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時越えの詠嘆曲《アリア》
協会の惨劇・II
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「……は?」
あまりの予想外の言葉だったらしく
思わずフィルが素に戻って聞き返す。
生物を吸収? 捕食とかじゃなくて?
いや人が人を捕食とか言うだけでも異常事態過ぎるんだけど。
「吸収……ってどういう事?」
流石に私も驚きを隠せないまま聞き返す。
「言葉通りの意味だよ
ここからちょっとグロくなるけど、アイツが掌をかざしたら
その近くにいた全ての生物が、まるで無理矢理小さな箱に
押し込められるように圧縮されて、そのまま掌に吸い込まれる様な感じだったよ
アレはどう見ても吸収してる様にしか見えなかった」
……マリスの言葉に、私達は絶句するしかなかった。
それってつまり、人や他の生物を圧縮機にかけて
吸い込んで行ったって事だよね?
……そりゃ確かに気分が悪くなるにも程がある、想像しただけで
下手なスプラッタ映画よりグロテスクな絵面だ。
全にフィルも想像してしまったか青い顔だ、ゲテモノ食いの
ユージスさんでさえ完全にしかめっ面だ、平気な顔をしてるのは
リーゼぐらいしかいない。
「何よそれ……何なのよソイツ
しかも吸収って事はまさか……」
フィルがうわ言の様にいた後、はっとした顔をする。
ん? フィル何か思い当たる事でもあるの?
「……マリス、ソイツの目的は『命の保存』とか言ってたわね
という事はつまり……」
「お察しの通りだよフィルミールお姉ちゃん
ソイツは自分の体の中に他生物の命の保存をしようとしてたって事だよ」
フィルの問いにマリスが答える、吸収するって事はそう言う事だよね?
だけどフィルは青かった顔を益々青ざめらせ
「有り得ない……他者の命を体内に取り込むなんて
そんな事は出来る筈がないのに……」
フィルは微かに震えながらうわ言の様に呟く、ここまでフィルが
ショックを受けてるって事は魔法があってもそう言う事は出来ないんだろう。
けどフィルの様子を見ると、まるで禁忌を犯したように恐れ戦いている感じだ。
「冗談でしょう? マリス」
ずっと会話を眺めていたリーゼも驚いた顔でマリスに聞いて来る。
リーゼが驚くって事はドラゴンでも非常識な事みたいだね。
「残念ながら事実なんだよね
マリスは遠目から見てただけだけど、まさに地獄絵図だったよ
虎の子の『魔導大隊』も半数が取り込まれたって話だしね」
マリスはそう言うと、再びふっと息を吐く。
マリスの口調からして、そのグラン何とかが協会の治安機構っぽいけど
それも太刀打ちできなかったみたいだね。
「……で、結局ソイツはどうなったんだ?
話を聞く限りじゃ教会はどうすることも出来なかったんだろ?」
しかめっ面のままユージスさんが話を促す。
「結局、魔導大隊が全滅する前にお偉いさん達が
即興で術式構築した転移魔法で残った魔導大隊事
ソイツをどっかに吹っ飛ばしたんだよ
お陰でソイツがどこに行ったか分からなくなっちゃったって訳」
うわぁ、手に負えないからってそんな化け物をどこかに放り投げないでよ。
とは言え、その時はそうするしか手が無かったんだろうから
仕方ないとは思うけど。
「……成程な、しかし何でソイツは態々近寄ってくる奴を
変異なんかさせたんだ?
ソイツの目的が『命の保存』とか言う奴ならそんな必要はねぇだろうに」
しかめっ面のままユージスさんはマリスに質問をする。
……言われればそうだ、生物を吸収するって事がインパクト強すぎて
本来の私達の話題は『生物を変異させる』方だったね。
「流石にそこも分かんないかな、マリスはソイツと交流あった訳じゃないし
憶測だけど、変異させなきゃ吸収できないとか
そう言う制限でもあったんじゃないかな?」
ぶっきらぼうにマリスは答える、まぁマリスは遠目で見てただけみたいだし
分かる訳は無いよね。
でも、それだと新たな疑問が浮かび上がってくる。
「なら、あくまでその魔導士が王国の変異事件に関与してると
仮定してだけど……王国で変異してしまった人がその後
行方不明になったって話は聞かないよね?
