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「最悪だ……」
俺はため息をついた。あの後、ミウはやたらとベタベタしてくるし、周りの視線が痛いしで大変だったのだ。結局解放されたのは祭りも終わった夜になってからだった。宿に戻ってくるとぐったりしてしまい、ベッドに倒れ込むようにして横になる。
(どうしてこうなった)
俺が考え込んでいると、ミウが部屋に入ってきた。
「エラン~♡」
甘えるような声を出して抱きついてくる。俺は慌てて引き剥がそうとするが、ミウは離してくれない。それどころかさらに強く抱きしめてきた。
「ちょ、ちょっと……」
俺が戸惑っているとミウは耳元に口を近づけて囁いてくる。
「エラン♡今日は楽しかったね?」
「……」
「みんな驚いてたよ?あの勇者エランがこの街で恋人と慎ましく暮らしてるなんてさ?ふふ、きっとみんな想像もしなかっただろうな~」
ミウは楽しそうに笑いながら言う。俺はため息をつくと、諦めてされるがままになることにした。
「あ、エラン~?何その反応。俺、傷ついちゃうなあ~」
「いや、お前が無理やりさせたんだろ?」
俺が言うとミウは拗ねたような顔になる。
「えー?でも、エランだってあんなにノリノリだったじゃん?」
「そ、それは……」
俺が言い淀んでいると、ミウがじっと見てくる。その瞳に見つめられると何故か逆らえないような気持ちになってしまうのだ。結局、俺は素直に認めることにした。
「まあ、その、楽しかったよ。みんな喜んでくれて、平和になったんだって、改めて感じられたし、それに…」
ミウはまだじーっと俺を見つめてくる。踊り子の露出の高い衣装と赤い口紅のせいか、いつもより蠱惑的で、見てるとドキドキしてしまう。
(落ち着け、落ち着いてくれ、俺の息子よ…!)
「…綺麗だったよ、ミウ」
「え?」
ミウが驚いたように目を見開く。そして頰を赤く染めるともじもじし始めた。
(やばい、可愛い……)
俺は思わず抱きしめたくなる衝動に駆られるが必死に抑え込む。代わりに頭を優しく撫でると、ミウは気持ち良さそうに目を細めた。耳が現れ尻尾をパタパタさせているので喜んでくれているのだろう。俺はホッとすると話を続ける。
「その衣装も似合ってた」
「……ほんと?」
ミウが上目遣いで見つめてくるのでドキッとする。
「ああ。誰よりも綺麗だよ」
俺が言うと、ミウは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、エラン。嬉しいよ…?」
ぎゅっと抱きついてきて、また軽くキスをする。
「お前こんなにキス魔だったか?」
「むぅ♡俺しょっちゅうしてたよ?何ならエランだって毎晩俺のこと抱いて寝てたじゃん」
「そ、それはお前が狐の姿で暖かったから…」
何なら雪山とか首に巻いてたよな?
「もう今の俺、狐じゃないもん」
ミウが頰を膨らませる。そういう仕草がいちいち可愛いのだ。
「まあ、俺はどっちのミウも好きだけどな」
俺が言うとミウは照れたような顔になる。そして再び抱きついてきた。
「俺も好きだよ♡エランのこと大好き♡」
細い腰を抱きとめると、ミウがうるうるした瞳で見つめてくる。
「ねえ、エラン……しよ…?」
俺はゴクリと唾を飲み込むと、ゆっくりと顔を近づける。ミウは受け入れるように目を閉じた。唇を重ねる。
(やばい、止まらない……)
「んちゅ♡んぅ♡」
舌を絡めて激しく求め合う。俺の方がケモノみたいに、ミウの口の中を蹂躙していく。ミウも必死に答えようと舌を動かしていた。
「ぷはぁ♡」
唇を離すと唾液が糸を引く。ミウは蕩けた表情を浮かべていた。頰は紅潮して、息も荒い。
「エラン、いっぱい愛して欲しいの…?一生かけてエランに尽くした俺に、ご褒美ちょうだい……?」
