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呼び出し再び
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私たちが講堂に入ると、着席している生徒が昨日よりも疎らなことに驚いた。
前方の席は平民らしき生徒で埋まっているものの、後方の席はほとんど生徒がいない。
しかし、よく見ると机の上には筆記用具などが置かれ、すでに席が確保されているようだった。
……これって、ニール先生がさっき言ってた席取りバイトの仕業なのかしら。
二日目にして早くも他人まかせにするなんて……と思っていたのだけど、どうやら昨日は初日だから自分好みの席を決めるために来ただけで、二日目からはバイトにおまかせというのが普通なのだと後でマリエルちゃんから聞いた。えええ……?
腑に落ちないながらも私たちは昨日同様、中間の列の席に座り講義が始まるのを待った。
もうじき講師がやって来るだろうという頃になって、派手な制服に身を包んだ、明らかに貴族だとわかる生徒たちがぞろぞろと講堂に入ってきた。
楽しそうにおしゃべりしながら確保してある席へ向かう生徒たちを眺めていると、その中にアリシア様のグループを見つけた。
あちらも私たちを見つけたようで、ちらっとこちらを見たかと思うと、つんっと顔を背けて自分の席へ向かった。
……そこまで毛嫌いしなくてもいいのに。
私は王太子殿下の婚約者なんて望んでないのになぁ。
敵意を向けられても、私にはどうしようもないことだから困ってしまう。
レイモンド殿下、お願いだから早くお相手を決めてください。私以外で。
いやもうマジで……
そんな風にモヤモヤしている間に講師がやってきたので、私は慌ててノートを広げた。
「それでは、本日はここまで」
終業の鐘が鳴るまで少し早いけれど、キリがよかったようで講師が終了を告げた。
早めに昼食にありつけるとばかりに前方では平民の生徒たちが嬉しそうにはしゃぎながら教室を出ていった。
私がそれを眺めながらゆっくりと筆記用具を片付けていると、まだ残っていた講師に呼ばれた。
「クリステア・エリスフィード嬢とセイノゥシン・シキシィマ君。君たちに話がある。私についてきなさい」
講師は呼びにくいのか、少し訛った風にセイの名を呼んだ。
「はい」
「は……はい」
え……話って、なんだろう?
私たち二人ってことは……聖獣絡み?
講師を待たせるわけにはいかないので、私とセイは片付けの手を早めた。
「あ、そうだ。マリエルさんは……」
マリエルちゃんを一人で帰すことになってしまう。
「はい、今日は女子寮に戻りますね。それじゃ、また明日!」
片付けを終えたマリエルちゃんはニコッと笑うと講堂から出て行った。
ああ……今日も一緒に予習できたらなと思っていたのに。
がっかりしつつもセイの後を追って講師の元へ急いだ。
「昼食前にすまないが、これから教員棟に同行してもらうよ」
そう言って先導する講師の後ろについて行くと、出入り口でこちらを見ていたアリシア様と目が合った。
こちらをじっと見つめていたのを知られたのが気まずかったようで、アリシア様はすぐにそっぽを向いて教室を出ていった。
はあ……親友がいなかったら心が折れてるかもしれないところだよ……マリエルちゃんとセイがいてくれて本当によかった。
二人の存在に感謝しつつ、私は講師についていったのだった。
講堂から職員棟までは歩いてもさほどかからない距離だった。
前回移動するのに馬車を使ったからそれなりに遠いのかと思っていたけれど、それは外周をぐるりと回ったせいで、直線距離で向かうぶんにはそれほど遠くはないようだった。
「こっちだ」
私たちが講師の誘導で向かったのは例のエレベーターだった。
エレベーターに乗り込み、独特の浮遊感を味わいながら到着したのは学園長室のあるフロアだった。
「学園長が君たちに話があるそうだ。あの場で学園長の呼び出しと言えば変に注目をあびるだろうと思ってね」
「そうですか……」
彼なりに気を遣ってくれたみたいだけど、授業開始二日目に教師の呼び出しってだけで十分目立つからね?
