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連載
こりゃめでたいですわ!
お母様が懐妊したことに私はめちゃくちゃ驚いた。
いやまあ、チョコレート騒動の時以来、両親がとても仲睦まじい様子だったのは気づいていたけどもね?
でもまさか、弟か妹ができるとは……いやはや、チョコレート効果様々ですわよ。
私たちのやりとりを聞いていたミリアが慌ててお母様の元へ向かい、黒銀たちの発言を報告したところ、お父様がお母様を抱きしめ、泣いて喜んだとかなんとか。
「お顔は見えませんでしたけど、肩の震えかたなどを見るに間違いないと思います」とはミリア談。
お母様はなんとなく気づいていたようで「あら、やっぱりそうだったのね」と納得しつつ、抱きついて離れないお父様の背中を「もう、しかたのない人ね」と言いながらさすっていたとのこと。
美男美女のそんなやりとりは絵になっただろうなぁ。
私的には実の両親だからその場にいるのは気まずそうだけど。
しかし、妊娠かあ……さっきのは典型的なつわりの症状だね。
炊き立てのごはんの香りとか、食べ物の匂いで気持ち悪くなるんだよね。匂いつわりだっけ?
匂いつわりはこまめに換気をしたり、匂いのきついものを避けるとか?
昨日の豆腐料理を食べている時は気持ち悪そうにしていなかったから、豆腐が作れるようになったのはラッキーだったかも。
あと、空腹を感じると気持ち悪くなる食べつわりは少量でいいからこまめに食事をとる、だっけ?
あとは常に眠くなったりだるさを感じたりするみたいだから、締め付けのきつい服は避けてリラックスできる環境を整えてもらわなくちゃ。
あと、食べ物は好みがガラリと変わることがあるから、リクエストに応えられるようにしないと。
前世の時の友人で妊娠したら某ファストフードのフライドポテトを食べてばかりの子がいたっけ。
季節外れのスイカが欲しいって旦那さんを困らせていた友人もいたなぁ……
幸い、私のインベントリの中には大量の食材を収納してあるから、ある程度なら希望を叶えられる……はず。
食材が傷むのがもったいなくて、色々と溜め込んでいたのが功を奏した。
備蓄は大事。
とりあえずミリアにレモンっぽい柑橘類を絞って水で薄めた果実水を届けるように伝えてからマリエルちゃんを迎えにいく時間が近づいていたのでお忍び用の馬車に乗り込んだ。
「びっくりしたけれど、お母様の懐妊はめでたいことだわ」
「うむ、ややこが生まれるというのはどの種族であれめでたいことよの」
「むれにあたらしいこがふえるのっていいよねぇ。にんげんって、なんでまいとしうんでふやさないのかな?」
「真白? 人間は毎年子どもを産んだりはしないのよ?」
まあ、年子で産んだりはあるけれど、毎年はさすがにない。
「そうなんだ。たしかに、にんげんはそだつのがおそいし、ふやすのもゆっくりなのかな」
いや、そんなにポンポン増やせないから。
「真白、人間は簡単に増やせはしない。特に貴族たちのような魔力の高い者は相性もあるのでそもそもが増えにくいし、増えたら増えたで跡目争いとかいう群れのリーダー決めで揉めたり何かと厄介なのだ」
黒銀が真白にそう説明した。
黒銀がいうところの相性とは、魔力の相性も魔力の高い子どもができるかどうかのポイントになるそうで。
黒銀の話によると、魔力の相性が悪いと、たとえ妊娠したとしても初期の段階で流れてしまうか、母体にかなりのダメージを与えてしまうため、細心の注意が必要なのだとか。
私の場合、相性は問題なかったようだけど、妊娠初期からすごい魔力が吸収され、お母様はめちゃくちゃお腹が空いて魔力回復のために食べに食べまくっていたらしい。
生まれたら生まれたで、授乳時に魔力を持っていかれるので、これまた食べまくっていたらしい。
乳離れした時には、食べまくる習慣がついていたので太ってしまい、妊娠前の体型に戻すのが大変だったそう。
その頃、お肌の調子が悪かったこともあり、美容にはものすごく気を使っているらしい。
……お母様があれだけ美容に執着するのは、私が原因だったみたい。なんかすまんかった。
メイヤー男爵家の館に到着し、マリエルちゃんを乗せて職人街へ向かう。
「えええ、クリステアさんのお母様が⁉︎ え、えと、おめでとうございます!」
「あはは、ありがとうございます? でも今朝判明したばかりだから、メイヤー男爵やご家族には内緒にしていてね?」
「あ、そうですね。妊娠初期ならあまり大っぴらにはしませんもんね」
前世でも安定期に入るまでは公表しない人もいたし、前世では看護師だったマリエルちゃんはそういった配慮もちゃんとしているようで安心だ。
「え、でもそれじゃ今日はお母様のそばにいてあげたほうがよかったのでは?」
「それも考えたんだけど、今はお父様がお母様にべったりだし、つわり中のお母様が豆腐料理は食べられるみたいだから木綿豆腐用の木枠は早急に欲しいかなって……」
「それなら急ぎましょう。あ、この先の小さな広場で降りましょう」
御者に伝えてマリエルちゃんが指定した場所に降り立った私たちは、マリエルちゃんの先導で王都の職人街へ足を踏み入れるのだった。
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いやまあ、チョコレート騒動の時以来、両親がとても仲睦まじい様子だったのは気づいていたけどもね?
