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013:三畳縦長廊下
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そんなん言うから、まずはレベルアップする事にした。なんか腹立つし。
とりあえず、今ある迷宮を消去。一から作り直すんでもいいよな。
「DPを5P消費して、消去したなのよぅ」
「ブロックでもう一度作れば良いんだよな?」
「そうなのよぅ」
そう。何も、スゴイダンジョンを作る必要はないのだ。ダンジョンポイントを消費するとはいえ、こんなに簡単にやり直せるのだから。
いつの間にか会議室テーブルの方に、俺の買ったブロックや、モンスターのフィギュアが置いてあった。箱もある。
ん? あれ? これ、創ったダンジョンを修正したい場合、どうすれば。
「シロ、ダンジョンを一から創り直しじゃなくて、修正したい場合は?」
「修正する場合も、DP5消費なのよぅ。その場合は創ったオブジェは全部そのまま、そこに現れるのよぅ」
目の前にさっき自分が創った、簡素なダンジョンが出現した。
そういえば、このブロック……扉が出現してから見かけなかったけど、今までどこにあったんだ? まあ、いいか。不思議力、不思議力。
「シロ、このダンジョンの入り口と出口の設定ってどうなってるんだ?」
「普通は元々ある入り口から入ってくるのよぅ。出口は転移で入り口に跳ぶのよぅ」
「いや、第一階層から第二階層へは?」
「ラスボス戦後転移陣、最終転移陣があるのよぅ。これよぅ」
シロが指さしたのは赤と黒の大きな魔方陣だ。円形の魔法円を陣で囲んでイロイロと文字が書いてある。……それにしてもこのブロック、細かくよく出来てる。リアルになるしな。うん。
「ん? この、似てるけどちょっと違う魔方陣は?」
「それは階層転移陣なのよぅ」
「赤が次の階層……で、この青がこの階層のスタート地点?」
「そうなのですよぅ。この二つが設置されていないと、階層は成立しないのよぅ」
青がスタート、赤がゴールと。1階層から2階層へは階段でつながってるワケじゃないんだな。というか、成立しないて……まあ、でもそうか。出入り口は大事だよ。
ん? あれ? でも、階段パーツとかあるのに。
「階段とかあるのは何で?」
「階層内で複数階層にするのは自由なのよぅ」
そういう事か。
「にしても。うちのこれは、普通じゃないんだ?」
「そうなのよぅ。迷宮創造主の場合は「迷宮扉」に入るとここに来るのよぅ。んでシロが跳ばすのよぅ。飛びたい階層も言うのよぅ。ブロックで最初に作ったとこか、青の入口転移陣のある床に跳ぶのよぅ。出口は、赤の出口転移陣か、またシロに言うのよぅ。ここに来るのよぅ」
「どこが、俺だけ違う?」
「いきなりだからオカシイだけなのよぅ。迷宮創造主はどこにでもいるし、どこにもいないのよぅ。ダンジョン内なら居場所は自由自在なのよう」
「俺の場合はシロに言えばいいのか?」
「そうなのよぅ。ダンジョン内ならどこにいてもマスターの声はシロに聞こえるのよぅ」
「そうか。なら、その対価は?」
「一瞬魔力を消費するけどすぐ回復しちゃうのよぅ。なのでタダなのよぅ。これまでは何となくシロがここかな? っていう場所に転移させてたのよぅ」
そりゃ良いこと聞いた。
「シロ、入口転移陣ってこれでいいんだよな?」
「そうなのよぅ」
俺が手に取った青の床パーツ。魔法円と陣の組み合わせが描かれている。
「でと。出口転移陣はこれと」
「そうなのよぅ」
