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白龍様は悩ましい
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「―――ユキ、お土産」
夜、私は稀人の少女の所を訪れていた。
「わっ、ありがとう、シロ」
手渡された包みに少女が嬉しそうに微笑む。
少女に渡したものは小豆を包んだ餅をさらに甘く味付けした紫蘇でくるんだもの。
見た目は地味だが、甘酸っぱくてなかなか美味しいお菓子だ。
それにしても・・・・・・と少女をちらと見て思う。
髪も少し伸びて女らしくなってきたようだ。
異世界からこちらの世界へ喚ばれた時に性別は反転する。
これは余計な異世界の遺伝子を持ち込ませないためだ。よく出来たシステム。
そして名前も、可愛い女の子に男の名前は似合わないという理由で私がおさえている。
安田幸太というのが本来の名前だ。
幸はユキとも読めるからユキ。
ユキは私の見た目からかシロと呼んでいる。可愛らしいことだね。
・・・・・・んー、これはちょっと味見くらいしても許されるのでは?
昼間、頑張って何を考えているのかわからない翠龍の相手もしたし。
「ねぇ、ユキ? 今回、私頑張ったんだよ? 苦手な人の相手なんかもしたりして・・・・・・とっても疲れたんだよ? だから慰めてくれる?」
「えっ」
驚く少女の唇にチュッと自分の唇を重ねる。
チュッチュッと二度三度と重ねていくうちにだんだんと頬を染めていった少女がゆっくり頷いた。
大丈夫。
最後までしないから。
何を考えているかいまいちよくわからない翠龍を適当にかわしつつ、ユキに慰めながら日々を過ごしていると3ヶ月はいつの間にか経っていたらしい。
にこにこと上機嫌で結果を報告にきたショウにあ、忘れてたと正直に云うとそれこそ何を云われるかわからないので、黙っているけれども。
「・・・・・・で、どうしたって?」
「彼女・・・・・・ユキには次代選びということではなく自分の婿選びということで話ておりました。その方が余計なプレッシャーを感じることなく素直な気持ちで選んでもらえるかな、ということで」
「うん」
「そうしたらシロが良い、シロ以外は嫌だって泣いていましたよ。いやぁ、まったくもって罪な男ですね、白龍様」
「えっ」
・・・・・・ちょっと待って。理解出来ない。
「何で私? だってショウもリョウも彼女に侍っていたでしょ? なのに私?」
ええー納得いかないと騒ぐ私にそりゃそうでしょとショウは呆れた目を向けた。
「時々現れるミステリアスな美しい男。その男に優しくえっちなことされると女はコロッといくんじゃないのかなぁ・・・・・・? あとオレ達が彼女に交代でくっついていたのは他の男が近づかないようにするためです。オレの目が黒いうちは白龍交代なんてさせませんからね」
「えーそうなの? てっきり白龍の座を狙っているもんだとばかり・・・・・・2人なら仕事の事も知っているからどちらがなっても安心だなぁ・・・・・・って思っていたんだけど」
「ふん、ご冗談を」
えっ、鼻で笑われたんだけど?
