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059:快適空間
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剣でのレベル上げに比べて、余りにも楽ちんだったのもあって……。ついつい調子に乗った。
オークを追加購入して、現在では30体、大きな広間に配置してある。この広間に入ったら、即、「風刃」を使用する。既にルーティンワークになりつつあるので、間違えることもない。作業だ作業。
当然、迷宮生成時のボーナスはほぼないが、物量の効果か、あっという間に「魔術士」のレベルが上がっていった。
「迷宮創造主」に比べると、「魔術士」のレベルアップは正直、味気ない。というか、何も起きない。スキルもさっぱり覚えなかったし、「魔術壱」のレベルアップも頭に響いてこなかった。
----レベルアップ----
ただただ、この表示が繰り返されるだけだった。ドキドキ感もちょい薄い。「魔術士」はあっというまにレベル9に……なった。はやっ。
まあ、確実に能力値は上がっている。一番顕著なのが、魔力総量だ。レベルアップ毎に上昇しているのが、術の使用可能数で簡単に判る。
それこそ、ジョブチェンジしたばかりの時には二回しか精製出来なかった回復水だが、現在では既に、三回精製可能になっている。
さらに、「風刃」「火球」の攻撃力も上がった。レベル1の頃とは段違いだ。
「風刃」は鋭く強く、幅が広くなっている。それこそ、巻き込みが上手くいけば、一撃で二匹のオークの首が飛ぶ。この術、大好き。
で。より顕著だったのが、「火球」だ。使い勝手的に「風刃」の方が上だと判断したのだが、現状のモンスターハウス殲滅レベル上げにおいては、既に「火球」の方が使える術となっている。
何よりも、爆発の範囲が大きい。最初はオーク二匹巻き込むのが難しいくらいだったが、現在は四~五匹いけてしまう。
威力も低レベルのうちは、すぐ治るレベルの怪我を負わせる程度でしかなかった。が、現在では命中すれば、かすったくらいでも、その部分が大きく抉られるし、二、三匹固まっている所で爆発すれば、各自半身が吹き飛ぶ。
範囲攻撃っていうのはこういう事なんだなぁと感心してしまうくらい、爽快感が凄かった。音も派手だ。
逆にちょっとあまりに簡単に殲滅できてしまうので、罪悪感が生じてきている気がする。あそこまで手間取っていたのになぁ……というか、死にかけてたのに。と。
そして「魔術士」がレベル9になってしばらくすると、「迷宮創造主」はレベル12にレベルアップした。
そういえば、「迷宮創造主」レベル11で【隠形】のスキルを習得していた。
これは「姿隠しの指輪」の様に完全に姿が消えてしまうのでは無く、自分の気配を薄めて、周囲から認識されにくくなる。「盗賊」系の天職で覚えそうな感じだ。
ちゅーか、そうだよな。ついこの前まで、そういう感じに身を隠して敵を躱して攻撃を仕掛ける……なんていう感じで慎重に戦っていたのだ。
今の大雑把で適当で、大体そんなもんだろう的な戦い方は……よく考えなくても、いつか破綻してあっさりぶち殺されてしまいそうで怖い。
大きな力……「魔術士」の力に振り回されて、いや、転職した目先のワクワクに煽られて、慎重さが薄れていたかもしれない。というか……やばい、そろそろ現実世界に戻らないと、俺の常識というか、様々な習慣、クセなんかが一切、無かったことになってしまう。
朝起きて、トイレ行って、シャワー浴びて……なんていうルーティンが、ダンジョン生活のルーティンに完全に差し替わっている。
このままだと、現代社会に復帰できなくなりそうだ。
と。そう強く感じたのは。
「迷宮創造主」レベル12のせいだ。
----レベルアップ----
「レベル12、おめでとうなのよぅ。システム、システム、迷宮機能集中総操作室拡張解放参が開放されたのよぅ」
