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鬼畜かな?
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「は?」
「今、何と? ……び、媚薬?」
私の口走った言葉にシンと料理長が反応した。
「え? あ、あわわ。あのその、な、何でもないわ!」
慌ててインベントリに収納しようとするも、その前に袋の中身を覗き込まれてしまった。
「……この枯れた実が、媚薬?」
シンがひょいっと袋からカカオをつまみ取り、まじまじと見つめて言った。
あー、焙煎済みだし確かに枯れたように見えなくもないね。
「ああ、これはカカの実ですね。クリステア様のおっしゃるとおり、数年前からサモナール国よりもたらされた媚薬として貴族の間で流行り始めたものですよ。といっても恋人同士が逢瀬の際に盛り上がるための気軽な飲み物といった程度ですが……おっと、失礼。しかし、クリステア様はこれが媚薬だとよくご存知でしたね」
料理長が訝しむように私を見た。やばい。
「あー、ええと、学園で? ちょっと……?」
「ああ、薬草学で学ばれたのですか? なるほど、今のアデリア学園はそんなに早いうちからこんなものの存在まで教えるのですか」
「はは……」
そんなわけないでしょ。
十歳やそこらのお子様に媚薬の存在を教えるとか……え、ないよね? いくらこの世界では十五歳が成人で、早婚が基本とはいえ、媚薬の存在を教えたりはしないよね?
ないと信じてるからね?
「あの、これ本当に媚薬なんすか?」
シンが持っていたカカオの匂いをスンスンと嗅ぎながら胡散臭そうな表情をした。
いや媚薬疑いのものをそんなふうに無防備に嗅ぐのはやめなさい。
万が一発情したらどうするのよ。しないとは思うけど。
「媚薬と言われているけれど実際のところ微妙ね。食べ慣れていない人には刺激が強いから媚薬のような効果があると誤解されているのではないかしら」
そう答えると、料理長が感心したように私を見た。
「ほう、そうなのですか。確かに効果がある方とそうでない方がいらっしゃるとの話でしたが……」
試した人がいるのか……効果があった人はもしかしてプラシーボ効果というか、口車にのせられやすいタイプなのでは?
いや、ちょっと待って? そういえば……
「本物の媚薬かどうかはさておき、この実は栄養価が高いから、それによって魔力が増幅して興奮状態になる可能性はあるわね」
通常、魔力量が低下すると体力的にダウンしちゃうなら、その逆はどうなる? って考えたら、ねえ? 何となく想像はできるわね。
「……なるほど、そういうことでしたら可能性はありますね。その実が魔力の増幅に影響をもたらすものなのであれば、急激に魔力が高まることで一時的に興奮状態となり、それが発情したものと勘違いされた、と……あ、度々申し訳ございません」
いえいえ、話を続けたのは私だから。
普通、貴族のご令嬢に使用人が艶ごとの話題なんてありえないけどね。
前世の記憶も知識もあるし、社畜時代に上司のセクハラ発言に耐えたおかげでスルースキルはカンストしてるはずなんで。
料理長の失言なんて可愛いもんです(うぐぐ、笑えない)。
「気にしないでちょうだい。この実は香辛料を買った時におまけでいただいたものなのだけど、魔力回復に役立つのであればせっかくだしこれも使いたいわね」
「は?」
「え、これを? 晩餐会のメニューに加えるとおっしゃるのですか?」
私の発言に二人が信じられないといった顔をした。まあ、仮にも媚薬と言われてる品だもんね。気持ちはわからんでもない。
「そうよ。使い方次第ではお菓子に使えると思うの」
……ていうか、前世ではお菓子でしたから。
二人に知られる前ならこっそり持ち帰って特別寮でマリエルちゃんと媚薬作りと間違われようがせっせとチョコレート作りに励むつもりだったけれど……
彼らにカカの実の存在を知られてしまった以上「持ち帰ってどうするつもりなんだ」と疑惑を持たれたり、お父様に報告されて没収される可能性が高いんだもの。
それなら、料理長たちを巻き込んでチョコレートを完成させたほうが良くない?