あの時、残ってた生徒はチラチラこっち見てたんだから。
とはいえ、呼び出されたのが聖獣契約者の私たちだということも注目される原因のひとつと思われるから、しばらくは何をしても目立つんだろうな……
こんな調子で他の生徒と馴染めるのかなぁ。
ついついため息をつきそうになるのを堪えながら、学園長室にたどり着いた。
「ミス・パメラ。よろしいですか」
講師がノックをすると、控室で待機している秘書のパメラさんの「どうぞ」という声が聞こえ、スウッ……と扉が開いた。
「クリステア・エリスフィード嬢とセイノゥシン・シキシィマを連れてきました」
「ありがとうございます。さあ、二人ともこちらへいらっしゃい」
私たちが講師に促され前に進むと、彼はそのまま一礼して部屋を出ていった。
あれ? 同席しないの?
「彼には貴方たちを連れてくるよう頼んだだけですから。帰りはちゃんと送る手配をするから心配しないで」
パメラさんはウインクしながら奥にある学園長室の扉をノックした。
「学園長。二人が参りました」
「入りなさい」
学園長の返事を確認してから、パメラさんは扉を開けて私たちに入るよう促した。
「「失礼します」」
「おお、よく来たね。そのソファーに座りなさい」
学園長は奥の執務机で書き物をしていた手を止めて、応接セットに移動してきた。
私たちも促されるままソファーに座ると、パメラさんがワゴンを押しながらやってきて、紅茶と焼き菓子を出してくれた。
「昼食時にすまなかったね。こんなものしかないがお食べなさい」
学園長が好々爺然として勧めてくださったので、少々空腹を訴え始めた私のお腹を宥めるためにもお言葉に甘えることにした。
「いただきます」
紅茶のカップを手に取り口元に運ぶと、ふわりと紅茶の良い香りが鼻をくすぐった。
こくりと口に含めば、華やかな香りと味わいが口中に広がる。
良い茶葉と正しい淹れ方でなければこの味は出ないだろう。
「美味しいです」
思わずそう言うと、パメラさんが「まあ、嬉しいわ」と顔を綻ばせた。
焼き菓子はメイヤー商会のヒット商品であるショートブレッドだ。
私がレシピを提供して、マリエルちゃんのお父様が会頭をしているメイヤー商会で売り出したそれは貴族の間で飛ぶように売れ、最近ではプレーンだけでなくフレーバーで変化をつけた新商品と共にそろそろ店頭に並ぶと聞いていたけれど、今目の前にあるこれはまさにその新フレーバーである紅茶の葉を砕いて混ぜ込んだものだった。
「この菓子はクリステア嬢考案の品と聞いたが、美味いのでよくいただいとるよ」
学園長は私がショートブレッドを手に取ると続いて手にしてサクリと食べながらウインクして言った。
「あ、ありがとうございます……」
そうして少しの間お茶を楽しんでから、学園長がいよいよ本題に入った。
「二人をここへ呼んだのは、少し頼みがあるからなのだ」
「頼みとは一体なんでしょうか」
セイが問うと、学園長は髭を撫でつけつつ言った。
「うむ……大変申し訳ないのだが、二人の契約聖獣の皆様を講師や生徒達がぜひ見たいと言っておってな……明日の午後、上級生の講義に同席して欲しいのだよ」
「……は?」
「入学早々ざわついておるうちに聖獣の皆様を人目に晒すのは避けたかったのだが……。今は学園長命令で抑えておるが、このままでは気が逸った者が特別寮に押しかけかねんと思うてなぁ……」
ええぇ⁉︎ 何それ⁉︎
ニール先生以外にも聖獣マニアがいるってこと?
流石に特別寮に押しかけられるのは勘弁してほしいわ。
特別寮には入り込めなくても、出入り口で待ち構えられたらどうすることもできないじゃない?
白虎様たちはわからないけれど、黒銀と真白がどんな対応をするか……私が困った素振りを見せようものなら「強制排除!」と蹴散らしかねない。
「二人には申し訳ないが、聖獣様たちを説得してもらえんだろうか? もちろん君たちに無理強いしないよう対策はする」
学園長が困り顔で頼み込むので、私たちは「やってみます」としか言えなかった。
まあ、公爵令嬢である私に対して無理強いできる人はそれほどいないと思うけれど、セイはこの国の人間じゃないからきちんと対策はしていただきたいわね。
その後、学園長が他に面会予定があるとのことで私たちは退室し、パメラさんが呼んでくれた馬車に乗って特別寮に戻ったのだった。
前方の席は平民らしき生徒で埋まっているものの、後方の席はほとんど生徒がいない。
しかし、よく見ると机の上には筆記用具などが置かれ、すでに席が確保されているようだった。
……これって、ニール先生がさっき言ってた席取りバイトの仕業なのかしら。
二日目にして早くも他人まかせにするなんて……と思っていたのだけど、どうやら昨日は初日だから自分好みの席を決めるために来ただけで、二日目からはバイトにおまかせというのが普通なのだと後でマリエルちゃんから聞いた。えええ……?