うん、まあ、アレだ。これまでよりもさらに、ダンジョン内の自室がパワーアップした。
部屋のサイズは1K。そう。部屋自体の大きさはこれまでと同じ。キッチンと分かれているワンルーム……のままなのだが。
バス、トイレが別になっていた。
これは快適。元々、シャワーを浴びる際に派手に水を使ってしまうタイプなのだ。そのせいでユニットバスだと水が跳ねて、トイレットペーパーを濡らしてしまう。ロールの備蓄も外に置くしかなかった。
が。今回、バス、トイレが別になったことで、トイレ用品はトイレに保存しておくが可能になった。逆にバスは洗い場が広くなり、さらに湯船も若干大きくなっている。
至極快適。
さらに……かなりインパクトが大きかったのが……部屋に「窓」が追加されたことだ! これは……デカい。
窓は磨りガラス風で透明ではないため、景色が見えるとかそういうプラスは無いのだが、昼の時間になると明るく、夜になると暗くなるという、なんだか良く判らない、時間による照度変化機能付きなのだ。
ダンジョン生活で一番ヤバイと思っていたのが、昼夜の識別ができず、一日の概念が失われていくことだった。
ダンジョン内に灯りはあるものの、生活空間には窓が無く、太陽光を浴びるとかその手の行為は一切不可能だったのだから。
穴ぐらでのモグラ生活……と何ら変わらない。
現状でも、太陽光をどうこうは出来ていない。だが、今回窓が追加されたことで、部屋に入ると、明確に、昼夜の感覚を再確認する。
とりあえず、今後は窓の光りに合わせて生活する様にすれば分かりやすいと思う。
素晴らしい! 快適、快適。
で。
ここで、ちょっと考えた。自分はこのまま、ダンジョン側に引きこもってしまうことにならないか……と。
居心地がね……あまりにも良すぎてね。やばいんじゃ無いか? と。
で。その他諸々を思い出したのだ。
俺、現実世界でのトラブルをどうにか出来る様に、レベルアップしてたんじゃ……。
と。
忘れてたよ……本当に。特に「魔術士」に夢中になってしまってからが、ヤバかった。
ということで、「魔術士」レベル10直前にして、現実世界の時間を進める事にした。
オークを追加購入して、現在では30体、大きな広間に配置してある。この広間に入ったら、即、「風刃」を使用する。既にルーティンワークになりつつあるので、間違えることもない。作業だ作業。
当然、迷宮生成時のボーナスはほぼないが、物量の効果か、あっという間に「魔術士」のレベルが上がっていった。
「迷宮創造主」に比べると、「魔術士」のレベルアップは正直、味気ない。というか、何も起きない。スキルもさっぱり覚えなかったし、「魔術壱」のレベルアップも頭に響いてこなかった。
----レベルアップ----
ただただ、この表示が繰り返されるだけだった。ドキドキ感もちょい薄い。「魔術士」はあっというまにレベル9に……なった。はやっ。
まあ、確実に能力値は上がっている。一番顕著なのが、魔力総量だ。レベルアップ毎に上昇しているのが、術の使用可能数で簡単に判る。
それこそ、ジョブチェンジしたばかりの時には二回しか精製出来なかった回復水だが、現在では既に、三回精製可能になっている。
さらに、「風刃」「火球」の攻撃力も上がった。レベル1の頃とは段違いだ。
「風刃」は鋭く強く、幅が広くなっている。それこそ、巻き込みが上手くいけば、一撃で二匹のオークの首が飛ぶ。この術、大好き。
で。より顕著だったのが、「火球」だ。使い勝手的に「風刃」の方が上だと判断したのだが、現状のモンスターハウス殲滅レベル上げにおいては、既に「火球」の方が使える術となっている。
何よりも、爆発の範囲が大きい。最初はオーク二匹巻き込むのが難しいくらいだったが、現在は四~五匹いけてしまう。
威力も低レベルのうちは、すぐ治るレベルの怪我を負わせる程度でしかなかった。が、現在では命中すれば、かすったくらいでも、その部分が大きく抉られるし、二、三匹固まっている所で爆発すれば、各自半身が吹き飛ぶ。