だって、チョコレート作りって体力勝負なんだもの。
特別寮にも力仕事要員(聖獣様たち)がいるけれど、食いしん坊揃いだから私たちの口に入るのは結局ちょっとだけになっちゃうし。
いっそのこと媚薬ではなくチョコレートというお菓子として周知し、今後もカカの実を手に入れるルートを確保したほうがいいと思うじゃない?
ふふ、私って頭いい!
「媚薬であるカカの実を、お菓子に……」
料理長が難しそうな顔で私の手元のカカオ……カカの実を見つめた。
「とりあえず、この実を粗く砕いて皮……殻? の部分をきれいに取り除いてちょうだい。その後の仕上がりに影響するから丁寧に、しっかり取ってね」
「はっ! かしこまりました! さあお前たち出番だ!」
「「「はいっ!」」」
料理長からカカの実を受け取った見習いたちが、テキパキと作業にかかった。
見習いとはいえ、エリスフィード家の調理場に立つだけあって手際がいいわぁ。
あっという間に作業を終えて料理長の元へ粗く砕かれたカカの実……カカオニブを持ってくるも「こことここに殻が残っているぞ。もう一度底からさらって見直すんだ!」と料理長のチェックが入り、見習いたち総出で殻を取り除いた。厳しい!
「……ふむ、これなら……クリステア様、こちらでよろしいでしょうか?」
料理長の厳しいチェックをパスしたカカオニブはすっかり殻が取り除かれ、きれいなものだった。
「わあ、ありがとう! じゃあ、次にこれを細かく、滑らかになるよう、とにかくひたすらすり潰してもらえるかしら」
「はっ!」
料理長の返事と同時に私の指示に従って、心得たとばかりに見習いたちがザッ動き始めた。え、何その統率力。
それからの彼らはとにかくひたすらゴリゴリと、時には交代しつつゴリゴリゴリゴリ……
最後の方は無我の境地なの? ってくらい真顔ですり潰していた。なんかごめん。
でも、特別寮で私たちだけでやってたら、きっとあそこにいたのは私たちだったんだよね……
ありがとう、見習いさんたち。
貴方たちの尊い犠牲のもと、そのチョコレートは私たちが美味しくいただきます!
……鬼畜の所業かな?
---------------------------
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「今、何と? ……び、媚薬?」
私の口走った言葉にシンと料理長が反応した。
「え? あ、あわわ。あのその、な、何でもないわ!」
慌ててインベントリに収納しようとするも、その前に袋の中身を覗き込まれてしまった。
「……この枯れた実が、媚薬?」
シンがひょいっと袋からカカオをつまみ取り、まじまじと見つめて言った。
あー、焙煎済みだし確かに枯れたように見えなくもないね。
「ああ、これはカカの実ですね。クリステア様のおっしゃるとおり、数年前からサモナール国よりもたらされた媚薬として貴族の間で流行り始めたものですよ。といっても恋人同士が逢瀬の際に盛り上がるための気軽な飲み物といった程度ですが……おっと、失礼。しかし、クリステア様はこれが媚薬だとよくご存知でしたね」
料理長が訝しむように私を見た。やばい。
「あー、ええと、学園で? ちょっと……?」
「ああ、薬草学で学ばれたのですか? なるほど、今のアデリア学園はそんなに早いうちからこんなものの存在まで教えるのですか」
「はは……」
そんなわけないでしょ。
十歳やそこらのお子様に媚薬の存在を教えるとか……え、ないよね? いくらこの世界では十五歳が成人で、早婚が基本とはいえ、媚薬の存在を教えたりはしないよね?
ないと信じてるからね?
「あの、これ本当に媚薬なんすか?」
シンが持っていたカカオの匂いをスンスンと嗅ぎながら胡散臭そうな表情をした。
いや媚薬疑いのものをそんなふうに無防備に嗅ぐのはやめなさい。
万が一発情したらどうするのよ。しないとは思うけど。
「媚薬と言われているけれど実際のところ微妙ね。食べ慣れていない人には刺激が強いから媚薬のような効果があると誤解されているのではないかしら」
そう答えると、料理長が感心したように私を見た。
「ほう、そうなのですか。確かに効果がある方とそうでない方がいらっしゃるとの話でしたが……」
試した人がいるのか……効果があった人はもしかしてプラシーボ効果というか、口車にのせられやすいタイプなのでは?
