの質問を笑顔で返す私。
その答えで全て悟ったのか、フィルは驚きの表情になり
「まさか……レン、貴方!?」
「お察しの通りだよ、フィル
ミァザさん次第だけど、彼女を『冒険者』に誘ってみようと思うんだ」
驚愕の表情のフィルにそう告げると、私はミァザさんに向き直った。
ってか、私の方をじっと睨みつけて来てるんだけど……
「レンお姉ちゃんレンお姉ちゃん、その子解放したげないと」
マリスが私をつつきながら指摘して来る。
……っとと、そうだったそうだった、身内らしき子を
お尻に敷いたままならそりゃ睨みつけられるよね。
「ゴメンゴメン、ほら」
私はそう言いながら腰を浮かせ腕の拘束を緩める。
するとその子はするりと抜け出してミァザさんの所に駆け寄る。
「冒険者相手に喧嘩を売るなんて、無茶すんじゃないよザジ
怪我はないかい?」
「……大丈夫、痛かったけどどこも怪我をしてない」
ミァザさんはふっと表情を緩めその子の頭を撫でながら無事を確認し
その子も涙目ながらも素直に頷いてる。
その様子は仲のいい姉弟……っぽくは見えるけど顔形が全然違う
周りで気絶してる子達も全員似ていない、こんな環境だし
この子達が寄り添って生きてるって感じなのかな。
「……で、これからどうするのレン」
フィルが私に耳打ちして来る。
そうなんだよねぇ、一応依頼は『聖女候補の捜索・保護』だから
私達はミァザさんを聖教まで連れて行かないといけないんだけど
本人は死んでも戻りたくないと言ってきてる、となれば
現状を報告して聖教の判断を仰ぐのが筋なんだけど……
とは言えこの依頼を受けたのはゼーレンさんだ、最終的は判断は
ゼーレンさんにして貰うしかない。
「ゼーレンさん、どうします?」
私はゼーレンさんの方へ向き聞いてみる。
ゼーレンさんは難しそうな顔をして顎髭を撫でり
「どうしたもんかの……冒険者としては聖教に伺いを立てねばならんじゃろうが
そうすれば恐らくこの嬢ちゃんは連れ戻される、儂としては
本人が嫌がる事はあまりしたくないんじゃがの」
ふむ……ゼーレンさんも困ってる様だ、流石に無理にでも
連れて帰るとか言われたらどうしようかとも思ったけど
女の子に甘いゼーレンさんがそんな事をする筈もなかったか。
「フィル、何かいい案ない?」
私達の中で1番聖教の事を知っているのはフィルだ、そう思い
フィルに水を向ける。
「いい案って言われても、聖女候補は聖教にとって最重要人物だし
そんな彼女達を聖教が諦めて手放すとはとても思えないんだけど……」
フィルは難しい顔をして答える。
そりゃそうだよね……そうじゃなければ忌み嫌ってるらしき
私達冒険者に依頼なんて出さないだろうし、私達が見つける事が
出来なかったとしても他の冒険者に依頼が行くだけの話だ。
改めてミァザさんを見る、男の子の頭を撫でながら
話している姿は先ほどまでの敵意の満ちた眼差しとはうって変わって
優しい表情で男の子を眺めている、けど風貌からはとてもじゃないけど
聖女ってイメージからは程遠く、何か私に近いアウトローな感じが強く感じる
失礼な言い方だけど、正直神官や聖女ってイメージからほど遠い。
なのに何でこの人は聖教に入信したんだろうか、そして折角入信して
聖女候補になれたのに出奔なんてしたのか、もしかしたら
その辺りに事態の解決策が転がってるかもしれない。
余計な興味は寿命を縮めるだけなんだけど……とは言えこのままでは
こちらも動きようがない、少しだけ探ってみた方がいいかも知れない。
とは言え、こちらに警戒度MAXのミァザさんに聞いたところで
答えが返ってくる可能性は低いどころか激高される可能性だってある。
となれば……
「フィル、前に聖教が引き取った子供を世話したことがあるって
言ってたよね?」
「え? ええ……言ったけどそれがどうしたの?」
私の唐突過ぎる質問にフィルは驚いた表情でこちらを向きながら答える。
「その引き取った子供達ってさ、孤児とかそう言う子達なんだよね?」
