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時越えの詠嘆曲《アリア》
迷走
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「う~ん、ここにも何もないみたいだねぇ……」
見渡す限りの畑を見渡しながら私は呟く。
1つ目の『勇者の足跡』を探索した数日後、マリスに連れられて
2つ目の『勇者の足跡』へと向かった私達。
だけど今度の場所は農場のど真ん中、植えられてる穀物らしき
植物の穂が微風に揺られてるのどかな光景が広がっていただけだった。
「……ホントにここが勇者が最後に目撃された場所なの?
どこをどう見ても何の変哲もない畑にしか見えないんだけど」
フィルは若干疑いの目をマリスに向けながら言う。
まぁ無理も無いかな、私だってどう見たって農場にしか見えないんだもん。
ちなみに農場のご主人に話を聞いてみたけど、十数年前ぐらいに
確かにそんな話は聞いたらしい。
だけどそれから特に何も起こる事は無く、至って普通の畑のままだったみたい。
「ダスレのおっちゃんの情報だから間違いは無いと思うよ?
あのおっちゃん報酬さえ払えば仕事はきちっとする人だからね」
マリスも私と同じ様に周囲を見回しながら答える。
ふむ……という事ならば信頼性の高い情報ではありそうだね。
って、マリス今さらっととんでもない事言ってなかった?
「マリス、もしかしてダスレさんと連絡取り合う手段持ってるの?」
私は驚いてマリスに聞く、そう言えばリアに私達と話すことが出来る
魔晶石を作ってたっけ、それを考えると不思議じゃないんだけど……
「うん、リアに渡した魔晶石みたいなもんじゃ無いけどね」
「いつの間に……」
マリスの答えにフィルが半分呆れ声で呟く。
「帝国から脱出する際にちょいちょいっとね
おっちゃん達からしてもマリス達と繋がってれば
王国の情報が手に入るんだし喜んで受け取ってくれたよ、あははは」
マリスは何時もの様に笑いながら答える。
……相変わらず抜け目ないなぁマリス、魔導士って
こんなに強かじゃないとやっていけないんだろうか。
「けど、おっちゃんの情報が正確としもホントにここになりも無さげだね
後はリーゼの『違和感』って奴だけど……」
マリスの言葉を聞きながらリーゼを見る、だけどリーゼも首を振り
「……申し訳ありません、ここでは何も感じられません」
申し訳なさそうに言って来る、いやリーゼが謝る事じゃないんだけどね。
ちなみに前回襲って来た下級悪魔とやらの気配もない。
……本当にここには何もない様だ。
「これは完全な空振りかしらね
まぁ何かあるんだったら聖教が管理しそうなものなんだけど……」
フィルがそんな事を呟く、そう言えば勇者って聖教が見つけて
バックアップするんだっけ、なら勇者の痕跡があるところは
聖地みたいに祭り上げたりしそうだよね。
そう言う感じも無いって事はいよいよ何も無いって事だよね……
「う~ん、これは当てが外れたかな~
レンお姉ちゃんと同じ異世界から来た勇者なら何か手掛かりあるかと思ったけど」
マリスが少し困った様に呟く。
そう言えば『勇者の足跡』を調べてみるってマリスの提案だったね。
「ゴメンねレンお姉ちゃん
何か手掛かりがあると思ったけど、マリスの思惑違いだったみたいだよ」
マリスは申し訳なさそうな表情で私に謝ってくる。
いやいや、リーゼと言いマリスと言い私に謝る必要なんて無いんだってば。
「マリスが謝る事じゃないよ、むしろこんな事に付き合わせて
私が謝らなきゃいけない方だし」
私は慌てて両手を振りながらマリスに言う。
「それに『勇者の足跡』ってまだ1つあるんでしょ?