それにしても最終も入口も出口もどれも複雑な紋様が描かれている。ただ、全面では無いが、所々に着色されていて、魔法円の紋様が理解出来ない以上、大きさと色で見分けるしか無いな。
「まあ、それを踏まえて……と、言うことは……」
カチャカチャと簡単に床フロアと、壁を組み合わせて、長方形の通路とする。モンスターのフィギュアは取りあえず置かない。
「シロ。跳ばして」
(はいなのぅ)
その瞬間、俺はさっきと同じ種類のダンジョンに立っていた。床や壁の感触は同じ石系の造りだが、間取りというか形が違う。
目の前には俺が造り直した通路状のスペースだ。ぶっちゃけ三畳大の縦長の廊下だな。
「シロ。装備は?」
(はいなのよぅ)
スウェット上下が一瞬で、冒険者の服一式、ブーツ。良く感じれば靴下もはいてる。左手にはバックラー。迷宮な装備に切り替わった。さらに「切り裂きの剣」を左腰に佩いている。汚れとか匂い……も無いな。微かな革の匂いくらいだ。
「これ、汚れとかは?」
(迷宮機能集中総操作室に戻った時点で【回復】【修復】【洗浄】が発動するのよぅ。なのでメンテナンスはバッチリ大丈夫なのよぅ)
おおう。魔法か。生活魔法ってヤツか。スゲーな。というか、一瞬で装備変更されるのがもっとスゲーっていうか、ムチャだと思うんだけど。
腰に剣があるのも若干慣れて……ないか。ないな。うん。まあ、いい。
ガシッ!
剣で石壁を斬りつけてみる。小さい火花と共に小さい傷が残った。物理的、構造物の核子構成は、日本社会、地球社会と変わらないようだ。パッと見た目は。
手に痺れが残る。あ。傷が……消えた。無くなった。触ってみるが凹みなどを感じない。前言撤回、明らかに世界の法則が違ってるな。
数歩歩くと、地面に見覚えのある青い魔法円が描かれていた。ちょっと躊躇したが、踏み込む。
一瞬で元の管理室。白い床に立っている自分。うむ。転移がキチンと動作しているのは確認できたな。
「シロ。何か特別なお願いをしない限り、ダンジョン内に転移したらこの闘える装備に変更して。で、ココに戻って来たら、装備を解除→【修復】→身体も【洗浄】して、元々着ていたスウェット上下に変更。かな」
「はいなのよぅ」
一瞬でスウェット姿に早変わり。
そういえば。闘える装備。戦闘装備とでも命名しようか。あれはなんで、アレなんだろう。
「戦闘装備、ダンジョンで闘うときに着る装備な? アレってどう決まってるの」
「現在、マスターの所有している装備の中から最適と思われる物を選択しているのよぅ」
おうふ。最強選択ボタンか。最初は良いけど、だんだん使えなくなるヤツだ。
「つまり、これ以上の装備はないってことな?」
「あるのよぅ。でも、レベルが足りないのよぅ。使いこなせないのよぅ」
そういう事か。
「宝物庫にお宝は有るけど、装備できないって事?」
「レベルとスキルが足りないのよぅ」
「この剣みたいにもらえたりしないのか?」
「……ちょっと待つのよぅ……レベルが上がると装備一式が貰えるのよぅ。それ以上の武器は……知っているモノはダンジョンポイントで交換も出来るのよぅ」
何だ? 今の待ち。ローディングみたいな。
「いま、何で待ったんだ?」
「何か言われたのよぅ。聞いてたのよぅ」
ちっ。リアルタイムで何かが干渉してきてるってことか。怪しいなぁ。怖いな、これ。
「シロ。最終的には何の目的があってこれを、俺にやらそうとしているのか、って考えろ。ソレが判らないなら、俺はあの扉を封印して、もう2度とこの部屋を訪れない」
「それは困るのよぅ。迷宮創造主をサポートするのがお仕事なのよぅ。お仕事無くなると無に戻るのよぅ」
「とにかく、さっきの考えろ。神様……じゃないかもしれないがお前の上司にはそれで伝わるハズだ」
