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051:旨肉
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戦闘中に【結界】「正式」を思い出した事で、何とかオークを倒すことが出来た。
現在、オーク肉を焼きながら反省中である。
一番反省しなければいけないのは、スキルの存在を忘れていた事だろう。ここは、どっかの誰かが運営するシステムの不安定なダンジョン世界だ。プレイヤーに報告もせず、改良改悪何でもござれだと思った方が良いだろう。
こちらの出来る防御策は毎回、細かい指さし確認位なのだ。ソレを怠っていたのは反省しなければ。
で。反省した。
反省したので早速、現在使用可能なスキル等を思い浮かべてみた。
「正式」の様に仕様追加されたモノは存在しなかった。が。ソレだけでも見っけものだったと思う。
自分の中で使えない、と判断したせいで今回の様なことになってしまった。もしかしたら「コーティング」結構前から使えたのかもしれない。ちょっと勿体ない。
さて。まずは目の前の問題点。格上のオーク。こいつを安定して倒せるようになりたい。「ブロック」「コーティング」は「ブロック」の二重起動よりは、軽くて速い。
理由は良く判らない。
さらに言えば「軽い」とは。スキルを使用すると何となく体力を消耗している気がする。これは「ブロック」を一つ起動するくらいでは感じることが出来ない。今回二重に起動しようとしてやっと、なんとなく体力減った? 疲れた感じした? と疑問に思った程度だ。
ただ、スキルを何十回、何百回と使用する状況になった場合、この手のリスクを確認しておくのは凄く大切だと思う。というか、俺はこれまで「ブロック」はスイッチを入れるが如く、対価無しで使用できると思っていたのだから。やばかった。
甘いんだろうなぁ……このダンジョンをゲームとして捉えて、命の危機が薄い事に甘えているんだろうなぁ。一撃死喰らえば、シロにも対応出来ないのにね。
とにかく、オークは「ブロック」「コーティング」で対応するしか無いか……。
そうなると、大切なのは発動する場所……だろう。今回ギリギリ勝てたのは、敵の動き出しをちょうど阻害する位置に【ブロック」を配置できたからだ。……ただなぁ。これってモンスター毎に場所が違う。体格や骨格、さらにそもそもの挙動が違うからね。
慣れるしか……ないかぁ。
ちなみに、オーク肉はすこぶるうまい。これまで食べたことのある、最高級の豚肉を遥かに上回る上質な味。ごま油と塩で食べると、何かが溢れ出てくるのが判るくらい旨かった。狼の肉も旨かったが、徐々にオーク肉に入れ替えていきたい。
ということで、再びオーク戦へ。
再度の威圧。
うん、こんな感じの威圧が来る……ということを知っていれば、耐えられないワケじゃない。
さらにボス部屋に入る前に、自分に「コーティング」しておいたおかげもあるのかもしれないが、至って平常心だ。
天井高の地形効果……も、こちらも「知ってれば」、効果無効に出来るみたいだ。
オークと対峙する。ちゃんと観察できてる。何となく俯瞰で見えるのを利用して、相手の動き出しを感知するクセを付けたいと思う。
意識してやるのと、無意識でやるのとでは大きく違う。しばらく避けることに専念して、オークの強撃を空振らせていると、ああ、ちょっと(かなり)素早いだけで、あまり物を考えていないことが判ってくる。
(この辺は他の魔物と一緒だな……)
そうなってくると、やることは決まってくる。
「ブロック」&「コーティング」で丁寧に、攻撃の動き出しを止める。
↓
当然、行動が阻害される。
↓
棍棒を振り回そうとする所を邪魔されて、イライラしてくる。
↓
棍棒を振り上げたまま、俺を追いかけることになり、隙が大きくなる。
↓
全力振り下ろしの一撃。これを繰り出した後は、二連撃へ繋げることは出来ないらしい。
↓
単発の大技の後はどうしても隙が大きくなる。そこへ確実に一撃を入れる。
結果。かすり傷はあるものの、着実に敵に攻撃を加えることが出来る様になった様だ。
だが。
まだだ。これじゃダメだ。
オークの特徴は強靱な身体とその再生能力にある……なんていうのを小説かなんかで読んだ覚えがあるんだけど、実際にその再生能力が強力な様だ。
実際、俺が戦闘最初にヤツの右手に与えたそれなりに深い傷。腕半分くらいに深く入ったにも関わらず、既に血も止まり、くっ付いて動いている。
何度も何度も「ブロック」「コーティング」でヤツの動きを止め、バランスを崩し、転ばせる。
だが、前回倒した時の様な、転倒して首を晒すような大きな隙を生み出させることが出来ない。まあ、あれは偶然だったんだよな……。
くそう。攻撃力が欲しい。「切り裂きの剣」がどんなに斬れ味が良くても、その刃の長さより長く傷を付けることが出来ない。
何度も……何度もオークを転ばして。やっと。生じた大きな隙。
そこを逃さず踏み込んで、大きく斬り捨てた。
狙うは当然、首。
首部分は細いし弱い。さらにここを切断してしまえば確実に生命活動が終わる。如何に強固なオークの体皮も、その部分は「そこまででも」無いのだ。
というか、正直、袈裟斬りに斬って捨てる事が出来る状況よりも、バランスを崩させて弱点を露呈させる方が楽ちんというか。
時間は掛かるし面倒でもあるのだが……。