そこに行けばもしかしたら何か手掛かりがあるかもしれないんだしさ」
落ち込み気味のマリスを励ます為に言葉を続ける。
確か王国には3つ『勇者の足跡』があった筈だ、まだ諦める段階じゃない。
そう思って言ったけどマリスは首を振り
「あ~、それなんだけどさ……
最後の1か所って『オルテナウスの町』にあるらしいんだよね」
場所が場所だけに確定って訳じゃないんだけどね」
ウンザリした表情で言い放つマリス。
うわ、よりにもよってそこなんだ……
「オルテナウスの町って……時越えのセレナがレンに『死ぬから行くな』って
忠告した所よね!? そんなとこに『勇者の足跡』があるの!?」
マリスの言葉を聞いたフィルが今にも掴みかからん様子で
マリスに迫りながら言う。
「そうみたいだよ、まぁあそこが変になったのはつい最近の事だし
それまではファアル連邦と距離が近かったから王国の物流拠点として
栄えてた町だったんだけどね」
必死な形相で迫るフィルに臆する事もなくマリスは
いつもの調子で答える。
そうだったんだ、それなら王国としても重要な町っぽいね。
けど、そんな異常事態になってるのに王国が動いて無いって事は……
「そんな重要な町の異常事態を王国は放置してるの!?」
「放置はしてないよ、現に冒険者や軍を派遣してたみたいだし
けど、誰も彼も連絡なしに行方不明になっちゃったから国としても
下手に手出しが出来ない状態なんだよ」
フィルも同じことを思ったらしく、マリスに問いただすも
マリスは再び首を振りながら苦笑いで答える。
まぁそうだよね、物流の拠点っていわば国の経済活動の
心臓部にも等しい所だ、そんな処が機能不全になったら
国として対応は当然するだろうけど出来なくて放置ってパターンか。
これは益々厄介だ、国が動いてどうにもならなかった事柄が
私達にどうにかできるなんて到底思えない。
例え元の世界に戻る手段がある『かもしれない』場所だったとしても
行くにはリスクが高すぎる、その異常事態が解決するまで
保留しておく方がいいよね。
「そっか、まぁ元々行く気なんて無かったけど
そう言う事なら更に行くなんて気は起きないかな」
「……いいの?レン」
私の言葉に、それ迄の必死な表情を打ち消し
酷く心配そうな表情でこちらを向いて聞いて来るフィル。
「いいも何も命あっての物種だよ
死んじゃったら元の世界に戻るどころの話じゃないんだし」
「そうだけど……」
私の返答に何か引っかかるところがあるのか
少し言葉を濁すフィル。
「どしたのフィル、いつもなら『そんな所行くなんて言わないでよね!!』
とか言って私の事止めようとするのに」
そんなフィルの態度を疑問に思い、フィルに聞いてみる。
「うん、レンが危険な所に行こうなんて言わないのは凄く嬉しいし
それに反対するつもりなんてもちろん無いわ、けど……」
フィルは少しだけ躊躇した様に言葉を切る。
「だけど、やっぱりレンの望みを叶えてあげたいって気持ちがあるの
……自分でも、面倒臭い女だとは思うんだけどね」
フィルは自嘲気味にそう呟く。
うん、何と言うか……フィルらしいと言えばらしいね。
とは言え、元の世界に戻る事は私自身そこまで急いでいる訳では無かったりする。
……すでに家族はいないし、向こうで待ってくれてる様な人もいないしね。
まぁ、私がいなくなって困るような人はちらほらいるけど
その辺りは自分で何とかして貰おう、正直関わりたくない人達だし。
だけど……戻れるなら戻りたい理由はある。
それは向こうの世界云々と言う事じゃなくて、むしろ……
「……レン?」
返答もせずじっと見つめるだけの私をフィルが心配そうな顔で
覗き込みながら呼びかける。
「ああ御免、別にフィルを面倒臭いなんて思った事は無いよ
ずっと助けて貰ってるし、そんなこと思ったら罰が当たるよ」
「そう、それなら良かった」
私は思考を誤魔化す為にフィルの言葉を否定すると、フィルは
嬉しそうに微笑む。
……さて、それはそうと目的が無くなっちゃった訳だけど
たちまち王国に戻って情報収集に努めた方が良さそうかな。
元にの世界に戻る方法もそうだけど、リアの手掛かりも探さなきゃいけない
やる事はそれなりにある。
「それじゃ王都に戻ろっか
ここに留まってても何も無さそうだしね」
「そだね~」
私の言葉に仲間達は同意し、2つ目の『勇者の足跡』を後にした。
見渡す限りの畑を見渡しながら私は呟く。
1つ目の『勇者の足跡』を探索した数日後、マリスに連れられて
2つ目の『勇者の足跡』へと向かった私達。
だけど今度の場所は農場のど真ん中、植えられてる穀物らしき
植物の穂が微風に揺られてるのどかな光景が広がっていただけだった。
「……ホントにここが勇者が最後に目撃された場所なの?