そんな事があったらまずギルドに依頼が来るだろうし」
私は頭に浮かんだ疑問を口にする。
私達はマルティーヌさんしか変異してしまった人を知らないけど
そのマルティーヌさんは色々不自由そうではあるけど普通に生活してる。
マリスの言う通りならとっくに吸収されててもおかしくない。
「……そだね、マルティーヌさんもエウジェニーお姉ちゃんも
変異はしてるけど吸収はされてない
となるとアイツが関与してる可能性はあまり高くは無さそうだねぇ」
マリスは考える仕草をしながらそう口にする。
……ってあれ、ちょっと待って!?
今マリス何か凄い事を口にしたような……
「ちょっと待ってマリス
もしかしてエウジェニーさんも……」
「ん? ああそうだよ
エウジェニーお姉ちゃんはれっきとした『女性』だよ
変異事件の際にナイスミドルに変異させられたんだよ」
……成程、そう言う事か。
言われてみればマリスはずっと「お姉ちゃん」と呼んでいたし
変異事件に巻き込まれていたというならの口調と雰囲気の
ちぐはぐさは納得だ。
「あれ、確か結構な騒ぎになったよな
特に王国の美人ギルドマスターがオッサンになっちまったって
男冒険者達がやけ酒かっ喰らったり男泣きしてたりで
暫く使い物にならなかったって話だぜ」
ユージスさんは呆れ笑いの表情で言い放つ。
「……男ってホント馬鹿ばかりね」
フィルがその言葉に続けてため息を吐きつつ呟く。
しかしエウジェニーさんも事件の被害者だったとはね
しかし美人ギルドマスターかぁ……今のエウジェニーさんも
私的には渋くてちょっとカッコいいと思うんだけど
元のエウジェニーさんも見てみたい気はする。
「そう考えると、確かにその魔導士の仕業って言うのも考えにくいな
奴の目的は『命の保存』とやらだろ?
なら吸収する為に変異させた人間を放置してるのは少し不自然だな」
ユージスさんエウジェニーさんの話で少しだけ気が緩んだのか
穏やかな口調で言う。
だけどマリスは首を振り
「そうとも限らないよ、ただ単に吸収するのに
変異させる必要が無くなった可能性だってあるし
もしかしたら逆にもう吸収する必要が無くなったかも知れないんだよ
そもそも吸収するのに変異させないといけない、と言うのも
マリス達の勝手な推測なんだしね」
「む……」
マリスの言葉にユージスさんは再び難しい顔をして黙り込む。
……ふぅむ、流石に情報が足りなさすぎるかな。
あまり考えるのは得意じゃないけど、これ以上は
話し合ってても先には進みそうにないね。
「……分かった、貴重な情報ありがとなマリス」
ユージスさんもそれを感じたのか、話を切ってマリスに頭を下げる。
「礼なんていいよ、マリスは知ってる事を話しただけだし
それにさっきも言ったけどそいつが関わってるって根拠も無いんだしね」
「それでも、だ
今まで手掛かりどころか原因すら不明だったんだ
可能性のある情報ってだけで俺にとっては大収穫だ、礼を言わせてくれ」
「む……」
頭を下げてお礼を言うユージスさんにマリスはちょっとだけ困った顔をする。
……おや、マリスもしかして照れてる?
マリスが素で照れてるなんて珍しい、と言うか初めて見たね。
「……何、レンお姉ちゃん」
そんな私の視線を感じ取ったのか、マリスがジト目で私を睨む。
「何でもないよ、珍しいものを見れたからちょっと嬉しかっただけ」
マリスの視線を受け流しつつ微笑んでで返事する。
「……レンお姉ちゃんって案外悪趣味だよね」
マリスは視線を外し、少しだけむすっとした表情で呟く。
「悪趣味なのはお互い様だよ、だからこそマリスは
私達と一緒にいるんだよね」
拗ねたマリスを見ながら私はマリスに言う。
「……ふふっ、そだね」
マリスはそう言ってこちらを向き、いつもの笑顔を見せた。
あまりの予想外の言葉だったらしく
思わずフィルが素に戻って聞き返す。
生物を吸収? 捕食とかじゃなくて?
