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王都でのリナティア
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❋本日、2話目の投稿になります。宜しくお願いします❋
『大きい……水玉………』
今日も、白狼姿で魔法の練習をしています。
リナティアさん達が王都へと帰ってから1ヶ月が経ちました。その1ヶ月で、ようやく………大きい水玉を作る事ができました。ピンポン玉位のモノから、大人が1人入れる位の大きな水玉。
バシャンッ
『ひゃぁ──っ!』
少し気を緩めると、その大きな水玉が形を崩して私の体に落ちて来た。ビチョビチョです。
「あらあら、大丈夫?」
と、アシーナさんが笑いながら私に温かい風を掛けて、体を乾かしてくれた。
『半年経ってもコレとは……私、やっぱり魔法の才能無いかもですよね………』
もう、耳も尻尾もだだ下がりだ。
“魔法が使える!?”と、喜んでいた自分が懐かしい。
「前にも言ったけど、もともと魔力なんて持っていなかった体に、一瞬にして魔力が流れ出した事と、後は……その姿のせいで魔力の流れが不安定になっているかもしれないわね。白狼に関しては、水の精霊にしかどうする事もできないしね…」
ー水の精霊さん。早く…私に会いに来てくれませんか!?ー
何て言う願いも虚しく更に1ヶ月が過ぎた頃、王都からまた手紙が届いた。
『王都に……リナティアさんに会いに行くんですか?』
「ええ。アリスタ公爵家─私の実家に行くわ。それで、ルーナも一緒に来てくれるかしら?」
「え?私も……ですか?」
「詳しい事は後で説明するけど、リナがね…。ルーナに会いたいって言っているらしいの」
と、アシーナさんは少し困ったような怒っているような顔で、今のリナティアさんの状況を説明してくれた。
******
リナティアさんの婚約者─アデルバート=オーディアス。
この国の王太子。もともとリナティアさんとは幼馴染みで仲が良く、身分も釣り合うと言う事で、特に問題も無く2人の婚約が調ったそうだ。
婚約者になった後は、2人共に王妃教育や帝王学にと切磋琢磨しながら頑張っていた。
1年先に王太子が学園に入園すると、2人が会える時間は減ってしまったが、それでも王太子は時間があればリナティアさんをお茶に誘ったりと、週に一度は必ず会っていたそうだ。
その1年後、リナティアさんが学園に入園すると、2人は同じ生徒会の役員になり、また一緒に過ごす時間が増え、リナティアさんは『王妃教育や生徒会で大変だけど、バートと一緒に居られるのが嬉しい。』と、よく兄であるリュークレインさんに話をしていたそうだ。
それが、少しずつ変わって来たのが、王太子が3年生、リナティアさんが2年生になってからだった。
リナティアさんと同じ学年に、とある伯爵令嬢が転入生としてやって来た。
ロゼリア=アークルハイン
1年の時は、他国に留学していたらしく、1年遅れて入学して来たらしい。留学していたと言う事もあり非常に優秀らしく、先生の薦めもあり生徒会役員になった。
すると……一気に王太子とロゼリアの距離が縮まったそうだ。
いつも、王太子の隣で補佐をしていたリナティアさんの場所には、気が付けばロゼリアが居るようになった。
週に一度はお茶をしていたのが、2週間に一度になり、それもたまにキャンセルになる事も増えた。
そうして、兄であるリュークレインさんが、叔母であるアシーナさんに相談されて気が付いた時には、リナティアさんは王太子の事を“バート”ではなく、“殿下”と、呼ぶようになっていたそうだ。
それが、私と出会う迄の話。
寝ていた時『殿下』と言いながら泣いていたリナティアさんを思い出す。
ー何?幼馴染みって、クズしかいないの?ー
────コホン
思わず…王太子相手に素になってしまった……。
そして、リナティアさん達が王都に戻って、学園生活が始まると、更に2人の関係が悪化したそうだ。
と言うのも、その3人を取り巻く人間がガラリと変貌したのだ。ある貴族子息が、王太子とリナティアさんの婚約は破棄されると噂し、ロゼリアを優遇し始めた。その貴族子息がそこそこの身分の者だったらしく、それに追随する者が増えて行ったと言う。
勿論、そんな噂に惑わされず、リナティアさんに寄り添う令嬢や子息だって居る。居るが、王太子が何も言わない為、学園では今では何とも言えない雰囲気が漂っているらしい。
学園内でよく見られるようになった、王太子とロゼリアの2人の姿。そんな日々を送っていたリナティアさん。
その日も、リナティアさんはいつも通りに登校した。
それが───
“リナティア様が倒れました”
と、兄であるリュークレインさんの勤める第二騎士団副団長の執務室に連絡が入ったのは、その日のお昼過ぎだった。
その連絡に驚いたリュークレインさん。たまたま室内に第一と第二騎士団長も居て、邸に戻ってやれと言ってくれた為、その言葉をありがたく受け取り、リュークレインさんはすぐに邸に戻った。