ミウが耳元で囁いてくる。俺は小さくため息をつくと、ミウの身体を抱き上げる。
「上に乗るか?それとも、俺がするのと、どちらがいい?狐の頃は、よく俺の上に乗ってたよなぁ」
俺が言うと、ミウは妖艶な笑みを浮かべた。そして俺の耳元で囁く。
「エランのお好きなように……♡」
「じゃあ、こっちだな」
俺は息をつくとミウをベッドに押し倒す。そのまま覆い被さると首筋に噛み付いた。
「んぅ♡」
「好き放題人前でイタズラしやがって。御仕置きしないとな?」
「うん♡いっぱいシて?」
ミウが甘えたような声で言ってくる。俺はニヤリと笑うと、ミウの身体中を舐め回し始めた。胸から脇の下まで舌で丁寧に愛撫する。時折牙を立てたり吸い付いたりすると、ミウは気持ちよさそうな声を上げた。
「ひゃうっ!あふっ!ひぅん♡」
「可愛いよ、ミウ」
俺が呟くと、ミウは嬉しそうな顔になる。
「嬉しい。俺、エランに愛されたくて人にしてもらったんだもの…」
健気すぎて可愛すぎるだろう!俺は一気に息子がかたくなるのを感じる。
「お前、本当に…」
「だって、俺が一番エランのそばに居たんだよ?エランが小さい頃からずっと一緒で、あの村でも、旅に出た時も、ずっとずっとついて行った」
ミウは目をうるうるさせながら見つめてくる。
「毎晩一緒に寝てたのに、エランが他の人間たちと過ごすようになって、本当に寂しかった。俺が人間だったらって、何万回思ったことか……」
ミウの目尻から涙がこぼれ落ちる。
「でも、今は違うもんね……?俺は狐じゃなくて人間になれた。ずっとエランのそばに居られる…」
「ミウ…」
「ねえ、俺ってエランの特別だよね?俺のこと、誰よりも好き?」
「……ああ」
俺が頷くとミウはぱあっと顔を明るくさせた。
「ね?エラン…」
ミウは妖艶に微笑むと、足を大きく開いた。そして自分の秘所を見せつけるようにして指で広げる。
「早く……入れて?」
「……ああ」
俺は息を荒くしながら答えると、自分のモノを取り出して、ミウの割れ目に擦り付けたのだった。
俺はため息をついた。あの後、ミウはやたらとベタベタしてくるし、周りの視線が痛いしで大変だったのだ。結局解放されたのは祭りも終わった夜になってからだった。宿に戻ってくるとぐったりしてしまい、ベッドに倒れ込むようにして横になる。
(どうしてこうなった)
俺が考え込んでいると、ミウが部屋に入ってきた。
「エラン~♡」
甘えるような声を出して抱きついてくる。俺は慌てて引き剥がそうとするが、ミウは離してくれない。それどころかさらに強く抱きしめてきた。
「ちょ、ちょっと……」
俺が戸惑っているとミウは耳元に口を近づけて囁いてくる。
「エラン♡今日は楽しかったね?」
「……」
「みんな驚いてたよ?あの勇者エランがこの街で恋人と慎ましく暮らしてるなんてさ?ふふ、きっとみんな想像もしなかっただろうな~」
ミウは楽しそうに笑いながら言う。俺はため息をつくと、諦めてされるがままになることにした。
「あ、エラン~?何その反応。俺、傷ついちゃうなあ~」
「いや、お前が無理やりさせたんだろ?」
俺が言うとミウは拗ねたような顔になる。
「えー?でも、エランだってあんなにノリノリだったじゃん?」
「そ、それは……」
俺が言い淀んでいると、ミウがじっと見てくる。その瞳に見つめられると何故か逆らえないような気持ちになってしまうのだ。結局、俺は素直に認めることにした。
「まあ、その、楽しかったよ。みんな喜んでくれて、平和になったんだって、改めて感じられたし、それに…」
ミウはまだじーっと俺を見つめてくる。踊り子の露出の高い衣装と赤い口紅のせいか、いつもより蠱惑的で、見てるとドキドキしてしまう。
(落ち着け、落ち着いてくれ、俺の息子よ…!)
