370 / 423
連載
またやらかしちゃった⁉︎(いつものこととも言う)
しおりを挟む
「おっこれまた美味いな」
「そっすねぇ! 上にかけた肉と卵の黄身、イディカを自分の好みのバランスで食べられるのが楽しいっす!」
ガパオの試食が始まると、またもや好評のようでよかった。
「あ、おいティカ。肉の割合をそんなに多くしたら、後でイディカだけが残って足りなくなるぞ?」
「肉だけおかわりするからいいっす!」
「……そういえばお前、カレーの時も追加していたな。しかし、今は試食なんだぞ?」
ティカさんの回答にカルド殿下が呆れたとばかりにツッコミを入れると、ティカさんが「はっ、そうだった!」と気づいたようで、すがるような目で私を見た。
「……あのこれ、おかわりできるっすよね?」
「もうしわけございません。さっき作った分しかないので、作らないと……あああ、あの、昼にまた作りますから!」
私の答えにしおしおとしょぼくれていくティカさんを見ていられなくて思わずフォローすると、イディカが多めに残ったお皿を悲しそうに見つめ「あの、さっきの卵を焼いたのだけでも追加できます?」とおねだりしてきた。
ち、ちゃっかりしてるなぁ……
私が料理長に目配せすると、見習い料理人の一人が「自分にやらせてください!」と言って素早く動き、きれいな半熟の目玉焼きを焼いてくれた。
お、今やエリスフィード家料理人の最初の課題となった卵専用のフライパンはいい感じに育てられてるみたいね。えらいえらい!
料理長も満足そうに頷いたので、彼はそろそろ見習い卒業かもしれない。
ティカさんは自分の皿に追加された目玉焼きの黄身を崩しつつ、残りを大事そうに食べていた。
ああ……昼食の時はガパオを多めに作ってもらっておかないとだわ。目玉焼きも。
黒銀と真白も視界の隅でちゃっかり試食してたのを目撃した限りではかなり気に入ったようだし、お父様やレオン様までおかわり合戦に参戦したら絶対足りなくなるに違いないもの。
さて、今のところ二品のレシピは満足いただけたみたいだし、次のメニューにいってみよー!
「ええと……次のメニューは、本来なら場合によっては工程に日を跨いだりと少し時間がかかるのですが、今回は魔法で短縮します」
私は浸水させておいたイディカを持ってきてもらい、洗米と浸水までは同じ工程であることを説明した。
「次に、浸水させたイディカをザルにあげ、天日で半日からひと晩程度干して乾かします……が、今回は魔法を使ってある程度水分を抜きますね」
あらかじめ浸水させておいたイディカをザルにあげ、風魔法で水分を飛ばしていく。
「それから、さらに水分を飛ばすため火魔法と風魔法を組み合わせて乾かします」
カルド殿下とティカさんがぽかんとした顔でこちらを見ている。
……もしかして、これも披露したらまずいやつだった?
料理長も苦笑いというか、困ったような笑みを浮かべてるし……
……でも今さら止めたところで誤魔化しきれないし、続行するよ!
「ある程度乾燥させたら、フライパンで乾煎りして、指で潰したらポロポロと崩れるくらいまで加熱します。乾煎りしなくても低温のオーブンで加熱するか天日でさらに半日から一日程度干して同じ状態になるまで乾燥させるのでもよいと思います」
加熱を止めて冷ましたイディカを摘んで指先に力を入れると、ボロボロと崩れたので次の工程に。
「すり鉢に入れたイディカをひたすら粉状になるまですり潰します」
そう言ってすりこぎを手に取ろうとしたところで「私が」と料理長がサッとすりこぎを取り上げゴリゴリとすり潰してくれた。
うん、力仕事はしんどいから代わってもらえるのは助かります。
ありがとう料理長。
「サラサラになってきたら、一度ふるいにかけて、残った粗い粒をさらにすり潰していきます」
ゴリゴリゴリ……
ひたすらゴリゴリとすり潰していく。
その間に浸水させておいたイディカも同様に乾燥させて料理人たちにもすり潰してもらうことに。
ああ、フードプロセッサーが欲しい。
これこそガルバノおじさまとオーウェンさんに依頼しなきゃな案件かも。
小麦の製粉に関しては、安易に魔導具を作ると場合によっては職を失う者が出てくることもあると言われて、今まで作ろうとは思わなかったのだけど、こういうちょっとした試作のときに困るのよねえ。
こっそり作って秘密にしておけばいいじゃないと思うでしょ?