そんな話をショウとした数ヶ月後、今度はご隠居が訪ねてきた。
ご隠居とはいえ、背筋もピンと伸びており眼力も凄い。到底「ご隠居」という言葉のイメージからはかけ離れた人物だ。
「まずはご懐妊おめでとうございます」
そのご隠居のにこやかだけど目が笑っていない姿にあ、怒っているなと思う。
これはユキの婿選びにかこつけた次代の白龍選びがバレているな。
やだなぁ、そんなのちょっとしたお遊びじゃないか、まあ、全く本気じゃなかったと云われると何も云えなくなるけど。
そもそも白龍選びはそんなのでは決まらないけど。
「ご懐妊・・・・・・」
―――何の話? ・・・・・・あ、ユキか。
調子に乗って手を出したのが不味かったかなー。まさか妊娠しちゃったかー・・・・・・。
じわりと胸に広がるのは喜びと不快感。
「それでどうなさるおつもりでしょうか? もし正式に娶られるのなら手がないわけではありませんが―――」
「正妃は無理」
この私、白龍の正妃に稀人のユキでは荷が重すぎる。
「・・・・・・屋敷に引き取るつもりもない。この世界は通い婚が通常だとでも云っておいて。まあ、状況によっては引き取ることもあるかもしれないけど」
「それを伺って安心致しました」
ご隠居が鷹揚に頷く。
「白龍様のことですからまた何かお戯れでも思いつかれたのかと・・・・・・心配いたしておりました。ユキ殿のことはこの老いぼれにお任せくだされ」
「頼むよ」
「―――それでは失礼いたします」
頭を下げて部屋を出て行くご隠居にヒラヒラと手を振る。
それにしても子供か・・・・・・。
もちろん喜ばしいことで嬉しい気持ちはあるが、同時に無理矢理鎖に繋がれて縛りつけられた感じがして気持ち悪い気もする。
うーん、どうしたものかな・・・・・・。
稀人の子供を手にかけるのは禁忌とされている。
だが、余程だったら始末してしまおうか・・・・・・。
子供が出来て嬉しい気持ちと面倒だなという気持ちのちょうど真ん中をぐらぐらと歩いている。
一応、手をかけては駄目だという意識はあるから大人しくしているけど、ちょっとしたことで一歩踏み外しそうで怖い。
怖いからユキの様子も見に行けていない。
んー・・・・・・子供が出来た時の男ってこんなもん? 無条件に嬉しいとかってない?
それとも心底惚れた相手だったら違う?
―――惚れた相手ねぇ・・・・・・。
そこでなんとなく思いついたのは先代の翠龍だった。
先代は実の姉に想いを寄せてて無理矢理想いを遂げたというのは公然の秘密だ。
先代なら―――先代はどんな気持ちになったんだろう?
実の姉に懸想して近親という禁忌を犯して憎まれても恨まれても欲しい相手を無理矢理にでも手に入れて、その相手に自分の子供が出来た時、どんな気持ちになった?
単純に嬉しかった? 自分の罪が形になったようでおぞましかった? それとも子供とはいえ相手の関心が薄れて忌々しかった?
今なら聞きたいことがたくさん。
なのに先代は隠居生活。
連絡をとってもらうことは出来るけど間に入るのは今の翠龍。
今の翠龍にしてみたら何故、先代に? そんなに自分では頼りないだろうか? と不満に思うことだろう。その不満が余計な不和に繋がりそうだし、それになんて云ったって絶対、先代はニヤニヤ意地悪く笑って素直に相談にのってくれなさそう。
・・・・・・そう考えると相談するのは無理か。
んー・・・・・・どうしようかな。
「白龍殿」
「!?」
げっ、出た。
歪みそうになる顔を耐えて何とか笑みの形を浮かべる。
振り返ると予想通りというか何というか翠龍が立っていた。
まあ、気分転換に執務室を抜け出して庭をウロチョロしている私が悪いんだけど。
「おや、翠龍殿、どうされました?」
「・・・・・・白龍殿のお姿が見えましたので」
スッと翠龍の指が私の目許に触れる。
「最近、お顔の色が優れなさそうですし」
「・・・・・・」
あー・・・・・・最近、あまり眠れてなかったからかな・・・・・・。
でもそこまで酷いとは思わないけどな・・・・・・。
「あなたはあまり身体が丈夫じゃないからと主上も心配されていて・・・・・・」
あ、これはサボるための適当な云い訳を主上同様にこいつも信じているやつ。やばっ。
まあ、云っても主上はあれで根っからの政治家だから話半分って云うかわかっててのってくれている感じはあるのだけれど。
こいつはどうだろう? ちゃんと理解している? 話半分で聞いてくれている?
「あ、いえ、これはちょっと、その・・・・・・悩み事というか・・・・・・考え事というか・・・・・・」
「悩み? どんな?」
うーん、どこまで云ったものか・・・・・・。
いや、無理に云わなくてもいいのか・・・・・・?