でもまさか、弟か妹ができるとは……いやはや、チョコレート効果様々ですわよ。
私たちのやりとりを聞いていたミリアが慌ててお母様の元へ向かい、黒銀たちの発言を報告したところ、お父様がお母様を抱きしめ、泣いて喜んだとかなんとか。
「お顔は見えませんでしたけど、肩の震えかたなどを見るに間違いないと思います」とはミリア談。
お母様はなんとなく気づいていたようで「あら、やっぱりそうだったのね」と納得しつつ、抱きついて離れないお父様の背中を「もう、しかたのない人ね」と言いながらさすっていたとのこと。
美男美女のそんなやりとりは絵になっただろうなぁ。
私的には実の両親だからその場にいるのは気まずそうだけど。
しかし、妊娠かあ……さっきのは典型的なつわりの症状だね。
炊き立てのごはんの香りとか、食べ物の匂いで気持ち悪くなるんだよね。匂いつわりだっけ?
匂いつわりはこまめに換気をしたり、匂いのきついものを避けるとか?
昨日の豆腐料理を食べている時は気持ち悪そうにしていなかったから、豆腐が作れるようになったのはラッキーだったかも。
あと、空腹を感じると気持ち悪くなる食べつわりは少量でいいからこまめに食事をとる、だっけ?
あとは常に眠くなったりだるさを感じたりするみたいだから、締め付けのきつい服は避けてリラックスできる環境を整えてもらわなくちゃ。
あと、食べ物は好みがガラリと変わることがあるから、リクエストに応えられるようにしないと。
前世の時の友人で妊娠したら某ファストフードのフライドポテトを食べてばかりの子がいたっけ。
季節外れのスイカが欲しいって旦那さんを困らせていた友人もいたなぁ……
幸い、私のインベントリの中には大量の食材を収納してあるから、ある程度なら希望を叶えられる……はず。
食材が傷むのがもったいなくて、色々と溜め込んでいたのが功を奏した。
備蓄は大事。
とりあえずミリアにレモンっぽい柑橘類を絞って水で薄めた果実水を届けるように伝えてからマリエルちゃんを迎えにいく時間が近づいていたのでお忍び用の馬車に乗り込んだ。
「びっくりしたけれど、お母様の懐妊はめでたいことだわ」
「うむ、ややこが生まれるというのはどの種族であれめでたいことよの」
「むれにあたらしいこがふえるのっていいよねぇ。にんげんって、なんでまいとしうんでふやさないのかな?」
「真白? 人間は毎年子どもを産んだりはしないのよ?」
まあ、年子で産んだりはあるけれど、毎年はさすがにない。
「そうなんだ。たしかに、にんげんはそだつのがおそいし、ふやすのもゆっくりなのかな」
いや、そんなにポンポン増やせないから。
「真白、人間は簡単に増やせはしない。特に貴族たちのような魔力の高い者は相性もあるのでそもそもが増えにくいし、増えたら増えたで跡目争いとかいう群れのリーダー決めで揉めたり何かと厄介なのだ」
黒銀が真白にそう説明した。
黒銀がいうところの相性とは、魔力の相性も魔力の高い子どもができるかどうかのポイントになるそうで。
黒銀の話によると、魔力の相性が悪いと、たとえ妊娠したとしても初期の段階で流れてしまうか、母体にかなりのダメージを与えてしまうため、細心の注意が必要なのだとか。
私の場合、相性は問題なかったようだけど、妊娠初期からすごい魔力が吸収され、お母様はめちゃくちゃお腹が空いて魔力回復のために食べに食べまくっていたらしい。
生まれたら生まれたで、授乳時に魔力を持っていかれるので、これまた食べまくっていたらしい。
乳離れした時には、食べまくる習慣がついていたので太ってしまい、妊娠前の体型に戻すのが大変だったそう。
その頃、お肌の調子が悪かったこともあり、美容にはものすごく気を使っているらしい。
……お母様があれだけ美容に執着するのは、私が原因だったみたい。なんかすまんかった。
メイヤー男爵家の館に到着し、マリエルちゃんを乗せて職人街へ向かう。
「えええ、クリステアさんのお母様が⁉︎ え、えと、おめでとうございます!」
「あはは、ありがとうございます? でも今朝判明したばかりだから、メイヤー男爵やご家族には内緒にしていてね?」
「あ、そうですね。妊娠初期ならあまり大っぴらにはしませんもんね」
前世でも安定期に入るまでは公表しない人もいたし、前世では看護師だったマリエルちゃんはそういった配慮もちゃんとしているようで安心だ。
「え、でもそれじゃ今日はお母様のそばにいてあげたほうがよかったのでは?」
「それも考えたんだけど、今はお父様がお母様にべったりだし、つわり中のお母様が豆腐料理は食べられるみたいだから木綿豆腐用の木枠は早急に欲しいかなって……」
「それなら急ぎましょう。あ、この先の小さな広場で降りましょう」
御者に伝えてマリエルちゃんが指定した場所に降り立った私たちは、マリエルちゃんの先導で王都の職人街へ足を踏み入れるのだった。
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