腑に落ちないながらも私たちは昨日同様、中間の列の席に座り講義が始まるのを待った。
もうじき講師がやって来るだろうという頃になって、派手な制服に身を包んだ、明らかに貴族だとわかる生徒たちがぞろぞろと講堂に入ってきた。
楽しそうにおしゃべりしながら確保してある席へ向かう生徒たちを眺めていると、その中にアリシア様のグループを見つけた。
あちらも私たちを見つけたようで、ちらっとこちらを見たかと思うと、つんっと顔を背けて自分の席へ向かった。
……そこまで毛嫌いしなくてもいいのに。
私は王太子殿下の婚約者なんて望んでないのになぁ。
敵意を向けられても、私にはどうしようもないことだから困ってしまう。
レイモンド殿下、お願いだから早くお相手を決めてください。私以外で。
いやもうマジで……
そんな風にモヤモヤしている間に講師がやってきたので、私は慌ててノートを広げた。
「それでは、本日はここまで」
終業の鐘が鳴るまで少し早いけれど、キリがよかったようで講師が終了を告げた。
早めに昼食にありつけるとばかりに前方では平民の生徒たちが嬉しそうにはしゃぎながら教室を出ていった。
私がそれを眺めながらゆっくりと筆記用具を片付けていると、まだ残っていた講師に呼ばれた。
「クリステア・エリスフィード嬢とセイノゥシン・シキシィマ君。君たちに話がある。私についてきなさい」
講師は呼びにくいのか、少し訛った風にセイの名を呼んだ。
「はい」
「は……はい」
え……話って、なんだろう?
私たち二人ってことは……聖獣絡み?
講師を待たせるわけにはいかないので、私とセイは片付けの手を早めた。
「あ、そうだ。マリエルさんは……」
マリエルちゃんを一人で帰すことになってしまう。
「はい、今日は女子寮に戻りますね。それじゃ、また明日!」
片付けを終えたマリエルちゃんはニコッと笑うと講堂から出て行った。
ああ……今日も一緒に予習できたらなと思っていたのに。
がっかりしつつもセイの後を追って講師の元へ急いだ。
「昼食前にすまないが、これから教員棟に同行してもらうよ」
そう言って先導する講師の後ろについて行くと、出入り口でこちらを見ていたアリシア様と目が合った。
こちらをじっと見つめていたのを知られたのが気まずかったようで、アリシア様はすぐにそっぽを向いて教室を出ていった。
はあ……親友がいなかったら心が折れてるかもしれないところだよ……マリエルちゃんとセイがいてくれて本当によかった。
二人の存在に感謝しつつ、私は講師についていったのだった。
講堂から職員棟までは歩いてもさほどかからない距離だった。
前回移動するのに馬車を使ったからそれなりに遠いのかと思っていたけれど、それは外周をぐるりと回ったせいで、直線距離で向かうぶんにはそれほど遠くはないようだった。
「こっちだ」
私たちが講師の誘導で向かったのは例のエレベーターだった。
エレベーターに乗り込み、独特の浮遊感を味わいながら到着したのは学園長室のあるフロアだった。
「学園長が君たちに話があるそうだ。あの場で学園長の呼び出しと言えば変に注目をあびるだろうと思ってね」
「そうですか……」
彼なりに気を遣ってくれたみたいだけど、授業開始二日目に教師の呼び出しってだけで十分目立つからね?
