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連載
ついに完成⁉︎
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「おかえりなさいませ、クリステア様」
特別寮の玄関ホールに入ると、ミリアと鉢合わせした。
「ただいま、ミリア。あら、その荷物は?」
ミリアは公爵家の紋章入りの箱を大事そうに抱えていた。
「ああ、これは先ほど公爵家から届いた荷物でして……シンの手紙によると、中身は香辛料などのようですよ」
ミリア宛の手紙とは別に私宛の手紙もあったので、手渡されたその場で手紙の封を切り内容を確認した。
「な……なんですって……⁉︎」
その内容に驚き震える私に、セイとマリエルちゃんが何事かと様子を伺う。
「あの、クリステアさん? おうちで何か……?」
マリエルちゃんが心配そうに声をかけてきた。
「……マリエルさん」
「は、はいぃ⁉︎」
私の真剣な声にマリエルちゃんがビクつくのも構わず問いかける。
「お好み焼きとたこ焼きと焼きうどん、どれが食べたい?」
「……へ?」
ポカンとして気の抜けた返事をするマリエルちゃんにニヤリと笑う。
「届いたのよ、開発中のソースが! 早速使ってみようと思うのだけど、何を作ろうかと思って」
「え……ソー……、え、ソ、ソース⁉︎ 本当ですか⁉︎」
「ええそう、ソースよ! 試作に試作を重ね、仕上げをシンと料理長に託していたのだけど、ようやく納得のいくものができたらしいの。それで、試食してほしいと送られてきたのよ!」
「う、うわあ! すごい! ど、どれにしよう……どれも食べたいけど……ええと……」
マリエルちゃんが悩む間に手紙の続きを読み進める。
「あら、シンってば、ついにカレー粉も作ったのね? 何なに……ああ、お父様が食べたいとゴネたのね。ふむふむ、ちゃんと作れているかチェックしてほしいと……いくら材料が高級品だからって、心配症ね」
「カ、カレーですか⁉︎ うわぁ、そっちも捨てがたい……!」
マリエルちゃんは前世の味を思い出したのかよだれを垂らさんばかりにはわわ……と顔を緩ませる。
こらこら、セイもいるんだからね?
「マリエルさん、今日のところはソースの試食ができるものにしましょう。とりあえずたくさん作らなきゃいけないから……お好み焼きにしましょうか?」
「は、はいっ! 食べられるならどれでも私は嬉しいです!」
よくよく考えたらたこ焼き……オクパルを作るにはオクシー(たこ)が必要だ。
今から黒銀たちに捕ってきてもらうわけにもいかないし。
すじ肉やベーコンで代用するのもいいけれど、せっかくのおソース様だものね。
また今度にしよう。
確かルビィの分もあるからとキャベツはたくさん手配したはず。
山芋は領地で採取した分がインベントリにあるし、オーク肉を薄切りにして……うん。いける。
「じゃあ各自着替えを済ませたら厨房へ集合ね!」
私の掛け声に「はい!」「あ……ああ」とそれぞれ返事をすると速やかに自室へ向かったのだった。
「……さて。これからお好み焼きを作るにあたり、担当を決めようと思います」
そう言ってそれぞれの役割を振り分ける。
キャベツの千切りは私と朱雀様。
二人かがりでひたすら荒めの千切りに。
山芋のすりおろしは真白とセイ。
ネバネバするのには苦労したみたいだけど、上手にすりおろしてくれた。
オークのバラ肉の薄切りは黒銀と白虎様。
お肉の扱いはこの二人が一番上手いので安心しておまかせ。
かつお節削り担当はルビィにお願いした。
「あらぁ、面白いことするのねぇ。ま、ワタシにかかればちょちょいのちょいよ」と魔法で器用にかつお節と削り器を操り、削り節を作るのには感心したわ。
マリエルちゃんとミリアにはテーブルセッティングと輝夜のかつお節つまみ食い防止のために見張りをお願いしたのだった。
「よし、じゃあ焼きましょうか!」
材料を混ぜ合わせ、小型の携帯用魔道コンロにガルバノおじさま特製の鉄板をのせてやや弱火で薄く油を引けばあとは焼くだけだ。
フライパンで焼くことも考えたけれど、これなら大きく焼いて切り分けたらいいと思ったのと、皆でワイワイ焼きながらのほうが楽しいと思ったのだ。
「まずは生地を流し入れて……と」
広げないよう、厚めに落とすように入れる。
これまたおじさま特製のヘラで周囲を丸く整えてオークのバラ肉の薄切りをのせてじっくり焼いていく。
お好み焼きには薄くクレープ状に焼いた生地にキャベツや天かす、バラ肉などをのせて焼くタイプもあるけれど、あれは私には上手に返せる気がしない。
ただでさえちびっ子なんだもの。
熱々のキャベツを浴びる予感しかない。
ここは安心安全な混ぜ込みタイプでいくことにした。
「……そろそろかしら?」
端のほうをめくって焼き加減を確かめてから、お好み焼きのメインイベントとも言える返しをしようと両手にヘラを持つ。
「ま、待ってください!」
「えっ?」
「わ、私にやらせてください! これだけは得意なんです!」
マリエルちゃんがバッと手を挙げながら自分にまかせてほしいと訴えた。
「え……ええ、いいけど……」
勢いに押されてマリエルちゃんにヘラを渡すと、チャッ! と、ヘラを持ちかえて真剣な顔でお好み焼きの両サイドにヘラを差し込んだ。
マリエルちゃん、いつも料理は苦手だって言っているのに大丈夫なのかしら……?
