転生社畜、転生先でも社畜ジョブ「書記」でブラック労働し、20年。前人未到のジョブレベルカンストからの大覚醒成り上がり!

nineyu

文字の大きさ
6 / 100
プロローグ

第6話 転生社畜のとある1日

しおりを挟む
 転生を果たして、早くも二年が過ぎていた。

 戦闘スキルのない俺は、ギルド職員として拾われ、しかして多忙を極めていた。
 というのも、このギルドの内情が杜撰を過ぎていたからだ。

 内情がよくなれば給与も上がるし、人も雇えて時間も取れる。今は俺の異世界冒険譚のプロローグだ。
 チートも金銭も渡されずに若さだけで転生したのだから、序盤に苦労するのも仕方ない。
 その分、いつか成果として報われるのだと自分に言い聞かせながら、今日も出勤する。

 「書記」にはジョブスキル『時計』と『自動手記』があるので、ここに1日のスケジュールをつけて記しておく。


6:30
  職場近くの職員寮で起床。料理スキルで素早く弁当を作りながら朝食も済ませる。

7:10
  出勤、徒歩10分は助かる。

7:30
  素材解体倉庫にいき、在庫数と保存状態のチェック。解体師の腕はいいんだが、在庫管理がロクにできない奴だ。

8:00
  ギルド併設酒場の発注物が届き、確認とサイン。
 雇われの料理人はいるが、収支がギルドと同じサイフなので結局、俺が帳簿をつけている。

9:00 
  他の職員が出勤してくるまでに昨日の受付嬢の提出書類の添削。間違いが多くて苛つく。
    
10:00
  受付嬢に仕事を割り振るが、言うことを聞いて貰えない。権限がなく舐められている。
 結局は自分でやる方が早いとなる。

11:00 
 ギルマス重役出勤も、領主との会談があるとすぐにいなくなる。
 内務は君に任せるとだけ。
 それと来月の本部会議の資料作成の釘を刺される。いつ作れっていうのよ、頼りになる副ギルマスは母校の講演に出張中。
  
12:00 
 仕方がないので、昼の休憩中に弁当を食べながらコツコツ資料作成。

13:00 
 ギルド内で冒険者同士が揉みあいに。
 流石に冒険者資格の剥奪がされる抜刀はしないので、何とかレベルが上がった合気道スキルで仲裁に入る。
 ギルマス不在だと調子に乗ってすぐに暴れる奴がいてうんざりする。

14:00 
 素材卸先の商人との打ち合わせ。こいつらはわざと数字を間違えてくるから要注意。
 本来時価の値付けはギルマス承認が必要だが、任せるとしか聞いていない。

16:00 
 近くの村人からゴブリンの討伐依頼。
 金がなく、報酬をケチるために数を少なく見積もってるのがバレバレ。心苦しいが後で責任取らされるのは俺なので断る。

17:00 
 素材買い取りのピーク時間帯を受付をフォローし、何とか乗り切る。定時に帰りだす受け付け嬢を尻目に帳簿のチェック。

17:30
  仕事を取ってきたと意気揚々とギルマス戻る。
 明日の正午までにCランク冒険者以上を20人手配だと。ふざけんなっ!!

20:30
  併設酒場が回らないので、ヘルプにキッチンに入る。落ち着くとちゃっちゃっと賄いを作って食べる。その後に発注。

23:00 
 最終施設内設備確認、施錠、退社。

24:00
  一杯の酒と体を拭きながら、明日の確認事項の整理と資料づくり。明日は気の難しいドワーフ鍛冶師に鉱石を卸にいかなければならない、憂鬱だ。


2:00   
 就寝。
しおりを挟む
感想 25

あなたにおすすめの小説

私の薬華異堂薬局は異世界につくるのだ

柚木 潤
ファンタジー
 薬剤師の舞は、亡くなった祖父から託された鍵で秘密の扉を開けると、不思議な薬が書いてある古びた書物を見つけた。  そしてその扉の中に届いた異世界からの手紙に導かれその世界に転移すると、そこは人間だけでなく魔人、精霊、翼人などが存在する世界であった。  舞はその世界の魔人の王に見合う女性になる為に、異世界で勉強する事を決断する。  舞は薬師大学校に聴講生として入るのだが、のんびりと学生をしている状況にはならなかった。  以前も現れた黒い影の集合体や、舞を監視する存在が見え隠れし始めたのだ・・・ 「薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ」の続編になります。  主人公「舞」は異世界に拠点を移し、薬師大学校での学生生活が始まります。  前作で起きた話の説明も間に挟みながら書いていく予定なので、前作を読んでいなくてもわかるようにしていこうと思います。  また、意外なその異世界の秘密や、新たな敵というべき存在も現れる予定なので、前作と合わせて読んでいただけると嬉しいです。  以前の登場人物についてもプロローグのに軽く記載しましたので、よかったら参考にしてください。  

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

知識スキルで異世界らいふ

菻莅❝りんり❞
ファンタジー
他の異世界の神様のやらかしで死んだ俺は、その神様の紹介で別の異世界に転生する事になった。地球の神様からもらった知識スキルを駆使して、異世界ライフ

男爵家の厄介者は賢者と呼ばれる

暇野無学
ファンタジー
魔法もスキルも授からなかったが、他人の魔法は俺のもの。な~んちゃって。 授けの儀で授かったのは魔法やスキルじゃなかった。神父様には読めなかったが、俺には馴染みの文字だが魔法とは違う。転移した世界は優しくない世界、殺される前に授かったものを利用して逃げ出す算段をする。魔法でないものを利用して魔法を使い熟し、やがては無敵の魔法使いになる。

【本編完結】転生したら第6皇子冷遇されながらも力をつける

そう
ファンタジー
転生したら帝国の第6皇子だったけど周りの人たちに冷遇されながらも生きて行く話です

荷物持ちだけど最強です、空間魔法でラクラク発明

まったりー
ファンタジー
主人公はダンジョンに向かう冒険者の荷物を持つポーターと言う職業、その職業に必須の収納魔法を持っていないことで悲惨な毎日を過ごしていました。 そんなある時仕事中に前世の記憶がよみがえり、ステータスを確認するとユニークスキルを持っていました。 その中に前世で好きだったゲームに似た空間魔法があり街づくりを始めます、そしてそこから人生が思わぬ方向に変わります。

悪役顔のモブに転生しました。特に影響が無いようなので好きに生きます

竹桜
ファンタジー
 ある部屋の中で男が画面に向かいながら、ゲームをしていた。  そのゲームは主人公の勇者が魔王を倒し、ヒロインと結ばれるというものだ。  そして、ヒロインは4人いる。  ヒロイン達は聖女、剣士、武闘家、魔法使いだ。  エンドのルートしては六種類ある。  バットエンドを抜かすと、ハッピーエンドが五種類あり、ハッピーエンドの四種類、ヒロインの中の誰か1人と結ばれる。  残りのハッピーエンドはハーレムエンドである。  大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。  そして、主人公は不幸にも死んでしまった。    次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。  だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。  主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。  そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。  

俺に王太子の側近なんて無理です!

クレハ
ファンタジー
5歳の時公爵家の家の庭にある木から落ちて前世の記憶を思い出した俺。 そう、ここは剣と魔法の世界! 友達の呪いを解くために悪魔召喚をしたりその友達の側近になったりして大忙し。 ハイスペックなちゃらんぽらんな人間を演じる俺の奮闘記、ここに開幕。

処理中です...