他に決定打があるわけでも無い俺は、偶然大きく体勢が崩れるまで「ブロック」「コーティング」を行い、首を落とすというやり方で戦闘を繰り返して行った。
現在、オーク肉を焼きながら反省中である。
一番反省しなければいけないのは、スキルの存在を忘れていた事だろう。ここは、どっかの誰かが運営するシステムの不安定なダンジョン世界だ。プレイヤーに報告もせず、改良改悪何でもござれだと思った方が良いだろう。
こちらの出来る防御策は毎回、細かい指さし確認位なのだ。ソレを怠っていたのは反省しなければ。
で。反省した。
反省したので早速、現在使用可能なスキル等を思い浮かべてみた。
「正式」の様に仕様追加されたモノは存在しなかった。が。ソレだけでも見っけものだったと思う。
自分の中で使えない、と判断したせいで今回の様なことになってしまった。もしかしたら「コーティング」結構前から使えたのかもしれない。ちょっと勿体ない。
さて。まずは目の前の問題点。格上のオーク。こいつを安定して倒せるようになりたい。「ブロック」「コーティング」は「ブロック」の二重起動よりは、軽くて速い。
理由は良く判らない。
さらに言えば「軽い」とは。スキルを使用すると何となく体力を消耗している気がする。これは「ブロック」を一つ起動するくらいでは感じることが出来ない。今回二重に起動しようとしてやっと、なんとなく体力減った? 疲れた感じした? と疑問に思った程度だ。
ただ、スキルを何十回、何百回と使用する状況になった場合、この手のリスクを確認しておくのは凄く大切だと思う。というか、俺はこれまで「ブロック」はスイッチを入れるが如く、対価無しで使用できると思っていたのだから。やばかった。
甘いんだろうなぁ……このダンジョンをゲームとして捉えて、命の危機が薄い事に甘えているんだろうなぁ。一撃死喰らえば、シロにも対応出来ないのにね。
とにかく、オークは「ブロック」「コーティング」で対応するしか無いか……。
そうなると、大切なのは発動する場所……だろう。今回ギリギリ勝てたのは、敵の動き出しをちょうど阻害する位置に【ブロック」を配置できたからだ。……ただなぁ。これってモンスター毎に場所が違う。体格や骨格、さらにそもそもの挙動が違うからね。
慣れるしか……ないかぁ。
ちなみに、オーク肉はすこぶるうまい。これまで食べたことのある、最高級の豚肉を遥かに上回る上質な味。ごま油と塩で食べると、何かが溢れ出てくるのが判るくらい旨かった。狼の肉も旨かったが、徐々にオーク肉に入れ替えていきたい。
ということで、再びオーク戦へ。
再度の威圧。
うん、こんな感じの威圧が来る……ということを知っていれば、耐えられないワケじゃない。
さらにボス部屋に入る前に、自分に「コーティング」しておいたおかげもあるのかもしれないが、至って平常心だ。
天井高の地形効果……も、こちらも「知ってれば」、効果無効に出来るみたいだ。
オークと対峙する。ちゃんと観察できてる。何となく俯瞰で見えるのを利用して、相手の動き出しを感知するクセを付けたいと思う。
意識してやるのと、無意識でやるのとでは大きく違う。しばらく避けることに専念して、オークの強撃を空振らせていると、ああ、ちょっと(かなり)素早いだけで、あまり物を考えていないことが判ってくる。
(この辺は他の魔物と一緒だな……)
そうなってくると、やることは決まってくる。
「ブロック」&「コーティング」で丁寧に、攻撃の動き出しを止める。
↓
当然、行動が阻害される。
↓
棍棒を振り回そうとする所を邪魔されて、イライラしてくる。
↓
棍棒を振り上げたまま、俺を追いかけることになり、隙が大きくなる。
↓
全力振り下ろしの一撃。これを繰り出した後は、二連撃へ繋げることは出来ないらしい。
↓
単発の大技の後はどうしても隙が大きくなる。そこへ確実に一撃を入れる。
結果。かすり傷はあるものの、着実に敵に攻撃を加えることが出来る様になった様だ。
だが。
まだだ。これじゃダメだ。
オークの特徴は強靱な身体とその再生能力にある……なんていうのを小説かなんかで読んだ覚えがあるんだけど、実際にその再生能力が強力な様だ。
実際、俺が戦闘最初にヤツの右手に与えたそれなりに深い傷。腕半分くらいに深く入ったにも関わらず、既に血も止まり、くっ付いて動いている。
何度も何度も「ブロック」「コーティング」でヤツの動きを止め、バランスを崩し、転ばせる。
だが、前回倒した時の様な、転倒して首を晒すような大きな隙を生み出させることが出来ない。まあ、あれは偶然だったんだよな……。
くそう。攻撃力が欲しい。「切り裂きの剣」がどんなに斬れ味が良くても、その刃の長さより長く傷を付けることが出来ない。
何度も……何度もオークを転ばして。やっと。生じた大きな隙。
そこを逃さず踏み込んで、大きく斬り捨てた。
狙うは当然、首。
首部分は細いし弱い。さらにここを切断してしまえば確実に生命活動が終わる。如何に強固なオークの体皮も、その部分は「そこまででも」無いのだ。
というか、正直、袈裟斬りに斬って捨てる事が出来る状況よりも、バランスを崩させて弱点を露呈させる方が楽ちんというか。
時間は掛かるし面倒でもあるのだが……。
他に決定打があるわけでも無い俺は、偶然大きく体勢が崩れるまで「ブロック」「コーティング」を行い、首を落とすというやり方で戦闘を繰り返して行った。
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