「ええ……色々な事情で両親を失ったり、貧困で子供を育てられなくなった
親が聖教に預けに来たりと理由は様々だけど……」
予想通りか、となればミァザさんも孤児になり聖教に拾われた感じか。
それならば聖教に対する信仰心が薄くても納得は出来る。
言動から見るにあまり規則に縛られるのは好きじゃないタイプだしね。
けど、それだけなら出奔して下民街に籠るという事は考えにくい。
周りの子達の為に脱走したという可能性も捨てきれないけど……それでも
衣食住を保証された生活を捨てるなんてよっぽどの事だ。
フィルは確か『アレを見たから』とか言ってたけど……
「そっか、ならもう1つ質問
フィル、さっき言ってた『アレ』って何?」
私が問いかけた瞬間フィルの顔色がさっと変わり、目を大きく見開く。
だけどすぐに表情を戻し、私から視線を外すと
「……ゴメン、いくらレンでもそれは答えられないの
レンに隠し事なんて、本当はやりたくないんだけど……」
そう言って眉間に皺を寄せ、唇を噛み締めながら吐き出す様に言う。
いやそんな深刻に取らなくても……まぁフィルだし仕方ないかもだけど。
それにこの答えも予想通りだ、でなければ何があったかは
ミァザさんとの会話ではっきり告げる筈、それを敢えてぼかした
表現だったから何かしら私達に知られるとマズい事柄なんだろう。
けど、これで確信かな。
フィルもそうだけどミァザさんも2人の言う『アレ』を見たから
出奔したんだろうね。
なら事態の収拾は簡単だ、全く同じことをすればいい。
「ねねねレンお姉ちゃん、この事態をどうにかする案があるんだけど……」
それ迄成り行きを静観していたマリスが話しかけてくるも、途中で言葉を止める。
そしていつもの歯を見せた笑顔を浮かべると
「その表情だと、マリスと同じことを考えたっぽいね」
私の表情を読んでかそんな事を言ってくる。
相変わらず頭の回転が速いねマリス、けど私も負けてられないよ。
私達は見つめ合いながら頷いて、未だ思案してるゼーレンさんに話しかける。
「ゼーレンさん、ミァザさん次第だけど上手く行けば
全てが丸く収まるいい案があるんだけど」
「ん? 全てが丸く収まるじゃと?
流石にそんな都合のいい案があるとは思えんのじゃが……」
不信がるゼーレンさんにマリスがこしょこしょと耳打ちをする。
内容に驚いたのかゼーレンさんは一瞬驚愕の表情をするも、直ぐに
思案をし始める。
「……確かにいい案じゃとは思うが、それで聖教が納得するかの?
下手をすれば聖教を敵に回しかねんのじゃが」
「その辺りは上の人同士の話し合い次第じゃないかな~
ただまぁ、あの狂信者のおっちゃん達なら納得……と言うか
見放すんじゃない? そんな奴は聖女であるはずが無いって」
ゼーレンさんの疑念にマリスが軽い口調で答える。
聖教の上の人達がどんな人物かは分からないけど、宗教って言うのは
得てして潔白を求められる場合が多い、それが偶像なら猶更だ。
その辺りを突いてみようって案なんだけど……
「2人とも、今度は何をやらかす気なの?」
フィルが不審そうな声で私とマリスに問いかける。
「そんな目で見ないでよ~フィルミールお姉ちゃん
ただの『人助け』なんだからさ」
胡散臭げな笑顔を浮かべながらフィルにそう返すマリス。
いや、そんな表情で言われても説得力皆無なんだけど。
そして私まで悪巧みしてるような表情で言うのやめてくれないかな?
「……人助け、ねぇ
それで、どうするつもりなの?」
マリスを冷たい目で一瞥した後私に振り向いて聞いて来る。
「前例があるから同じことをするだけだよ
尤も、その人は聖女候補じゃなかったみたいだけど」
フィルの質問を笑顔で返す私。
その答えで全て悟ったのか、フィルは驚きの表情になり
「まさか……レン、貴方!?」
「お察しの通りだよ、フィル
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