それから、更に驚いた事に、邸に帰って話を聞くと、今回、倒れたリナティアさんを助けたのは──
国王陛下直属の配下である“影”だったのだ。
『大きい……水玉………』
今日も、白狼姿で魔法の練習をしています。
リナティアさん達が王都へと帰ってから1ヶ月が経ちました。その1ヶ月で、ようやく………大きい水玉を作る事ができました。ピンポン玉位のモノから、大人が1人入れる位の大きな水玉。
バシャンッ
『ひゃぁ──っ!』
少し気を緩めると、その大きな水玉が形を崩して私の体に落ちて来た。ビチョビチョです。
「あらあら、大丈夫?」
と、アシーナさんが笑いながら私に温かい風を掛けて、体を乾かしてくれた。
『半年経ってもコレとは……私、やっぱり魔法の才能無いかもですよね………』
もう、耳も尻尾もだだ下がりだ。
“魔法が使える!?”と、喜んでいた自分が懐かしい。
「前にも言ったけど、もともと魔力なんて持っていなかった体に、一瞬にして魔力が流れ出した事と、後は……その姿のせいで魔力の流れが不安定になっているかもしれないわね。白狼に関しては、水の精霊にしかどうする事もできないしね…」
ー水の精霊さん。早く…私に会いに来てくれませんか!?ー
何て言う願いも虚しく更に1ヶ月が過ぎた頃、王都からまた手紙が届いた。
『王都に……リナティアさんに会いに行くんですか?』
「ええ。アリスタ公爵家─私の実家に行くわ。それで、ルーナも一緒に来てくれるかしら?」
「え?私も……ですか?」
「詳しい事は後で説明するけど、リナがね…。ルーナに会いたいって言っているらしいの」
と、アシーナさんは少し困ったような怒っているような顔で、今のリナティアさんの状況を説明してくれた。
******
リナティアさんの婚約者─アデルバート=オーディアス。
この国の王太子。もともとリナティアさんとは幼馴染みで仲が良く、身分も釣り合うと言う事で、特に問題も無く2人の婚約が調ったそうだ。
婚約者になった後は、2人共に王妃教育や帝王学にと切磋琢磨しながら頑張っていた。
1年先に王太子が学園に入園すると、2人が会える時間は減ってしまったが、それでも王太子は時間があればリナティアさんをお茶に誘ったりと、週に一度は必ず会っていたそうだ。
その1年後、リナティアさんが学園に入園すると、2人は同じ生徒会の役員になり、また一緒に過ごす時間が増え、リナティアさんは『王妃教育や生徒会で大変だけど、バートと一緒に居られるのが嬉しい。』と、よく兄であるリュークレインさんに話をしていたそうだ。
それが、少しずつ変わって来たのが、王太子が3年生、リナティアさんが2年生になってからだった。
リナティアさんと同じ学年に、とある伯爵令嬢が転入生としてやって来た。
ロゼリア=アークルハイン
1年の時は、他国に留学していたらしく、1年遅れて入学して来たらしい。留学していたと言う事もあり非常に優秀らしく、先生の薦めもあり生徒会役員になった。
すると……一気に王太子とロゼリアの距離が縮まったそうだ。
いつも、王太子の隣で補佐をしていたリナティアさんの場所には、気が付けばロゼリアが居るようになった。
週に一度はお茶をしていたのが、2週間に一度になり、それもたまにキャンセルになる事も増えた。
そうして、兄であるリュークレインさんが、叔母であるアシーナさんに相談されて気が付いた時には、リナティアさんは王太子の事を“バート”ではなく、“殿下”と、呼ぶようになっていたそうだ。
それが、私と出会う迄の話。
寝ていた時『殿下』と言いながら泣いていたリナティアさんを思い出す。
ー何?幼馴染みって、クズしかいないの?ー
────コホン
思わず…王太子相手に素になってしまった……。
そして、リナティアさん達が王都に戻って、学園生活が始まると、更に2人の関係が悪化したそうだ。
と言うのも、その3人を取り巻く人間がガラリと変貌したのだ。ある貴族子息が、王太子とリナティアさんの婚約は破棄されると噂し、ロゼリアを優遇し始めた。その貴族子息がそこそこの身分の者だったらしく、それに追随する者が増えて行ったと言う。
勿論、そんな噂に惑わされず、リナティアさんに寄り添う令嬢や子息だって居る。居るが、王太子が何も言わない為、学園では今では何とも言えない雰囲気が漂っているらしい。
学園内でよく見られるようになった、王太子とロゼリアの2人の姿。そんな日々を送っていたリナティアさん。
その日も、リナティアさんはいつも通りに登校した。
それが───
“リナティア様が倒れました”
と、兄であるリュークレインさんの勤める第二騎士団副団長の執務室に連絡が入ったのは、その日のお昼過ぎだった。
その連絡に驚いたリュークレインさん。たまたま室内に第一と第二騎士団長も居て、邸に戻ってやれと言ってくれた為、その言葉をありがたく受け取り、リュークレインさんはすぐに邸に戻った。
それから、更に驚いた事に、邸に帰って話を聞くと、今回、倒れたリナティアさんを助けたのは──
国王陛下直属の配下である“影”だったのだ。
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