どこをどう見ても何の変哲もない畑にしか見えないんだけど」
フィルは若干疑いの目をマリスに向けながら言う。
まぁ無理も無いかな、私だってどう見たって農場にしか見えないんだもん。
ちなみに農場のご主人に話を聞いてみたけど、十数年前ぐらいに
確かにそんな話は聞いたらしい。
だけどそれから特に何も起こる事は無く、至って普通の畑のままだったみたい。
「ダスレのおっちゃんの情報だから間違いは無いと思うよ?
あのおっちゃん報酬さえ払えば仕事はきちっとする人だからね」
マリスも私と同じ様に周囲を見回しながら答える。
ふむ……という事ならば信頼性の高い情報ではありそうだね。
って、マリス今さらっととんでもない事言ってなかった?
「マリス、もしかしてダスレさんと連絡取り合う手段持ってるの?」
私は驚いてマリスに聞く、そう言えばリアに私達と話すことが出来る
魔晶石を作ってたっけ、それを考えると不思議じゃないんだけど……
「うん、リアに渡した魔晶石みたいなもんじゃ無いけどね」
「いつの間に……」
マリスの答えにフィルが半分呆れ声で呟く。
「帝国から脱出する際にちょいちょいっとね
おっちゃん達からしてもマリス達と繋がってれば
王国の情報が手に入るんだし喜んで受け取ってくれたよ、あははは」
マリスは何時もの様に笑いながら答える。
……相変わらず抜け目ないなぁマリス、魔導士って
こんなに強かじゃないとやっていけないんだろうか。
「けど、おっちゃんの情報が正確としもホントにここになりも無さげだね
後はリーゼの『違和感』って奴だけど……」
マリスの言葉を聞きながらリーゼを見る、だけどリーゼも首を振り
「……申し訳ありません、ここでは何も感じられません」
申し訳なさそうに言って来る、いやリーゼが謝る事じゃないんだけどね。
ちなみに前回襲って来た下級悪魔とやらの気配もない。
……本当にここには何もない様だ。
「これは完全な空振りかしらね
まぁ何かあるんだったら聖教が管理しそうなものなんだけど……」
フィルがそんな事を呟く、そう言えば勇者って聖教が見つけて
バックアップするんだっけ、なら勇者の痕跡があるところは
聖地みたいに祭り上げたりしそうだよね。
そう言う感じも無いって事はいよいよ何も無いって事だよね……
「う~ん、これは当てが外れたかな~
レンお姉ちゃんと同じ異世界から来た勇者なら何か手掛かりあるかと思ったけど」
マリスが少し困った様に呟く。
そう言えば『勇者の足跡』を調べてみるってマリスの提案だったね。
「ゴメンねレンお姉ちゃん
何か手掛かりがあると思ったけど、マリスの思惑違いだったみたいだよ」
マリスは申し訳なさそうな表情で私に謝ってくる。
いやいや、リーゼと言いマリスと言い私に謝る必要なんて無いんだってば。
「マリスが謝る事じゃないよ、むしろこんな事に付き合わせて
私が謝らなきゃいけない方だし」
私は慌てて両手を振りながらマリスに言う。
「それに『勇者の足跡』ってまだ1つあるんでしょ?