いや人が人を捕食とか言うだけでも異常事態過ぎるんだけど。
「吸収……ってどういう事?」
流石に私も驚きを隠せないまま聞き返す。
「言葉通りの意味だよ
ここからちょっとグロくなるけど、アイツが掌をかざしたら
その近くにいた全ての生物が、まるで無理矢理小さな箱に
押し込められるように圧縮されて、そのまま掌に吸い込まれる様な感じだったよ
アレはどう見ても吸収してる様にしか見えなかった」
……マリスの言葉に、私達は絶句するしかなかった。
それってつまり、人や他の生物を圧縮機にかけて
吸い込んで行ったって事だよね?
……そりゃ確かに気分が悪くなるにも程がある、想像しただけで
下手なスプラッタ映画よりグロテスクな絵面だ。
全にフィルも想像してしまったか青い顔だ、ゲテモノ食いの
ユージスさんでさえ完全にしかめっ面だ、平気な顔をしてるのは
リーゼぐらいしかいない。
「何よそれ……何なのよソイツ
しかも吸収って事はまさか……」
フィルがうわ言の様にいた後、はっとした顔をする。
ん? フィル何か思い当たる事でもあるの?
「……マリス、ソイツの目的は『命の保存』とか言ってたわね
という事はつまり……」
「お察しの通りだよフィルミールお姉ちゃん
ソイツは自分の体の中に他生物の命の保存をしようとしてたって事だよ」
フィルの問いにマリスが答える、吸収するって事はそう言う事だよね?
だけどフィルは青かった顔を益々青ざめらせ
「有り得ない……他者の命を体内に取り込むなんて
そんな事は出来る筈がないのに……」
フィルは微かに震えながらうわ言の様に呟く、ここまでフィルが
ショックを受けてるって事は魔法があってもそう言う事は出来ないんだろう。
けどフィルの様子を見ると、まるで禁忌を犯したように恐れ戦いている感じだ。
「冗談でしょう? マリス」
ずっと会話を眺めていたリーゼも驚いた顔でマリスに聞いて来る。
リーゼが驚くって事はドラゴンでも非常識な事みたいだね。
「残念ながら事実なんだよね
マリスは遠目から見てただけだけど、まさに地獄絵図だったよ
虎の子の『魔導大隊』も半数が取り込まれたって話だしね」
マリスはそう言うと、再びふっと息を吐く。
マリスの口調からして、そのグラン何とかが協会の治安機構っぽいけど
それも太刀打ちできなかったみたいだね。
「……で、結局ソイツはどうなったんだ?
話を聞く限りじゃ教会はどうすることも出来なかったんだろ?」
しかめっ面のままユージスさんが話を促す。
「結局、魔導大隊が全滅する前にお偉いさん達が
即興で術式構築した転移魔法で残った魔導大隊事
ソイツをどっかに吹っ飛ばしたんだよ
お陰でソイツがどこに行ったか分からなくなっちゃったって訳」
うわぁ、手に負えないからってそんな化け物をどこかに放り投げないでよ。
とは言え、その時はそうするしか手が無かったんだろうから
仕方ないとは思うけど。
「……成程な、しかし何でソイツは態々近寄ってくる奴を
変異なんかさせたんだ?
ソイツの目的が『命の保存』とか言う奴ならそんな必要はねぇだろうに」
しかめっ面のままユージスさんはマリスに質問をする。
……言われればそうだ、生物を吸収するって事がインパクト強すぎて
本来の私達の話題は『生物を変異させる』方だったね。
「流石にそこも分かんないかな、マリスはソイツと交流あった訳じゃないし
憶測だけど、変異させなきゃ吸収できないとか
そう言う制限でもあったんじゃないかな?」
ぶっきらぼうにマリスは答える、まぁマリスは遠目で見てただけみたいだし
分かる訳は無いよね。
でも、それだと新たな疑問が浮かび上がってくる。
「なら、あくまでその魔導士が王国の変異事件に関与してると
仮定してだけど……王国で変異してしまった人がその後
行方不明になったって話は聞かないよね?
