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【王太子視点】この出会いは必然か5
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さあ、待ちに待った晩餐だ。
クリステア嬢が何もないテーブルの前に立つと、どこからともなく寸胴鍋を2つ、木のフタ付きの樽のようなものを1つ、ドンドンドン!と並べた。
一体どこから…あ!インベントリか!
そういえば、ノーマンを通して公爵から報告を受けていたな…。インベントリをこの歳で使えるなんて、魔法の才も長けているのだろう。将来有望だな。
しかし、なんだこの強烈な香りは…!
新作の名前はカレーといい、スタンダードと上級向けがあるらしい。上級向けの方がより美味そうな気がしたのでそちらを選んだ。クリステア嬢もそちらを選んでいたので、美味いに違いない。
「これは…例のコメと…上にかかっているのが新作か…?…香りは素晴らしいが、その、見た目が…。」
…うん、これはやばい。見た目がやばい。食べていいものなのか本気で迷うが…香りは強烈で、食べたいという欲求が強まっていく。
「…こういう料理ですの。お気に召さないようでしたら、他のものを用意させますわ。」
そう言って、クリステア嬢は食べはじめた。…勇気があるな。いや、考案者だから当然か。
…なんとも美味そうに食べるな。
鑑定スキルを持つ俺は即座に鑑定したが、毒物は入っていなさそうだ。寧ろ、薬として使われているものが入っている…?姿かたちはほとんど見えないが、野菜もかなり使っているようだ。肉は…ビッグホーンブルか。あれはスジだらけで美味い部位がかなり少ないんだが…。ええい、美味そうな匂いが思考を鈍らせる。とにかく食べよう!
スプーンでカレーとコメを合わせてすくい取り、口元へと運ぶ。…なんて強烈な香りなんだ…!陶然としながらも口の中へ。
…美味い!それに、なんというか…熱い…?いや、痛い?
なんだこれ?!か…から…っ!
「辛…っ!なんだこれは!辛すぎるだろ…っ!?」
口の中で火がついたみたいに熱い!
というか痛い!水を一気に飲み干したが、痛みと渇きは治らない。
それなのに、クリステア嬢は同じものを平然と食べている…だと!?
しかも、お子様用にしますか?なんて聞かれてはい、そうします…なんて言えるかっ!
意地でも食べきってやるからなっ!
…はー、はー、辛い。…み、水…!
再びなみなみと注がれた水の入ったグラスを手に取ると、それでは味わう前に洗い流されてしまい台なしだ、などと言われてしまい…。クリステア嬢のグラスを見ると、全く水を飲んだ様子がない。
…くっ。仕方ない。俺はグラスをそのままテーブルに戻し、食べるのを再開した。間にサラダを食べたりして緩和しつつ…。
…ん?食べ進めるうちに、辛いだけじゃない、複雑な味わいもわかるようになってきた…?
確かにこれは、途中で水を飲んでいては分からなかったかもしれない…。
辛い…でも美味い!もっと味わいたい!
「おかわり!なんか慣れたらクセになるなこの辛さ!」
ふっ…どうだ、クリステア嬢。
俺は上級向けがわかる男だぞ?
…?なんだろう。ショックを受けているような…?きっと、お子様用を勧めた自分を恥じているのに違いない。うん、気にすることはないぞ?
クリステア嬢が何もないテーブルの前に立つと、どこからともなく寸胴鍋を2つ、木のフタ付きの樽のようなものを1つ、ドンドンドン!と並べた。
一体どこから…あ!インベントリか!
そういえば、ノーマンを通して公爵から報告を受けていたな…。インベントリをこの歳で使えるなんて、魔法の才も長けているのだろう。将来有望だな。
しかし、なんだこの強烈な香りは…!
新作の名前はカレーといい、スタンダードと上級向けがあるらしい。上級向けの方がより美味そうな気がしたのでそちらを選んだ。クリステア嬢もそちらを選んでいたので、美味いに違いない。
「これは…例のコメと…上にかかっているのが新作か…?…香りは素晴らしいが、その、見た目が…。」
…うん、これはやばい。見た目がやばい。食べていいものなのか本気で迷うが…香りは強烈で、食べたいという欲求が強まっていく。
「…こういう料理ですの。お気に召さないようでしたら、他のものを用意させますわ。」
そう言って、クリステア嬢は食べはじめた。…勇気があるな。いや、考案者だから当然か。
…なんとも美味そうに食べるな。
鑑定スキルを持つ俺は即座に鑑定したが、毒物は入っていなさそうだ。寧ろ、薬として使われているものが入っている…?姿かたちはほとんど見えないが、野菜もかなり使っているようだ。肉は…ビッグホーンブルか。あれはスジだらけで美味い部位がかなり少ないんだが…。ええい、美味そうな匂いが思考を鈍らせる。とにかく食べよう!
スプーンでカレーとコメを合わせてすくい取り、口元へと運ぶ。…なんて強烈な香りなんだ…!陶然としながらも口の中へ。
…美味い!それに、なんというか…熱い…?いや、痛い?
なんだこれ?!か…から…っ!
「辛…っ!なんだこれは!辛すぎるだろ…っ!?」
口の中で火がついたみたいに熱い!
というか痛い!水を一気に飲み干したが、痛みと渇きは治らない。
それなのに、クリステア嬢は同じものを平然と食べている…だと!?
しかも、お子様用にしますか?なんて聞かれてはい、そうします…なんて言えるかっ!
意地でも食べきってやるからなっ!
…はー、はー、辛い。…み、水…!
再びなみなみと注がれた水の入ったグラスを手に取ると、それでは味わう前に洗い流されてしまい台なしだ、などと言われてしまい…。クリステア嬢のグラスを見ると、全く水を飲んだ様子がない。
…くっ。仕方ない。俺はグラスをそのままテーブルに戻し、食べるのを再開した。間にサラダを食べたりして緩和しつつ…。
…ん?食べ進めるうちに、辛いだけじゃない、複雑な味わいもわかるようになってきた…?
確かにこれは、途中で水を飲んでいては分からなかったかもしれない…。
辛い…でも美味い!もっと味わいたい!
「おかわり!なんか慣れたらクセになるなこの辛さ!」
ふっ…どうだ、クリステア嬢。
俺は上級向けがわかる男だぞ?
…?なんだろう。ショックを受けているような…?きっと、お子様用を勧めた自分を恥じているのに違いない。うん、気にすることはないぞ?
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