召喚から外れたら、もふもふになりました?

みん

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招かれざる客

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❋お気に入り登録が900を超えたので、感謝の気持ちを込めまして、もう1話投稿しました。ありがとうございます。本日、2話目になります。❋
*.+゚★☆感d(≧▽≦)b謝☆★゚+.*











話し合いの結果、リナティアさんは学園を一週間休む事になった。その間、父親である公爵様が国王様と話しをしに行く事になったそうだ。

「婚約は解消になるかもしれない」

と言う父親の言葉に、リナティアさんはただ静かに頷いただけだった。


私は、そんなリナティアさんの希望により、学園を一週間休む間側に居る事になり、アリスタ邸でお世話になる事になった。
アシーナさんは、東の森の管理の事もあり、ずっと留守にする事はできない為、王都に来た日は邸に泊まったけど、翌日のお昼過ぎには転移の魔法陣で東の森の家へと帰って行った。




3日目。

この日は、朝早い時間に公爵様とリュークレインさんがお城に出勤?して行き、公爵夫人は前々から予定していたお茶会があるとの事で──

「リナを放って行けないわ!」

と、お茶会をキャンセルしようとした母親に

「約束は守らないといけないわ」

と、リナティアさんに言われ、公爵夫人は渋々ながらお茶会へと向かったのだった。
一つ言える事は、“リナティアさんは家族に愛されている”と言う事だ。

この日は、天気が良いと言う事で、ユラさんの提案で気分転換を兼ねて庭でお茶をする事になった。




『──────庭?』

これを…庭と言って良いんだろうか?
色とりどりの花が咲いていて、アーチ状になった通りの向こうにはガゼボがあって、大きな噴水もある。

『観光スポットになるよね?』

「走り回っても良いわよ」と、リナティアさんがクスクスと笑いながら紅茶を飲んでいる。なので、私は遠慮無く花を眺めたりアーチ状に続く通路を歩いたりしている。

ー日本には…無い花かなぁ?ー

鼻を近付けて香りを楽しむ。

ーあ、この花の香り好きかもー

その花の見た目と香りが気に入り、私はその花の元にコロンと寝転んだ。尻尾が自然とユラユラと揺れて──「「可愛い!」」と、リナティアさんとユラさんの声が微かに耳に届く。

ーあぁ…穏やかだなぁー

お昼を食べた後で、程良く?散歩して───眠い。この世界に来てから、よく寝るようになった。私は、幼犬?幼狼?なんだろうか?───と、眠りに落ちる寸前、邸の方からいくつかの声が聞こえて来た。何となく嫌な感じのする声と雰囲気に、一気に意識が浮上して、私はスっと立ち上がりリナティアさんの元へと駆け寄った。

「ルーナ、どうしたの?」

リナティアさんの座っている椅子の横に座り、顔と視線は嫌な声のする方に向ける。そんな私を撫でるリナティアさんが、私の向いている方に視線を向けて───

「───何………で………」

震えるようや声を出した。




「突然押し掛けて来てしまって、すみません」

「───いえ……気にしないで」

『………………』

今、私達の目の前には、ハーフアップの髪型をした、ピンクブロンドの髪にピンク色の瞳をした、ファンタジーな令嬢が居る。そう。この令嬢こそが─ロゼリア=アークルハインだ。

謝っているのに、謝っているようには見えない態度。困ったように眉は下がっているが、目は人を見下すかのような目をしてリナティアさんを見ている。

ーまるで、大森彩香みたいな人だなぁー

「学園で倒れて、そのまま休んでいると聞いて……その……様も、リナティア様の事をとても心配されていたので、私も気になって…ついつい、押し掛けて来てしまいました」

「そう……殿が…。アークルハイン様、ありがとうございます。念の為にと、今週一週間は学校を休みます─と、学校と王妃陛下にはお伝えしていたから、てっきり、殿下にも伝わっているかと思っていたわ」

「っ!そうなんですね!?それは…私は知らなくてっ…すみません!」

リナティアさんはニッコリ微笑むと、ロゼリアさんが慌てて泣きそうな顔で謝る。

ー何コレ?見ようによっては、リナティアさんがロゼリアさんを苛めているように見えるよね?ー

ふぅ─と、リナティアさんが軽く息を吐いた後

「まだ体が本調子ではないから、私は部屋に戻るわ。アークルハイン様、今日は来ていただいてありがとう。カーリー、アークルハイン様を送ってさしあげて?」

「承知しました。」

「アークルハイン様、先に失礼しますね」

と、リナティアさんはユラさんと共に邸へと戻って行った。

その、去って行くリナティアさんを見つめるロゼリアさんの顔は──何とも言えない…怒りのような嗤っているような顔をしている。

ーこの子、ちょっと怖い…ヤバくない?ー

と、距離をとろうと動き出した時

「──本当に、いつもスカして……ムカつく女ね……」

と、その時、目があった。

「ふんっ。あの女によく似合う…灰を被ったみたいな犬ね」

ーあ、これ、久し振りにヤバい!?ー

と思ったと同時に、お腹に衝撃が走る。

『────っ!?』
「──きゃあ─────っ!」
「アークルハイン様!?」

ドサッと、私の体が地面に落ちて衝撃を受ける。

ーお腹が……痛い………ー

息苦しくて、目の前が霞む。その霞む視線の先には、何故か右足を押さえて座り込んでいるロゼリアさん。そのロゼリアさんの横で「誰か来て!」と叫んでいるカーリーさん。

ー何が…起こった?ー

イマイチ状況が分からないまま、私の意識はそこで途絶えた。


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