私とセイがゴクリと唾を飲み見守っていると、マリエルちゃんはスッ、スッとヘラを移動させ、鉄板からお好み焼きが離れたのを感触で確認し、見事な返しでパタァン! とひっくり返してみせた。
皆が「おおー!」と騒めく中で、マリエルちゃんはドヤァ……! とヘラを掲げて見せた。
「驚いたわ。本当に上手なのね」
私が感心していると、マリエルちゃんは「実家ではよく焼いていたので……」と照れ臭そうに言った。
私がすごいすごいと褒めるので、真白や黒銀が「次は自分がやる!」と奮起したのはここだけの話。
「まずは一枚目が焼けたわ! 次々焼いていくわね」
送られてきたソースを中央にたぷん、と垂らしてヘラで引き伸ばすと、端から垂れたソースがジュワァ……と音を立てて焼かれて香ばしい匂いを振りまく。
うー、これこれ! 待ってました!
かつお節をたっぷりのせるとふよふよと踊るように揺らめいてさらに食欲をそそった。
分けやすいようケーキのように放射状にカットすると、皆が一斉に箸やフォークを伸ばしてきた。
あっという間になくなったので、ヘラでざっと表面をこそいでから次の生地を流し込む。
「あつっ! でもおいひいね!」
真白はハフハフしながらも美味しそうに食べている。かわいい。
「くそぅ、早く冷めてくれ!」
猫舌な白虎様は口に運びかけたものの、熱々だったのでふうふうと息を吹きかけ冷ましている。
「うむ、美味い。これは肉を多めにしたらもっと美味いのではないか?」
黒銀はじっくりと味わいながら食べている。お肉は多すぎても少なすぎてもバランスが悪くなるからね。こんなものよ。
「まあぁ、美味しいですわぁ! このソースは前に似たようなものをいただきましたけれど、より美味しくなっておりますわね」
朱雀様、ソースの感想ありがとうございます。前のソースは「醤油ベースのなんちゃってウスターソースっぽい何か」でしたからね……
「へえぇ、なかなかイケるわね、これ。お肉は要らないけど野菜たっぷりだからワタシでも食べられるわ」
ルビィも食べられるようでよかった。
前世のうさぎにはソースとか絶対あげられないけど、ルビィは平気みたい。
『ちょいと! かつお節をもっとおかけよ! こんなんじゃ足りないよ!』
輝夜がタシタシと床を叩きながら追いかつお節を要求してくる。
いやもう、かなり山盛りにしたのに……かつお節だけ消えてるじゃないの……
仕方ないので輝夜のお好み焼きに追いかつお節をしてから私も食べてみる。
パクッ……ふわぁ、ふわふわ生地にキャベツの甘み、オーク肉の旨味とソースが渾然一体となって……美味しいぃ!
かつお節もいいアクセントになってる!