「白龍殿?」
「んー・・・・・・翠龍殿は好いた相手はいらっしゃいます? その相手が身籠もったらやはり嬉しい気持ちしかないんでしょうか? それとも―――」
「は!?」
いつもはすました無表情が多い翠龍の珍しく驚いた表情にあっと我に返る。
やばい。うっかり余計なこと云ってしまった? やばい。
「あ、いえ、いきなりすぎましたね。忘れて下さい―――では」
軽く頭を下げて翠龍から離れる。
・・・・・・あーさすがに覚悟を決めてもうそろそろユキに会いに行くか。
きっと不安がっている。
夜、私は稀人の少女の所を訪れていた。
「わっ、ありがとう、シロ」
手渡された包みに少女が嬉しそうに微笑む。
少女に渡したものは小豆を包んだ餅をさらに甘く味付けした紫蘇でくるんだもの。
見た目は地味だが、甘酸っぱくてなかなか美味しいお菓子だ。
それにしても・・・・・・と少女をちらと見て思う。
髪も少し伸びて女らしくなってきたようだ。
異世界からこちらの世界へ喚ばれた時に性別は反転する。
これは余計な異世界の遺伝子を持ち込ませないためだ。よく出来たシステム。
そして名前も、可愛い女の子に男の名前は似合わないという理由で私がおさえている。
安田幸太というのが本来の名前だ。
幸はユキとも読めるからユキ。
ユキは私の見た目からかシロと呼んでいる。可愛らしいことだね。
・・・・・・んー、これはちょっと味見くらいしても許されるのでは?
昼間、頑張って何を考えているのかわからない翠龍の相手もしたし。
「ねぇ、ユキ? 今回、私頑張ったんだよ? 苦手な人の相手なんかもしたりして・・・・・・とっても疲れたんだよ? だから慰めてくれる?」
「えっ」
驚く少女の唇にチュッと自分の唇を重ねる。
チュッチュッと二度三度と重ねていくうちにだんだんと頬を染めていった少女がゆっくり頷いた。
大丈夫。
最後までしないから。
何を考えているかいまいちよくわからない翠龍を適当にかわしつつ、ユキに慰めながら日々を過ごしていると3ヶ月はいつの間にか経っていたらしい。
にこにこと上機嫌で結果を報告にきたショウにあ、忘れてたと正直に云うとそれこそ何を云われるかわからないので、黙っているけれども。
「・・・・・・で、どうしたって?」
「彼女・・・・・・ユキには次代選びということではなく自分の婿選びということで話ておりました。その方が余計なプレッシャーを感じることなく素直な気持ちで選んでもらえるかな、ということで」
「うん」
「そうしたらシロが良い、シロ以外は嫌だって泣いていましたよ。いやぁ、まったくもって罪な男ですね、白龍様」
「えっ」
・・・・・・ちょっと待って。理解出来ない。
「何で私? だってショウもリョウも彼女に侍っていたでしょ? なのに私?」
ええー納得いかないと騒ぐ私にそりゃそうでしょとショウは呆れた目を向けた。
「時々現れるミステリアスな美しい男。その男に優しくえっちなことされると女はコロッといくんじゃないのかなぁ・・・・・・? あとオレ達が彼女に交代でくっついていたのは他の男が近づかないようにするためです。オレの目が黒いうちは白龍交代なんてさせませんからね」
「えーそうなの? てっきり白龍の座を狙っているもんだとばかり・・・・・・2人なら仕事の事も知っているからどちらがなっても安心だなぁ・・・・・・って思っていたんだけど」
「ふん、ご冗談を」
えっ、鼻で笑われたんだけど?
