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「ミセキ」
呼ばれている。少年を引き取った者から、もらえた名前。他の人が呼ぶ事がないはずの
「・・・まだ起き上がるな」
倒れたことを思い出した。
今ならこの人をつかまえられるかもしれない。まぶたを開けて目が見えても、いなくならないでほしい。
「・・・ラズリル様?」
御使いだ。けれど、見覚えのある天井、部屋。どうしてだろう、と見ていると。
「尊石。気分は」
名前を知っている、御使いだからか?
「ぼうっとする。あと眠いなぁ」
「まだ熱があるようだ」
額に手をつける。頭をなでた手と同じ。
もう一度眠ってしまったら、いないだろう。
「眠りなさい」
「うん・・・夢かな誰かがいるのは」
尊石の頭もぼうっとして、一言つぶやくとまた眠りについた。
「夢じゃないよ・・・」
尊石は体調不良で倒れた。発熱がでる人もめずらしい。
目が覚めればぼうっともなくなっていた。朝になっている。
「いた・・・・・・」
髪をよけて額に手をかざされる。
「下がっている、よかった・・・」
手がはなれていく。聞きたいのに。部屋をでていくのを、見ていた。
呼ばれている。少年を引き取った者から、もらえた名前。他の人が呼ぶ事がないはずの
「・・・まだ起き上がるな」
倒れたことを思い出した。
今ならこの人をつかまえられるかもしれない。まぶたを開けて目が見えても、いなくならないでほしい。
「・・・ラズリル様?」
御使いだ。けれど、見覚えのある天井、部屋。どうしてだろう、と見ていると。
「尊石。気分は」
名前を知っている、御使いだからか?
「ぼうっとする。あと眠いなぁ」
「まだ熱があるようだ」
額に手をつける。頭をなでた手と同じ。
もう一度眠ってしまったら、いないだろう。
「眠りなさい」
「うん・・・夢かな誰かがいるのは」
尊石の頭もぼうっとして、一言つぶやくとまた眠りについた。
「夢じゃないよ・・・」
尊石は体調不良で倒れた。発熱がでる人もめずらしい。
目が覚めればぼうっともなくなっていた。朝になっている。
「いた・・・・・・」
髪をよけて額に手をかざされる。
「下がっている、よかった・・・」
手がはなれていく。聞きたいのに。部屋をでていくのを、見ていた。
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