最強呪符使い転生―故郷を追い出され、奴隷として売られました。国が大変な事になったからお前を買い戻したい?すいませんが他を当たって下さい―

びーぜろ

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第一章 最強呪符使い故郷を追われる

花ゴブリンの森②

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「ポーメ、ポーメ、ポメ、男の子~♪ アクバ帝国からやってきたぁ~♪ ポーメ、ポーメ、ポメ、ふわふわのーとてもやんちゃな男の子~♪」
「キャン、キャン?(えっ、なにその歌?)」
「うん? 元いた世界の有名な歌をアレンジしたものだよー」
 
歌は良い。聞けば癒され、歌えば楽しい気分にさせてくれる。

「さあ、ポメちゃんも歌ってみよー! ポーメポメ……♪」
「キャン、キャン(え、ええっ……あっ! 森が見えてきたみたいだよー!)」
「あーっ! 本当だー!」

余所見しながら歩いていたから気付かなかった。

「それじゃあ、ここからは自由行動にしようねー♪」
「キャン、キャン(わーい!)」

『縮小』の呪符を剥がすと、ポメちゃんが元の大きさを取り戻していく。

「ボクはこれから薬草を採取しなきゃいけないから、ポメちゃんは森の中に入って、花ゴブリンをボクがいる方に追い立ててくれないかな?」

そう尋ねると、ポメちゃんが『キャン、キャン(えっ? 自由行動じゃなかったの)』と吠える。

「うんうん。ありがとう。ポメちゃん!」

首を傾げるポメちゃんに向かって問答無用でお礼を言うと「クーン、クーン(し、仕方がないなぁ……)」と鳴きながら『花ゴブリンの森』に入っていった。

ポメちゃんが森の中に入って数分経つと、森の中が突然、慌ただしくなってくる。

「ゴブゴブッー!(ド、ドイチェスピッツがなんでこんな所にっ!)」
「ゴブゥ!(に、逃げろー!)」

鳴き声から察するに、ポメちゃんが花ゴブリンを上手く誘導してきてくれたようだ。
頭にカモミール見たいな花が咲いている。なるほど、あれが花ゴブリンか……。

「さあ、花ちゃん! こっちにおいでー!」
「ゴ、ゴブゥ!?(な、なんだ!?)」
「ゴブッ、ゴブゥ!?(なんでこんな所に人間がっ!?)」

宙をなぞり亜空間から『隷属』の呪符を取り出すと、こっちに向かってくる花ゴブリンに呪符を付していく。

「クーン、クーン(ご主人様ーもう遊びに行っていい?)」
「うん。二体いれば十分だよ。ありがとう。ポメちゃん! 森の中で遊んでおいでー」
「キャン、キャン!(わーい!)」

森の散策に出かけて行ったポメちゃんを後目に、ボクは花ゴブリンの頭に生えるお花にマジマジと視線を向ける。

「ふーん。これが『癒され草』かぁ……えいっ!」
「ゴ、ゴブ……ゴブゥゥゥゥッ!?(い、一体なにをっ……ぎゃああああっ!?)」

興味心から花ゴブリンの頭に生えた花を根こそぎ抜くと、花ゴブリンが短い悲鳴を上げ倒れてしまう。

「あれっ?」

だ、大丈夫だろうか?
もしかして、この花……抜いちゃいけなかった??

ビクビクと震えるもう一体の花ゴブリンを後目に、亜空間から取り出した『治癒』の呪符を施すと、根こそぎ抜いたはずの花ゴブリンの頭から綺麗な花が生えてくる。

「……ゴ、ゴブッ?(い、一体なにが……)」

そして、頭に大輪が咲くと、花ゴブリンが目を覚ました。

なるほど、これは興味深い……。

「えいっ!」
「ゴ、ゴブゥゥゥゥ!?(ぎゃぁぁぁぁ!?)」

もう一度、同じように花ゴブリンの頭から『癒され草』を引っこ抜くと、またもや花ゴブリンが気絶する。そして、『治癒』の呪符を施すと、根こそぎ抜いたはずの花ゴブリンの頭から綺麗な花が生えてきた。

どうやら、この花ゴブリン。
頭に咲いた花を抜かれると気絶するらしい。
そして、花の開花具合によって段々と意識を取り戻していき、大輪の花が咲くと意識を取り戻すと……そういうことか。

なんとも面白い生態の花ゴブリンである。
しかし、これなら簡単に『癒され草』を採取できそうだ……。

ボクは片方の花ゴブリンに『治癒』の呪符を持たせると『命令』する。

「ごめんね? 『命令』だよ。君はこれから彼の頭に生えた花を千本集めて……。もし、気絶したらこの『治癒』の呪符で治して上げるんだよ。わかった?」

そう命令すると、花を抜く側の花ゴブリンが顔を引く付かせながら頷いた。

「それじゃあ、君にも『命令』しておくね? 千回頭から花を抜かれるまでの間、そこから動かないこと。安心して『鎮痛』と『睡眠』の呪符をちゃんと付して上げるから! 枕もお布団も用意して上げたよ! 君が寝ている間にすべてが終わるから、安心して入眠していいよ?」

そう命令すると、花を抜かれる側の花ゴブリンは布団に入り眠り出す。
これで準備が整った。

「それじゃあ、ボクは森の散策に行ってくるから、後のことはよろしくね! 一応、君達が他のモンスターに襲われないように、呪符による結界を張っておくから!」

手を振りながらそう言うと、『癒され草』の採取を花ゴブリンに任せ、森の散策をすることにした。

◇◆◇

「ある日、森の中ぁ~熊さんに出会った~」

軽快な童謡を歌いながら森の中を進んでいくと「ワオーン!」と吠えるポメちゃんの遠吠えが聞こえてきた。

「あれー? ポメちゃんの鳴き声がするー」

鳴き声のする方に向かって森の中を進んでいくと、そこには……。

血をダラダラ流し地に伏す黒い熊さんに前足を乗せ「ワォオオオオーン!」と、遠吠えを上げるポメちゃんの姿があった。

「…………」

さ、流石はポメちゃんだ。
おそらく、ポメちゃんの下に倒れている黒い熊さん。
あれが、この森の……花ゴブリンの森の主、フォレストベアーなのだろう。
というより、ストレスでも溜まっていたのだろうか?
ポメちゃんとフォレストベアーの周りが尋常じゃない位、爪の痕で一杯だ。
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