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第二章ー同棲ー
氷の騎士
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「あ!ほら!あれ!カルザイン様じゃない!?」
「あ、本当だわ!」
「………」
そのご令嬢達の視線の先を探すと、すぐに見付ける事ができた。
隣国で一度だけ、魔獣と対峙しているエディオルさんを見た事がある。素人目線だけど、とても綺麗な動きをするな─と思った事を覚えている。
ーやっぱり…好きだなぁー
どんなに沢山の騎士が居ても、スッとエディオルさんだけが視界に入り込む。
ボーッと見ていると
「あら?あなた…何処の方かしら?」
と、ふいに声を掛けられた。
“何処の方”─とは、おそらく、家名や爵位を指すのだろう。王城に住んでいた頃に、よく投げ掛けられた言葉だ。
「あまり…見ない顔ね?子爵…男爵の方かしら?」
クスクスと、良い意味ではない笑い方をしながら、私に視線を向ける。
「ふふっ。何も言えないの?ねえ?あなた、来る場所を間違ったのではなくて?ここには、あなたみたいな子を相手にするような騎士は居ないわよ。」
綺麗な顔をして綺麗な服を着て、身分も申し分無いんだろうけど、この性格ではなぁ…何て呑気に考えていると
ーひいぃぃ──っ!!ー
横に居たルナさんから、一気に威圧?殺気が膨れ上がった。バッとルナさんを見ると─今迄見たこともない程の…綺麗な綺麗な笑顔を…していた。
目の前に居るご令嬢達は、そんな殺気にも気付く事なく、つらつらとまだ何か言っている─けど、ルナさんの殺気が怖過ぎで、正直、全く耳に入って来ない。
「えっと…ルナさん?あの、落ち着いてね?私、何とも思ってないですからね?」
ルナさんを落ち着かせようと、コソッとルナさんに話し掛けたのが─また、そのご令嬢達には気に喰わなかったようで
「ちょっと!あなた!私の話を聞いているの!?」
パンッ
「──えっ!?」
手に持っていたバスケットを叩かれ、後ろへと飛んで行ってしまった。
ーマジですか!?ー
騎士団への差し入れ分は大量だったから、門番の人達に頼んで直接騎士団の離宮に持って行ってもらったけど…。
「どうしよう…」
エディオルさん個人への差し入れが…
「──ふふっ……」
ーあ、ヤバいー
と思ってルナさんを見ると、目が据わっていた。
人は、怒りを通り過ぎると笑ってしまうんだ─と、学習する。
ーえ?私、どうしたら良い?いやいや、ルナさんを止める!一択だよね!?ー
ルナさんの手をギュッと握って
「ルナさん、落ち着きましょう!私は全然気にしても困ってもないですから!何なら、ある意味凄いなーなんて思ってる位ですから!」
キッパリハッキリと言うと、ルナさんは目をパチクリッと瞬いた後、スッと殺気を収めて
「ハル様、すみませんでした。つい─カッとなってしまって…」
「あー…でも、その気持ちは嬉しかったので…。ありがとうございます。」
と、素直にお礼を言う。
「でも…折角の差し入れが…」
バスケットから、食べ物が飛び出してはいないけど、ぐちゃぐちゃには…なってるよね?仕方無いか…これは自分で食べて、エディオルさんにはまた今度作って─と考えながらバスケットを拾うと
「ふんっ!そんな物、早く拾って、さっさと持って帰りなさい!」
ーはぁ─本当に…性格の悪い人だなぁー
「ルナさん、ここに居ても、他の人に迷惑が掛かるかもしれないから、ベラ──次の場所に移動しま─」
「何を騒いでいる?」
もういいか─と、ベラトリス様の所に行こうとした時、声が掛かった。
ーあ、この声って…ー
「オーブリー様!」
やっぱり。
「あぁ、訓練はもう終わりましたの?でしたら、こちらを─」
「いや、まだ終わっていない。ここがやたら騒がしくて…様子を見に来ただけなのだが──」
と、そこで、オーブリー様が初めて私に気付いたようで、軽く目を見開いた。そして、私は取り敢えず、軽くペコリと頭を下げた。
「オーブリー様、申し訳ありません。そこの…娘が、どうやらここに迷い込んでしまったようで。帰り道を教えてあげていましたの。」
と、そのご令嬢は困ったように微笑みながら、シレッとそんな事を口にする。
ーえ─凄いなぁ…何だろう?エレノアさんが、可愛く思えて来たー
「迷い…込んで?」
「えぇ。だって、彼女は…平民の方…でしょう?ここに来る必要なんて、ありませんわよね?」
ふふっ─と、微笑みながら、そのご令嬢がオーブリー様の腕に触れる。
「必要ね…」
オーブリー様はポツリと言った後、バッと後ろを振り返って
「エディオル様!少しよろしいですか?」
と、大きな声を出してエディオルさんを呼んだ。
ーえっ!?ここで、エディオルさんを呼んじゃうの!?ー
ギョッとビックリした私とは違い、オーブリー様とルナさんは愉快そうな笑みを湛えている。そして、ご令嬢方は…困惑しながらも、何となく嬉しそうな顔をしている。
ーえ?どうしたら良い?この差し入れは、渡せないよ??ー
1人ワチャワチャしているうちに、エディオルさんはあっと言う間にこっちまでやって来た。