「上司は迷宮創造主なのよぅ。でも、ハイなのよぅ。考えたのよぅ」
と、言った瞬間。目の前、机の上に手紙が出現した。
とりあえず、今ある迷宮を消去。一から作り直すんでもいいよな。
「DPを5P消費して、消去したなのよぅ」
「ブロックでもう一度作れば良いんだよな?」
「そうなのよぅ」
そう。何も、スゴイダンジョンを作る必要はないのだ。ダンジョンポイントを消費するとはいえ、こんなに簡単にやり直せるのだから。
いつの間にか会議室テーブルの方に、俺の買ったブロックや、モンスターのフィギュアが置いてあった。箱もある。
ん? あれ? これ、創ったダンジョンを修正したい場合、どうすれば。
「シロ、ダンジョンを一から創り直しじゃなくて、修正したい場合は?」
「修正する場合も、DP5消費なのよぅ。その場合は創ったオブジェは全部そのまま、そこに現れるのよぅ」
目の前にさっき自分が創った、簡素なダンジョンが出現した。
そういえば、このブロック……扉が出現してから見かけなかったけど、今までどこにあったんだ? まあ、いいか。不思議力、不思議力。
「シロ、このダンジョンの入り口と出口の設定ってどうなってるんだ?」
「普通は元々ある入り口から入ってくるのよぅ。出口は転移で入り口に跳ぶのよぅ」
「いや、第一階層から第二階層へは?」
「ラスボス戦後転移陣、最終転移陣があるのよぅ。これよぅ」
シロが指さしたのは赤と黒の大きな魔方陣だ。円形の魔法円を陣で囲んでイロイロと文字が書いてある。……それにしてもこのブロック、細かくよく出来てる。リアルになるしな。うん。
「ん? この、似てるけどちょっと違う魔方陣は?」
「それは階層転移陣なのよぅ」
「赤が次の階層……で、この青がこの階層のスタート地点?」
「そうなのですよぅ。この二つが設置されていないと、階層は成立しないのよぅ」
青がスタート、赤がゴールと。1階層から2階層へは階段でつながってるワケじゃないんだな。というか、成立しないて……まあ、でもそうか。出入り口は大事だよ。
ん? あれ? でも、階段パーツとかあるのに。
「階段とかあるのは何で?」
「階層内で複数階層にするのは自由なのよぅ」
そういう事か。
「にしても。うちのこれは、普通じゃないんだ?」
「そうなのよぅ。迷宮創造主の場合は「迷宮扉」に入るとここに来るのよぅ。んでシロが跳ばすのよぅ。飛びたい階層も言うのよぅ。ブロックで最初に作ったとこか、青の入口転移陣のある床に跳ぶのよぅ。出口は、赤の出口転移陣か、またシロに言うのよぅ。ここに来るのよぅ」
「どこが、俺だけ違う?」
「いきなりだからオカシイだけなのよぅ。迷宮創造主はどこにでもいるし、どこにもいないのよぅ。ダンジョン内なら居場所は自由自在なのよう」
「俺の場合はシロに言えばいいのか?」
「そうなのよぅ。ダンジョン内ならどこにいてもマスターの声はシロに聞こえるのよぅ」
「そうか。なら、その対価は?」
「一瞬魔力を消費するけどすぐ回復しちゃうのよぅ。なのでタダなのよぅ。これまでは何となくシロがここかな? っていう場所に転移させてたのよぅ」
そりゃ良いこと聞いた。
「シロ、入口転移陣ってこれでいいんだよな?」
「そうなのよぅ」
俺が手に取った青の床パーツ。魔法円と陣の組み合わせが描かれている。
「でと。出口転移陣はこれと」
「そうなのよぅ」
それにしても最終も入口も出口もどれも複雑な紋様が描かれている。ただ、全面では無いが、所々に着色されていて、魔法円の紋様が理解出来ない以上、大きさと色で見分けるしか無いな。
「まあ、それを踏まえて……と、言うことは……」
カチャカチャと簡単に床フロアと、壁を組み合わせて、長方形の通路とする。モンスターのフィギュアは取りあえず置かない。