範囲攻撃っていうのはこういう事なんだなぁと感心してしまうくらい、爽快感が凄かった。音も派手だ。
逆にちょっとあまりに簡単に殲滅できてしまうので、罪悪感が生じてきている気がする。あそこまで手間取っていたのになぁ……というか、死にかけてたのに。と。
そして「魔術士」がレベル9になってしばらくすると、「迷宮創造主」はレベル12にレベルアップした。
そういえば、「迷宮創造主」レベル11で【隠形】のスキルを習得していた。
これは「姿隠しの指輪」の様に完全に姿が消えてしまうのでは無く、自分の気配を薄めて、周囲から認識されにくくなる。「盗賊」系の天職で覚えそうな感じだ。
ちゅーか、そうだよな。ついこの前まで、そういう感じに身を隠して敵を躱して攻撃を仕掛ける……なんていう感じで慎重に戦っていたのだ。
今の大雑把で適当で、大体そんなもんだろう的な戦い方は……よく考えなくても、いつか破綻してあっさりぶち殺されてしまいそうで怖い。
大きな力……「魔術士」の力に振り回されて、いや、転職した目先のワクワクに煽られて、慎重さが薄れていたかもしれない。というか……やばい、そろそろ現実世界に戻らないと、俺の常識というか、様々な習慣、クセなんかが一切、無かったことになってしまう。
朝起きて、トイレ行って、シャワー浴びて……なんていうルーティンが、ダンジョン生活のルーティンに完全に差し替わっている。
このままだと、現代社会に復帰できなくなりそうだ。
と。そう強く感じたのは。
「迷宮創造主」レベル12のせいだ。
----レベルアップ----
「レベル12、おめでとうなのよぅ。システム、システム、迷宮機能集中総操作室拡張解放参が開放されたのよぅ」
うん、まあ、アレだ。これまでよりもさらに、ダンジョン内の自室がパワーアップした。
部屋のサイズは1K。そう。部屋自体の大きさはこれまでと同じ。キッチンと分かれているワンルーム……のままなのだが。
バス、トイレが別になっていた。
これは快適。元々、シャワーを浴びる際に派手に水を使ってしまうタイプなのだ。そのせいでユニットバスだと水が跳ねて、トイレットペーパーを濡らしてしまう。ロールの備蓄も外に置くしかなかった。
が。今回、バス、トイレが別になったことで、トイレ用品はトイレに保存しておくが可能になった。逆にバスは洗い場が広くなり、さらに湯船も若干大きくなっている。
至極快適。
さらに……かなりインパクトが大きかったのが……部屋に「窓」が追加されたことだ! これは……デカい。
窓は磨りガラス風で透明ではないため、景色が見えるとかそういうプラスは無いのだが、昼の時間になると明るく、夜になると暗くなるという、なんだか良く判らない、時間による照度変化機能付きなのだ。
ダンジョン生活で一番ヤバイと思っていたのが、昼夜の識別ができず、一日の概念が失われていくことだった。
ダンジョン内に灯りはあるものの、生活空間には窓が無く、太陽光を浴びるとかその手の行為は一切不可能だったのだから。
穴ぐらでのモグラ生活……と何ら変わらない。
現状でも、太陽光をどうこうは出来ていない。だが、今回窓が追加されたことで、部屋に入ると、明確に、昼夜の感覚を再確認する。
とりあえず、今後は窓の光りに合わせて生活する様にすれば分かりやすいと思う。
素晴らしい! 快適、快適。
で。
ここで、ちょっと考えた。自分はこのまま、ダンジョン側に引きこもってしまうことにならないか……と。
居心地がね……あまりにも良すぎてね。やばいんじゃ無いか? と。
で。その他諸々を思い出したのだ。
俺、現実世界でのトラブルをどうにか出来る様に、レベルアップしてたんじゃ……。
と。
忘れてたよ……本当に。特に「魔術士」に夢中になってしまってからが、ヤバかった。
ということで、「魔術士」レベル10直前にして、現実世界の時間を進める事にした。
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