「オーブリー殿、どうかしたのか?それに…この騒ぎは何だ?」
と、そこには、1ミリもニコリともしない─5年前によく目にしていた冷たい顔をしたエディオルさんが居た。
「あ、本当だわ!」
「………」
そのご令嬢達の視線の先を探すと、すぐに見付ける事ができた。
隣国で一度だけ、魔獣と対峙しているエディオルさんを見た事がある。素人目線だけど、とても綺麗な動きをするな─と思った事を覚えている。
ーやっぱり…好きだなぁー
どんなに沢山の騎士が居ても、スッとエディオルさんだけが視界に入り込む。
ボーッと見ていると
「あら?あなた…何処の方かしら?」
と、ふいに声を掛けられた。
“何処の方”─とは、おそらく、家名や爵位を指すのだろう。王城に住んでいた頃に、よく投げ掛けられた言葉だ。
「あまり…見ない顔ね?子爵…男爵の方かしら?」
クスクスと、良い意味ではない笑い方をしながら、私に視線を向ける。
「ふふっ。何も言えないの?ねえ?あなた、来る場所を間違ったのではなくて?ここには、あなたみたいな子を相手にするような騎士は居ないわよ。」
綺麗な顔をして綺麗な服を着て、身分も申し分無いんだろうけど、この性格ではなぁ…何て呑気に考えていると
ーひいぃぃ──っ!!ー
横に居たルナさんから、一気に威圧?殺気が膨れ上がった。バッとルナさんを見ると─今迄見たこともない程の…綺麗な綺麗な笑顔を…していた。
目の前に居るご令嬢達は、そんな殺気にも気付く事なく、つらつらとまだ何か言っている─けど、ルナさんの殺気が怖過ぎで、正直、全く耳に入って来ない。
「えっと…ルナさん?あの、落ち着いてね?私、何とも思ってないですからね?」
ルナさんを落ち着かせようと、コソッとルナさんに話し掛けたのが─また、そのご令嬢達には気に喰わなかったようで
「ちょっと!あなた!私の話を聞いているの!?」
パンッ
「──えっ!?」
手に持っていたバスケットを叩かれ、後ろへと飛んで行ってしまった。
ーマジですか!?ー
騎士団への差し入れ分は大量だったから、門番の人達に頼んで直接騎士団の離宮に持って行ってもらったけど…。
「どうしよう…」
エディオルさん個人への差し入れが…
「──ふふっ……」
ーあ、ヤバいー
と思ってルナさんを見ると、目が据わっていた。
人は、怒りを通り過ぎると笑ってしまうんだ─と、学習する。
ーえ?私、どうしたら良い?いやいや、ルナさんを止める!一択だよね!?ー
ルナさんの手をギュッと握って
「ルナさん、落ち着きましょう!私は全然気にしても困ってもないですから!何なら、ある意味凄いなーなんて思ってる位ですから!」
キッパリハッキリと言うと、ルナさんは目をパチクリッと瞬いた後、スッと殺気を収めて
「ハル様、すみませんでした。つい─カッとなってしまって…」
「あー…でも、その気持ちは嬉しかったので…。ありがとうございます。」
と、素直にお礼を言う。
「でも…折角の差し入れが…」
バスケットから、食べ物が飛び出してはいないけど、ぐちゃぐちゃには…なってるよね?仕方無いか…これは自分で食べて、エディオルさんにはまた今度作って─と考えながらバスケットを拾うと
「ふんっ!そんな物、早く拾って、さっさと持って帰りなさい!」
ーはぁ─本当に…性格の悪い人だなぁー
「ルナさん、ここに居ても、他の人に迷惑が掛かるかもしれないから、ベラ──次の場所に移動しま─」
「何を騒いでいる?」
もういいか─と、ベラトリス様の所に行こうとした時、声が掛かった。
ーあ、この声って…ー
「オーブリー様!」
やっぱり。
「あぁ、訓練はもう終わりましたの?でしたら、こちらを─」
「いや、まだ終わっていない。ここがやたら騒がしくて…様子を見に来ただけなのだが──」
と、そこで、オーブリー様が初めて私に気付いたようで、軽く目を見開いた。そして、私は取り敢えず、軽くペコリと頭を下げた。
「オーブリー様、申し訳ありません。そこの…娘が、どうやらここに迷い込んでしまったようで。帰り道を教えてあげていましたの。」
と、そのご令嬢は困ったように微笑みながら、シレッとそんな事を口にする。
ーえ─凄いなぁ…何だろう?エレノアさんが、可愛く思えて来たー
「迷い…込んで?」
「えぇ。だって、彼女は…平民の方…でしょう?ここに来る必要なんて、ありませんわよね?」
ふふっ─と、微笑みながら、そのご令嬢がオーブリー様の腕に触れる。
「必要ね…」
オーブリー様はポツリと言った後、バッと後ろを振り返って
「エディオル様!少しよろしいですか?」
と、大きな声を出してエディオルさんを呼んだ。
ーえっ!?ここで、エディオルさんを呼んじゃうの!?ー
ギョッとビックリした私とは違い、オーブリー様とルナさんは愉快そうな笑みを湛えている。そして、ご令嬢方は…困惑しながらも、何となく嬉しそうな顔をしている。
ーえ?どうしたら良い?この差し入れは、渡せないよ??ー
1人ワチャワチャしているうちに、エディオルさんはあっと言う間にこっちまでやって来た。
「オーブリー殿、どうかしたのか?それに…この騒ぎは何だ?」
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