ああ……もう少し改善の余地はありそうだけど、かなりの及第点だ。
これでたこ焼きや焼きうどんを作ったら絶対に美味しい。
焼きそばも作りたいけど麺がなぁ……
あ、そうだ。オークカツとか揚げ物にも合うわよね。
いや、それはもっとサラッとしたウスターソースのほうがいいかしら……
「次が焼き上がりましたよー!」
私がソースを堪能している間に、マリエルちゃんが真白や黒銀に先んじて返しをしてくれていたようで、慌てて仕上げをすると鉄板からお好み焼きがあっという間に消えていく。
それを数回繰り返してすっかり満腹になった私たちなのだった。
特別寮の玄関ホールに入ると、ミリアと鉢合わせした。
「ただいま、ミリア。あら、その荷物は?」
ミリアは公爵家の紋章入りの箱を大事そうに抱えていた。
「ああ、これは先ほど公爵家から届いた荷物でして……シンの手紙によると、中身は香辛料などのようですよ」
ミリア宛の手紙とは別に私宛の手紙もあったので、手渡されたその場で手紙の封を切り内容を確認した。
「な……なんですって……⁉︎」
その内容に驚き震える私に、セイとマリエルちゃんが何事かと様子を伺う。
「あの、クリステアさん? おうちで何か……?」
マリエルちゃんが心配そうに声をかけてきた。
「……マリエルさん」
「は、はいぃ⁉︎」
私の真剣な声にマリエルちゃんがビクつくのも構わず問いかける。
「お好み焼きとたこ焼きと焼きうどん、どれが食べたい?」
「……へ?」
ポカンとして気の抜けた返事をするマリエルちゃんにニヤリと笑う。
「届いたのよ、開発中のソースが! 早速使ってみようと思うのだけど、何を作ろうかと思って」
「え……ソー……、え、ソ、ソース⁉︎ 本当ですか⁉︎」
「ええそう、ソースよ! 試作に試作を重ね、仕上げをシンと料理長に託していたのだけど、ようやく納得のいくものができたらしいの。それで、試食してほしいと送られてきたのよ!」
「う、うわあ! すごい! ど、どれにしよう……どれも食べたいけど……ええと……」
マリエルちゃんが悩む間に手紙の続きを読み進める。
「あら、シンってば、ついにカレー粉も作ったのね? 何なに……ああ、お父様が食べたいとゴネたのね。ふむふむ、ちゃんと作れているかチェックしてほしいと……いくら材料が高級品だからって、心配症ね」
「カ、カレーですか⁉︎ うわぁ、そっちも捨てがたい……!」
マリエルちゃんは前世の味を思い出したのかよだれを垂らさんばかりにはわわ……と顔を緩ませる。
こらこら、セイもいるんだからね?
「マリエルさん、今日のところはソースの試食ができるものにしましょう。とりあえずたくさん作らなきゃいけないから……お好み焼きにしましょうか?」
「は、はいっ! 食べられるならどれでも私は嬉しいです!」
よくよく考えたらたこ焼き……オクパルを作るにはオクシー(たこ)が必要だ。
今から黒銀たちに捕ってきてもらうわけにもいかないし。
すじ肉やベーコンで代用するのもいいけれど、せっかくのおソース様だものね。
また今度にしよう。
確かルビィの分もあるからとキャベツはたくさん手配したはず。
山芋は領地で採取した分がインベントリにあるし、オーク肉を薄切りにして……うん。いける。
「じゃあ各自着替えを済ませたら厨房へ集合ね!」
私の掛け声に「はい!」「あ……ああ」とそれぞれ返事をすると速やかに自室へ向かったのだった。
「……さて。これからお好み焼きを作るにあたり、担当を決めようと思います」
そう言ってそれぞれの役割を振り分ける。
キャベツの千切りは私と朱雀様。
二人かがりでひたすら荒めの千切りに。
山芋のすりおろしは真白とセイ。
ネバネバするのには苦労したみたいだけど、上手にすりおろしてくれた。
オークのバラ肉の薄切りは黒銀と白虎様。
お肉の扱いはこの二人が一番上手いので安心しておまかせ。
かつお節削り担当はルビィにお願いした。
「あらぁ、面白いことするのねぇ。ま、ワタシにかかればちょちょいのちょいよ」と魔法で器用にかつお節と削り器を操り、削り節を作るのには感心したわ。
マリエルちゃんとミリアにはテーブルセッティングと輝夜のかつお節つまみ食い防止のために見張りをお願いしたのだった。
「よし、じゃあ焼きましょうか!」
材料を混ぜ合わせ、小型の携帯用魔道コンロにガルバノおじさま特製の鉄板をのせてやや弱火で薄く油を引けばあとは焼くだけだ。
フライパンで焼くことも考えたけれど、これなら大きく焼いて切り分けたらいいと思ったのと、皆でワイワイ焼きながらのほうが楽しいと思ったのだ。
「まずは生地を流し入れて……と」
広げないよう、厚めに落とすように入れる。
これまたおじさま特製のヘラで周囲を丸く整えてオークのバラ肉の薄切りをのせてじっくり焼いていく。
お好み焼きには薄くクレープ状に焼いた生地にキャベツや天かす、バラ肉などをのせて焼くタイプもあるけれど、あれは私には上手に返せる気がしない。
ただでさえちびっ子なんだもの。
熱々のキャベツを浴びる予感しかない。
ここは安心安全な混ぜ込みタイプでいくことにした。
「……そろそろかしら?」
端のほうをめくって焼き加減を確かめてから、お好み焼きのメインイベントとも言える返しをしようと両手にヘラを持つ。
「ま、待ってください!」
「えっ?」
「わ、私にやらせてください! これだけは得意なんです!」
マリエルちゃんがバッと手を挙げながら自分にまかせてほしいと訴えた。
「え……ええ、いいけど……」
勢いに押されてマリエルちゃんにヘラを渡すと、チャッ! と、ヘラを持ちかえて真剣な顔でお好み焼きの両サイドにヘラを差し込んだ。
マリエルちゃん、いつも料理は苦手だって言っているのに大丈夫なのかしら……?
