召喚から外れたら、もふもふになりました?

みん

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真実は?

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❋本日は、2話投稿します❋





********


最後にやって来たのは……陽真が訓練をしている騎士団専用の訓練場。

カンカンッ─と、模擬刀の様な物で騎士と思われる人と陽真が打ち合っていた。

やっぱりチートだ。ただのサッカー部の男の子だったのに、あれ?剣道部だった?と訊きたくなる位、騎士さんと互角に打ち合っている。見た目だけなら、ここに女子高生が居たらキャーキャーと煩い事になっていただろう。否、おそらく、この世界ででもモテるだろう。容姿は良いからね。

“陽真が杏子わたしを探している”

ー探さなくて良いのにー

私は、ずっと陽真と離れたかったのだ。大学では離れられると信じて疑いもしなかったのに───

『異世界に来ても一緒って………もう、これは一種の呪いだよね?ウンディーネ様の加護で、何とか………ならないよね…ははっ……』

知らず知らずのうちに、乾いた笑いが零れた。






*王太子の執務室にて*
(執務室に結界を張って、杏子の姿になっています)



「それで?これからどうするか……決められたかしら?」

4人の様子を見た後、私はカミリア王女とリュークレインさんと共に、カミリア王女─王太子の執務室へとやって来た。すると、そこにはアシーナさんが居た。

「詳しくは後で話しますけど……えっと……樹君と美緒さんの2人とは、時間ができれば直ぐにでも会って話をしたいと思っています。陽真と彩香さんについては……まだ直接会いたいとは思いません。でも、特に陽真ですが、いつまでも逃げてるわけにもいかないし、探されたり追われたりするのも嫌なので、そう遠くないうちには……ちゃんと話をつけるつもりです」

「分かったわ。それじゃあ、その事を国王陛下に報告をして、魔導士団長に話をつけて来るわ」

「はい。宜しくお願いします」

「ところで……2年ぶりに見て…どうだった?」

「どう───それが…意外と、客観的に見る事ができた感じですね。2年ぶりに会った事と、私との間に2年の年の差がついたから…かな?4人が幼く見えたと言うか……。あの4人と時間軸がズレて落ちて来た事を、今は良かったなって思います」

ふふっ─と笑うと



『それなら良かったわ』


どこからともなく、聞き覚えのある声が響く。



『少し話を──しましょうか?』


と、青い光を輝かせて、ウンディーネ様が姿を表した。






水の精霊であるウンディーネ様は、時折、その水の流れの中に未来が視える事があると言う。

ある日、水の流れの中で視えたのが私─杏子だった。視た瞬間、この娘と魔力の波長が合って心地よく、今はまだには居ないが、近々来るだろうと言う事が分かり、それからは、時折水の流れを覗いては私の事を視ていたそうだ。


お陰で、私の置かれている状況も全て把握済みだった。


そうして、そろそろこの国で召喚が行われるであろうその日に、目にしたのが───彩香による私へのだった。

『水の精霊である私でも、魔法陣から外れた者がどうなるのかなんて分からないから、ここに来る前に加護を与えたの。それでも、あの子達とは時間軸がズレてしまったけど……それも、キョウコにとっては、良かったのかもしれないわね?』

ーいやいや!それ、本当に、ウンディーネ様には感謝しかないよね!?ー

その加護がなかったら、本当にどうなっていたか分からなかったって事ですよね!?


『魔導士となった2人は、キョウコには何をした訳でもないから良いけど……問題は他の2人ね?』

ふふ─と、目を細めて微笑むウンディーネ様───が怖いのは……気のせいだろうか?

「あれ?でも、以前、他の4人の事を訊いた時は…知らないと言ってましたよね?」

『あれは、キョウコにはあの4人の事を気にせずに過ごして欲しかったからよ。“後1年位でやって来る”なんて分かっていたら、気になって過ごせないでしょう?特に、のせいで、キョウコが病む必要なんて……ないてしょう?だから、あの時は“知らない”と言ったのよ』

確かに。後1年位でやって来る─なんて知ってたら……今みたいに客観的にあの4人を見る事ができなかったかもしれない。

「そうだったんですね。確かに、この2年で色々落ち着きました。ありがとうございます」

ー後は、私が自分自身でしっかり終わらせないとねー

これからの事を考えようとしたところで、アシーナさんが口を開いた。

「ウンディーネ様。“聖女”となる者には、何か条件があったりしないのですか?」

『何故そんな事を?』

「国内に置ける聖女達は、レベルは確かに低いですが、それでも皆純粋に国の為、人の為にと頑張る者達です。ですが……サヤカは………」

そこ迄言って口篭る。

そんなアシーナさんを、ウンディーネ様は愉しそうな笑顔で見てから─

『この国の者であろうが、異世界人であろうが、条件は同じよ。それに適正があるかどうかだけ。今回の4人もそう。それぞれがそれぞれに合ったモノになっただけ。ただし──なったで、それからの事は。自らの行いは、必ず自分にわ。その事を……がちゃんと理解していると良いのだけどね?』

そう言うと、ウンディーネ様は更に微笑み、アシーナさんは一瞬目を見開いた後、納得?したように頷いた後微笑んだ。




ー微笑んでいるのに圧があるのは………気のせいですか?ー



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