でもね、人の口に戸は立てられぬとはよく言ったもので、どこからか漏れちゃうのよね。
エリスフィード家にはこんなに便利な魔導具があるんだよって。
前世ほどコンプライアンスなんてない世界なものだからね……
「クリステア様、できました」
料理長の言葉にぼんやり考えごとに浸ってる場合ではないと気を引き締めなおし、イディカ粉……要するに米粉の出来映えを確認する。
「うん、サラサラね。完璧だわ」
「ありがとうございます。あの、クリステア様。これはもしや……」
料理長はなんとなく勘付いたようで、答え合わせをするかのごとく私を見た。
「ええ。これは小麦粉の代わりになる米粉、いいえ、イディカ粉よ」
「やはり、そうですか……」
料理長が得心がいったとばかりに頷いた。
「……は? 小麦粉の代わり?」
「ええ⁉︎ 本当っすか⁉︎ イディカが小麦粉の代わりに⁉︎」
「ええ。このとおり、この粉ならおそらく小麦粉に近い状態で使えます」
「……サラサラだ……イディカを小麦粉のように使うこともこれまで考えてこなかったわけじゃない。だが、小麦と比べて粒が固くてこんなに簡単に粉状になんてならなかった」
「でも殿下、これ、ちゃんとサラサラの粉になってるっすよ……すげえ、これなら……」
カルド殿下とティカさんが目を潤ませて米粉、いやイディカ粉の入ったすり鉢を見つめている……ええっと……?
「クリステア様、とんでもないものを作られましたね……」
料理長が困ったように私を見て言った。
「え?」
「この粉……イディカで作れるのであれば、もしかしたらラースでも粉にすることは可能なのでは?」
「え、ええと、ラースを粉にできないかしらと思って研究を重ねた成果を応用したものなので……可能です」
……ということにしておこう。
イディカをいきなり初見で小麦粉の代用品にしちゃいました!ってやっぱり不自然だったよね。
いや反省、反省。
「このイディカ粉もこれから使ってみないことにはわかりませんが、小麦粉と同じように使える粉が安価で手に入る……となれば、市場は大混乱に陥りかねません」
「ええっ⁉︎」
不自然どころか非常にまずい展開⁉︎
いや味の話ではなく。
ええと、そ、そう言われればそうかも……?
現状では小麦よりラースやイディカは安価で手に入るし、多少手間はかかるけど小麦粉と互換性のある粉が手に入るわけで……
も、もしかしてやらかしちゃった⁉︎
「クリステア嬢! 頼む! この製法を売ってくれ!」
「え⁉︎ えええええっと、そのあの、えっと、父に! 父に相談しないと! 私一人の判断で安易にお答えできませんし、それに……」
「それに?」
ひええ、カルド殿下がグイグイくるよぉ……!
「殿下……めっちゃ高額な取引になるんじゃないっすかね……ちょっと一旦落ち着きません?」
「う……確かに」
ティカさんが私とカルド殿下の間に入って止めてくれた。
よ、よかった。
視界の端で目立たないよう控えてたはずの黒銀と真白がゆらりと立ち上がったのが見えたからね……!
ティカさんもそれを見て、慌ててカルド殿下を止めたっぽい。
ティカさん、えらい!
慧眼! 冴えてるぅ!
