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何でここに⁉︎
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王家の馬車が停まっている……いや、これはたまたまレイモンド王太子殿下が男子寮に戻ってきたとかで、私に関係あるはずがな……
「おお、クリステア嬢!」
……いわけがなかったですね、はい。
ちょうど馬車から降りてきたカルド殿下が私を見つけて手を振ってきた。
なんでここにいるんですかカルド殿下ァ‼︎
そして、その声を合図に、馬車の近くに集まってきた生徒たちがカルド殿下の視線の先にいる私を一斉に見た。
うわああああ!
悪目立ちしてるううぅ!
近寄りたくないぃ!
……そうは言っても呼びかけられた以上、行かないわけには……ということで、私は渋々馬車に近づいた。
「アデリア学園へようこそ。カルド殿下」
「一昨日ぶりだな。クリステア嬢」
淑女の礼で挨拶をすると、カルド殿下は気安い態度で返してくる。
カルド殿下の言葉に周囲がざわめく。
そりゃそうだわ。
お忍びでやってきた見るからに異国の国賓らしき人物と面識があるだけではなく、先日会っていたのが今の会話で知れたのだから。
「カルド殿下。ここで立ち話も何ですから、サロン棟に参りましょう」
「軽くお茶ができる部屋を用意してありますから。ね、テア?」
「お兄様。ええ、我が家で契約している部屋にご招待いたしますわ」
カルド殿下を学園に案内してきたであろうお兄様とレイモンド王太子殿下がサッと私の前に立ち、サロン棟へ向かうよう提案した。
「……ああ、それじゃあ案内を頼む」
カルド殿下とティカさんが殿下の誘導でサロン棟へ向かうのについていくと、お兄様がスッと私の隣へ来た。
「ごめんね、テア。君が急に学園に戻ったと聞いて、カルド殿下が学園を視察したいといいだしちゃって……」
「びっくりしましたけれど、大丈夫ですわ。外国の方なら、違う文化圏の教育に興味が湧いて当然ですもの」
カルド殿下の性格を考えたら、領民の教育に関しても色々思うところがあるだろうから、他国の学園を視察できる機会があるなら私をだしにして希望してもおかしくないだろうし。
「……いや、アレはそういうのじゃないと思うけど……」
お兄様が複雑そうな顔をして言葉を濁した。
「? どういうことです?」
「いや何でもない。テア、君はカルド殿下が何を言ってもうっかり返事をしないようにね」
お兄様がため息まじりに私に言った。
「……⁇ ええと、はい。わかりましたわ」
何を言ってもうっかり返事をするなってーと……あ、外交カード的なアレそれみたいな?
私のうっかりで国に不利益をもたらすなとかそういうことね!
オーケー、オーケー。理解した。
うっかりには定評がある私の言動をお兄様は心配してくださっているのね。
大丈夫、そういうことなら淑女の微笑みを絶やさず、返事は最小限に抑えて、レイモンド王太子殿下やお兄様が不利にならないよう控えておくから!
「おまかせください!」とばかりににっこり微笑みを返した私に、お兄様は「本当に大丈夫かなぁ……」と苦笑いを返した。何故だ。
---------------------------
体調不良につき、本日短めで申し訳ありません……(´・ω・`)しょぼんぬ
来週は所要で更新できないかもしれませんので、その際はX(旧Twitter)及び近況ボードでお知らせいたします。
いつもコメントやエール・いいねをポチッとありがとうございます( ´ ▽ ` )
執筆の励みになっております(〃ω〃)
「おお、クリステア嬢!」
……いわけがなかったですね、はい。
ちょうど馬車から降りてきたカルド殿下が私を見つけて手を振ってきた。
なんでここにいるんですかカルド殿下ァ‼︎
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うわああああ!
悪目立ちしてるううぅ!
近寄りたくないぃ!
……そうは言っても呼びかけられた以上、行かないわけには……ということで、私は渋々馬車に近づいた。
「アデリア学園へようこそ。カルド殿下」
「一昨日ぶりだな。クリステア嬢」
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そりゃそうだわ。
お忍びでやってきた見るからに異国の国賓らしき人物と面識があるだけではなく、先日会っていたのが今の会話で知れたのだから。
「カルド殿下。ここで立ち話も何ですから、サロン棟に参りましょう」
「軽くお茶ができる部屋を用意してありますから。ね、テア?」
「お兄様。ええ、我が家で契約している部屋にご招待いたしますわ」
カルド殿下を学園に案内してきたであろうお兄様とレイモンド王太子殿下がサッと私の前に立ち、サロン棟へ向かうよう提案した。
「……ああ、それじゃあ案内を頼む」
カルド殿下とティカさんが殿下の誘導でサロン棟へ向かうのについていくと、お兄様がスッと私の隣へ来た。
「ごめんね、テア。君が急に学園に戻ったと聞いて、カルド殿下が学園を視察したいといいだしちゃって……」
「びっくりしましたけれど、大丈夫ですわ。外国の方なら、違う文化圏の教育に興味が湧いて当然ですもの」
カルド殿下の性格を考えたら、領民の教育に関しても色々思うところがあるだろうから、他国の学園を視察できる機会があるなら私をだしにして希望してもおかしくないだろうし。
「……いや、アレはそういうのじゃないと思うけど……」
お兄様が複雑そうな顔をして言葉を濁した。
「? どういうことです?」
「いや何でもない。テア、君はカルド殿下が何を言ってもうっかり返事をしないようにね」
お兄様がため息まじりに私に言った。
「……⁇ ええと、はい。わかりましたわ」
何を言ってもうっかり返事をするなってーと……あ、外交カード的なアレそれみたいな?
私のうっかりで国に不利益をもたらすなとかそういうことね!
オーケー、オーケー。理解した。
うっかりには定評がある私の言動をお兄様は心配してくださっているのね。
大丈夫、そういうことなら淑女の微笑みを絶やさず、返事は最小限に抑えて、レイモンド王太子殿下やお兄様が不利にならないよう控えておくから!
「おまかせください!」とばかりににっこり微笑みを返した私に、お兄様は「本当に大丈夫かなぁ……」と苦笑いを返した。何故だ。
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