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どうしてこうなった??
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「クリステア、どういうことなのか説明しなさい」
お父様は眉間を揉みながら私に説明を求めた。
「は、はい、あの……」
うぐぐ、どうしてこうなった。
料理長がオークの解体ができる場所の確認とその許可をもらうために、家令のギルバートの下へと向かった。
私たちは料理長が戻ってくるまでそのまま待機していたのだけれど、料理長が慌てて駆け戻ってきたから嫌な予感がしたのよね……
「あの、クリステア様、お館様がお呼びだそうで……」
料理長は私にそう伝えると、シンには私が戻るまで仕込みの作業に戻るよう指示してそそくさと調理場を去った。
シンは「……じゃ、そういうことで」と言うとさっさと仕込みに戻ってしまった。
のおおおおおーっ! どうしてお父様が⁉︎
ギルバートはどうしたの⁉︎
急な呼び出しなんてお説教の予感しかしないじゃないの。
私は重い足取りでお父様の待つ執務室へ向かったのだった。
「どうした、クリステア」
私がぼんやり回想していると、お父様が回答を促してきた。
おっと、いけない。お説教タイムを長引かせるわけにはいかないわ!
「あの、オークを解体したいので、経験のあるシンにお願いしようと思ったのです。ですが、我が家のどこで解体すればよいのわからなかったものですから、料理長がギルバートに確認しに行ってくれたのです」
「オークの解体なぞこの屋敷ではしたことがないし、する必要もなかろう。食材なら発注すればいいだけのことだ。下々の仕事を奪ってまですることではない」
まあね、王都には国中のものが集まると言うし、わざわざ解体までする必要はないと考えるよね……
「オークは領地の冒険者ギルドへ納品しなさい。その方が有効に使えるだろう。まったく……其方、まだオークを隠し持っていたのか……」
隠し持ってたとは失礼な。ストックと言ってほしい。
まあ、これは今朝獲れたてほやほやなんだけど。
「領地の冒険者ギルドへは今頃黒銀が納品を済ませている頃だと思いますわ。燻製事業の方はご心配なく」
領地ではオークの討伐数が少なくなっていたから、燻製用のオーク肉の確保が難しくなったとおっしゃっていたもの。これでお父様もひと安心よね。
「……黒銀様が? 其方、ギルドへ追納できるほどのオークを隠し持っていたと言うのか?」
「え? いいえ? 黒銀が今朝大量に狩ってきたので……」
「なんだと⁉︎ 大量のオークなぞどこで討伐したというのだ⁉︎ まさか、領地でまた集落ができていたのか?」
「え?」
「我が領地でそこまで頻繁に魔物が増えるとは……オーク以外にも集落ができているかもしれぬ。大規模な調査が必要か……」
眉間にしわを寄せ考え込むお父様。
え、ちょっと待って。
「あの、お父様。黒銀の話では集落はできていたそうですが殲滅し焼き払ったそうですのでご安心ください」
もう退治し終わってるんだから、わざわざ調査隊出すなんてそんな無駄なことさせるわけにはいかない。
「馬鹿者。魔物が大量発生したということは、ダンジョンができている可能性があるのだ。放置しておくわけにはいかぬ」
お父様はガタッと椅子から立ち上がり、部屋の隅に鎮座していた魔導具らしきものへ近づいていった。
「あの、お父様……それは一体何ですか?」
「うん? これは、最近開発された通信の魔導具だ。この魔石に魔力を通せば、登録してある領地の館とティリエの執務室、そして王宮にも繋がるようになっている」
えっ? 何それ⁉︎
電話的なものがこの世界に?
そんな便利なものができたのかぁ……
通信の魔導具をよく見てみると、箱に水晶玉のように透明で大きな球体がはめ込まれていて、台座になっている箱には水晶を囲むように魔法陣らしきものが刻まれている。そこから手前にいくつかはめ込まれている大きな魔石へと回路らしきものが繋がっていた。
……これって、かなりお高い品なのではないだろうか。
こりゃ普及するのは難しそうだわ。
これがあれば、マリエルちゃんとの連絡も楽になりそうなのになぁ。残念。
お父様がその中のひとつに手を伸ばし、触れる寸前で魔石が輝き始めた。
「……む、ティリエからか。丁度いい」
お父様はそのまま魔石に触れると、水晶球に向かって光が回路を伝っていき、魔法陣が光るとそこにティリエさんの姿が浮かび上がった。
「えっ? ティリエさん⁉︎」
驚いた。ただの電話じゃなく、なんとテレビ電話だったようだ。
「ちょっと! どういうことなのよ⁉︎ 領地内にオークが大量発生してたなんて報告受けてないわよ? なのにどうしてこんなにオークが納品されるのよ! もう、黒銀様ったらワタシにオークを預けるだけ預けてなんの説明も無しに帰っちゃうし。説明してちょうだい!」
あわわ、黒銀ったら!
