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久々の我が家へ!
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屋敷に到着すると、玄関には使用人だけでなく、なんとお父様やお母様まで出てきて私たちを出迎えてくれた。
お父様は私と久々に会うからって待ちきれなかったんですって。お母様が後でこっそり教えてくれたわ。
お母様はお父様が暴走しないか監視役として付き添ったと言うけれど、二人嬉しそうに寄り添って出迎えてくれたのできっとお母様も待ちきれなかったんじゃないかな?
皆で挨拶をしているとすぐに夕食の時間になった。
メニューはカレー。
この前シンが送ってきたスパイスの出来が合格点だったので、私が帰省した時にカレーライスを作ってね! とお手紙で願いしていたから。
マリエルちゃんはたっぷり盛られたカレールーを見て「こ、この一皿でいったいいくらになるのかしら……(ゴクリ)」と喉を鳴らしながら食べるのを躊躇していたけれど、ひと匙口にしてからは勢いづいておかわりまでしていた。
マリエルちゃん的にも我が家のカレースパイスの味は合格だったみたい。
ふふふ、前世日本人だった私たちがあの味に抗えるわけがないのよね。
惜しむらくは、我が家のカレーは人気メニューだから、あっという間にきれいに食べ尽くされてしまって「二日目のカレー」が楽しめないってところかしらね。
セイは王都の屋敷に招待するのは初めてだからか、少し緊張しているようだった。
それに、領地の館によくお茶をしに来ていたいちまさん姿のおセイちゃんではなく、同級生の男子としてのセイ君としてだったから、セイを見た途端、お父様がものすごく威圧していたせいもあるけれど……
おセイちゃんの時はバステア商会の納品ついでにお茶会をしていく(実際はがっつり食事していたわけだけど)数少ない私の友人だったこともあり、下手に両親が出張ってくると萎縮してこなくなってしまう、というもっともらしい理由をつけて接触を控えてもらっていた。
だから、お父様たちからしてみればおセイちゃんは「ヤハトゥールの伝統衣装で遊びにくる可愛らしい黒髪の少女」程度の認識だったみたい。
それに、どうやらヤハトゥール人の容姿はドリスタン王国人には見分けがつきにくいようで「セイ」イコール「おセイちゃん」と結びつかなかったみたい。
確かに人種によって細かい見分けがつきにくいというのは前世でもよくあることだったものね。ちょっと助かったかも。
それに、お父様にヤハトゥール酒、お母様には香木でできた扇子を手土産として渡したことで気の利く少年、と好印象だったのも大きいわね。
聞くと朱雀様にバステア商会王都支店へお使いを頼んでおいたのだそう。
さすがセイ、ソツがないわね。
「クリステア。其方、明日は領地へ行きたいそうだが……」
食後のお茶をいただいていると、お父様か明日の予定を確認してきた。
「はい。ガルバノおじさまのところへ伺いたくて」
「ガルバノのところにだと? ……何か欲しい道具でもあるのか?」
「いえあの、私ではなく……」
「あっ、あのっ、わ、私の契約聖獣のルビィのために、つ、作りたい装備があって、そそ相談を……」
マリエルちゃんが真っ赤な顔をしてどもりながら説明した。
緊張しているようだけど、マリエルちゃんのことだから「ふおお、イケオジと美魔女夫婦、眼福……尊い……語彙力など吹き飛ぶ……」とか思っているに違いない。
「なるほど。聖獣様の装備のためとあればそれなりの腕を持つ職人に依頼するのが当然か……」
「そぉなのよぉ。ごめんなさいね、ワタシのために……うふふ」
ルビィが居間のソファに座るマリエルちゃんの隣でリラックスしきった姿勢で人参スティックを齧りつつ、悪びれない様子で答える。
男性の声でオネエさん口調で話すルビィにお父様たちは若干引いていたものの、領地の冒険者ギルドのギルマスであるオネエルフのティリエさんという前例がいたため、すぐに慣れたようだった。
ルビィは結構濃いキャラだけど、ティリエさんもそれに負けてないものね。
「僕は騎士コースを選択したのですが、故郷の武器とは勝手が違ったので……クリステア嬢がドリスタン王国一の武器職人として名高いガルバノ殿にお会いすると聞いて、武器について少しでも学べたらと思い不躾とは思いつつも同行させていただきました」
セイもなんとなく興味があって私たちについてきた、というのでは女子の買い物に泊りがけで同行する理由としては弱いということで
ちゃんと目的を考えてきてくれた。
まあ、本当にドリスタンの武器にも興味があるのだろうけど。
「そうか……以前、バステア商会が美術品兼実用に耐える武器としてカタナとやらを見せにきたことがあったな。レイピアのようにすらりと細いが、片刃で独特の曲線を描いた優美な姿でありながら妖しくもあり……我が国の無骨な剣と刃を交えれば折れそうで儚い姿ではあった。うむ、ガルバノは使い手にあった武器の見極めも得意だから相談するといい。後で私がガルバノ宛に紹介状を書いて渡そう」
「あ……ありがとうございます!」
わあ、セイったら嬉しそう……
その日は王都の屋敷に泊まり、明日の午前中に転移部屋から領地の屋敷に移動することになった。
マリエルちゃんは私の部屋で一緒に寝ることにして、セイは私の部屋から一番遠い客室に泊まることになった。
お父様がそうするように指示したらしいよ。
まったく、親バカなんだから。
その日の夜は、マリエルちゃんとルビィも一緒のベッドでガールズトークで盛り上がり、いつのまにか寝落ちてしまったのだった。
お父様は私と久々に会うからって待ちきれなかったんですって。お母様が後でこっそり教えてくれたわ。
お母様はお父様が暴走しないか監視役として付き添ったと言うけれど、二人嬉しそうに寄り添って出迎えてくれたのできっとお母様も待ちきれなかったんじゃないかな?