「…綺麗だったよ、ミウ」
「え?」
ミウが驚いたように目を見開く。そして頰を赤く染めるともじもじし始めた。
(やばい、可愛い……)
俺は思わず抱きしめたくなる衝動に駆られるが必死に抑え込む。代わりに頭を優しく撫でると、ミウは気持ち良さそうに目を細めた。耳が現れ尻尾をパタパタさせているので喜んでくれているのだろう。俺はホッとすると話を続ける。
「その衣装も似合ってた」
「……ほんと?」
ミウが上目遣いで見つめてくるのでドキッとする。
「ああ。誰よりも綺麗だよ」
俺が言うと、ミウは嬉しそうに微笑んだ。
「ありがとう、エラン。嬉しいよ…?」
ぎゅっと抱きついてきて、また軽くキスをする。
「お前こんなにキス魔だったか?」
「むぅ♡俺しょっちゅうしてたよ?何ならエランだって毎晩俺のこと抱いて寝てたじゃん」
「そ、それはお前が狐の姿で暖かったから…」
何なら雪山とか首に巻いてたよな?
「もう今の俺、狐じゃないもん」
ミウが頰を膨らませる。そういう仕草がいちいち可愛いのだ。
「まあ、俺はどっちのミウも好きだけどな」
俺が言うとミウは照れたような顔になる。そして再び抱きついてきた。
「俺も好きだよ♡エランのこと大好き♡」
細い腰を抱きとめると、ミウがうるうるした瞳で見つめてくる。
「ねえ、エラン……しよ…?」
俺はゴクリと唾を飲み込むと、ゆっくりと顔を近づける。ミウは受け入れるように目を閉じた。唇を重ねる。
(やばい、止まらない……)
「んちゅ♡んぅ♡」
舌を絡めて激しく求め合う。俺の方がケモノみたいに、ミウの口の中を蹂躙していく。ミウも必死に答えようと舌を動かしていた。
「ぷはぁ♡」
唇を離すと唾液が糸を引く。ミウは蕩けた表情を浮かべていた。頰は紅潮して、息も荒い。
「エラン、いっぱい愛して欲しいの…?一生かけてエランに尽くした俺に、ご褒美ちょうだい……?」
ミウが耳元で囁いてくる。俺は小さくため息をつくと、ミウの身体を抱き上げる。
「上に乗るか?それとも、俺がするのと、どちらがいい?狐の頃は、よく俺の上に乗ってたよなぁ」
俺が言うと、ミウは妖艶な笑みを浮かべた。そして俺の耳元で囁く。
「エランのお好きなように……♡」
「じゃあ、こっちだな」
俺は息をつくとミウをベッドに押し倒す。そのまま覆い被さると首筋に噛み付いた。
「んぅ♡」
「好き放題人前でイタズラしやがって。御仕置きしないとな?」
「うん♡いっぱいシて?」
ミウが甘えたような声で言ってくる。俺はニヤリと笑うと、ミウの身体中を舐め回し始めた。胸から脇の下まで舌で丁寧に愛撫する。時折牙を立てたり吸い付いたりすると、ミウは気持ちよさそうな声を上げた。
「ひゃうっ!あふっ!ひぅん♡」
「可愛いよ、ミウ」
俺が呟くと、ミウは嬉しそうな顔になる。
「嬉しい。俺、エランに愛されたくて人にしてもらったんだもの…」
健気すぎて可愛すぎるだろう!俺は一気に息子がかたくなるのを感じる。
「お前、本当に…」
「だって、俺が一番エランのそばに居たんだよ?エランが小さい頃からずっと一緒で、あの村でも、旅に出た時も、ずっとずっとついて行った」
ミウは目をうるうるさせながら見つめてくる。
「毎晩一緒に寝てたのに、エランが他の人間たちと過ごすようになって、本当に寂しかった。俺が人間だったらって、何万回思ったことか……」
ミウの目尻から涙がこぼれ落ちる。
「でも、今は違うもんね……?俺は狐じゃなくて人間になれた。ずっとエランのそばに居られる…」
「ミウ…」
「ねえ、俺ってエランの特別だよね?俺のこと、誰よりも好き?」
「……ああ」
俺が頷くとミウはぱあっと顔を明るくさせた。
「ね?エラン…」
ミウは妖艶に微笑むと、足を大きく開いた。そして自分の秘所を見せつけるようにして指で広げる。
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