「ひ、ひとまずこの件については後ほど父を交えて協議させてくださいませ。それであの、この粉が使えるかどうかの検証も兼ねて、料理しようと思うのですが……」
「あ、ああ、そうだな……そうしてくれ」
私の提案に、カルド殿下が気を落ち着かせようとするかのように、スッと後ろに下がった。
それを見た黒銀と真白も「フン、命拾いしたな」とばかりに鼻を鳴らして椅子に座った。ホッ。
しっかし、やっっっばい!
久々に盛大にやらかしてしまったかも⁉︎
いやカルド殿下との遭遇もやらかしといえばやらかしだけど!
またお父様にしかられ案件じゃないのおぉー!
---------------------------
いつもコメントやエール・いいねポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
「そっすねぇ! 上にかけた肉と卵の黄身、イディカを自分の好みのバランスで食べられるのが楽しいっす!」
ガパオの試食が始まると、またもや好評のようでよかった。
「あ、おいティカ。肉の割合をそんなに多くしたら、後でイディカだけが残って足りなくなるぞ?」
「肉だけおかわりするからいいっす!」
「……そういえばお前、カレーの時も追加していたな。しかし、今は試食なんだぞ?」
ティカさんの回答にカルド殿下が呆れたとばかりにツッコミを入れると、ティカさんが「はっ、そうだった!」と気づいたようで、すがるような目で私を見た。
「……あのこれ、おかわりできるっすよね?」
「もうしわけございません。さっき作った分しかないので、作らないと……あああ、あの、昼にまた作りますから!」
私の答えにしおしおとしょぼくれていくティカさんを見ていられなくて思わずフォローすると、イディカが多めに残ったお皿を悲しそうに見つめ「あの、さっきの卵を焼いたのだけでも追加できます?」とおねだりしてきた。
ち、ちゃっかりしてるなぁ……
私が料理長に目配せすると、見習い料理人の一人が「自分にやらせてください!」と言って素早く動き、きれいな半熟の目玉焼きを焼いてくれた。
お、今やエリスフィード家料理人の最初の課題となった卵専用のフライパンはいい感じに育てられてるみたいね。えらいえらい!
料理長も満足そうに頷いたので、彼はそろそろ見習い卒業かもしれない。
ティカさんは自分の皿に追加された目玉焼きの黄身を崩しつつ、残りを大事そうに食べていた。
ああ……昼食の時はガパオを多めに作ってもらっておかないとだわ。目玉焼きも。
黒銀と真白も視界の隅でちゃっかり試食してたのを目撃した限りではかなり気に入ったようだし、お父様やレオン様までおかわり合戦に参戦したら絶対足りなくなるに違いないもの。
さて、今のところ二品のレシピは満足いただけたみたいだし、次のメニューにいってみよー!
「ええと……次のメニューは、本来なら場合によっては工程に日を跨いだりと少し時間がかかるのですが、今回は魔法で短縮します」
私は浸水させておいたイディカを持ってきてもらい、洗米と浸水までは同じ工程であることを説明した。
「次に、浸水させたイディカをザルにあげ、天日で半日からひと晩程度干して乾かします……が、今回は魔法を使ってある程度水分を抜きますね」
あらかじめ浸水させておいたイディカをザルにあげ、風魔法で水分を飛ばしていく。
「それから、さらに水分を飛ばすため火魔法と風魔法を組み合わせて乾かします」
カルド殿下とティカさんがぽかんとした顔でこちらを見ている。
……もしかして、これも披露したらまずいやつだった?
料理長も苦笑いというか、困ったような笑みを浮かべてるし……
……でも今さら止めたところで誤魔化しきれないし、続行するよ!