「シロ。跳ばして」
(はいなのぅ)
その瞬間、俺はさっきと同じ種類のダンジョンに立っていた。床や壁の感触は同じ石系の造りだが、間取りというか形が違う。
目の前には俺が造り直した通路状のスペースだ。ぶっちゃけ三畳大の縦長の廊下だな。
「シロ。装備は?」
(はいなのよぅ)
スウェット上下が一瞬で、冒険者の服一式、ブーツ。良く感じれば靴下もはいてる。左手にはバックラー。迷宮な装備に切り替わった。さらに「切り裂きの剣」を左腰に佩いている。汚れとか匂い……も無いな。微かな革の匂いくらいだ。
「これ、汚れとかは?」
(迷宮機能集中総操作室に戻った時点で【回復】【修復】【洗浄】が発動するのよぅ。なのでメンテナンスはバッチリ大丈夫なのよぅ)
おおう。魔法か。生活魔法ってヤツか。スゲーな。というか、一瞬で装備変更されるのがもっとスゲーっていうか、ムチャだと思うんだけど。
腰に剣があるのも若干慣れて……ないか。ないな。うん。まあ、いい。
ガシッ!
剣で石壁を斬りつけてみる。小さい火花と共に小さい傷が残った。物理的、構造物の核子構成は、日本社会、地球社会と変わらないようだ。パッと見た目は。
手に痺れが残る。あ。傷が……消えた。無くなった。触ってみるが凹みなどを感じない。前言撤回、明らかに世界の法則が違ってるな。
数歩歩くと、地面に見覚えのある青い魔法円が描かれていた。ちょっと躊躇したが、踏み込む。
一瞬で元の管理室。白い床に立っている自分。うむ。転移がキチンと動作しているのは確認できたな。
「シロ。何か特別なお願いをしない限り、ダンジョン内に転移したらこの闘える装備に変更して。で、ココに戻って来たら、装備を解除→【修復】→身体も【洗浄】して、元々着ていたスウェット上下に変更。かな」
「はいなのよぅ」
一瞬でスウェット姿に早変わり。
そういえば。闘える装備。戦闘装備とでも命名しようか。あれはなんで、アレなんだろう。
「戦闘装備、ダンジョンで闘うときに着る装備な? アレってどう決まってるの」
「現在、マスターの所有している装備の中から最適と思われる物を選択しているのよぅ」
おうふ。最強選択ボタンか。最初は良いけど、だんだん使えなくなるヤツだ。
「つまり、これ以上の装備はないってことな?」
「あるのよぅ。でも、レベルが足りないのよぅ。使いこなせないのよぅ」
そういう事か。
「宝物庫にお宝は有るけど、装備できないって事?」
「レベルとスキルが足りないのよぅ」
「この剣みたいにもらえたりしないのか?」
「……ちょっと待つのよぅ……レベルが上がると装備一式が貰えるのよぅ。それ以上の武器は……知っているモノはダンジョンポイントで交換も出来るのよぅ」
何だ? 今の待ち。ローディングみたいな。
「いま、何で待ったんだ?」
「何か言われたのよぅ。聞いてたのよぅ」
ちっ。リアルタイムで何かが干渉してきてるってことか。怪しいなぁ。怖いな、これ。
「シロ。最終的には何の目的があってこれを、俺にやらそうとしているのか、って考えろ。ソレが判らないなら、俺はあの扉を封印して、もう2度とこの部屋を訪れない」
「それは困るのよぅ。迷宮創造主をサポートするのがお仕事なのよぅ。お仕事無くなると無に戻るのよぅ」
「とにかく、さっきの考えろ。神様……じゃないかもしれないがお前の上司にはそれで伝わるハズだ」
「上司は迷宮創造主なのよぅ。でも、ハイなのよぅ。考えたのよぅ」
と、言った瞬間。目の前、机の上に手紙が出現した。
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