あの時、残ってた生徒はチラチラこっち見てたんだから。
とはいえ、呼び出されたのが聖獣契約者の私たちだということも注目される原因のひとつと思われるから、しばらくは何をしても目立つんだろうな……
こんな調子で他の生徒と馴染めるのかなぁ。
ついついため息をつきそうになるのを堪えながら、学園長室にたどり着いた。
「ミス・パメラ。よろしいですか」
講師がノックをすると、控室で待機している秘書のパメラさんの「どうぞ」という声が聞こえ、スウッ……と扉が開いた。
「クリステア・エリスフィード嬢とセイノゥシン・シキシィマを連れてきました」
「ありがとうございます。さあ、二人ともこちらへいらっしゃい」
私たちが講師に促され前に進むと、彼はそのまま一礼して部屋を出ていった。
あれ? 同席しないの?
「彼には貴方たちを連れてくるよう頼んだだけですから。帰りはちゃんと送る手配をするから心配しないで」
パメラさんはウインクしながら奥にある学園長室の扉をノックした。
「学園長。二人が参りました」
「入りなさい」
学園長の返事を確認してから、パメラさんは扉を開けて私たちに入るよう促した。
「「失礼します」」
「おお、よく来たね。そのソファーに座りなさい」
学園長は奥の執務机で書き物をしていた手を止めて、応接セットに移動してきた。
私たちも促されるままソファーに座ると、パメラさんがワゴンを押しながらやってきて、紅茶と焼き菓子を出してくれた。
「昼食時にすまなかったね。こんなものしかないがお食べなさい」
学園長が好々爺然として勧めてくださったので、少々空腹を訴え始めた私のお腹を宥めるためにもお言葉に甘えることにした。
「いただきます」
紅茶のカップを手に取り口元に運ぶと、ふわりと紅茶の良い香りが鼻をくすぐった。
こくりと口に含めば、華やかな香りと味わいが口中に広がる。
良い茶葉と正しい淹れ方でなければこの味は出ないだろう。
「美味しいです」
思わずそう言うと、パメラさんが「まあ、嬉しいわ」と顔を綻ばせた。
焼き菓子はメイヤー商会のヒット商品であるショートブレッドだ。
私がレシピを提供して、マリエルちゃんのお父様が会頭をしているメイヤー商会で売り出したそれは貴族の間で飛ぶように売れ、最近ではプレーンだけでなくフレーバーで変化をつけた新商品と共にそろそろ店頭に並ぶと聞いていたけれど、今目の前にあるこれはまさにその新フレーバーである紅茶の葉を砕いて混ぜ込んだものだった。
「この菓子はクリステア嬢考案の品と聞いたが、美味いのでよくいただいとるよ」
学園長は私がショートブレッドを手に取ると続いて手にしてサクリと食べながらウインクして言った。
「あ、ありがとうございます……」
そうして少しの間お茶を楽しんでから、学園長がいよいよ本題に入った。
「二人をここへ呼んだのは、少し頼みがあるからなのだ」
「頼みとは一体なんでしょうか」
セイが問うと、学園長は髭を撫でつけつつ言った。
「うむ……大変申し訳ないのだが、二人の契約聖獣の皆様を講師や生徒達がぜひ見たいと言っておってな……明日の午後、上級生の講義に同席して欲しいのだよ」
「……は?」
「入学早々ざわついておるうちに聖獣の皆様を人目に晒すのは避けたかったのだが……。今は学園長命令で抑えておるが、このままでは気が逸った者が特別寮に押しかけかねんと思うてなぁ……」
ええぇ⁉︎ 何それ⁉︎
ニール先生以外にも聖獣マニアがいるってこと?
流石に特別寮に押しかけられるのは勘弁してほしいわ。
特別寮には入り込めなくても、出入り口で待ち構えられたらどうすることもできないじゃない?
白虎様たちはわからないけれど、黒銀と真白がどんな対応をするか……私が困った素振りを見せようものなら「強制排除!」と蹴散らしかねない。
「二人には申し訳ないが、聖獣様たちを説得してもらえんだろうか? もちろん君たちに無理強いしないよう対策はする」
学園長が困り顔で頼み込むので、私たちは「やってみます」としか言えなかった。
まあ、公爵令嬢である私に対して無理強いできる人はそれほどいないと思うけれど、セイはこの国の人間じゃないからきちんと対策はしていただきたいわね。
その後、学園長が他に面会予定があるとのことで私たちは退室し、パメラさんが呼んでくれた馬車に乗って特別寮に戻ったのだった。
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