そんな事があったらまずギルドに依頼が来るだろうし」
私は頭に浮かんだ疑問を口にする。
私達はマルティーヌさんしか変異してしまった人を知らないけど
そのマルティーヌさんは色々不自由そうではあるけど普通に生活してる。
マリスの言う通りならとっくに吸収されててもおかしくない。
「……そだね、マルティーヌさんもエウジェニーお姉ちゃんも
変異はしてるけど吸収はされてない
となるとアイツが関与してる可能性はあまり高くは無さそうだねぇ」
マリスは考える仕草をしながらそう口にする。
……ってあれ、ちょっと待って!?
今マリス何か凄い事を口にしたような……
「ちょっと待ってマリス
もしかしてエウジェニーさんも……」
「ん? ああそうだよ
エウジェニーお姉ちゃんはれっきとした『女性』だよ
変異事件の際にナイスミドルに変異させられたんだよ」
……成程、そう言う事か。
言われてみればマリスはずっと「お姉ちゃん」と呼んでいたし
変異事件に巻き込まれていたというならの口調と雰囲気の
ちぐはぐさは納得だ。
「あれ、確か結構な騒ぎになったよな
特に王国の美人ギルドマスターがオッサンになっちまったって
男冒険者達がやけ酒かっ喰らったり男泣きしてたりで
暫く使い物にならなかったって話だぜ」
ユージスさんは呆れ笑いの表情で言い放つ。
「……男ってホント馬鹿ばかりね」
フィルがその言葉に続けてため息を吐きつつ呟く。
しかしエウジェニーさんも事件の被害者だったとはね
しかし美人ギルドマスターかぁ……今のエウジェニーさんも
私的には渋くてちょっとカッコいいと思うんだけど
元のエウジェニーさんも見てみたい気はする。
「そう考えると、確かにその魔導士の仕業って言うのも考えにくいな
奴の目的は『命の保存』とやらだろ?
なら吸収する為に変異させた人間を放置してるのは少し不自然だな」
ユージスさんエウジェニーさんの話で少しだけ気が緩んだのか
穏やかな口調で言う。
だけどマリスは首を振り
「そうとも限らないよ、ただ単に吸収するのに
変異させる必要が無くなった可能性だってあるし
もしかしたら逆にもう吸収する必要が無くなったかも知れないんだよ
そもそも吸収するのに変異させないといけない、と言うのも
マリス達の勝手な推測なんだしね」
「む……」
マリスの言葉にユージスさんは再び難しい顔をして黙り込む。
……ふぅむ、流石に情報が足りなさすぎるかな。
あまり考えるのは得意じゃないけど、これ以上は
話し合ってても先には進みそうにないね。
「……分かった、貴重な情報ありがとなマリス」
ユージスさんもそれを感じたのか、話を切ってマリスに頭を下げる。
「礼なんていいよ、マリスは知ってる事を話しただけだし
それにさっきも言ったけどそいつが関わってるって根拠も無いんだしね」
「それでも、だ
今まで手掛かりどころか原因すら不明だったんだ
可能性のある情報ってだけで俺にとっては大収穫だ、礼を言わせてくれ」
「む……」
頭を下げてお礼を言うユージスさんにマリスはちょっとだけ困った顔をする。
……おや、マリスもしかして照れてる?
マリスが素で照れてるなんて珍しい、と言うか初めて見たね。
「……何、レンお姉ちゃん」
そんな私の視線を感じ取ったのか、マリスがジト目で私を睨む。
「何でもないよ、珍しいものを見れたからちょっと嬉しかっただけ」
マリスの視線を受け流しつつ微笑んでで返事する。
「……レンお姉ちゃんって案外悪趣味だよね」
マリスは視線を外し、少しだけむすっとした表情で呟く。
「悪趣味なのはお互い様だよ、だからこそマリスは
私達と一緒にいるんだよね」
拗ねたマリスを見ながら私はマリスに言う。
「……ふふっ、そだね」
マリスはそう言ってこちらを向き、いつもの笑顔を見せた。
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