ティリエさん、ごめんなさい!
お父様は眉間を揉みながら私に説明を求めた。
「は、はい、あの……」
うぐぐ、どうしてこうなった。
料理長がオークの解体ができる場所の確認とその許可をもらうために、家令のギルバートの下へと向かった。
私たちは料理長が戻ってくるまでそのまま待機していたのだけれど、料理長が慌てて駆け戻ってきたから嫌な予感がしたのよね……
「あの、クリステア様、お館様がお呼びだそうで……」
料理長は私にそう伝えると、シンには私が戻るまで仕込みの作業に戻るよう指示してそそくさと調理場を去った。
シンは「……じゃ、そういうことで」と言うとさっさと仕込みに戻ってしまった。
のおおおおおーっ! どうしてお父様が⁉︎
ギルバートはどうしたの⁉︎
急な呼び出しなんてお説教の予感しかしないじゃないの。
私は重い足取りでお父様の待つ執務室へ向かったのだった。
「どうした、クリステア」
私がぼんやり回想していると、お父様が回答を促してきた。
おっと、いけない。お説教タイムを長引かせるわけにはいかないわ!
「あの、オークを解体したいので、経験のあるシンにお願いしようと思ったのです。ですが、我が家のどこで解体すればよいのわからなかったものですから、料理長がギルバートに確認しに行ってくれたのです」
「オークの解体なぞこの屋敷ではしたことがないし、する必要もなかろう。食材なら発注すればいいだけのことだ。下々の仕事を奪ってまですることではない」
まあね、王都には国中のものが集まると言うし、わざわざ解体までする必要はないと考えるよね……
「オークは領地の冒険者ギルドへ納品しなさい。その方が有効に使えるだろう。まったく……其方、まだオークを隠し持っていたのか……」
隠し持ってたとは失礼な。ストックと言ってほしい。
まあ、これは今朝獲れたてほやほやなんだけど。
「領地の冒険者ギルドへは今頃黒銀が納品を済ませている頃だと思いますわ。燻製事業の方はご心配なく」
領地ではオークの討伐数が少なくなっていたから、燻製用のオーク肉の確保が難しくなったとおっしゃっていたもの。これでお父様もひと安心よね。
「……黒銀様が? 其方、ギルドへ追納できるほどのオークを隠し持っていたと言うのか?」
「え? いいえ? 黒銀が今朝大量に狩ってきたので……」
「なんだと⁉︎ 大量のオークなぞどこで討伐したというのだ⁉︎ まさか、領地でまた集落ができていたのか?」
「え?」
「我が領地でそこまで頻繁に魔物が増えるとは……オーク以外にも集落ができているかもしれぬ。大規模な調査が必要か……」
眉間にしわを寄せ考え込むお父様。
え、ちょっと待って。
「あの、お父様。黒銀の話では集落はできていたそうですが殲滅し焼き払ったそうですのでご安心ください」
もう退治し終わってるんだから、わざわざ調査隊出すなんてそんな無駄なことさせるわけにはいかない。
「馬鹿者。魔物が大量発生したということは、ダンジョンができている可能性があるのだ。放置しておくわけにはいかぬ」
お父様はガタッと椅子から立ち上がり、部屋の隅に鎮座していた魔導具らしきものへ近づいていった。
「あの、お父様……それは一体何ですか?」
「うん? これは、最近開発された通信の魔導具だ。この魔石に魔力を通せば、登録してある領地の館とティリエの執務室、そして王宮にも繋がるようになっている」
えっ? 何それ⁉︎
電話的なものがこの世界に?
そんな便利なものができたのかぁ……
通信の魔導具をよく見てみると、箱に水晶玉のように透明で大きな球体がはめ込まれていて、台座になっている箱には水晶を囲むように魔法陣らしきものが刻まれている。そこから手前にいくつかはめ込まれている大きな魔石へと回路らしきものが繋がっていた。
……これって、かなりお高い品なのではないだろうか。
こりゃ普及するのは難しそうだわ。
これがあれば、マリエルちゃんとの連絡も楽になりそうなのになぁ。残念。
お父様がその中のひとつに手を伸ばし、触れる寸前で魔石が輝き始めた。
「……む、ティリエからか。丁度いい」
お父様はそのまま魔石に触れると、水晶球に向かって光が回路を伝っていき、魔法陣が光るとそこにティリエさんの姿が浮かび上がった。
「えっ? ティリエさん⁉︎」
驚いた。ただの電話じゃなく、なんとテレビ電話だったようだ。
「ちょっと! どういうことなのよ⁉︎ 領地内にオークが大量発生してたなんて報告受けてないわよ? なのにどうしてこんなにオークが納品されるのよ! もう、黒銀様ったらワタシにオークを預けるだけ預けてなんの説明も無しに帰っちゃうし。説明してちょうだい!」
あわわ、黒銀ったら!
ティリエさん、ごめんなさい!
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