「ある程度乾燥させたら、フライパンで乾煎りして、指で潰したらポロポロと崩れるくらいまで加熱します。乾煎りしなくても低温のオーブンで加熱するか天日でさらに半日から一日程度干して同じ状態になるまで乾燥させるのでもよいと思います」
加熱を止めて冷ましたイディカを摘んで指先に力を入れると、ボロボロと崩れたので次の工程に。
「すり鉢に入れたイディカをひたすら粉状になるまですり潰します」
そう言ってすりこぎを手に取ろうとしたところで「私が」と料理長がサッとすりこぎを取り上げゴリゴリとすり潰してくれた。
うん、力仕事はしんどいから代わってもらえるのは助かります。
ありがとう料理長。
「サラサラになってきたら、一度ふるいにかけて、残った粗い粒をさらにすり潰していきます」
ゴリゴリゴリ……
ひたすらゴリゴリとすり潰していく。
その間に浸水させておいたイディカも同様に乾燥させて料理人たちにもすり潰してもらうことに。
ああ、フードプロセッサーが欲しい。
これこそガルバノおじさまとオーウェンさんに依頼しなきゃな案件かも。
小麦の製粉に関しては、安易に魔導具を作ると場合によっては職を失う者が出てくることもあると言われて、今まで作ろうとは思わなかったのだけど、こういうちょっとした試作のときに困るのよねえ。
こっそり作って秘密にしておけばいいじゃないと思うでしょ?
でもね、人の口に戸は立てられぬとはよく言ったもので、どこからか漏れちゃうのよね。
エリスフィード家にはこんなに便利な魔導具があるんだよって。
前世ほどコンプライアンスなんてない世界なものだからね……
「クリステア様、できました」
料理長の言葉にぼんやり考えごとに浸ってる場合ではないと気を引き締めなおし、イディカ粉……要するに米粉の出来映えを確認する。
「うん、サラサラね。完璧だわ」
「ありがとうございます。あの、クリステア様。これはもしや……」
料理長はなんとなく勘付いたようで、答え合わせをするかのごとく私を見た。
「ええ。これは小麦粉の代わりになる米粉、いいえ、イディカ粉よ」
「やはり、そうですか……」
料理長が得心がいったとばかりに頷いた。
「……は? 小麦粉の代わり?」
「ええ⁉︎ 本当っすか⁉︎ イディカが小麦粉の代わりに⁉︎」
「ええ。このとおり、この粉ならおそらく小麦粉に近い状態で使えます」
「……サラサラだ……イディカを小麦粉のように使うこともこれまで考えてこなかったわけじゃない。だが、小麦と比べて粒が固くてこんなに簡単に粉状になんてならなかった」
「でも殿下、これ、ちゃんとサラサラの粉になってるっすよ……すげえ、これなら……」
カルド殿下とティカさんが目を潤ませて米粉、いやイディカ粉の入ったすり鉢を見つめている……ええっと……?
「クリステア様、とんでもないものを作られましたね……」
料理長が困ったように私を見て言った。
「え?」
「この粉……イディカで作れるのであれば、もしかしたらラースでも粉にすることは可能なのでは?」
「え、ええと、ラースを粉にできないかしらと思って研究を重ねた成果を応用したものなので……可能です」
……ということにしておこう。
イディカをいきなり初見で小麦粉の代用品にしちゃいました!ってやっぱり不自然だったよね。
いや反省、反省。
「このイディカ粉もこれから使ってみないことにはわかりませんが、小麦粉と同じように使える粉が安価で手に入る……となれば、市場は大混乱に陥りかねません」
「ええっ⁉︎」
不自然どころか非常にまずい展開⁉︎
いや味の話ではなく。
ええと、そ、そう言われればそうかも……?
現状では小麦よりラースやイディカは安価で手に入るし、多少手間はかかるけど小麦粉と互換性のある粉が手に入るわけで……
も、もしかしてやらかしちゃった⁉︎
「クリステア嬢! 頼む! この製法を売ってくれ!」
「え⁉︎ えええええっと、そのあの、えっと、父に! 父に相談しないと! 私一人の判断で安易にお答えできませんし、それに……」
「それに?」
ひええ、カルド殿下がグイグイくるよぉ……!