私とセイがゴクリと唾を飲み見守っていると、マリエルちゃんはスッ、スッとヘラを移動させ、鉄板からお好み焼きが離れたのを感触で確認し、見事な返しでパタァン! とひっくり返してみせた。
皆が「おおー!」と騒めく中で、マリエルちゃんはドヤァ……! とヘラを掲げて見せた。
「驚いたわ。本当に上手なのね」
私が感心していると、マリエルちゃんは「実家ではよく焼いていたので……」と照れ臭そうに言った。
私がすごいすごいと褒めるので、真白や黒銀が「次は自分がやる!」と奮起したのはここだけの話。
「まずは一枚目が焼けたわ! 次々焼いていくわね」
送られてきたソースを中央にたぷん、と垂らしてヘラで引き伸ばすと、端から垂れたソースがジュワァ……と音を立てて焼かれて香ばしい匂いを振りまく。
うー、これこれ! 待ってました!
かつお節をたっぷりのせるとふよふよと踊るように揺らめいてさらに食欲をそそった。
分けやすいようケーキのように放射状にカットすると、皆が一斉に箸やフォークを伸ばしてきた。
あっという間になくなったので、ヘラでざっと表面をこそいでから次の生地を流し込む。
「あつっ! でもおいひいね!」
真白はハフハフしながらも美味しそうに食べている。かわいい。
「くそぅ、早く冷めてくれ!」
猫舌な白虎様は口に運びかけたものの、熱々だったのでふうふうと息を吹きかけ冷ましている。
「うむ、美味い。これは肉を多めにしたらもっと美味いのではないか?」
黒銀はじっくりと味わいながら食べている。お肉は多すぎても少なすぎてもバランスが悪くなるからね。こんなものよ。
「まあぁ、美味しいですわぁ! このソースは前に似たようなものをいただきましたけれど、より美味しくなっておりますわね」
朱雀様、ソースの感想ありがとうございます。前のソースは「醤油ベースのなんちゃってウスターソースっぽい何か」でしたからね……
「へえぇ、なかなかイケるわね、これ。お肉は要らないけど野菜たっぷりだからワタシでも食べられるわ」
ルビィも食べられるようでよかった。
前世のうさぎにはソースとか絶対あげられないけど、ルビィは平気みたい。
『ちょいと! かつお節をもっとおかけよ! こんなんじゃ足りないよ!』
輝夜がタシタシと床を叩きながら追いかつお節を要求してくる。
いやもう、かなり山盛りにしたのに……かつお節だけ消えてるじゃないの……
仕方ないので輝夜のお好み焼きに追いかつお節をしてから私も食べてみる。
パクッ……ふわぁ、ふわふわ生地にキャベツの甘み、オーク肉の旨味とソースが渾然一体となって……美味しいぃ!
かつお節もいいアクセントになってる!
ああ……もう少し改善の余地はありそうだけど、かなりの及第点だ。
これでたこ焼きや焼きうどんを作ったら絶対に美味しい。
焼きそばも作りたいけど麺がなぁ……
あ、そうだ。オークカツとか揚げ物にも合うわよね。
いや、それはもっとサラッとしたウスターソースのほうがいいかしら……
「次が焼き上がりましたよー!」
私がソースを堪能している間に、マリエルちゃんが真白や黒銀に先んじて返しをしてくれていたようで、慌てて仕上げをすると鉄板からお好み焼きがあっという間に消えていく。
それを数回繰り返してすっかり満腹になった私たちなのだった。
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