そんな話をショウとした数ヶ月後、今度はご隠居が訪ねてきた。
ご隠居とはいえ、背筋もピンと伸びており眼力も凄い。到底「ご隠居」という言葉のイメージからはかけ離れた人物だ。
「まずはご懐妊おめでとうございます」
そのご隠居のにこやかだけど目が笑っていない姿にあ、怒っているなと思う。
これはユキの婿選びにかこつけた次代の白龍選びがバレているな。
やだなぁ、そんなのちょっとしたお遊びじゃないか、まあ、全く本気じゃなかったと云われると何も云えなくなるけど。
そもそも白龍選びはそんなのでは決まらないけど。
「ご懐妊・・・・・・」
―――何の話? ・・・・・・あ、ユキか。
調子に乗って手を出したのが不味かったかなー。まさか妊娠しちゃったかー・・・・・・。
じわりと胸に広がるのは喜びと不快感。
「それでどうなさるおつもりでしょうか? もし正式に娶られるのなら手がないわけではありませんが―――」
「正妃は無理」
この私、白龍の正妃に稀人のユキでは荷が重すぎる。
「・・・・・・屋敷に引き取るつもりもない。この世界は通い婚が通常だとでも云っておいて。まあ、状況によっては引き取ることもあるかもしれないけど」
「それを伺って安心致しました」
ご隠居が鷹揚に頷く。
「白龍様のことですからまた何かお戯れでも思いつかれたのかと・・・・・・心配いたしておりました。ユキ殿のことはこの老いぼれにお任せくだされ」
「頼むよ」
「―――それでは失礼いたします」
頭を下げて部屋を出て行くご隠居にヒラヒラと手を振る。
それにしても子供か・・・・・・。
もちろん喜ばしいことで嬉しい気持ちはあるが、同時に無理矢理鎖に繋がれて縛りつけられた感じがして気持ち悪い気もする。
うーん、どうしたものかな・・・・・・。
稀人の子供を手にかけるのは禁忌とされている。
だが、余程だったら始末してしまおうか・・・・・・。
子供が出来て嬉しい気持ちと面倒だなという気持ちのちょうど真ん中をぐらぐらと歩いている。
一応、手をかけては駄目だという意識はあるから大人しくしているけど、ちょっとしたことで一歩踏み外しそうで怖い。
怖いからユキの様子も見に行けていない。
んー・・・・・・子供が出来た時の男ってこんなもん? 無条件に嬉しいとかってない?
それとも心底惚れた相手だったら違う?
―――惚れた相手ねぇ・・・・・・。
そこでなんとなく思いついたのは先代の翠龍だった。
先代は実の姉に想いを寄せてて無理矢理想いを遂げたというのは公然の秘密だ。
先代なら―――先代はどんな気持ちになったんだろう?
実の姉に懸想して近親という禁忌を犯して憎まれても恨まれても欲しい相手を無理矢理にでも手に入れて、その相手に自分の子供が出来た時、どんな気持ちになった?
単純に嬉しかった? 自分の罪が形になったようでおぞましかった? それとも子供とはいえ相手の関心が薄れて忌々しかった?
今なら聞きたいことがたくさん。
なのに先代は隠居生活。
連絡をとってもらうことは出来るけど間に入るのは今の翠龍。
今の翠龍にしてみたら何故、先代に? そんなに自分では頼りないだろうか? と不満に思うことだろう。その不満が余計な不和に繋がりそうだし、それになんて云ったって絶対、先代はニヤニヤ意地悪く笑って素直に相談にのってくれなさそう。
・・・・・・そう考えると相談するのは無理か。
んー・・・・・・どうしようかな。
「白龍殿」
「!?」
げっ、出た。
歪みそうになる顔を耐えて何とか笑みの形を浮かべる。
振り返ると予想通りというか何というか翠龍が立っていた。
まあ、気分転換に執務室を抜け出して庭をウロチョロしている私が悪いんだけど。
「おや、翠龍殿、どうされました?」
「・・・・・・白龍殿のお姿が見えましたので」
スッと翠龍の指が私の目許に触れる。
「最近、お顔の色が優れなさそうですし」
「・・・・・・」
あー・・・・・・最近、あまり眠れてなかったからかな・・・・・・。
でもそこまで酷いとは思わないけどな・・・・・・。
「あなたはあまり身体が丈夫じゃないからと主上も心配されていて・・・・・・」
あ、これはサボるための適当な云い訳を主上同様にこいつも信じているやつ。やばっ。
まあ、云っても主上はあれで根っからの政治家だから話半分って云うかわかっててのってくれている感じはあるのだけれど。
こいつはどうだろう? ちゃんと理解している? 話半分で聞いてくれている?
「あ、いえ、これはちょっと、その・・・・・・悩み事というか・・・・・・考え事というか・・・・・・」
「悩み? どんな?」
うーん、どこまで云ったものか・・・・・・。
いや、無理に云わなくてもいいのか・・・・・・?
「白龍殿?」
「んー・・・・・・翠龍殿は好いた相手はいらっしゃいます? その相手が身籠もったらやはり嬉しい気持ちしかないんでしょうか? それとも―――」
「は!?」
いつもはすました無表情が多い翠龍の珍しく驚いた表情にあっと我に返る。
やばい。うっかり余計なこと云ってしまった? やばい。
「あ、いえ、いきなりすぎましたね。忘れて下さい―――では」
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