「殿下……めっちゃ高額な取引になるんじゃないっすかね……ちょっと一旦落ち着きません?」
「う……確かに」
ティカさんが私とカルド殿下の間に入って止めてくれた。
よ、よかった。
視界の端で目立たないよう控えてたはずの黒銀と真白がゆらりと立ち上がったのが見えたからね……!
ティカさんもそれを見て、慌ててカルド殿下を止めたっぽい。
ティカさん、えらい!
慧眼! 冴えてるぅ!
「ひ、ひとまずこの件については後ほど父を交えて協議させてくださいませ。それであの、この粉が使えるかどうかの検証も兼ねて、料理しようと思うのですが……」
「あ、ああ、そうだな……そうしてくれ」
私の提案に、カルド殿下が気を落ち着かせようとするかのように、スッと後ろに下がった。
それを見た黒銀と真白も「フン、命拾いしたな」とばかりに鼻を鳴らして椅子に座った。ホッ。
しっかし、やっっっばい!
久々に盛大にやらかしてしまったかも⁉︎
いやカルド殿下との遭遇もやらかしといえばやらかしだけど!
またお父様にしかられ案件じゃないのおぉー!
---------------------------
いつもコメントやエール・いいねポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております~!
1,459
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された令嬢が記憶を消され、それを望んだ王子は後悔することになりました
kieiku
恋愛
「では、記憶消去の魔法を執行します」
王子に婚約破棄された公爵令嬢は、王子妃教育の知識を消し去るため、10歳以降の記憶を奪われることになった。そして記憶を失い、退行した令嬢の言葉が王子を後悔に突き落とす。
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)
婚約破棄? そもそも君は一体誰だ?
歩芽川ゆい
ファンタジー
「グラングスト公爵家のフェルメッツァ嬢、あなたとモルビド王子の婚約は、破棄されます!」
コンエネルジーア王国の、王城で主催のデビュタント前の令息・令嬢を集めた舞踏会。
プレデビュタント的な意味合いも持つこの舞踏会には、それぞれの両親も壁際に集まって、子供たちを見守りながら社交をしていた。そんな中で、いきなり会場のど真ん中で大きな女性の声が響き渡った。
思わず会場はシンと静まるし、生演奏を奏でていた弦楽隊も、演奏を続けていいものか迷って極小な音量での演奏になってしまった。
声の主をと見れば、ひとりの令嬢が、モルビド王子と呼ばれた令息と腕を組んで、令嬢にあるまじきことに、向かいの令嬢に指を突き付けて、口を大きく逆三角形に笑みを浮かべていた。
【完結・全3話】不細工だと捨てられましたが、貴方の代わりに呪いを受けていました。もう代わりは辞めます。呪いの処理はご自身で!
酒本 アズサ
恋愛
「お前のような不細工な婚約者がいるなんて恥ずかしいんだよ。今頃婚約破棄の書状がお前の家に届いているだろうさ」
年頃の男女が集められた王家主催のお茶会でそう言ったのは、幼い頃からの婚約者セザール様。
確かに私は見た目がよくない、血色は悪く、肌も髪もかさついている上、目も落ちくぼんでみっともない。
だけどこれはあの日呪われたセザール様を助けたい一心で、身代わりになる魔導具を使った結果なのに。
当時は私に申し訳なさそうにしながらも感謝していたのに、時と共に忘れてしまわれたのですね。
結局婚約破棄されてしまった私は、抱き続けていた恋心と共に身代わりの魔導具も捨てます。
当然呪いは本来の標的に向かいますからね?
日に日に本来の美しさを取り戻す私とは対照的に、セザール様は……。
恩を忘れた愚かな婚約者には同情しません!
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
番外編を閲覧することが出来ません。
過去1ヶ月以内にレジーナの小説・漫画を1話以上レンタルしている
と、レジーナのすべての番外編を読むことができます。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。