そこに行けばもしかしたら何か手掛かりがあるかもしれないんだしさ」
落ち込み気味のマリスを励ます為に言葉を続ける。
確か王国には3つ『勇者の足跡』があった筈だ、まだ諦める段階じゃない。
そう思って言ったけどマリスは首を振り
「あ~、それなんだけどさ……
最後の1か所って『オルテナウスの町』にあるらしいんだよね」
場所が場所だけに確定って訳じゃないんだけどね」
ウンザリした表情で言い放つマリス。
うわ、よりにもよってそこなんだ……
「オルテナウスの町って……時越えのセレナがレンに『死ぬから行くな』って
忠告した所よね!? そんなとこに『勇者の足跡』があるの!?」
マリスの言葉を聞いたフィルが今にも掴みかからん様子で
マリスに迫りながら言う。
「そうみたいだよ、まぁあそこが変になったのはつい最近の事だし
それまではファアル連邦と距離が近かったから王国の物流拠点として
栄えてた町だったんだけどね」
必死な形相で迫るフィルに臆する事もなくマリスは
いつもの調子で答える。
そうだったんだ、それなら王国としても重要な町っぽいね。
けど、そんな異常事態になってるのに王国が動いて無いって事は……
「そんな重要な町の異常事態を王国は放置してるの!?」
「放置はしてないよ、現に冒険者や軍を派遣してたみたいだし
けど、誰も彼も連絡なしに行方不明になっちゃったから国としても
下手に手出しが出来ない状態なんだよ」
フィルも同じことを思ったらしく、マリスに問いただすも
マリスは再び首を振りながら苦笑いで答える。
まぁそうだよね、物流の拠点っていわば国の経済活動の
心臓部にも等しい所だ、そんな処が機能不全になったら
国として対応は当然するだろうけど出来なくて放置ってパターンか。
これは益々厄介だ、国が動いてどうにもならなかった事柄が
私達にどうにかできるなんて到底思えない。
例え元の世界に戻る手段がある『かもしれない』場所だったとしても
行くにはリスクが高すぎる、その異常事態が解決するまで
保留しておく方がいいよね。
「そっか、まぁ元々行く気なんて無かったけど
そう言う事なら更に行くなんて気は起きないかな」
「……いいの?レン」
私の言葉に、それ迄の必死な表情を打ち消し
酷く心配そうな表情でこちらを向いて聞いて来るフィル。
「いいも何も命あっての物種だよ
死んじゃったら元の世界に戻るどころの話じゃないんだし」
「そうだけど……」
私の返答に何か引っかかるところがあるのか
少し言葉を濁すフィル。
「どしたのフィル、いつもなら『そんな所行くなんて言わないでよね!!』
とか言って私の事止めようとするのに」
そんなフィルの態度を疑問に思い、フィルに聞いてみる。
「うん、レンが危険な所に行こうなんて言わないのは凄く嬉しいし
それに反対するつもりなんてもちろん無いわ、けど……」
フィルは少しだけ躊躇した様に言葉を切る。
「だけど、やっぱりレンの望みを叶えてあげたいって気持ちがあるの
……自分でも、面倒臭い女だとは思うんだけどね」
フィルは自嘲気味にそう呟く。
うん、何と言うか……フィルらしいと言えばらしいね。
とは言え、元の世界に戻る事は私自身そこまで急いでいる訳では無かったりする。
……すでに家族はいないし、向こうで待ってくれてる様な人もいないしね。
まぁ、私がいなくなって困るような人はちらほらいるけど
その辺りは自分で何とかして貰おう、正直関わりたくない人達だし。
だけど……戻れるなら戻りたい理由はある。
それは向こうの世界云々と言う事じゃなくて、むしろ……
「……レン?」
返答もせずじっと見つめるだけの私をフィルが心配そうな顔で
覗き込みながら呼びかける。
「ああ御免、別にフィルを面倒臭いなんて思った事は無いよ
ずっと助けて貰ってるし、そんなこと思ったら罰が当たるよ」
「そう、それなら良かった」
私は思考を誤魔化す為にフィルの言葉を否定すると、フィルは
嬉しそうに微笑む。
……さて、それはそうと目的が無くなっちゃった訳だけど
たちまち王国に戻って情報収集に努めた方が良さそうかな。
元にの世界に戻る方法もそうだけど、リアの手掛かりも探さなきゃいけない
やる事はそれなりにある。
「それじゃ王都に戻ろっか
ここに留まってても何も無さそうだしね」
「そだね~」
私の言葉に仲間達は同意し、2つ目の『勇者の足跡』を後にした。
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