いや、ちょっと待って? そういえば……
「本物の媚薬かどうかはさておき、この実は栄養価が高いから、それによって魔力が増幅して興奮状態になる可能性はあるわね」
通常、魔力量が低下すると体力的にダウンしちゃうなら、その逆はどうなる? って考えたら、ねえ? 何となく想像はできるわね。
「……なるほど、そういうことでしたら可能性はありますね。その実が魔力の増幅に影響をもたらすものなのであれば、急激に魔力が高まることで一時的に興奮状態となり、それが発情したものと勘違いされた、と……あ、度々申し訳ございません」
いえいえ、話を続けたのは私だから。
普通、貴族のご令嬢に使用人が艶ごとの話題なんてありえないけどね。
前世の記憶も知識もあるし、社畜時代に上司のセクハラ発言に耐えたおかげでスルースキルはカンストしてるはずなんで。
料理長の失言なんて可愛いもんです(うぐぐ、笑えない)。
「気にしないでちょうだい。この実は香辛料を買った時におまけでいただいたものなのだけど、魔力回復に役立つのであればせっかくだしこれも使いたいわね」
「は?」
「え、これを? 晩餐会のメニューに加えるとおっしゃるのですか?」
私の発言に二人が信じられないといった顔をした。まあ、仮にも媚薬と言われてる品だもんね。気持ちはわからんでもない。
「そうよ。使い方次第ではお菓子に使えると思うの」
……ていうか、前世ではお菓子でしたから。
二人に知られる前ならこっそり持ち帰って特別寮でマリエルちゃんと媚薬作りと間違われようがせっせとチョコレート作りに励むつもりだったけれど……
彼らにカカの実の存在を知られてしまった以上「持ち帰ってどうするつもりなんだ」と疑惑を持たれたり、お父様に報告されて没収される可能性が高いんだもの。
それなら、料理長たちを巻き込んでチョコレートを完成させたほうが良くない?
だって、チョコレート作りって体力勝負なんだもの。
特別寮にも力仕事要員(聖獣様たち)がいるけれど、食いしん坊揃いだから私たちの口に入るのは結局ちょっとだけになっちゃうし。
いっそのこと媚薬ではなくチョコレートというお菓子として周知し、今後もカカの実を手に入れるルートを確保したほうがいいと思うじゃない?
ふふ、私って頭いい!
「媚薬であるカカの実を、お菓子に……」
料理長が難しそうな顔で私の手元のカカオ……カカの実を見つめた。
「とりあえず、この実を粗く砕いて皮……殻? の部分をきれいに取り除いてちょうだい。その後の仕上がりに影響するから丁寧に、しっかり取ってね」
「はっ! かしこまりました! さあお前たち出番だ!」
「「「はいっ!」」」
料理長からカカの実を受け取った見習いたちが、テキパキと作業にかかった。
見習いとはいえ、エリスフィード家の調理場に立つだけあって手際がいいわぁ。
あっという間に作業を終えて料理長の元へ粗く砕かれたカカの実……カカオニブを持ってくるも「こことここに殻が残っているぞ。もう一度底からさらって見直すんだ!」と料理長のチェックが入り、見習いたち総出で殻を取り除いた。厳しい!
「……ふむ、これなら……クリステア様、こちらでよろしいでしょうか?」
料理長の厳しいチェックをパスしたカカオニブはすっかり殻が取り除かれ、きれいなものだった。
「わあ、ありがとう! じゃあ、次にこれを細かく、滑らかになるよう、とにかくひたすらすり潰してもらえるかしら」
「はっ!」
料理長の返事と同時に私の指示に従って、心得たとばかりに見習いたちがザッ動き始めた。え、何その統率力。
それからの彼らはとにかくひたすらゴリゴリと、時には交代しつつゴリゴリゴリゴリ……
最後の方は無我の境地なの? ってくらい真顔ですり潰していた。なんかごめん。
でも、特別寮で私たちだけでやってたら、きっとあそこにいたのは私たちだったんだよね……
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