皆で挨拶をしているとすぐに夕食の時間になった。
メニューはカレー。
この前シンが送ってきたスパイスの出来が合格点だったので、私が帰省した時にカレーライスを作ってね! とお手紙で願いしていたから。
マリエルちゃんはたっぷり盛られたカレールーを見て「こ、この一皿でいったいいくらになるのかしら……(ゴクリ)」と喉を鳴らしながら食べるのを躊躇していたけれど、ひと匙口にしてからは勢いづいておかわりまでしていた。
マリエルちゃん的にも我が家のカレースパイスの味は合格だったみたい。
ふふふ、前世日本人だった私たちがあの味に抗えるわけがないのよね。
惜しむらくは、我が家のカレーは人気メニューだから、あっという間にきれいに食べ尽くされてしまって「二日目のカレー」が楽しめないってところかしらね。
セイは王都の屋敷に招待するのは初めてだからか、少し緊張しているようだった。
それに、領地の館によくお茶をしに来ていたいちまさん姿のおセイちゃんではなく、同級生の男子としてのセイ君としてだったから、セイを見た途端、お父様がものすごく威圧していたせいもあるけれど……
おセイちゃんの時はバステア商会の納品ついでにお茶会をしていく(実際はがっつり食事していたわけだけど)数少ない私の友人だったこともあり、下手に両親が出張ってくると萎縮してこなくなってしまう、というもっともらしい理由をつけて接触を控えてもらっていた。
だから、お父様たちからしてみればおセイちゃんは「ヤハトゥールの伝統衣装で遊びにくる可愛らしい黒髪の少女」程度の認識だったみたい。
それに、どうやらヤハトゥール人の容姿はドリスタン王国人には見分けがつきにくいようで「セイ」イコール「おセイちゃん」と結びつかなかったみたい。
確かに人種によって細かい見分けがつきにくいというのは前世でもよくあることだったものね。ちょっと助かったかも。
それに、お父様にヤハトゥール酒、お母様には香木でできた扇子を手土産として渡したことで気の利く少年、と好印象だったのも大きいわね。
聞くと朱雀様にバステア商会王都支店へお使いを頼んでおいたのだそう。
さすがセイ、ソツがないわね。
「クリステア。其方、明日は領地へ行きたいそうだが……」
食後のお茶をいただいていると、お父様か明日の予定を確認してきた。
「はい。ガルバノおじさまのところへ伺いたくて」
「ガルバノのところにだと? ……何か欲しい道具でもあるのか?」
「いえあの、私ではなく……」
「あっ、あのっ、わ、私の契約聖獣のルビィのために、つ、作りたい装備があって、そそ相談を……」
マリエルちゃんが真っ赤な顔をしてどもりながら説明した。
緊張しているようだけど、マリエルちゃんのことだから「ふおお、イケオジと美魔女夫婦、眼福……尊い……語彙力など吹き飛ぶ……」とか思っているに違いない。
「なるほど。聖獣様の装備のためとあればそれなりの腕を持つ職人に依頼するのが当然か……」
「そぉなのよぉ。ごめんなさいね、ワタシのために……うふふ」
ルビィが居間のソファに座るマリエルちゃんの隣でリラックスしきった姿勢で人参スティックを齧りつつ、悪びれない様子で答える。
男性の声でオネエさん口調で話すルビィにお父様たちは若干引いていたものの、領地の冒険者ギルドのギルマスであるオネエルフのティリエさんという前例がいたため、すぐに慣れたようだった。
ルビィは結構濃いキャラだけど、ティリエさんもそれに負けてないものね。
「僕は騎士コースを選択したのですが、故郷の武器とは勝手が違ったので……クリステア嬢がドリスタン王国一の武器職人として名高いガルバノ殿にお会いすると聞いて、武器について少しでも学べたらと思い不躾とは思いつつも同行させていただきました」
セイもなんとなく興味があって私たちについてきた、というのでは女子の買い物に泊りがけで同行する理由としては弱いということで
ちゃんと目的を考えてきてくれた。
まあ、本当にドリスタンの武器にも興味があるのだろうけど。
「そうか……以前、バステア商会が美術品兼実用に耐える武器としてカタナとやらを見せにきたことがあったな。レイピアのようにすらりと細いが、片刃で独特の曲線を描いた優美な姿でありながら妖しくもあり……我が国の無骨な剣と刃を交えれば折れそうで儚い姿ではあった。うむ、ガルバノは使い手にあった武器の見極めも得意だから相談するといい。後で私がガルバノ宛に紹介状を書いて渡そう」
「あ……ありがとうございます!」
わあ、セイったら嬉しそう……
その日は王都の屋敷に泊まり、明日の午前中に転移部屋から領地の屋敷に移動することになった。
マリエルちゃんは私の部屋で一緒に寝ることにして、セイは私の部屋から一番遠い客室に泊まることになった。
お父様がそうするように指示したらしいよ。
まったく、親バカなんだから。
その日の夜は、マリエルちゃんとルビィも一緒のベッドでガールズトークで盛り上がり、いつのまにか寝落ちてしまったのだった。
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